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平面度の計算原理

その他

『「平面度」って具体的にどうやって計算されるの?』 式の意味を解説します!

『「平面度」って具体的にどうやって計算されるの?』 式の意味を解説します!
本資料では、幾何公差の一種である「平面度」について、その計算方法の概要を述べたいと思います。具体的な式を追っていくというよりも、どの様なことを目指して計算が行われるのかという「式の意味」を重視して説明できるように心がけました。
※本資料はなるべく簡単に説明することを心掛けて作成しました。詳しい説明は別途市販書等をご参考ください。

このカタログについて

ドキュメント名 平面度の計算原理
ドキュメント種別 その他
ファイルサイズ 1.3Mb
取り扱い企業 株式会社松井製作所 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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平面度の計算原理 URL http://matsui-ss.com/ (2022年8月作成)
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目次 •前書き・・・・・・・・・・・・・・p.2 •前提条件・・・・・・・・・・・・・p.3 •計算方法概要・・・・・・・・・・・p.4~7 1
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前書き 本資料では、幾何公差の一種である「平面度」につい て、その計算方法の概要を述べたいと思います。具体的 な式を追っていくというよりも、どの様なことを目指し て計算が行われるのかという「式の意味」を重視して説 明できるように心がけました。本資料を通じて平面度の 計算の意味をより深く理解頂けますと幸いです。 2
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前提条件 今、製品上面の平面度を求めたいとする。製品上面上 の4点を測定したとする。それらの点をそれぞれ点A、点 B、点C、点Dとし、以下の様な座標とする。 点A 点B 点C 点A( ଵ, ଵ, ଵ) z y 点D 点B( ଶ, ଶ, ଷ) 点C( ଷ, ଷ, ଷ) x 点D( ସ, ସ, ସ) 平面度の計算を上記4点の座標を用いて行う場合を考え る。また、4点それぞれの座標(x,y)についてはあらかじめ 定めた値とする。 (例えば、( ଵ, ଵ)=(-30,0)、 ( ଶ, ଶ)=(0,30)、 ( ଷ, ଷ)=(30,0)、 ( ସ, ସ)=(0,-30)) 平面度計算の為にはまず、上記点A~Dに“フィットする” 平面を求めたい。 “フィットする”とは数学的にどの様に定義するかをまず は述べる。 3
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計算方法概要1 ①今、下図の様に真横から点群A~Dを観察したとする 点A 点B 点C z y 点D x ②その時の目線で見たとき、点群にフィットしそうな平面 を「えいやっ」と適当に引いてみる 点A z 点D 点B xy 点C 「えいやっ」で引いた平面 ③平面と各点とのz軸方向の距離( ଵ~ ସ)について、 “二乗和”(※次ページ参照)が最小となる様に平面を調整 する(この調整が“フィット”させるということ) 点A z ସ 点A ଵ ସ 点D 点B ଵ 点B ଶ 点D ଷ ଶ ଷ xy 点C 点C 4
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計算方法概要2 (③補足:なぜ二乗するか) 点A~Dは、それぞれ平面より上にある場合と下にある場合 がある。平面より上にあるときの の値をプラス、下にある ときをマイナスとしたとき、 の値同士をそのまま足し合 わせると、例えば上に大きく離れている点と下に大きく離 れている点の距離が互いに打ち消し合ってしまう。そのよ うなことが無い様に、二乗することで正の値同士の和とな り、数学的に正しい計算が可能となる。 点A z ସ ଵ 点D 点B ଶ xy ଷ 点C ଵ ଶ ଷ ସだ ଶ ଶ ଶ ଶ ଵ ଶ ଷ ସの二 と、±が互いに打 乗和とすると、正の ち消し合い正しい 値同士の正しい計算 計算にならない となる なお、一般的に平面の式は以下の様に表される。 平面の式: , , が定数であり、これら定数の値が変化すると、平面 の傾きや高さが変化する。上記プロセス③では、二乗和 ( ଶ ଶ ଶ ଶ ଵ ଶ ଷ ସ)が最小になるような , , を求める ということがなされている。 5
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計算方法概要3 ④決定された平面(最小二乗平面と呼ぶ)に対し平行な平 面を考える。その平面で、点群を上下から挟み込む様なイ メージを持って頂きたい。 最小二乗平面 z に平行な平面 点A ସ (上側) ଵ 点D 点B ଶ xy ଷ 上下両平面の 点C 距離:平面度 最小二乗平面 に平行な平面 最小二乗平面 (下側) 上記の図の例では上側は点Aを通る平面、下側は点Cを通る 平面となり、点Bと点Dは平面の間の空間にある。 このとき、上下平面の距離が平面度となる。 ここで、上下平面の距離は、上記の例では「点Aと最小二 乗平面の距離」と「点Cと最小二乗平面の距離」の和とな る。 6
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計算方法概要4 ⑤点A( ଵ, ଵ, ଵ)と最小二乗平面: の距離 ௔は 以下の様に計算される。 ଵ ଵ ଵ ௔ ଶ ଶ 一方、点C( ଷ, ଷ, ଷ)と最小二乗平面: の距離 ௖は以下の様に計算される。 ଷ ଷ ଷ ௖ ଶ ଶ よって、求める平面度は ௔ ௖となる。 (※1) ଵと ௔、 ଷと ௖はそれぞれ異なる距離である。 ଵ, ଷは点A、点Cそれぞれと最小二乗平面とのz軸に沿っ た距離であるのに対し、 ௔, ௖は点A、点Cそれぞれと最 小二乗平面との垂直距離(最短距離)である(下図参照)。 (※2)実際にエクセル等で計算する際には、 ௔௫భା௕௬భି௭భା௖ ௔ と分 の 対値を ௔మ 子 し ା௕మ 絶 外 た状態で ାଵ ௔, ௕, ௖, ௗを計算し、最大値(正の値)のものと、マイ ナスの値で絶対値が一番大きい の絶対値を足し合わせる処 理を行う。 が正の値とは、点が最小二乗平面の上側にあ ることを意味し、 が負の値とは、点が最小二乗平面の下側 にあることを意味する。 z 点A 最小二乗平面に平 ௔ ଵ 行な平面(上側) xy ଷ ௖ 上下両平面の 最小二乗平面に平 点C 距離:平面度 行な平面(下側) 最小二乗平面 7