1/11ページ
カタログの表紙 カタログの表紙 カタログの表紙
カタログの表紙

このカタログをダウンロードして
すべてを見る

ダウンロード(1.2Mb)

半導体基礎知識 Part2 ~ダイオードの基礎~

ハンドブック

ダイオードの基礎、おさらいしてみませんか?

本資料は、ダイオードの基本構造や動作原理について、図解を交えてわかりやすく解説した入門向けコンテンツです。
「n型・p型半導体の仕組み」「ダイオードの整流作用」「ダイオードの静特性・動特性」など、ダイオードの基礎を学ぶ方に最適です。
また、ダイオードの分離や使い分けなどにも触れており、電源設計や回路設計に関わる技術者の教育資料としても活用いただけます。
新電元工業が提供する、電力制御技術の基礎を学ぶ第一歩としてぜひご活用ください。
FRD編やSBD編など、続編も順次公開していく予定です。

このカタログについて

ドキュメント名 半導体基礎知識 Part2 ~ダイオードの基礎~
ドキュメント種別 ハンドブック
ファイルサイズ 1.2Mb
取り扱い企業 新電元工業株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

この企業の関連カタログ

このカタログの内容

Page1

スライド番号 1

Basis of semiconductors 半導体の基礎知識 ~ ダイオードの基礎 ~
Page2

スライド番号 2

半導体の基礎知識 Part2 ~ダイオードの基礎~ 目次 1 半導体の中の電気の流れ 3 1-1 n型半導体の中の電気の流れ 1-2 p型半導体の中の電気の流れ 2 pn接合の原理 4 2-1 pn接合半導体に順方向に電圧をかけると・・・ 2-2 pn接合半導体に逆方向に電圧をかけると・・・ 3 整流作用と順方向特性 5 3-1 整流作用が基本原理 3-2 pn接合の順方向の特性 4 順バイアスと逆バイアス 6 4-1 順バイアス 4-2 逆バイアス 5 ダイオードの静特性 6 6 ダイオードの動特性 7 7 一般整流ダイオードという呼称 7 8 ダイオードの分類 8 9 いろいろなダイオード 9 10 ダイオードの使い分け 10 10-1 特性の比較 10-2 スイッチング電源回路での使い分け 2
Page3

スライド番号 3

1 半導体の中の電気の流れ 1-1 n型半導体の中の電気の流れ シリコンにリンなどを拡散して作るn型半導体は、自由電子という電子が余った状態になっています。 自由電子は負(マイナス)の電荷を持っているため、このn型半導体に電圧をかけると、自由電子は+極に引き寄 せられるように移動します。 このとき、電流の向きは電子の移動の向きとは逆になり、 +極から-極に向かって流れます。 n型半導体 自由電子 n型半導体の中の 自由電子の数は一定 電流 1-2 p型半導体の中の電気の流れ シリコンにホウ素などを混ぜて作るp型半導体は、電子が不足して空席(ホール)が余った状態です。 このp型半導体に電圧をかけると、電子は+極に引き寄せられて近くの空席(ホール)に移動していきます。 すると、電子の移動で出来た新たな空席(ホール)にとなりの電子が移動していきます。 実際に移動しているのは電子ですが、空席(ホール)が-極に向かって移動しているように見えます。 p型半導体 p型半導体の中の ホールの数は一定 空席(ホール) 電子 電子 空席 電子 電子 電子 電流 電子 電子 電子 空席 電子 電子 電子が近くにある空席(ホール)に移動すると・・・ 見かけ上、空席(ホール)が-極側に移動したように 見える 電子 電子 電子 電子 空席 電子 このように、p型半導体もn型半導体も電流を流すことができますが、金属ほど電流が流れやすいわけではない ので、ただ電流を流すだけなら半導体を使う必要はありません。 条件によって、電流を「流したり流さなかったりできる」ということが半導体の特長です。 その基本的な原理がpn接合による整流作用です。 3
Page4

スライド番号 4

2 pn接合の原理 2-1 pn接合半導体に順方向に電圧をかけると・・・ pn接合の半導体を、p型半導体が+極になるように電圧をかけると、空席(ホール)も電子(自由電子)も、接合面 に向かって移動していきます。 接合面(ジャンクション)で空席(ホール)と電子(自由電子)が出会うと、電子が空席(ホール)に飛び込み、打ち消 しあって両方が消滅します。すると、消滅した分の電子が新たにn型半導体に流入し、 p型半導体からは電子が流 出することで新たな空席(ホール)が発生します。これを繰り返して電流が流れ続けます。 接合面(ジャンクション) 飛び込む p型半導体 n型半導体 空席(ホール) 自由電子 消 滅 電子の流れ 電流の流れ 電子の流出 電子の流入 2-2 pn接合半導体に逆方向に電圧をかけると・・・ pn接合の半導体を、n型半導体が+極になるように電圧をかけると、空席(ホール)も電子(自由電子)も、お互い に遠ざかるように移動していきます。 すると、接合面(ジャンクション)で空席(ホール)と電子(自由電子)が出会うことが無くなり、電流は流れません。 接合面(ジャンクション)付近に空乏層という空席(ホール)も電子も存在しない領域ができます。 これが「耐圧」を生み出します。「耐圧」とは半導体が破壊されることなく耐えられる最大の電圧のことです。 接合面(ジャンクション) このあたりは空席(ホール)も電子も 存在しない領域 p型半導体 n型半導体 空乏層 自由電子 空席(ホール) 電流は流れない このようにpn接合の半導体には、かける電圧の向きによって電流を流したり、流さなかったりする「整流作用」があ ることが分かります。 4
Page5

スライド番号 5

3 整流作用と順方向特性 3-1 整流作用が基本原理 前述のようにp型半導体とn型半導体の接合部は、p型半導体からn型半導体の方向には電流を通し、 n型半導 体からp型半導体の方向には電流を通しません。 これをpn接合の「整流作用」といい、半導体製品の基本原理となります。 ダイオードはこの「整流作用」を利用しています。 pn接合は、 p型半導体とn型半導体を「くっつける」のではなく、1枚のシリコンウエハにp型半導体の領域とn型 半導体の領域を作りこむことによって形成します。 半導体の基本 「整流作用」 Anode (アノード) pからnには ギリシア語で上り口を意味する「Anodos」に由来。 電流を流す 外部回路から電流が流れ込む電極のこと。 外部回路へ電子が流れ出す電極とも言えます。 p n Kathode (カソード) Kathodeはドイツ語。英語ではCathodeと表記します。 nからpには ギリシア語で下り口を意味する「Cathodos」に由来。 電流を流さない 外部回路へ電流が流れ出す電極のこと。 外部回路から電子が流れ込む電極とも言えます。 Anode Kathode これが ダイオード 3-2 pn接合の順方向の特性 pn接合の半導体では、電圧を印加しなくても接合部では自然にわずかな空乏層ができてしまうので、順方向に 電流を流すために、まずこの空乏層を消すためのわずかな電圧をかける必要があります。 さらに電圧を掛けていくと電流は増えていきます。 この電流を流すためのわずかな電圧を順電圧または順方向電圧降下といい「VF」という記号で表します。 バイアスなし 順バイアス p (電圧印加なし) (電圧印加あり) 電子の流出 p p n p 電圧を印加していなくても、 電子の動き 接合部付近では電子が勝手 空乏層 n に空席(ホール)に飛び込ん n n でしまい、わずかに空乏層 ができてしまう。 電子の流入 5
Page6

スライド番号 6

4 順バイアスと逆バイアス 4-1 順バイアス 4-2 逆バイアス Anode(アノード)からKathode(カソード)に向 Kathode(カソード)からAnode(アノード)に向 かって順方向に電圧をかけると電流は流れます。 かって逆方向に電圧をかけても電流は流れません。 このとき、 A-K間には前述の通り空乏層を消す しかし、実際にはK-A間にはわずかに逆電流 IR ための順電圧 VFが発生します。 が流れてしまいます。 このVFによって電力損失が発生してしまいますの このIRによって電力損失が発生してしまいますの で、 VFは小さいのが理想です。 で、 IRは小さいのが理想です。 Anode 電流が流れる Kathode 電流は流れない p n VF IR n p 自由電子 Kathode VFによる Anode わずかな逆電流IR 電力損失が発生 が流れてしまう 5 ダイオードの静特性 ■ 順方向特性 ダイオードの順方向に順電流 IFを流したときに発生する、順電圧(順方向電圧降下) VFとの関係です。 理想は電圧降下による電力損失が無い「VF =0V」 ■ 逆方向特性 ダイオードに逆電圧 VRをかけたときに発生する逆電流 IRのとの関係です。 逆電流 IRが規定値以下である(≒流れない)ことを保証できる電圧(耐圧)をVRRMといいます。 理想は「VRRM =無限大」 順電流 損失=IF×VF IR Anode IF VF 順方向特性 I 損失=IR×V F R 逆電圧 V 順電圧 RRM Kathode Kathode V VF R IR IR 逆方向特性 IF Anode 逆電流 ブレークダウン VF 6
Page7

スライド番号 7

6 ダイオードの動特性 ダイオードに順電流 IFが流れている状態(順バイアス)から急に逆バイアスの状態になると、一瞬大きな逆電流が流 れてしまいます。 この電流を逆電流IRと区別してリカバリ電流といい、最大値をIRPといいます。 リカバリ電流が流れる時間・・・つまりリカバリ電流が実質的にゼロになるまでの時間を逆回復時間 trrといいます。 リカバリ電流はノイズや電力損失の原因になるので、逆回復時間 trr は小さいのが理想です。 逆回復時間 trr は、ダイオードの特性の中でも重要なパラメータの1つです。 順バイアス 逆バイアス 順バイアス 逆バイアス 急峻な 切り替え VF 時間 t 電圧 VR VF IF IRP VR I リカバリ電流 F 時間 t 電流 IR trr : 逆回復時間 IRP 7 一般整流ダイオードという呼称 もともとダイオードはすべてpn接合ダイオードでした。 しかし、pn接合ダイオードにはいくつかの欠点もあり、これを補うためにファストリカバリーダイオード(FRD)や ショットキーバリアダイオード(SBD)が生まれましたが、もともとあったpn接合ダイオードには特に呼び名がな かったため、一般整流ダイオードと呼び区別するようになりました。 英語でも「Rectifier Diode」と呼び、やはり特別な名称はありません。 一般整流ダイオード 高速化 ファストリカバリダイオード (pn接合) (pn接合) 低VF化 ショットキーバリアダイオード (ショットキー接合) 7
Page8

スライド番号 8

8 ダイオードの分類 ダイオードは、その材料や特性に着目した分類と、形状や内部の結線などに着目した分類ができます。 材料や特性に着目した場合、以下のように分類することができます。 【材料・構造・特性による分類】 ダイオード 整流用ダイオード 一般整流用ダイオード ファストリカバリダイオード (FRD) ショットキーバリアダイオード (SBD) ツェナーダイオード 定電圧ダイオード サージ吸収ダイオード (TVS) ダイオードの形状は用途や機能などによって様々ですが、リードタイプと面実装タイプに大別できます。 また、内部結線の特長により分類される代表的なものにブリッジダイオードがあります。 【形状による分類】 【内部結線による分類】 ダイオード 面実装タイプ(SMD) ダイオード ディスクリート ブリッジダイオード リードタイプ (THD) パワーモジュール ■ 面実装タイプ (SMD:Surface Mounting Device) プリント基板の表面に直接はんだ付けするタイプのダイオードのことです。 基板に穴を開ける必要がなく、部品を小型化・高密度化できるため、多くの電子機器に使われています。 ■ リードタイプ (THD:Through Hole Device) 本体から伸びている金属のピン(リード)を、基板に直接挿し込んで配線するタイプのダイオードです。 ■ ディスクリート 半導体製品の部品となる、トランジスタ、ダイオード、サイリスタなど単機能の素子の総称です。 ■ パワーモジュール トランジスタ、ダイオード、サイリスタなどの複数のパワー半導体を組み合わせ、電源回路を集積した部品です。 新電元ではダイオードを4つないし6つ搭載したパワーモジュールもラインナップしています。 8
Page9

スライド番号 9

9 いろいろなダイオード 一般整流ダイオード ファストリカバリダイオード(FRD) シリコンのpn接合を用いたダイオードで、主に商 pn接合ダイオード(一般整流ダイオード)を高速化 用周波数の交流(50/60Hz)を整流することを意 したダイオードです。逆回復時間 trr が短く、スイッ 図して作られたものです。 チング電源などの高周波回路に適しています。 Anode Anode p型半導体 IF 時間 t pn接合 n型半導体 電流 trr : 逆回復時間 Kathode Kathode ショットキーバリアダイオード(SBD) ツェナーダイオード 金属とn型半導体のショットキー接合を用いたダイ 逆電圧がある電圧を超えるとブレークダウンする オードです。pn接合よりも順電圧 VF が小さいた ダイオードの特性を利用して、定電圧回路の構成や め、順方向損失を大幅に低減することができます。 サージ電圧の吸収に利用されるものです。 Anode Kathode 電流 金属 n型半導体 ショットキー pn接合 接合 n型半導体 p型半導体 カソード→アノードの Kathode Anode 向きに電流を流します ブリッジダイオード・パワーモジュール ① ダイオードの特性ではなく内部結線の特長により分 類される代表的なものにブリッジダイオードやパワー ② モジュールがあります。 ③ ① 一般的に商用電源の全波整流に用いられることが多 ② いため、内蔵されるダイオードは一般整流ダイオード ③ ④ ④ がほとんどですが、スイッチング電源の二次側の整流 などに用いるためにショットキーバリアダイオードを 内蔵したものもあります。また、三相交流の整流に用 ・ブリッジダイオードの例 交流を全波整流して直流にするために必要な4本 いるためにダイオードを6個内蔵したものもあります。 のダイオードを1つのパッケージに搭載してブリッ ジ接続にしてある。 9
Page10

スライド番号 10

10 ダイオードの使い分け 10-1 特性の比較 ファストリカバリダイオード ショットキーバリアダイオード 一般整流ダイオード (FRD) (SBD) 高耐圧 高耐圧 低耐圧 耐圧 VRM (600V,800V,1000Vなど) (600V,800V,1000Vなど) (~200V程度) 順電圧 VF 1V程度 1.3V~3.6V程度 0.3~0.9V程度 逆電流 IR 数uA~数十uAと非常に小さい 数uA~数十uAと非常に小さい ~数mA 逆回復時間 trr 10uS前後と非常に大きい 数十nS~100nS程度 trrは無い 商用周波の整流 高圧のスイッチング回路(PFC) スイッチング電源の二次側整流 用途 逆接続からの保護など の整流など バッテリーの逆流防止など 10-2 スイッチング電源回路での使い分け ハーフブリッジ電流共振型のスイッチング電源回路を例にして、ダイオードの使い分けを見てみましょう。 スイッチング電源の整流は高周波 ブリッジダイオードは商用周波 PFC(アクティブフィルタ)は高 なので高圧ならファストリカバリ 数の交流を整流するので、 電圧かつ高周波なのでファスト ダイオード、低圧ならショットキー 一般整流ダイオードを使います。 リカバリダイオードを使います。 バリアダイオードを使います。 Vout Vin PFC回路 スイッチング回路 trr trr 電流波形 電流波形 10mS 10uS trr は10usくらいあっても trr が10usもあったら使い物に 無視できるレベル。 ならない。 10
Page11

スライド番号 11

Basis of semiconductors 半導体の基礎知識 Shindengen Electric Manufacturing Co., Ltd. 11