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節電タイプのバルブです。災害時にも使用できるかも?!
「トイレが流れるしくみってどんなの?」 トイレでよく使用されているフラッシュバルブについて解説します!
本資料では、駅、商業施設、学校などの公共施設に必ずと言って良いほど設置されているトイレの中で、水を流す重要な役割を持つフラッシュバルブについて説明します。具体的にはフラッシュバルブの特徴、トイレの進化、構造、動作原理についてイラストを用いながら説明していきたいと思います。
※本資料はなるべく簡単に説明することを心掛けて作成しました。詳しい説明は別途市販書等をご参考ください。
このカタログについて
ドキュメント名 | フラッシュバルブの構造・動作原理 |
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ドキュメント種別 | 事例紹介 |
ファイルサイズ | 1.4Mb |
取り扱い企業 | 株式会社松井製作所 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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フラッシュバルブの構造・動作原理
URL http://matsui-ss.com/
(2022年4月作成)
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目次
•前書き・・・・・・・・・・・・・・p.2
•フラッシュバルブの特徴・・・・・・p.3
•フラッシュバルブの構造・・・・・・p.4
•動作原理・・・・・・・・・・・・・p.5~6
•フラッシュバルブ各部の役割・・・・p.7~9
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前書き
本資料では、駅、商業施設、学校などの公共施設に必ず
と言って良いほど設置されているトイレの中で、水を流す
重要な役割を持つフラッシュバルブについて説明します。
具体的にはフラッシュバルブの特徴、トイレの進化、構造、
動作原理についてイラストを用いながら説明していきたい
と思います。
【フラッシュバルブの使用場面】
フラッシュバルブは和式タイプの便器によく附属してい
ます。水を流すレバ−の付いた製品がそれです。また、男
性用小便器に取付けられているプッシュ式のボタンがつい
た製品にもフラッシュバルブが使用されています。
次ページでは、フラッシュバルブの特徴やその歴史を見
てみます。
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フラッシュバルブの特徴
昔の小便器ではよくフラッシュバルブが使われていまし
た。フラッシュバルブは、給水時は手動で操作を行い、一
定時間だけ洗浄水を流して、自動で止水することを特徴と
する装置です。また、水圧によってピストンバルブを上下
させますが、設置条件として使用圧力範囲は一般的に0.05~
0.75MPaです。
現在販売されている小便器の主流は便器とセンサ−が一
体となった自動洗浄小便器であり、センサ−(マイクロ
波・赤外線センサ−等)で便器前の人を感知して人が便器
前を離れると電磁弁が開き洗浄水を流し、一定時間後に電
磁弁を閉じて止水します。
フラッシュバルブから自動洗浄小便器までの流れを振り
返ってみましょう。
「フラッシュバルブ式」が主流の頃に「タンク式」という
タイプがあり、圧力が無いところ等で使われていました。
トイレの便器より高い位置にタンクが設置されており、タ
ンク内の水が貯まれば流れる仕組みになっており、現在で
も家庭用トイレでよく使用されています。公共施設である
駅などでは、不特定多数の人が連続でトイレに入る可能性
があります。「タンク式」だとタンクに満タンに水が溜ま
らないとトイレがよく流れませんが、「フラッシュバルブ
式」はタンクが必要なく水道管から直接水を流してこれる
ので、駅や商業施設で多く使用される様になりました。
ただし、流し忘れもあることから使用するたびに洗浄す
る方法としてセンサ−タイプが出来ました。そして配管も
一体化した自動洗浄小便器へと製品が進化しています。
今はセンサ−の窓も見えないようになっています。次はど
の様な新しいカタチになるのでしょうか?
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フラッシュバルブの構造
フラッシュバルブの断面形状は以下の様となります。
圧力室 流量調節部
ピストンバルブ
リリ−フバルブ
流量は流量調節部によって調節ができます。また、圧力
室の体積を調節することでも流量等の調整が可能です。
(詳細は各メ−カ−の取扱説明書や仕様書等で確認願い
ます)
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動作原理
このページではフラッシュバルブの一連の動きをイラスト
を用いながら連続で説明します。
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シールされ止水 水の流れ
リリ−フバルブが開くと、
上のイラストは一次側に一次圧 圧力室の一次圧が便器へと
が充満している状態です。 流れて圧力室の圧力が弱く
なります。
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【ピストンバルブ上昇の補足説明】
ピストンバルブ ① 止まっている
上昇
② 動き出す
上のイラストは両サイドから同じ
圧力室の圧力が下がると、一次 圧力が掛かった状態とします(状
側の水圧に押されてピストンバ 態①)。中の部品は等しい圧力で
ルブが上昇を始めます。ピスト 押されているので動きません。
ンバルブが上昇することで弁体 この状態で片方の圧力が弱くなる
が開き、便器へ一次側の水が流 と(状態②)、部品は弱い方に押
れて行きます。 されます。
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動作原理
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ピストンバルブ
下降
圧力
ピストンバルブが上昇することで圧力室の体積が小さくなります
が、リリ−フバルブが閉じていることにより圧力室に圧力が上昇
していき、上昇したピストンバルブが下降する方向に押し返す力
が発生します。
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シールされ止水
ピストンバルブは下降を続けて弁体に当たり、便器への水の供給を
遮断し自動で止水します。
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ピストンバルブの役割
本ページからは、フラッシュバルブの主要部分の役割を
おさらいしていきます。まずはピストンバルブです。
フラッシュバルブの重要な役割を担っているピストンバ
ルブ(イラスト中の緑色部分)ですが、この後に説明する
リリ−フバルブ、圧力室と密接な関係にあり、大きく以下
3つの役割があります。
一つ目の役割として、弁体(シ−ル部)として一次側の
水を止水します(動作原理ページのイラスト1と5)。
二つ目の役割として、一次側の水(水圧)を圧力室を経
由してリリ−フバルブへ繋ぐ通路を有しています(動作原
理ページのイラスト2)。
三つ目の役割として、ピストンバルブが上昇と下降をし、
ピストンバルブの動きで給水・止水を行います(動作原理
ページのイラスト3と4)。
上昇と下降を
繰り返す
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リリ−フバルブの役割
次に、リリ−フバルブについて説明します。
リリ−フバルブはピストンバルブ内にあり、圧力室と二次
側の弁体(シ−ル部)となります。押しボタンを押すとリ
リ−フバルブが押されてリリ−フバルブが開く構造となっ
ています。
リリ−フバルブの最も重要な役割として、圧力室の水圧
を一次圧から二次圧にし、フラッシュバルブの動作原理の
トリガ−となります(動作原理ページのイラスト2)。
力点(圧力)
支点
作用点
リリ−フバルブ
軽い力で傾く
フラッシュバルブの内部は高い圧力となっていますが、
リリ−フバルブは『てこの原理』を用いることで軽い力で
操作が可能となっています。
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圧力室の役割
最後に、圧力室について説明します。
圧力室は一次側から二次側への通路ともなっており(動作
原理ページのイラスト2)、リリ−フバルブの開閉により
圧力室内における圧力の上昇・減少を行い、ピストンバル
ブを上昇・下降させます(動作原理ページのイラスト3と
4)。
①ボタン押下
②リリーフバルブ傾斜
⑤ピストンバルブ下降 ③ピストンバルブ上昇
④便器に水が流れる
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