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MG031シリーズ 実装ガイド|高信頼性を実現する設計・実装ノウハウ
本資料は、新電元工業製パワーモジュール「MG031シリーズ」の実装に関する技術ガイドです。
放熱設計、はんだ付け、シリコングリスの選定、ねじ固定、洗浄条件、二次モールドなど、高信頼性を確保するための実装ノウハウを網羅。
特に、放熱板の材質・平面度・絶縁シートの条件や、推奨締付けトルク(0.6〜0.8Nm)など、熱設計・機械的ストレス対策に関する詳細な推奨値が記載されています。
車載・産業機器など、厳しい環境下での使用を想定した設計者にとって、信頼性設計の指針となる資料です。
このカタログについて
| ドキュメント名 | パワーモジュール実装ガイド(MG031シリーズ) |
|---|---|
| ドキュメント種別 | ハンドブック |
| ファイルサイズ | 963.7Kb |
| 登録カテゴリ | |
| 取り扱い企業 | 新電元工業株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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新電元パワーモジュール
実装ガイド
型名:MG031
TN1_MG031_10_jp
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目次
はじめにお読み下さい ...................................................................................................................................................................................... 3
1. 適用範囲 .............................................................................................................................................................................................. 4
2. 実装基板の設計 ................................................................................................................................................................................... 4
2-1. 挿入型パッケージの取り付け穴の設計.............................................................................................................................................. 4
2-2. 放熱設計 ............................................................................................................................................................................................... 4
2-3. 部品の配置 ........................................................................................................................................................................................... 4
3. 加工・実装 .......................................................................................................................................................................................... 5
3-1. マガジン梱包品の製品取り出し時の注意事項 .................................................................................................................................. 5
3-2. パッケージ挿入時の注意事項 ............................................................................................................................................................. 6
3-3. はんだ付け時の注意事項 .................................................................................................................................................................... 6
3-4. 推奨鉛フリーはんだ付け条件 ............................................................................................................................................................. 7
3-5. フラックス洗浄 ................................................................................................................................................................................... 7
3-6. 放熱板の取り付けについて ................................................................................................................................................................ 8
3-7. シリコングリス ................................................................................................................................................................................... 8
3-8. 固定(ねじ止め)について ................................................................................................................................................................ 9
3-9. 二次モールド・プラスチック封入 ................................................................................................................................................... 10
3-10. 実装後の保管について ................................................................................................................................................................... 10
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はじめにお読み下さい
1. ご採用に際しては、別途仕様書をご請求の上、ご確認をお願いいたします。
2. 本資料に記載されている当社製品の品質水準は、一般的な信頼度が要求される標準用途を意図しています。
その製品の故障や誤動作が直接生命や人体に影響を及ぼすような極めて高い品質、信頼度を要求される特別、特定用途の機器、装
置にご使用の場合には必ず事前に当社へご連絡の上、確認を得て下さい。
当社の製品の品質水準は以下のように分類しております。
【標準用途】
コンピュータ、OA 等の事務機器、通信用端末機器、計測器、AV 機器、アミューズメント機器、家電、
工作機器、パーソナル機器、産業用機器等
【特別用途】
輸送機器(車載、船舶等)、基幹用通信機器、交通信号機器、防災/防犯機器、各種安全機器、医療機器等
【特定用途】
原子力制御システム、航空機器、航空宇宙機器、海底中継機器、生命維持のための装置、システム等
3. 当社は品質と信頼性の向上に絶えず努めていますが、必要に応じ、安全性を考慮した冗長設計、延焼防止設計、
誤動作防止設計等の手段により結果として人身事故、火災事故、社会的な損害等が防止できるようご検討下さい。
4. 本資料に記載されている内容は、製品改良などのためお断りなしに変更することがありますのでご了承下さい。
製品のご購入に際しましては事前に当社または特約店へ最新の情報をご確認下さい。
5. 本資料の使用によって起因する損害または特許権その他権利の侵害に関しては、当社は一切その責任を負いません。
6. 本資料によって第三者または当社の特許権その他権利の実施に対する保証または実施権の許諾を行うものでは
ありません。
7. 本資料に記載されている製品が、外国為替及び外国貿易管理法に基づき規制されている場合、輸出には同法に基づく
日本国政府の輸出許可が必要です。
8. 本資料の一部または全部を当社に無断で転載または複製することを堅くお断りいたします。
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1. 適用範囲
本実装ガイドは、新電元社製モジュール製品を安全に搭載、使用する方法について説明します。
対象製品は以下の通りです。
適用範囲
MG031 シリーズ
製品の取り扱いにおいては、本資料の記載内容に加えて、対象製品の納入仕様書を確認願います。
2. 実装基板の設計
2-1. 挿入型パッケージの取り付け穴の設計
挿入型パッケージの取り付け穴のピッチや距離は、製品のそれと同一にして下さい。端子間ピッチや距離が異なる場合、製品
に機械的な応力を与え、素子の破損の要因となります。
2-2. 放熱設計
パワーデバイスは、導通により発生した熱を効率よく逃がすことが出来ない場合には、熱暴走を起こして破壊に至ることがあ
ります。効率よく放熱させるためには、放熱板や基板への放熱用パターンの設置などが必要な場合があります。放熱板の大き
さや材質により実効許容損失が決まるため、使用環境を考慮して適切な放熱板を選定して下さい。
2-3. 部品の配置
半導体素子は、使用時の環境条件によって特性および信頼性が左右されます。システム内における半導体素子の実装位置は、
高信頼性を維持するために充分な検討が必要です。実装時の注意事項を以下に示します。
① 半導体素子の近傍に大型抵抗器などの発熱源がある場合、空気中あるいは基板のパターンを介して半導体素子を加熱して
しまい信頼性を低下させることがあります。このような場合は、通風などを考慮して熱を逃がすような配置をするなどの
設計を行って下さい。
② 装置下段の隅は塵埃がたまりやすい場所のため、このような場所に設置された半導体素子は塵埃付着によって絶縁劣化を
起こしたり、誤動作したりすることがあります。このような場合は、プリント基板および半導体素子を防水性のあるレジ
ンでコーティングするなどの方法が有効です。レジンでコーティングする方法は、基板配線からの導電性異物(はんだ屑
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など)による短絡が原因の誤動作防止・結露による金属マイグレーションの防止等、高湿・結露・塵埃の蓄積がある厳し
い環境下で信頼性を確保しなければならない場合に有効な手段となります。
③ 高電圧あるいは高周波用途のシステムにおいて、配線の束線や引き回し方法によっては振動やサージ電圧が誘導されるこ
とがあります。これらは半導体素子が破壊する要因となる場合がありますので、サージ電圧が小さくなるように束線や引
き回し方法の最適化を行って下さい。必要に応じてフィルタの追加を検討して下さい。
3. 加工・実装
3-1. マガジン梱包品の製品取り出し時の注意事項
マガジンに収納された製品を取り出す際は、端子曲がりなどを予防するため、以下の点についてご注意下さい。
① 製品を取り出す際には、マガジンの傾きを 30°程度にし、製品が勢いよく飛び出さないようにしながら導電性(静電)マッ
トの上に出すようにして下さい。(図 3-1-1)
マガジン
製品
5mm 未満
30°程度
導電性マット
図 3-1-1. マガジンからの取り出し方法
② マガジン内の製品が端数となる場合は、マガジン内に適切な長さのスペーサなどを収納し、製品に衝撃が加わらないよう
にして下さい。
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3-2. パッケージ挿入時の注意事項
挿入型パッケージをプリント基板の取り付け穴に差し込む際には、端子の無理な引っ張りや押込みをしないようにして下さ
い。(図 3-2-1)
○正しい ×正しくない
リード端子間隔とプリント基板の取り付け穴間隔が同じ リード端子間隔とプリント基板の取り付け穴間隔が異なる
○正しい ×正しくない
製品を軽く押してプリント基板に実装する 工具等を用いて無理に引っ張る
図 3-2-1. プリント基板への挿入実装例
3-3. はんだ付け時の注意事項
はんだ付けを行う際の注意事項を以下に示します。
① フラックスはロジン系のものを使用し、強酸性のものは使用しないで下さい。
② 通常の環境で長期保存された場合や湿度の高い環境で保存した場合、モールド樹脂は湿気を吸収します。この状態では、
はんだ付け時の加熱処理により、モールド樹脂にクラックが生じる場合があります。急激な温度変化がないようにするた
め、はんだ付けの際は予備加熱を実施し、ピーク温度をできるだけ低くして下さい。また、規定の保管条件(吸湿管理条
件)を超えた場合には、事前にベーク(脱湿・乾燥)処理を行って下さい。
③ フロー実装の際に、基板に半導体素子を仮止めする目的で接着剤を用いる場合、半導体素子と接着剤の相性によって、接
着性が弱くなる場合があります。実装中に半導体素子が落下することが無いよう、事前に接着性について検討を行って下
さい。
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3-4. 推奨鉛フリーはんだ付け条件
① はんだごてによるはんだ付け
はんだごてではんだ付けをする際には、こて先の温度が調整できるタイプのものを使用し、また、端子部に直接はんだご
てが当たらないようにして下さい。推奨はんだ付け条件を下表に示します。(表 3-4-1)
表 3-4-1. 推奨はんだ付け条件
対応パッケージ こて先温度 加熱時間 回数
MG031 380±10℃ 5±1 秒 1 回
② ウェーブソルダリングによるはんだ付け
推奨はんだ付け条件を下表に示します。(表 3-4-2)
表 3-4-2. ウェーブソルダリングにおける温度プロファイル例
予備加熱温度 加熱温度 加熱回数
基板裏面温度 予備加熱時間 はんだ温度 加熱時間
80~140℃ 30~60 秒 260±5℃ 10±1 秒 1 回
3-5. フラックス洗浄
洗浄には超音波洗浄や浸漬洗浄等いくつか種類があります。それぞれの特徴や短所を考慮しながら、製品に合った洗浄方法を
実施して下さい。フラックス洗浄の際の注意事項を以下に示します。
① フラックス除去の洗浄剤は、腐食性ガスや反応性物質が発生しないものを使用して下さい。
② 端子間リークやマイグレーション現象を発生させる場合があるため、残渣や残留物質・イオンが残らないように洗浄を行
って下さい。
③ 共振現象で端子切れが発生する可能性があるため、超音波洗浄の際は超音波振動源と基板・半導体素子を直接接触させな
いなど、充分に条件の検討を行って下さい。
表3-5-1. 超音波洗浄条件参考値
超音波周波数 28kHz(半導体素子を共振させないこと)
超音波出力 最大15W/リットル
時間 30 秒以内
④ 長時間の洗浄により、製品捺印が消える(インク捺印製品)・半導体素子へ洗浄剤が侵入する・端子部へのダメージを与え
る等が考えられます。洗浄条件の検討を事前に行って下さい。
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3-6. 放熱板の取り付けについて
大電力を制御する半導体素子は動作時に発熱が伴うので、適切な放熱設計を行うことが重要です。接合温度が高い状態のまま
製品を使用し続けると、長期信頼性の低下や素子の破壊を引き起こす可能性があります。そのため使用条件における発熱量を
正確に把握し、適切な放熱対策を施す必要があります。熱を外部へ逃がし接合温度を下げるために、放熱板が一般的に使用さ
れますが、信頼性を確保するためには取り付け圧力やサーマルグリスなどの実装条件にも十分注意する必要があります。
放熱板の取り付けの際には、下記の点にご注意下さい。
① 放熱板は、凹凸・ねじれ・反り等のない平坦なものを使用し、半導体素子に無理な応力が加わったり、放熱効果を妨げた
りしないようにして下さい。推奨条件を下表に示します。
表 3-6-1. 放熱板の推奨条件
材質 アルミニウムまたは銅
平面度 100 ㎜当たり 0.1 ㎜以下
表面粗さ Rz≦6.3μm
② 製品に放熱板を接続した後に製品を回路基板にはんだ付けを行うことを推奨します。この順番が逆の場合、作業時に製品
の端子に大きなストレスがかかり、断線や製品破壊の原因となる場合があります。
③ モジュールのヒートシンク面は非絶縁です。ヒートシンク面へ直接放熱板を接続した場合、裏面の金属を通して放熱板に
も高電圧が印加されるため絶縁シート等を使用して絶縁を確保する必要があります。絶縁シートは絶縁体の熱抵抗は材
質・厚さ・面積・熱 伝導率などによって決まりますが、半導体デバイスの接合温度に影響を与えますので定格内の使用と
なる製品を選定して下さい。推奨条件は以下です。
表 3-6-2. 推奨条件
硬度 90 (Durometer A)
厚さ 0.3mm
サイズ 製品外観より大きいもの
3-7. シリコングリス
半導体素子本体と絶縁板間、絶縁板と放熱板間は微小の空洞による接触熱抵抗Rth(c-f)で、熱が効率良く周囲(外気)へ伝わ
らない場合があります。このRth(c-f)を減少させるためにシリコングリスを塗布することが有効です。
下記について注意して下さい。
① シリコングリスが絶縁板の両面に均一にいきわたるように塗布して下さい。シリコングリスの粘度によっては均一に塗布
することが困難なものがあります。均一に塗布できるものを選定して下さい。
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② シリコングリスの厚さは必要最小限として下さい。シリコングリスの熱伝導率は空気よりも大きいですが放熱板より小さ
いです。そのため必要以上量のシリコングリスはシステム全体の放熱性悪化を招きます。
③ グリス内のオイル成分が製品のモールド樹脂に浸透し、膨張するものがありますので、そのような現象が発生しないもの
を選定して下さい。
④ グリスの中には、長期間の使用によって半導体素子の特性に影響を及ぼし、劣化に至らしめるものがあります。品質確認
の際にご注意下さい。
3-8. 固定(ねじ止め)について
① ねじについてはM3 の丸ねじ、なべねじ、バインドねじ、平ねじのいずれかをご使用下さい。皿ねじ・丸さらねじ・リベ
ットは製品に負荷応力を加える危険がありますので、使用しないで下さい。
平座金については小型丸 3mm の平座金をご使用下さい。3.5mm 以上の平座金や表側がみがき丸の平座金は使用しな
いで下さい。(図 3-8)
推奨ねじ 使用してはならないねじ
丸ねじ、なべねじ、トラスねじ、バインドねじ、 さらねじ 丸さらねじ
平ねじ
図 3-8. 推奨ねじについて
② 一度の本締めによるねじ止めは行わないようにして下さい。製品の取り付け位置・放熱板に対する姿勢を仮止めにより確
認した後で本締めによるねじ止めを行って下さい。またグリスをしっかりと伸ばした後、締付けを行って下さい。
③ 締め付けトルクにより放熱板-絶縁板間および絶縁板-製品間の熱抵抗が変動します。締め付けトルクが小さすぎる場合は
接触熱抵抗が増大し、大きすぎる場合は半導体デバイスに歪みを与え、チップ破壊,リード断線等の故障のリスクがあり
ます。本製品の推奨トルクは0.6~0.8Nm となります。
④ 2 ヶ所の取り付けねじ穴ピッチは製品のねじ穴ピッチと同じ寸法にして下さい。寸法が異なると製品固定時に製品に大き
なストレスがかかり、製品が破壊することがあります。
(ご参考)
ねじの締付けトルクには JIS 規格化されてはいないものの、一般的に用いられている値があり、一般に基準 T 系列また
は 0.5T 系列と呼ばれる標準的な締付けトルクがねじメーカーや工具メーカーより示されています。これらにはねじの締
付け力によってねじ材・ナットやねじの座面等が塑性変形を起こさない範囲でねじの緩みがでないようにねじの呼び・材
質に応じたトルク値が記載されております。製品の締付けトルクの決定の際には、参考にして下さい。
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3-9. 二次モールド・プラスチック封入
樹脂で二次封止する場合、使用する樹脂によって半導体素子へ大きなストレスを与えることがあります。二次封止を実施する
場合は、以下の点にご注意下さい。
① 硬化収縮率が小さく柔軟で、硬化時の温度が保存温度を超えない樹脂を選定して下さい。
② 常温硬化の樹脂であっても、硬化時に自己発熱するものがあります。このような樹脂を使用される場合も半導体素子の保
存温度を超えないようにして下さい。
③ 樹脂によっては、水分の吸着によりリーク電流の増加が起こるものもあります。使用時には充分な品質確認を行って下さ
い。
3-10. 実装後の保管について
基板実装が終了した製品についても実装前と同様に、保管の際には導電性・静電気対策された収納ケースに入れ、収納ケース
を置く場所にはアース接地を行うなどの対策を行って下さい。
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