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「そのロボット、本当に生産性向上に役立っていますか?」 基本的な事例をもとに説明しています!
「生産性向上のために新たにロボットを導入し、自動化を推進する!」
製造業の分野で自動化への関心はますます高まっています。
しかし、本当にロボットを入れることが生産性向上に役立っているのでしょうか?
むしろ、チョコ停や故障の対応に追われて以前より生産性が落ちてしまったなどということはないでしょうか?
今回、複数工程で製作される金属加工部品を事例に、ロボットによる生産性向上について見てみたいと思います。
このカタログについて
ドキュメント名 | 生産技術の方必見!【製造ライン自動化における注意点の基礎知識集】 |
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ドキュメント種別 | 事例紹介 |
ファイルサイズ | 1.1Mb |
取り扱い企業 | 株式会社松井製作所 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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《ロボット化における注意点》
~工場の生産性向上をお考えの方へ~
URL http://matsui-ss.com/
(2020年9月作成)
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目次
1. 前書き・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p.2
2. どの工程を自動化するか・・・・・・・・・・・ p.3
3. 自動化設備導入の影響・・・・・・・・・・・ p.5
4. その他注意点・・・・・・・・・・・・・・・ p.6
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1. 前書き
「生産性向上のために新たにロボットを導入し、自動化を推進
する!」
製造業の分野で自動化への関心はますます高まっています。し
かし、本当にロボットを入れることが生産性向上に役立っている
のでしょうか?むしろ、チョコ停や故障の対応に追われて以前よ
り生産性が落ちてしまったなどということはないでしょうか?
今回、複数工程で製作される金属加工部品を事例に、ロボット
による生産性向上について見てみたいと思います。
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2. どの工程を自動化するか
今回、下図のように①NC旋盤、②マシニングセンター、③ボー
ル盤といった計三工程で製作される金属製品について見てみます。
NC マシニング
旋盤 ボール盤
センター
材料 仕掛品1 仕掛品2 完成品
〈加工時間〉2分 5分 1分
現在全ての工程の作業を人で行っており、それぞれの加工時間は
順に、2分(NC旋盤)、5分(マシニングセンター)、1分(ボー
ル盤)とします。この時、どの工程を自動化して加工時間を減ら
すのが良いでしょうか?
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2. どの工程を自動化するか
NC旋盤の工程をロボット化し、加工時間が2分から1分に短縮さ
れたとしましょう。
【変更前】
NC マシニング
旋盤 ボール盤
センター
材料 仕掛品1 仕掛品2 完成品
〈加工時間〉2分 5分 1分
製品が完成されるペース:5分/個
【変更後】
NC マシニング
旋盤 ボール盤
センター
材料 仕掛品1 仕掛品2 完成品
〈加工時間〉1分 溜まる 5分 1分
製品が完成されるペース:5分/個
全体の生産性は一番⾧いマシニングセンターの加工時間に制限
されるため、ライン全体の生産性は改善されません。「仕掛品1が
溜まることによる在庫増加」という現象が発生してしまいます。
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2. どの工程を自動化するか
次に、マシニングセンターの工程をロボット化し、加工時間が5
分から3分に短縮されたとしましょう。
【変更前】
NC マシニング
旋盤 ボール盤
センター
材料 仕掛品1 仕掛品2 完成品
〈加工時間〉2分 5分 1分
製品が完成されるペース:5分/個
【変更後】
NC マシニング
旋盤 ボール盤
センター
材料 仕掛品1 仕掛品2 完成品
〈加工時間〉1分 3分 1分
製品が完成されるペース:3分/個
製品が完成されるペースが短縮され、ライン全体の生産性が改
善されました。
以上より、加工時間が一番⾧い工程に対しロボット化すること
が有効であることがわかります。
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3. 自動化設備導入の影響
ロボットなどの自動化設備の導入は、本当に会社の利益に繋が
るでしょうか?ここでは、自動化設備導入が損益分岐点にどのよ
うな影響を及ぼすのか見ていきます。
まず、設備購入費用として固定費が増加します。
売上
費用・収益
損益分岐点
の悪化 変動費
固定費の増加
損益分岐点 売上高
変動費と売上が不変とすると、上図の様に損益分岐点は悪化し
てしまいます。一方、ロボットによって人件費削減(変動費減
少)、または生産性向上(売上増加)の効果が現れると、下図の
様に損益分岐点は改善されます。
損益分岐点 損益分岐点
の改善 の改善 売上の増加
変動費の減少
固定費 固定費
固定費の増加、変動費の減少、売上の増加の3つの効果を考慮
して差し引きプラスの効果となるか、判断することが重要です。
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4. その他注意点
・ロボットの故障、チョコ停の頻度が高く、稼働率が逆に低く
なっていないか(思ったように生産性が上がらず、売上が増加し
ないリスク)
・ロボットの段取り、セッティングに手間がかかり過ぎないか
(思ったように生産性が上がらず、売上が増加しないリスク)
・故障やチョコ停を直すための専門知識を持った人材が新たに必
要ではないか。社外に依頼する場合、修繕費は高すぎないか。
(変動費が想定外にかかってしまうリスク)
・購入する自動化設備は汎用性があるか(将来の環境変化への対
応リスク)
・固定費増加により企業の安全性が低下しないか(固定比率、固定
⾧期適合率の悪化リスク)
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