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「”数字で考える”ってよく言うけど、具体的にどうするの?」不良率改善についての具体例を用いて説明します!
製造業において、現場の改善はとても大切なものです。ただ、忙しい毎日の中で思いつくもの全ての改善案に取り組んでいくのは現実的ではありません。では、どのように優先順位をつけていくのが良いのでしょう?
一般的な方法として、“費用対効果”や“取組み易さ”、“実施した際の効果の大きさ”などを考慮して検討すると思います。「“費用対効果”で考えよう!」としてみたものの最初につまづくポイントは、「具体的にどのように数字で考えるのか」だと思います。
本資料では、 「不良率改善のためには、設備更新か人材教育かどちらに注力すべきだろう?」 という例を基にして、数字による意思決定の例題を一緒に見ていきたいと思います。
このカタログについて
| ドキュメント名 | 数字で考える!製造業の意思決定(不良率改善編) |
|---|---|
| ドキュメント種別 | 事例紹介 |
| ファイルサイズ | 813.3Kb |
| 取り扱い企業 | 株式会社松井製作所 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
Page1
《数字で考える!製造業の意思決定》
~不良率改善編~
URL http://matsui-ss.com/
(2022年2月作成)
Page2
目次
前書き ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p.2
使用する場面の例・・・・・・・・・・・・・・・ p.3
使用する図の説明 ・・・・・・・・・・・・・・・ p.4
検査効果の数値化・・・・・・・・・・・・・・・・ p.5
施策ごとの費用対効果 ・・・・・・・・・・・・・・ p.7
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Page3
前書き
製造業において、現場の改善はとても大切なものです。ただ、
忙しい毎日の中で思いつくもの全ての改善案に取り組んでいくの
は現実的ではありません。では、どのように優先順位をつけてい
くのが良いのでしょう?
一般的な方法として、“費用対効果”や“取組み易さ”、“実施した
際の効果の大きさ”などを考慮して検討すると思います。「“費用対
効果”で考えよう!」としてみたものの最初につまづくポイントは、
「具体的にどのように数字で考えるのか」だと思います。
本資料では、 「不良率改善のためには、設備更新か人材教育
かどちらに注力すべきだろう?」 という例を基にして、数字に
よる意思決定の例題を一緒に見ていきたいと思います。
※今回の例では計算をしやすくするために簡単に決めた点が
多々ございますが、実際に応用されるときには「本当にそのよう
な仮定を置いて良いのか?」などについて、各ケースごとにご検
討されますようよろしくお願い致します。
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使用する場面の例
いま、NC旋盤による加工を例に採ってみます。内径寸法で
あれ外形寸法であれ、何かしらの加工を行った際に100個中
99個は良品となり、100個中1個は寸法が外れて不良品に
なってしまうものとします(不良率1%)。
また、加工された製品は出荷前に社内で出荷検査が実施さ
れるものとします。出荷検査では検査員がノギスによって検
査を実施するものとします。人による検査という事もあり、多
少間違ってしまう可能性もゼロではありません。本来いけな
いことなのですが、本当は良品なのに“不合格”と判定してし
まうことや、本当は不良品なのに“合格”と判定してしまうこと
もあると仮定します。良品について“合格”と判定する確率を
99%、良品について“不合格”と判定してしまう確率を1%、ま
た、不良品について“合格”と判定してしまう確率を1%、不良
品について“不合格”と判定する確率を99%としましょう。
これまでのことを図で示すと以下の様になります。
良品 不良品
0.99 0.01
0.01
合格
0.99
0.99
不合格
0.01
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使用する図の説明
良品 不良品
0.99 0.01
0.01
合格
0.99
0.99
不合格
0.01
製品自体は“良品”の時に、“不合格”と判断される確率
上記図の見方につきまして説明します。まず横軸は、生産
された製品が良品か不良品かで場合分けしています。いま、
不良率を1%としているので“良品”には0.99、“不良品”には
0.01を割り振ります。また、縦軸は“良品”、“不良品“それぞ
れの場合に”合格”と判断されるか“不合格”と判断されるか
の場合分けを示しています。例えば“良品”だが“不合格”と
判断される場合について、前ページの仮定より0.01(1%)を
割り振ります。
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検査効果の数値化
今ここで、顧客から品質不良の報告があったとしましょう。
顧客に届けられているので、対象とする製品は出荷検査では
“合格”と判断されていたはずです。このように、検査では“合
格”となったのに実は不良品であるという事態が発生してしま
う確率は一体どうなるでしょう?
前ページの図で考えてみましょう。今回、出荷検査で“合
格”と判定されたのですから、顧客に届けられた製品のあり
得るケースとしては、「“良品”かつ“合格”」と「“不良品”かつ
“合格”」の2種類です。それぞれの確率を計算すると、
「“良品”かつ“合格”」 :0.99×0.99=0.9801
「“不良品”かつ“合格”」:0.01×0.01=0.0001
となります。
良品 不良品
0.99 0.01
0.01
合格
発生確率:0.0001
0.99 発生確率:0.9801
0.99
不合格
0.01
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検査効果の数値化
前ページにての確率0.9801と0.0001は、検査結果が“合格”
と“不合格”の両方の場合を含んだ世界でのお話でした。しか
し現在考えたいケースでは、既に検査は“合格”であった場合
のうち“不良品”である場合の確率なのですから、求めたい確
率は以下の様に計算できます。
検査では“合格”だったが実は不良品だった場合の確率:
0.0001
≒ 0.000102 = 0.01%
0.9801+0.0001
この式を図で説明すると、分母は図中の青塗面積と赤塗面
積を合計したもの、また、分子は赤塗面積に該当します。図
中下部分の“不合格”のときは考慮されていません。
上記のことから逆に、「出荷検査をしないと1%の確率で不
良品が流出してしまうが、出荷検査により不良流出の確率は
0.01%まで減少している」と捉えることもできます(検査効果
の数値化)。
良品 不良品
0.99 0.01
0.01
合格
0.99
0.99
不合格
0.01
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施策ごとの費用対効果
先ほどの例では不良流出の確率が0.01%でしたが、更なる
不良流出改善を検討するとします。いま、以下2つの案があ
るとします。
(案1)NC旋盤を最新のものに買い替えることで、生産される
不良品の数を減少させる
(案2)検査員の教育訓練を行うことで、合格不合格の判定率
を上昇させる
それぞれの費用対効果はどの様に考えたらよいでしょうか?
良品 不良品
合格
不合格
案1 案2
そもそもの不良品数を減らす “合格”“不合格”の判定率上昇
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施策ごとの費用対効果
“(案1)NC旋盤を最新のものに買い替えることで、生産され
る不良品の数を減少させる“について、まずは見てみましょう。
最新のNC旋盤の詳細は以下の様とします。
①不良率は1%から0.5%に改善される
②購入価格は2000万円
良品 不良品
0.995 0.005
0.01
合格
0.99
0.99
不合格
0.01
上記図のオレンジ部分は社内で不良品と判断されるので、廃
棄しているとします。上記オレンジ部分合計の確率は1.49%
(=0.995×0.01+0.005×0.99)です。一方、現状の廃棄率は
1.98%(=0.99×0.01+0.01×0.99)なので、案1による廃棄率
減少は0.49%(=1.98%-1.49%)となります。1%当たりの廃
棄金額を100万円/年とすると、案1では49万円/年の廃棄金
額減少効果となります。
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Page10
施策ごとの費用対効果
また、顧客からの不良連絡については下記図の赤塗部分
が該当します。案1実施後の発生確率は0.005%(=
0.005×0.01)となります。現状の確率は0.01%(ページ5ご参
照)だったので、案1による不良流出削減効果は0.005%(=
0.01-0.005)となります。
良品 不良品
0.995 0.005
0.01
合格
0.99
0.99
不合格
0.01
顧客への不良流出があれば、会社への信頼が落ちてしまう、
不良品の市場回収コストが発生する、新規製品の受注がこ
なくなってしまう等のリスクが考えられます。このリスクの大き
さを一概に決めることは大変困難ですが、ここでは簡単に、
仮に1%の不良流出につき5000万円/年の費用が発生すると
してみましょう。すると、案1によるリスク削減効果は、25万円
(=5000万円×0.005)/年となります。
前ページの廃棄金額と合わせて、案1の費用削減効果は74
万円/年(=49万円+25万円)と見積もれました。
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施策ごとの費用対効果
次に、“(案2)検査員の教育訓練を行うことで、合格不合格
の判定率を上昇させる“について見てみましょう。
教育訓練の詳細は以下の様とします。
①良品について“不合格”と判定してしまう確率、また、不良
品について“合格”と判定してしまう確率が共に1%から0.5%
に減少する。
②教育費用は200万円
良品 不良品
0.99 0.01
0.005
合格
0.995
0.995
不合格
0.005
上記図のオレンジ部分は社内で不良品と判断されるので、廃
棄しているとします。上記オレンジ部分合計の確率は1.49%
(=0.99×0.005+0.01×0.995)です。一方、現状の廃棄率は
1.98%(=0.99×0.01+0.01×0.99)なので、案2による廃棄率
減少は0.49%(=1.98%-1.49%)となります。1%当たりの廃
棄金額を100万円/年とすると、案2では49万円/年の廃棄金
額減少効果となり、これは案1と同じ効果となります。
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施策ごとの費用対効果
また、顧客からの不良連絡については下記図の赤塗部分
が該当します。案2実施後の発生確率は0.005%(=
0.01×0.005)となります。現状の確率は0.01%(ページ5ご参
照)だったので、案2による不良流出削減効果は0.005%(=
0.01-0.005)となります。
良品 不良品
0.99 0.01
0.005
合格
0.995
0.995
不合格
0.005
ここでも、仮に1%の不良流出につき5000万円/年の費用
が発生するとしてみます。すると、案2によるリスク削減効果
は、25万円(=5000万円×0.005)/年となります(案1と同じ)。
前ページの廃棄金額と合わせて、案2の費用削減効果は74
万円/年(=49万円+25万円)と見積もれました(こちらも案1と
同じ結果となりました)。
案1での投資回収期間は約27ヶ月(=2000万円÷74万円/
年)、一方、案2での投資回収期間は約2.7ヶ月(=200万円
÷74万円)となります。
以上から、「案1と案2のどちらかの案を選ぶとすれば、案2
の方が費用対効果が高い」ということが計算できました。
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