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このカタログについて
ドキュメント名 | ノーブルライト赤外線ヒーター 赤外線溶着アプリケーション |
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ドキュメント種別 | 事例紹介 |
ファイルサイズ | 2.8Mb |
取り扱い企業 | エクセリタスノーブルライトジャパン(旧へレウスノーブルライトジャパン)株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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Noblelight
INFRARED
ノーブルライト赤外線ヒーター
赤外線溶着アプリケーション
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赤外線溶着の特長
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赤外線溶着は、上下あるいは左右に配置された樹脂部品を赤外線ヒーターにより輻射加熱し、加圧することで部品を溶着
する技術です。アッセンブリ製品など、振動を与えられないデリケートな製品に対し、赤外線溶着で振動を与えずに溶着する
ことが可能です。日本では、一般に超音波溶着技術や振動溶着技術が広く用いられていますが、赤外線溶着技術は以下の
特長があることから、欧米ではすでに多くの生産工程に導入されています。
クリーン 非接触加熱
振動を与えずに加熱するため、パーティクルの 部品のサイズを問わず加熱ターゲットに接触
発生がなく、溶着後の仕上がり品質が向上 することなく溶着
高い溶着強度 特殊形状への対応
厚みのある材質でも高耐圧性と高機械強度を 加熱ターゲットに合わせた3D形状に対応し、
維持 均一加熱が可能
幅広い適応材質 プロセスの自動化
ポリアミドやポリプロピレンなどの高融点材料、 制御性に優れた赤外線ヒーターを用いること
低粘度物質、発泡材などにも対応可能 により、常に均質溶着をもたらす自動化が可能
プロセスの効率化 スペースの縮小化
効率化に応える赤外線ヒーターの優れた応答 効率的なプロセスの実現により大型な装置
特性で、必要な時に必要な箇所だけ加熱 ゾーンは不要
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赤外線溶着プロセス
パイプ、チューブ、タンク、耐圧性のフィルターハウジングなど、多くのプラスチック製品は、射出成形後、個々の部品をアッセン
ブルする必要があります。赤外線加熱は、プラスチック部品を溶着し、接着剤や固定装置などを必要としません。このような
方法は、多くの生産工程の手助けになっており、生産速度を加速させています。石英ガラス製赤外線ヒーターが製品や生産
プロセスに一致していることで、プロセス時間の短縮とエネルギー削減の両方が実現し、溶着プロセスが効率的になります。
以下の写真は、プラスチックパイプの赤外線熱溶着工程の一例です。
①赤外線ヒーターユニットを 2つの ②赤外線ヒーターユニットのスイッチ ③赤外線ヒーターがパイプ断端の ④赤外線ヒーターユニットを移動
部品で構成されるプラスチック をON 表面を数秒で加熱 させ、パイプ端面を圧着
パイプの間に設置
赤外線熱溶着で可能なこと・・・
プラスチック部品は、形状や色などがさまざまです。私たちは社内のアプリケーションセンターでの試験を重ね、
以下の点を踏まえてお客様に赤外線熱溶着プロセスを提案しています。
■ プラスチックの特性は溶着結果に大きな影響をもたらし ■ 私たちのアプリケーションセンターでの試験結果では、
ます。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドといった シリコン製プラスチックまたはゴムの溶着はできないこと
熱可塑性プラスチックはほんの数秒で数回加熱する が判っています。例えば、タイヤの接触表面に使われる
ことができます。一方で、フェノールホルムアルデヒド、 材料が該当します。一方で、純製ゴムの接触表面は
ポリエステルまたはメラミン樹脂といった熱硬化性プラ 溶着可能なことが判っています。
スチックは再び加熱することはできず、またプラスチック
表面を溶かすことができません。 ■ 黒色プラスチックは、白色や透明な材料より、赤外線
の光をよく吸収します。暗色(濃い色)プラスチックの
■ プラスチックの中には、ガラス繊維などの添加剤や 方がより速く加熱されるのはこのためです。私たちの試験
充填材が含まれることがあります。ガラス繊維は、ポリ 結果では、2つの部品に分かれているポリアミド製部品
アミドコンテナーを強化し、安定した耐圧性を与えます。 は、色によって異なる所要時間で溶着できることが
このようなプラスチックはポリプロピレン中の短ガラス 分かっています。白色プラスチックでは加熱に 40秒
繊維材がむき出しになっているため、ホットプレートの かかるのに対し、黒色プラスチックではそれと同じ温度
PTFE(フッ素樹脂)コーティングを摩耗し、損耗が進み でたった 12秒で加熱することができます。
頻繁に交換することになり、コストが嵩むことになります。
赤外線ヒーターは、加熱ターゲットを非接触で加熱する ■ 異種樹脂の溶着も各製品の赤外線の照射条件を変更
ため、ガラス繊維を損傷することはありません。 することによって、対応可能です。
■ 振動溶着の毛バリを嫌う製品、熱版溶着の製品との接触
に伴う不備の解消を求められる製品に適しています。
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赤外線溶着技術の導入事例
オメガヒーターによるフィルターハウジングの赤外線溶着
室内プールや大浴場用のフィルターハウジングを製造している東南アジアのある会社では、二等分に射出成形されたポリプ
ロピレン (PP)製ハウジングの耐圧性と、実際の使用においても明らかに目視できることから、溶着部分の美観も要求されて
いました。同社では以前テフロンコーティングのアルミブロックで覆われた耐発熱体のある溶着システムを使用していました。
それは空気圧で内側と外側に回転されていましたが、PPは溶融すると容易にたなびき、発熱体にくっついてしまう問題があり
ました。そのため、製品品質や生産速度に対する高まる要望に応えることができませんでした。
そのような状況下、同社では効率が良く省エネルギー化を実現する解決策として赤外線溶着を検討しましたが、大型で厚みの
ある赤外線溶着は大きな挑戦でした。ドイツ・ヘッセン州カッセルにある IPCW (International Plastic Welding Consultancy,
国際プラスチック溶着コンサルタント社)の Uwe Egen博士は、同社のために赤外線溶着システムを設計・製作しました。
そのシステムに導入されたヘレウス製オメガヒーターは、ヘレウスがそれまで製造してきたものの中でも特大サイズで、直径
61cm、180°の金反射膜付きという特殊なものでした。
回転式デバイスに格納された 2本のオメガヒーターはハウジングの端面を加熱するように配置され、加熱後回転しながら
離され、プラスチック端面を溶着するという工程でした。精密に制御されたシステムは、既存の制御キャビネットに格納され、
強度と時間プロファイルを維持する役割がありました。適切な加圧力があるため、溶接部分は確実なものでした。
導入した赤外線システムは、接触発熱体の代替となり、サイクル時間も飛躍的に短縮しました。赤外線技術の主な利点は、
二等分された部分に赤外線ヒーターが精密にかつ中央に配置されることにありました。赤外線ヒーターは非接触加熱のため、
対象物の表面が溶けくっつくことがなく、また動いてずれることもありませんでした。
特徴
■ ポリプロピレン (PP)製フィルターハウジングの熱溶着
■ 非接触型加熱
■ 部品は互いにくっつくことなく精密に中央に合わせれる
上記の工場でのヒーター仕様
■ ヒーター種類:オメガヒーター
■ 直径:61 cm
■ リフレクター:180°金反射膜
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溶着に赤外線加熱技術を取り入れ、プロセスが
向上する取り組みを行っています。
自動車の軽量化に貢献する金属代替製品であるプラスチック。そのプラスチックの接合技術にはさまざまありますが、私たちは、
ヤマウチ精機株式会社とともに、自動車部品の軽量化に貢献する赤外線プラスチック熱溶着技術を確立しました。形状は、2D
や3D、特殊形状にも対応します。
ヤマウチ精機株式会社では、お客様の個々のプラスチック製品の接合を、非接触でクリーンに行う赤外線熱溶着治具をご提案
しています。照射実験をご希望のお客様は、ヤマウチ精機株式会社のデモ機で実験をしていただくことが可能です。
ヤマウチ精機株式会社は、2005年に設立され、愛知県
岡崎市を本拠地とした、自動車や建材産業を中心とする
樹脂部品の溶着治具メーカーです。工場における生産の
効率化を目的とし、開発段階から安全と品質、効率について
積極的に提案し、付加価値のある「モノづくり」を提案して
います。
ヤマウチ精機株式会社
愛知県岡崎市渡町字能光25-1
0564-31-6797 http://www.yamauchi-s.jp/
実験に関するお問い合わせ
テストサンプルをお持ちいただき実験が可能です。
実験内容や実験日時など、調整させていただきますので、
実験をご希望の方は、お電話またはフォームよりお問い合わ
せください。
画像ご提供: ヤマウチ精機株式会社 赤外線熱溶着のテスト機
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