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《工場で使える品質管理》 ~ヒストグラム編~

事例紹介

QC7つ道具のひとつであるヒストグラムがどのようなものなのか、具体的な作成方法や見方に付いて解説して いきます。

【掲載内容】
前書き
使用する場面の例
度数表の作成
ヒストグラムの作成
ヒストグラムの形
平均値と標準偏差
不良率計算時の注意点

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このカタログについて

ドキュメント名 《工場で使える品質管理》 ~ヒストグラム編~
ドキュメント種別 事例紹介
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取り扱い企業 株式会社松井製作所 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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《工場で使える品質管理》 ~ヒストグラム編~ URL http://matsui-ss.com/ (2022年1月作成)
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目次 前書き ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p.2 使用する場面の例・・・・・・・・・・・・・・・ p.3 度数表の作成 ・・・・・・・・・・・・・・・・ p.4 ヒストグラムの作成・・・・・・・・・・・・・・ p.5 ヒストグラムの形 ・・・・・・・・・・・・・・ p.6 平均値と標準偏差・・・・・・・・・・・・・・・・ p.7 不良率計算時の注意点 ・・・・・・・・・・・・・ p.8 1
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前書き 品質管理の勉強を始めると、「QC7つ道具」というものを目に します。①チェックシート、②パレート図、③特性要因図、④グ ラフ、⑤散布図、⑥ヒストグラム、⑦層別 と呼ばれるものです。 今回の資料では、QC7つ道具のひとつであるヒストグラムがど のようなものなのか、具体的な作成方法や見方に付いて解説して いきます。 2
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使用する場面の例 ヒストグラムとはどのようなものでしょうか?製造業の工場 にて、金属棒を生産しているとしましょう。求められる金属棒 の長さは100mmとします。製品の品質面の立場から、生産さ れる金属棒の長さは100.0mm±0.5mmの範囲になければなり ません。 この管理が適正に行われているかどうかを調べるために、 ランダムに標本を採取しましょう。ここでは100個採取したとし ます。その長さは以下の様でした。 ≪ステップ1≫:データを集める 単位:mm 製品⾧さにおける生データ 規格:100±0.5mm n=100 99.6 100.2 100.4 100.1 99.7 100.7 99.8 100.2 100.5 100.0 100.0 99.0 99.9 99.5 100.5 100.0 99.7 99.5 99.3 100.7 99.8 99.9 100.0 100.3 99.8 99.2 100.6 99.9 100.4 99.6 99.2 100.5 99.4 99.9 100.1 100.5 99.1 99.7 99.9 100.1 100.6 99.6 100.8 100.0 99.3 100.1 99.9 100.1 99.8 99.4 99.7 99.5 100.2 99.4 100.4 99.6 100.0 99.4 99.7 99.9 100.3 100.0 100.1 100.2 100.0 100.9 99.5 99.8 100.1 99.7 99.4 99.8 99.7 99.6 99.9 99.8 99.9 100.5 99.1 100.2 99.9 99.5 99.2 99.9 99.8 100.3 99.3 100.0 99.9 99.5 100.1 99.9 99.8 100.0 99.5 99.9 100.2 99.6 100.3 99.8 3
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度数表の作成 集めたデータから平均値のズレやバラツキぐあいを見るた めにヒストグラムは作成されます。これらを見ていくために、 まずは度数表というものを作成します。 度数表は前ページの各データの特徴をまとめて見やすくし たものです。具体的には以下のステップを経て作成されます。 ≪ステップ2≫集めたデータの最小値と最大値を見つける。 前ページの例では最小値は99.0、最大値は100.9となります。 ≪ステップ3≫区間の数を決める きっちり決まったやり方はありませんが、大体5~20くらいの 区間に分ければ良いと言われています。データ数をルートし た数で定める方法もあります。今回の例では =10なの で、区間の数は10個とします。 ≪ステップ4≫区間の幅を決める 今回の例では最大値100.9、最小値99.0、区間の数10なので、 0.2(≒(100.9-99.0)÷10)とします。 ≪ステップ5≫区間の始まりの値を決める 色々な方法がありますが、生データは0.1mm単位で測定され ており、ここでは最小値99.0から0.05(最小測定単位0.1の半 分)を引いた98.95を区間の始まりの値とします。 これらの取り決めから作成される度数表は次ページの様に なります。また、度数表をグラフにより視覚的に表したものが ヒストグラムとなります。今回の例のヒストグラムは次ページ の様にきれいな山形となりました。 4
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ヒストグラムの作成 度数表 No. 区間 中心値 度数 1 98.95~99.15 99.05 3 2 99.15~99.35 99.25 6 3 99.35~99.55 99.45 12 4 99.55~99.75 99.65 13 5 99.75~99.95 99.85 24 6 99.95~100.15 100.05 18 7 100.15~100.35 100.25 10 8 100.35~100.55 100.45 8 9 100.55~100.75 100.65 4 10 100.75~100.95 100.85 2 合計 100 規格下限値(99.5) 規格上限値(100.5) 製品長さ(mm) 5 度数(発生頻度)
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ヒストグラムの形 作成されたヒストグラムの形を見ることで、異常があるかど うかの目安を付けることができます。 【標準型】 ・中心部が最も多く、左右に離れるに つれて少なくなる ・適正に管理されている場合、一般的に この形になる 【ふた山型】 ・2台の設備に差がある時、2人の作業に 差がある時、材料の使用ロットが2種類 の時など、異なる要素が混ざっている時 に生じる 【離れ小島型】 ・異なるロットの混入、段取り調整に使用 した部材の混入、作業途中での誤った 設定変更などの可能性がある 【かたより型】 ・検査により異常値を抜き取られた後や、 上限や下限に何かしら制限がある時 などに生じる 今回の例では標準型になりましたので、生産工程は一定以 上管理されている状態であることが分かりました。 6
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平均値と標準偏差 次に、データの代表値として平均値を、バラツキ具合を表す 数値として標準偏差を計算してみましょう。 平均値の計算はご存知の方も多いと思いますが、全ての データの値を合計したものをデータ個数で割ることで求めら れます。計算は省きますが今回の例では99.9mmとなります。 標準偏差は以下の式で計算が可能です。 ଶ ௜ 標準偏差 ௜ 各データ 平均値(=99.9) データ数(=100) 式の意味を大まかに説明しますと、各データが平均値から どれだけ離れているかの合計値を、データ数で割り算してい ます。2乗することにより、平均値からプラス方向のズレとマイ ナス方向のズレが相殺しないようにしています。また、2乗し たままだと単位がmmの2乗となってしまうので、単位をmmに するために最後にルートを計算しています(なぜnではなくn-1 で割っているのかは複雑な説明となるため割愛します)。 計算すると、標準偏差σは0.4mmとなります。平均値と標準 偏差を例えば各ロット毎に比較することで、加工の狙い値か らのバラツキが良くなったか悪くなったかを検討することが可 能となります(より詳しく知りたい方は統計学を学習する必要 があります)。 7
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不良率計算時の注意点 ヒストグラムからは内容は少し離れるのですが、不良率を 計算する際の注意点を挙げさせていただきます。 今、製品1と製品2をそれぞれ機械A,機械Bで生産すると します。この時の各生産数と不良数を以下表に示します。 製品1 製品2 製品1と製品2の合計 生産数 不良数 生産数 不良数 生産数 不良数 不良率 不良率 不良率 (個) (個) (個) (個) (個) (個) 機械A 800 44 5.5% 200 7 3.5% 1000 51 5.1% 機械B 200 14 7.0% 1800 72 4.0% 2000 86 4.3% 製品1のみに注目すると、 機械Aの不良率(5.5%)<機械Bの不良率(7.0%) 製品2のみに注目すると、 機械Aの不良率(3.5%)<機械Bの不良率(4.0%) と、ともに機械Aの不良率の方が低いですが、製品1と製品2 の合計に注目すると、 機械Aの不良率(5.1%)>機械Bの不良率(4.3%) と、機械Bの不良率の方が低い結果となります。 これは、機械Aと機械Bで主に生産している製品が異なるこ とに起因しています。機械Aは不良が出やすい製品1をメイン に生産する一方、機械Bは不良が出にくい製品2をメインに生 産することから、上記の様な逆転現象が発生します。 上記の様に、部分に分解された結果だけを見て「全体でも そうだろう」と直感的に思ってしまいがちですが、場合によっ ては全体では異なる結果となる場合があります。分析手法と は基本的に「全体を分けて考える」手法ですが、取扱いには 注意が必要です。 8 < < <