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アプリケーションノート|MH2501SC/MH2511SC|多段対応 高効率・低ノイズのインターリーブPFC制御IC(大電力対応)
ハンドブック
MH2501SC/MH2511SC|インターリーブPFC|リーダー&フォロワー構成対応
MH2501SC(リーダーIC)およびMH2511SC(フォロワーIC)は、電流臨界型インターリーブPFC回路に対応した制御ICです。リーダーIC単体で1段PFC構成が可能であり、フォロワーICを追加することで2段以上の多段インターリーブ動作に対応。高効率・低ノイズなPFC制御を大電力領域でも実現します。VCC耐圧は26Vで広範な入力電圧に対応し、過電流・過電圧・低入力電圧・ダイオードショート・過熱など多彩な保護機能を搭載。SOP8パッケージ採用で実装性にも優れ、車載・産業機器・電源設計に幅広くご活用いただけます。
このカタログについて
| ドキュメント名 | アプリケーションノート|MH2501SC/MH2511SC|多段対応 高効率・低ノイズのインターリーブPFC制御IC(大電力対応) |
|---|---|
| ドキュメント種別 | ハンドブック |
| ファイルサイズ | 1.7Mb |
| 取り扱い企業 | 新電元工業株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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AN_MH2501-11SC_80_jp
MH2501SC/MH2511SC APPLICATION NOTE
多段対応
Easy Multi インターリーブPFC
制御 IC
MH2501SC/MH2511SC
アプリケーションノート
新電元工業株式会社
SHINDENGEN ELECTRIC MFG. CO. LTD
SHINDENGEN
ELECTRIC MFG.CO.,LTD
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AN_MH2501-11SC_80_jp
使用上の注意
このたびは、弊社製品をご使用いただき誠にありがとうございます。
当 IC をご使用の際は、お客様の安全を確保するため下記の警告ならびに注意を必ず守ってご使用下さい。
警
誤った取り扱いをしたときに死亡や重大な人身事故および大きな物的損害に結びつく危険性のあるもの。
告 !
注
誤った取り扱いをしたときに軽傷に結びつく恐れ、または軽微な物損事故に結びつく恐れのあるもの。
意 !
警 当 IC は、一般電子機器(事務機器・通信機器・計測機器・家電製品等)に使用されることを意図しております。誤動作や事
故が直接人体や生命を脅かす恐れのある医療器、航空宇宙機、列車、輸送機器(車載、船舶等)、原子力等の制御機器
告 ! には使用しないで下さい。一般電子機器以外にご使用になる場合は弊社までご相談下さい。
修理や改造は、重大な事故につながりますので、絶対にやめて下さい。
! 《感電、破壊、火災、誤動作等の危険があります。》
異常時は出力端子に過大電圧が発生したり、電圧低下となる場合があります。 異常時の、負荷の誤動作や破壊等を想定
! した保護対策(過電圧保護、過電流保護等の保護対策)を最終機器に組み込んで下さい。
注
入力端子、出力端子の極性を確認し誤接続の無いことを確認してから通電して下さい。
意 ! 《保護素子が切れたり、発煙・発火の原因になります。》
! 決められた入力電圧を必ず守っていただくとともに、入力ラインに必ず保護素子を挿入して下さい。
《異常時には発煙・発火の危険があります。》
! 使用中に故障または、異常が発生した時は、すぐに入力を遮断して電源を停止させて下さい。また、直ちに弊社にご相談
下さい。
●本資料に記載されている内容は、製品改良などのためお断りなしに変更することがありますのでご了承下さい。
●御使用頂く際には、仕様書の取り交わしをして頂けます様お願いします。
●ここに記載されたすべての資料は正確かつ信頼し得るものでありますが、これらの資料の使用によって起因する損害または特許
権その他権利の侵害に関しては、当社は一切その責任を負いません。
●本資料によって第三者または当社の特許権その他権利の実施に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません。
●本資料の一部または全部を当社に無断で転載または複製することを堅くお断りいたします。
! 当社は、品質と信頼性の向上に絶えず努めていますが、半導体製品はある確率で故障が発生したり、誤動作する場合がありま
す。必要に応じ、安全性を考慮した冗長設計、延焼防止設計、誤動作防止設計等の手段により結果として人身事故、火災事故、社
会的な損害等が防止できるようご検討下さい。
! 本資料に記載されている当社半導体製品は、特別に高い品質・信頼性が要求され、その故障や誤動作が直接人命を脅かしたり、
人体に危害を及ぼす恐れのある機器あるいはシステムに用いられることを目的として設計、製造されたものではありません。下記の
特別用途、特定用途の機器、装置にご使用の場合には必ず当社へご連絡の上、確認を得て下さい。
特別用途
輸送機器(車載、船舶等)、基幹用通信機器、交通信号機器、防災/防犯機器、各種安全機器、医療機器 等
特定用途
原子力制御システム、航空機器、航空宇宙機器、海底中継器、生命維持のための装置 等
! なお、IC 製品に関しては、特別用途・特定用途に限らず、連続運転を前提として長期製品寿命を期待される機器、装置にご使用
される場合に関しては当社へお問い合わせ下さい。
当社は IC 製品を安全に使っていただくために回路支援をしております。弊社担当営業または営業企画に
お問い合わせ下さい。
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Index
1 : 概要
1.1: 特長 5
1.2: ブロック図 5
1.3: 端子配置図 6
1.4: 端子機能一覧 6
2 : 基本動作の説明 対象 IC
2.1:電流臨界型オン幅制御方式 PFC の動作原理 7
2.2: ゼロ電流検出 リーダー 8
2.3: インターリーブ動作 リーダー フォロワー 9-10
2.4: 起動・切断シーケンス リーダー フォロワー 11
2.5: 出力電圧制御 リーダ ー 12
2.6: 位相補償 リーダー 13
2.7: ゲートドライバ リーダー フォロワー 13
2.8: 保護機能
2.8.1: 過電流保護 リーダー フォロワー 14
2.8.2: 出力過電圧保護(OVP) リーダー フォロワー 14-15
2.8.3: 低入力電圧保護、FB 端子オープン/ショート保護 リーダ ー 15
2.8.4: 出力ダイオードショート保護 リーダー 16
2.8.5: VCC 端子低電圧保護(UVLO) リーダー フォロワー 16
2.8.6: サーマルシャットダウン(過熱保護) リーダ ー 16
2.9:応用回路
2.9.1: フォロワー停止保護 17-18
2.9.2: リモート ON/OFF 18
2.9.3: インターリーブ段数の切り替え 19
2.10: 動作波形例 20
3 : 回路例
3.1: 代表回路図 21
4 : 周辺回路定数の決定
4.1:チョークコイルの選定 22
4.2:MOSFET の選定 23
4.3:出力ダイオードの選定 23
4.4:バイパスダイオードの選定 23
4.5:Z/C 端子周辺定数の調整 24
4.6:位相補償の調整 25
4.7:出力電圧の調整 25
4.8:過電流保護ポイントの調整 26
4.9:出力コンデンサの調整 26
4.10:Vcc 端子コンデンサの選定 26
4.11:LATCH 端子について 26
4.12:TIMER 端子について 26
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5 : 保護機能に関する注意点 27
6 : パターンレイアウトの注意点
6.1:主電流経路の配線 28
6.2:GND の配線 29
6.3:MODFET 周辺部品の配線 30
6.4:IC 周辺部品の配線 30
6.5:参考パターンレイアウト
6.5.1: A 面 31
6.5.2: B 面 32
注意事項
記載されている数値は暫定値になっております。規格値については仕様書をご確認ください。
【対象 IC の表記について】
リーダー リーダーIC のみの機能
リーダー フォロワー リーダーIC およびフォロワーIC 共通の機能
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1 概 要
MH2501SC(以降、リーダーIC とする)、MH2511SC(以降、フォロワーIC とする)は、電流臨界型イン
ターリーブ PFC 回路用 IC です。リーダーIC、フォロワーIC を用いてインターリーブ動作させる事で臨界
型 PFC の特徴である低ノイズ、高効率を大電力領域でも実現できます(リーダーIC のみで1段 PFC とし
て構成可)。
1.1 特長
1. リーダー/フォロワー電流臨界インターリーブ動作による高効率・低ノイズ化を実現
2. フォロワーIC を複数並列接続することにより 2 段以上のインターリーブ動作が可能
3. リーダーIC のみで1段 PFC として構成可能
4. VCC 耐圧 26V 保証により幅広い入力電圧に対応
5. 充実した保護機能搭載
過電圧保護、過電流保護、フィードバックオープン/ショート保護、
出力ダイオードショート保護(ラッチ停止)
1.2 ブロック図
Follower
Restart Timer Restart Mask Stop
FF_F/F Timer 3
ON /O IL_ OUT
S Q
Z/C Vcc
5 Z/ C
EDGE OUT TSD( S
H) R
R Q 7 OUT
+ DRIVER
- Vth_burst
LATCH_F F
Q S / DIODE
TON_TIMER SHORT
PROTECT GND
COMP Q R 6
2 COMP_Clamp 1, 2
VUL
FB_Amp Vcc_UVLO 8 VCC
+
-
FB_open
FB 4 OCL
1 + +
- OCL -
OVP
図 1 . リーダーIC(MH2501SC) ブロック図
Leader _ON ON / O FF_F/F
Coun
S ter_F/F
S Q 2 IL_ OUT
Q
IL_ IN
IL_ IN 1
EDGE OUT Leade r_ON
Timer_F/F R R Q
Q
S Q
Leader_ON
R Q
Timer 50us Vcc
Phase
Shifter
7 OUT
LATCH 3 Follower _Stop1 DRIVER
_F/F
Q S
Q R
Vcc_UVLO 8 VCC
TIMER 5 -
+
TIMER
Follower _Stop2 _ F/F
Q S + 4 OCL
GND 6
Q -
OCL
R
図 2 . フォロワーIC(MH2511SC) ブロック図
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1.3 端子配置図
≪リーダーIC MH2501SC≫ ≪フォロワーIC MH2511SC≫
1. FB 8. VCC 1. IL_IN 8. VCC
2. COMP 7. OUT 2. IL_OUT 7. OUT
3. IL_OUT 6. GND 3. LATCH 6. GND
4. OCL 5. Z/C 4. OCL 5. TIMER
package : SOP8
図 3 . MH2501SC, MH2511SC 端子配置図
1.4 端子機能一覧
<<リーダーIC MH2501SC>>
端子番号 記号 機能
1 FB フィードバックエラーアンプの入力端子
2 COMP フィードバックエラーアンプの出力端子
3 IL_OUT インターリーブ動作用信号出力端子
フォロワーIC の IL_IN 端子と接続
4 OCL 過電流検出用入力端子
5 Z/C リーダーIC のゼロ電流検出端子
6 GND GND 端子
7 OUT リーダーIC の MOSFET 駆動用出力端子
8 VCC 電源電圧入力端子
<<フォロワーIC MH2511SC>>
端子番号 記号 機能
1 IL_IN インターリーブ動作信号の入力端子
リーダーIC もしくは前段フォロワーIC の IL_OUT 端子と接続
2 IL_OUT インターリーブ動作信号の出力端子
次段フォロワーIC の IL_IN 端子と接続
3 LATCH ラッチ用出力端子。
フォロワー異常時にリーダーIC を動作停止させる
4 OCL 過電流検出用入力端子
5 TIMER 1段動作時検出用タイマコンデンサ接続端子
フォロワーIC の動作有無を検出する
6 GND GND 端子
7 OUT フォロワーIC の MOSFET 駆動用出力端子
8 VCC 電源電圧入力端子
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2 基本動作の説明
2.1 電流臨界型オン幅制御方式 PFC の動作原理
IL(peak) = 2Iin
IL(peak)
包絡線
チョーク電流
IL
Iin = IL(ave)
チョーク電流
IL
Vin Vin
Ion Ioff
0A 0A
Ton Toff Ton Toff Ton Toff Ton Ton Toff
図 4 . 臨界動作 図 5 . スイッチング 1 サイクル波形
本 IC は、電流臨界型を採用しており、図 4 のようにチョーク電流 IL はゼロスタート・ゼロエンドの繰
り返し三角波となります。また、オン幅制御方式であるため、オン幅 Ton は負荷に応じて決定され一定
値となります。なお、オフ幅 Toff は入力電圧 Vin に応じてスイッチング毎に変化しますので、スイッチン
グ周期は変動します。
各電流値は以下の式により算出されます。
Ton および L 値は一定であるため、IL のピークである IL(peak)は Vin に比例します。Vin は正弦波
状であるため、IL(peak)も正弦波状となります。(式 1)
IL( peak) Vin Ton [A]
L ・・・(1)
ただし、スイッチング周波数は AC 商用周波数より十分高く、スイッチング 1 周期では Vin 一定とみ
なします。(図 5)
入力電流 Iin は、コンデンサ Cin により IL から高周波成分が除去され平均化された電流 IL(ave)と
等しくなります。また、IL は三角波のため、IL(ave)は IL(peak)の 1/2 となります。(式 2)
I IL(ave) IL( peak)
in [A]
2 ・・・(2)
式(2)に式(1)を代入し、
I IL(ave) IL( peak ) Vin Ton
in [ A]
2 2L ・・・(3)
式(3)のように、本 IC のオン幅制御により、Iin と Vin は比例関係となるため、力率改善が可能となり
ます。回路上での波形例を図 6 に示します。
IL(peak)
Iin = IL(ave) IL(ave)
Iin(ac) チョーク電流
IL = 12 IL(peak)
Vin(ac) 0A Vin 0 0
Iin IL
Iin(ac) Vin Ioff
Vo (PFC)
L D2
~ +
Cin Q
制御 Ion Co
IC
~ ー
D1
0V
図 6 . 回路上の波形例
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2.2 ゼロ電流検出 リーダー
本 IC は、コントロール巻線電圧を検出しスイッチング素子のオンを行っています。このオンタイミング
は Z/C 端子により決まります。
図 7 のように Z/C 端子電圧がゼロ検出電圧(0.5V 点)を下回ったタイミングで、主スイッチをオンさ
せております。その結果、スイッチングサイクル毎にチョークコイルのエネルギが確実に放出完了したタ
イミングで主スイッチがオンするため、電流臨界動作となります。
また、このゼロ検出電圧に対して、+1V のヒステリシスをもたせることにより耐ノイズ性を高めていま
す。Z/C 端子電圧に+1.5V を超える電圧が印加されない場合はリスタート周期(150μs)で動作します。
さらに、本 IC にはゲートオフ時のリンギング電圧によってオントリガを検出してしまい電流臨界点よ
りもはやくオンしてしまう誤動作を防止するため、ゲートオフ信号が出てからオントリガを禁止するオン
デッドタイム (Tondead)を設けています。これにより、ゲートオフ時のリンギングによる誤動作を防止し
ます。
Z/C 端子周辺部品の定数設定については、4.5 項 を参照してください。
図 7 . オンタイミング(Z/C 端子)
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2.3 インターリーブ動作 リーダー フォロワー
リーダーIC と複数個のフォロワーIC を接続することで、多段の臨界型インターリーブ PFC を実現す
ることが可能です。
※ リーダーIC の端子名には(L)、フォロワーIC の端子名には(F)およびフォロワー識別番号を語尾
に付加して区別しております。
リーダーIC の IL_OUT(L)端子は、フォロワーIC にインターリーブ動作をさせるための信号出力端子です。
IL_OUT(L)端子とフォロワーIC の IL_IN(F1)端子を接続することにより、インターリーブ動作を行います。
また、図 8 のように IL_OUT(F1)端子と次段のフォロワーIC の IL_IN 端子(F2)を接続することにより、
3 段以上の多段インターリーブを行うことができます。
その際、ノイズ対策として図 8 の①および②の部品が必要となります。
①.IL_IN 端子の直近に抵抗とコンデンサを挿入してください。
目安として、抵抗は 1kΩ、コンデンサは 47pF を推奨します。
②.IL_OUT 端子と GND 端子間直近にコンデンサ容量(Ct)の小さいツェナーダイオード 4.7V を
挿入してください。また、4.7V のツェナーダイオードはツェナー電流 Iz=1mA 時にツェナー電圧
Vz=4V 以上となるように選定してください。
~ +
リーダー
~ ー
IL_OUT(L) IC
②
①
IL_IN(F1) フォロワー
IC (1)
IL_OUT(F1)
②
①
IL_IN
(F2) フォロワー
IC (2)
図 8 . インターリーブ接続例
ここでは、インターリーブ動作時におけるオンタイミングとオン幅の伝達について説明します。動作シ
ーケンスを図 9 に示します。図 9 では、オン幅の伝達順序を矢印で示します。文章内の波形と矢印の
番号は、図 9 を参照ください。
1) リーダーIC の OUT(L)オンは、Z/C 端子のネガティブエッジを検出して信号を出力します
(波形 A,B)。
2) リーダーIC の IL_OUT(L)信号は、OUT(L) に同期した信号で出力されます。
(波形 C、矢印①)
3) リーダーIC の IL_OUT(L)信号は、図 8 のように CR を介してフォロワーIC の IL_IN(F1)端
子に入力されます(波形 C,D、矢印②)。
フォロワーIC(1)内部では、カウンタ回路により IL_IN(F1)の Hi 時間を記憶しています。
4) フォロワーIC(1)の OUT(F1)は、リーダーIC のターンオフのタイミングでオンし、記憶したオ
ン幅を出力します。オン幅は OUT(L)と同じとなります(波形 E、矢印③)。
5) フォロワーIC(1)の IL_OUT(F1)信号は、OUT(F1)に同期した信号で出力されます。
(波形 F、矢印④)
6) 多段化は、IL_OUT(F1)端子と次段フォロワーIC(2)の IL_IN(F2)端子を接続することで実
現できます。(波形 F、矢印⑤)
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リーダーIC
リーダー主SW
D-S間電圧
0V
チョーク電流波形
0A
Z/C端子
(波形A) 0V
OUT(L)端子 Vcc
(波形B) 0V
①
IL_OUT(L)端子 5V
(波形C) 0V
②
フォロワーIC(1)
IL_IN(F1)端子 5V
(波形D) 0V
③
OUT(F1)端子 Vcc
(波形E) 0V
④
フォロワー(1)主SW
D-S間電圧
0V
チョーク電流波形
0A
IL_OUT(F1)端子 5V
(波形F) 0V
⑤
次段フォロワーIC(2)のIL_IN(F2) 端子へ
図 9 . インターリーブ動作シーケンス
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2.4 起動・切断シーケンス リーダー フォロワー
インターリーブ動作させた時の起動・切断シーケンスを図 10 に示します。VCC は、リーダーIC とフ
ォロワーIC は共通とします。
ACin 0V
Vo OVP動作
0V
Vo_ref×1.08V
Vo_ref
FB
0.4V
0V
VCC(start)L
VCC(stop)L
VCC(start)F
VCC(stop)F
VCC 0V
1.2V
COMP 0V
OUT(L)
0V
OUT(F)
0V
図 10. 起動・切断シーケンス
(a) 発振開始シーケンス
① VCC 端子に電圧が印加されると、COMP が 1.2V まで充電されます。
② VCC 電圧が VCC(start)F まで到達すると、フォロワーIC は起動状態になりますが、リーダ
ーIC が動作していないため、ゲートは出力されません。
③ VCC 電圧が VCC(start)L まで到達すると、リーダーIC も起動状態になりゲート出力を開始
し、フォロワーIC のゲート出力も開始します。
④ 起動直後は、OVP 動作によりゲート出力が停止するため、出力電圧の上昇を抑えます。
(b) 発振停止シーケンス
① VCC 電圧が VCC(stop)L まで低下すると、リーダーIC は動作停止状態になりゲート出力
を停止し、フォロワーIC のゲート出力も停止します。COMP 電圧は 1.2V でクランプされま
す。
② VCC 電圧が VCC(stop)F まで低下すると、フォロワーIC は動作停止状態になります。
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2.5 出力電圧制御 リーダー
本 IC は出力電圧を検出し主スイッチのオン幅を変化させることで、出力電圧を制御しております。
図 11 に示すように出力電圧から抵抗分圧(R191~R195, R196) して FB 端子に接続することにより、
出力電圧は FB 端子電圧が 2.5V になる値で安定になります。
また、フィードバックエラーアンプの出力である COMP 端子電圧と主スイッチのオン幅は比例関係で
あり、1.2V 以上でオン開始、4.0V で最大オン時間になります(図 12)。フィードバックが掛かることによ
り、COMP 端子電圧が制御され、出力電圧が安定します。
FB-GND 端子直近にノイズ対策としてコンデンサ(C191)を接続してください。なお、コンデンサ容量
が大きすぎると応答にも影響してきますので、1000pF-2200pF 程度を推奨します。
PFC OUT
COMP
R191 2
~ 2.5V= FB_ref
R195
FB
1
R196
C191 GND
6
図 11. FB 端子内部ブロック図
図 12 . COMP 端子電圧とオン幅の関係
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ON Time [us]
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2.6 位相補償 リーダー
PFC コンバータは、商用 AC 入力の周波数に対して応答しないように調整する必要があります。
リーダーIC の COMP 端子‐GND 間にコンデンサ(C113,C114)および抵抗(R117)を接続する事で
アンプの位相補償を行い、商用 AC 入力の周波数でのフィードバックループゲインを落とします。回路
例を図 13 に示します。目安として、C114 は 2.2uF 程度、C113 は 0.22uF 程度、R117 は 1kΩ程度
を推奨します。COMP 端子の調整方法は、4.6 項 をご覧下さい。
図 13 . COMP 端子接続例
2.7 ゲートドライバ リーダー フォロワー
OUT 端子から出力される信号により各スイッチの ON/OFF タイミングを決定します。OUT 端子は、
電源電圧 VCC から供給され、ゲートドライバ駆動能力は、0.5A(Source)/1.2A(Sink)です。
一般的に用いられるゲート駆動回路の例を図 14 に示します。
ゲート駆動回路は、MOSFET(Q111)の Qg が 40nC より大きい場合は C)を推奨します。
図 14 ゲート駆動回路 A)、B)の電荷引き抜き用ダイオード(D112)には、小容量ショットキーダイオ
ードなどを用い、ハードリカバリーダイオードは使わないように注意して下さい。
図 14 ゲート駆動回路 C)は Qg が大きい MOSFET(Q111)を接続して引き抜きが十分でない場合
引き抜き側に PNP トランジスタ(Q112)を使用して下さい。また、D112 は小容量ショットキーダイオード
などを用い、ハードリカバリーダイオードは使わないように注意して下さい。
弊社推奨ダイオード(D112):D1NS4(アキシャル)、M1FM3・M1FS4(面実装)・・・新電元工業
図 14 . ゲート駆動回路
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2.8 保護機能
2.8.1 過電流保護 リーダー フォロワー
過電流保護は、図 15 のように MOSFET のソース-GND 間に接続された過電流検出抵抗(R111)に
より決定される電圧を OCL 端子で監視することで行います。
OCL 端子電圧が 0.5V 以上で主スイッチをオフします。通常動作時の最大ドレイン電流以上、かつチ
ョーク飽和電流以下で過電流検出ポイントを設定して下さい。
なお、本 IC にはゲートオン直後のノイズによる過電流保護の誤動作防止の為、ゲートオン信号が入
ってから一定期間、過電流検出を受け付けないリーディングエッジブランク時間 (TLEB) を設けていま
す。(図 16)
スイッチングノイズによる誤動作防止のため、図 15 のようにコンデンサ(C116)を挿入してください。
コンデンサは OCL-GND 間直近に接続してください。コンデンサ容量は 1000pF 程度を推奨します。ま
た、R118 を追加することによりさらにノイズによる誤動作を抑制できます。抵抗値は 100~1kΩ程度
を推奨します。OCL 端子の設計方法は 4.8 項 をご参照下さい。
図 15 . OCL 端子接続例 図 16 . 過電流保護 動作シーケンス
2.8.2 出力過電圧保護(OVP) リーダー フォロワー
出力過電圧保護(OVP)は、図 17 のように FB 端子電圧が 2.7V (FB_ref×1.08) 以上になると、リ
ーダーIC およびフォロワーIC のゲート出力を停止して出力電圧の上昇を抑えます。これにより、電
解コンデンサ等へのストレスを低減できます。
PFC は一般的に商用周波数に反応しないように応答を遅く設計しますので、起動時や負荷急変
時などの過渡的な状態で出力電圧が一時的に上昇することがありますが、この保護機能は有効な
対策となります。
図 18 に OVP 動作時のシーケンスを示します。OVP 動作時、リーダーIC の IL_OUT からは強
制的に 80us の固定時間パルスが出力されます。フォロワーIC の IL_IN端子は、50us を越えるパ
ルスが入力された場合、OUT 信号は出力されませんので、フォロワーは安全に停止します。
保護機能 FB 端子 ゲート
閾 値 出 力 その他の状態
出力過電圧保護 2.7V (typ)
(OVP) (FB_ref 2.5V×1.08) 停 止 出力電圧設定値×1.08 以上
リーダーIC はフォロワー停止信号を出力
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PFC OUT
COMP
2
2.5V= FB_ref
ON Time Controller
PFC Gate OFF
2.7V= FB_ref x 1.08
Follower stop TIMER
0.4V
FB COMP Voltage 1.2V
1
図 17 . FB 端子内部ブロック図
Vo_OVP
PFC OUT 0V
80usec
IL_OUT(L)
0V
OUT(L)
0V
ゲート出力せず
OUT(F)
0V
図 18 . OVP 動作シーケンス
2.8.3 低入力電圧保護、FB 端子オープン/ショート保護 リーダー
低入力電圧保護は、入力電圧が低下し FB 端子電圧が 0.4V 以下になると、ゲート出力を停止
します。これにより、MOSFET やその他部品へのストレスを低減できます。
なお、起動時は FB 端子電圧が 0.4V 以上になると動作します。最低入力電圧時に FB 端子電圧
が 0.4V 以上になる事を確認してください。
また、FB 端子がオープンもしくは GND ショートでも、FB 端子電圧が 0.4V 以下になりますので、
本保護機能によりゲート出力が停止します。
保護機能 FB 端子 ゲート
閾 値 出 力 その他の状態
低入力電圧保護
FB 端子オープン/ショート保護 0.4V (typ) 停 止 COMP 端子電圧 = 1.2V
低入力電圧保護機能により、最低起動直流入力電圧(DC)が決まります。
最低起動直流入力電圧(DC)=Vo×FB_open /FB_ref
Vo:出力設定電圧、FB_open:0.4V(typ)、FB_ref:2.5V(typ)
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2.8.4 出力ダイオードショート保護 リーダー
出力ダイオードが短絡状態になると、過電流を検出しリーダーIC の内部カウンタをカウントアップ
します。512 回までカウントされた場合にラッチ停止します。この機能により、ダイオードショート状態
で動き続けるのを防ぐことが出来ます。ラッチを解除するには、VCC 電圧を放電後に再投入する必
要があります。
また、上記カウンタは Z/C 端子が4V 以上に達すると、内部カウンタをリセットするため、起動時お
よび過負荷時はこの機能が働くことはありません。
リーダー出力ダイオードショート保護のシーケンスを図 19 に示します。フォロワー出力ダイオード
ショート時も、同様のシーケンスでラッチ停止します。
Diショート ショート解除 Diショート ラッチ停止
OCP閾値
主スイッチID 0A
4V
Z/C端子 0V
OUT端子 0V
512回
リセット
2回 3回
1回 1回 2回
内部カウンタ
図 19 . 出力ダイオードショート保護 動作シーケンス
2.8.5 VCC 端子低電圧保護(UVLO) リーダー フォロワー
安全な VCC ON/OFF が出来るようにリーダーIC とフォロワーIC は発振開始・停止電圧を変えてお
ります。VCC ON 時は先にフォロワーIC が立ち上がるようにしておくことで、リーダーIC が動き出した
時にフォロワーが確実に安定動作することが出来ます。VCC OFF 時は先にリーダーIC が停止するこ
とで、単独動作することなく安全に停止することが出来ます。
VCC 端子の絶対最大定格、発振開始電圧、発振停止は以下の通りです
VCC - GND リーダーIC フォロワーIC
端子間電圧 MH2501SC MH2511SC
絶対最大定格 26V (リーダー・フォロワー共通)
発振開始電圧 11V 9.5V (先に起動)
発振停止電圧 9V (先に停止) 7.5V
2.8.6 サーマルシャットダウン(過熱保護) リ ーダー
何らかの原因でリーダーIC が異常発熱した場合、IC ジャンクション温度が動作停止温度(TSD)
130℃以上になると発振停止します。その後、IC ジャンクション温度が 70℃程度まで下がると自動
復帰します。
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2.9 応用回路
2.9.1 フォロワー停止保護 リーダー フォロワー
フォロワーIC の TIMER 端子と LATCH 端子およびリーダーIC の COMP 端子を利用することで、フ
ォロワーが異常により動作していない時にリーダー単独動作を禁止することが出来ます。例えば、イン
ターリーブ信号が断線するケースなどがあります。
図 20 に3段接続時の回路例、図 21 にその動作シーケンスを示します。
図 20 のように、各チョークコイルの制御巻線とフォロワーIC の TIMER 端子と LATCH 端子および
リーダーIC の COMP 端子を接続します。各チョークコイルの構造や極性は、図 20 を参照ください。
通常動作中の TIMER 端子電圧は、各制御巻線による充放電より 0V 付近に維持されています。
LATCH 端子はローインピーダンス状態(GND レベル)になっています。
フォロワーが異常により動作不能状態になった場合、TIMER 端子が上昇し 2.5V に達すると、
LATCH 端子はハイインピーダンス状態(オープンコレクタ)になり維持されます。その結果、リーダーIC
の COMP-GND 端子間に接続したトランジスタがオンして、リーダーIC の発振を停止させます。
LATCH 端子は、VCC を 7.5V 以下にすることでラッチ状態を解除することが出来ます。
起動時などの出力過電圧保護(OVP)動作時は、リーダーIC のみが動作しフォロワーIC が停止する
期間がありますが、フォロワーIC 内部のスイッチで TIMER 端子を 0V に放電します。
なお、OVP が解除されればフォロワーIC は速やかに TIMER 端子放電を解除します。出力過電圧
保護(OVP)については、2.8.2 項 を参照ください。
~ +
リーダー
~ ー IC
COMP
1000p
Vcc
M1FL20U 22k
M1FL20U
M1FL20U LATCH(F1)
56k 56k 56k
フォロワー
TIME(F1) IC (1)
1u
1k Vcc
22k
M1FL20U
M1FL20U
LATCH(F2)
56k
フォロワー
TIMER(F2) IC (2)
1u
図 20 . フォロワー異常時保護のための回路構成例
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異常発生 リーダーICおよび
フォロワーIC(F2) フォロワーIC(F1)
動作停止 動作停止
PFC動作停止
チョーク
VNc(F2) 0V
フォロワー TIMER(F2) +2.5V
IC (F2) 0V
LATCH(F2)
0V
OUT(F2)
0V
TIMER(F1) +2.5V
0V
フォロワー
IC (F1) LATCH(F1)
0V
OUT(F1)
0V
COMP(L)
リーダー 0V
IC OUT(L)
0V
図 21 . フォロワー異常時保護回路の動作シーケンス (インターリーブ信号断線の場合)
2.9.2 リモート ON/OFF リーダー
リーダーIC は、①②どちらかの方法でリモート OFF することが可能です。
なお、①②の状態を解除すれば復帰します。
① COMP-GND 間をショートする
② VCC を UVLO 以下にする
また、インターリーブ動作時においても、上記の方法でリーダーIC を停止させる事でフォロワーIC
も自動的に停止します。
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2.9.3 インターリーブ段数の切り替え
インターリーブ動作時、フォロワーIC のみを停止させたい場合は、図 22 のようにフォロワーIC の
IL_IN 端子をトランジスタ等で GND にショートします。インターリーブ信号を遮断することで、それ以
降のフォロワーIC を停止させることができ、外部信号より任意の段数に切り替えることができます。
R127、R137 は、IL_OUT 端子の電流制限抵抗です。
なお、2.9.1 項 のフォロワー停止保護を併用する場合は、インターリーブ信号を遮断して停止させ
るフォロワーIC の TIMER 端子を GND ショートしてからインターリーブ信号を遮断するようにしてくだ
さい。例えば、フォロワーIC(1)以降を停止させる場合は、C125 をショートしてから Q123 をオンしてく
ださい(図 22 矢印①参照)。フォロワーIC(2)以降を停止させる場合も同様となります(図 22 矢印②
参照)。
リーダー
IC
IL_OUT
3
R127
1 IL_IN フォロワー
IC(1)
1 Q123 C123
段に
① GND IL_OUT TIMER
切り替え 6 2 5
C125 ① ショート
R137
1 IL_IN フォロワー
IC(2)
2 Q133
段に C133
② GND IL_OUT TIMER
切り替え 6 2 5
C135
② ショート
図 22 . インターリーブ段数の切り替え
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2.10 動作波形例
3.1 代表回路図 (入力:AC180V~264V 出力電圧:390V 出力容量:4kW 3 段インターリーブ構成)
での動作波形
入力電圧: AC200V
CH1 Vds(L) 100V/div
共振期間
CH1 CH2 Id(L) 1A/div
CH3
CH3 V COMP 2V/div
CH4
CH2 CH4 V Z/C 5V/div
TIME 400ns/div
波形 1:ゼロ電流 による臨界動作波形 出力電力: 500W (Vo=320V)
入力電圧: AC200V
出力電力: 4kW (Vo=320V)
CH1
CH1 Vds(L) 100V/div
CH2 CH2 Id(L) 2A/div
CH3 CH3 Id(F1) 2A/div
CH4 CH4 Id(F2) 2A/div
TIME 10us/div
波形 2:主スイッチ電流波形(3 段インターリーブ)
入力電圧: AC200V
CH1 出力電力: 4kW (Vo=320V)
CH1 Vin(ac) 250V/div
CH2 CH2 Iin(ac) 20A/div
TIME 10ms/div
波形 3:入力電圧・電流波形
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