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バーチャルコミッショニングを使用して、ハードウェアをアップグレードせずにサイクルタイムを短縮

事例紹介

MapleSim によるバーチャルコミッショニングが、いかにコストと時間の削減をしたか? Niigon Machines Ltd. での事例をご紹介します。

Niigon Machines Ltd. のエンジニアは、新しい射出成形機の性能要件を満たすための改修に直面しました。

Maplesoft のエンジニアは、制御コードを最適化するための装置の動的モデルを作成。装置のデジタルツイン化により、制御チームは最適化されたソリューションの開発、改良、テストを行いました。

結果として、Niigon Machines Ltd.は、MapleSim によるバーチャルコミッショニングの技術を用いて、時間とコストを削減しながら、顧客が求める仕様と要件を得ることができました。

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このカタログについて

ドキュメント名 バーチャルコミッショニングを使用して、ハードウェアをアップグレードせずにサイクルタイムを短縮
ドキュメント種別 事例紹介
ファイルサイズ 4Mb
登録カテゴリ
取り扱い企業 Maplesoft Japan株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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マシンを最大限に活用する: バーチャルコミッショニングを使用して、ハードウェアを アップグレードせずにサイクルタイムを短縮 課題 新しい射出成形機の性能要件を満たすため に、Niigon Machines Ltd.のエンジニアは、コストのかか る改修に直面しました。エンドカスタマーの現場ですでに 稼働していたこの装置のサイクルタイムを短縮する必要 がありました。Niigon社の従来のアプローチでは、装置 のシステムに対して、大規模で費用のかかる改修が必 要でした。また設置に際して、機械の稼働を長時間に わたり停止する必要がありました。 解決策 ハードウェアにかかる膨大なコストと装置の稼働停止を 回避するため、NiigonはMaplesoftと提携し、バーチャル コミッショニングのアプローチを採用しました。Maplesoftの エンジニアは、装置のサイクルタイムを短縮するために、 オートメーションビジネスでは、スピードと効率がすべてです。 制御コードを最適化するための強力なテストプラット エンジニアは、安全性や品質を犠牲にすることなく、生産 フォームとして機能する、装置の動的モデルを作成しました。 速度を向上させるための新しい技術を常に探しています。 装置のデジタルツイン化により、制御チームは最適化 多くのエンジニアは、機械性能を向上させるために、より されたソリューションの開発、改良、テストをすることが 厳しい要件に耐えられる新しいモータ、油圧装置、および できました。Niigonは、追加のコスト発生や装置を稼働 その他の構成部品を検討しています。バーチャルコミッ 停止させることなく、要件を満たすことができました。 ショニングの登場により、Niigon Machines Ltdのエンジ ニアは、シミュレーションベースの設計原理を使用して製品を 最適化することで、現在の装置をより速く、より安全に、 結果 より効率的に動作させています。 この射出成形機は現在、以前と全く同じハードウェア 上で処理能力を25%以上向上し、顧客のすべての 最新の射出成形機のプロバイダーであるNiigon は、 要件と仕様を満たしています。バーチャルコミッショニング 競争の激しい市場での要求を満たすために、モジュール は、装置の再設計に比べてわずかな費用で、既存の 式でカスタマイズ可能な装置を提供しています。同社は ハードウェアで最高のパフォーマンスを達成する新しい 最近、2つの射出ユニットを同時に稼働させ、油圧と 方法をNiigonに提供しました。現在Niigonのエンジニアは、 電動の両方の作動を利用して金型を同時にプレスする バーチャルコミッショニング技術を用いて、試運転の時間を 新しい装置を納入しました(図1)。納入後、同社の 大幅に短縮し、より高速で予測可能なパフォーマンスを エンドカスタマーは、現在実現できる処理能力よりもさらに 実現する新世代のマシンを作成しています。 速い処理能力を求めました。
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図1:2台の射出成形機を同時に稼働させるNiigonの新型射出成形機の簡易モデル 現状の構成における装置の速度は、生産速度を上げると 問題を解決できます- 新しいハードウェアは必要ありません。 発生する不要な振動によって制限されてしまい、仕様よりも Niigonは、可能な限り早く結果を出すために、Maplesoft 遅い速度で稼働する必要がありました。センタープラテンに Engineering Solutionsのサービスを利用して、シミュレー 作用するこの振動は、射出形成機のプラテンが互いに ションベースのアップグレードの開発と実装を支援しました。 閉じているときの機械サイクル間で発生していました。 Maplesoftの専門家は、まず検証済みのマシンモデルを Niigonのエンジニアは、装置の構成を改善するために 開発し、振動の根本的な原因を調査しました。そして、 様々な方法を検討しました。現在のエンジニアリング技術 そのシミュレーションモデルをマシンコントローラ最適化の では、解決策として油圧部品を電気部品と交換する 仮想テストプラットフォームとして使用しました。Niigonは、 必要があります。しかし、これにはハードウェアのコスト、 制御の最適化を仮想的に行うことで、物理的な装置を 数百時間のエンジニアリング時間、装置の稼働停止 オフラインにしたり、テスト中に装置を損傷したりすること 時間による大きな損失が伴います。 なく、複数の戦略を開発、テスト、最適化できるように 新しいアプローチ:バーチャルコミッショニング なりました。適切な戦略が開発されると、物理的な装置は新しいソフトウェアにリモートで更新されました。 高い費用と厳しい納期に直面したNiigonは、装置の 最適化への新しいアプローチを検討することにしました。 モデルの開発 彼らはシミュレーションとバーチャルコミッショニングソリュー シミュレーションモデル(デジタルツインとも呼ばれる)を ションのリーディングプロバイダーであるMaplesoftと提携し、 作成するために、Niigon は Maplesoft に、異なる部品 シミュレーションベースの技術を用いた制御戦略の最適化を 要素の速度、位置、トルクデータなど、装置からの様々な 模索しました。成功した場合、Niigonはコントローラを 操作データを提供しました。 正確に最適化して、不要な振動を最小限に抑えることで 問題を解決できます- 新しいハードウェアは必要ありません。
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Maplesoft のモデリングおよびシミュレーションツールである MapleSim(図 2)を使用して、物理的な装置の 動作を再現する動的モデルが作成されました。要求さ れる忠実度を実現するために、MapleSim のマルチドメ イン環境で構築されたこのモデルには、油圧システムや 機械システムなど、実機の主要コンポーネントが含まれ ていました。 図3: MapleSim(右)とB&R Automation Studioと HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)ソフトウェア自体からなる 制御システム開発ソフトウェア(左)との接続例。Niigon の エンジニアは、MapleSim のシミュレーションモデルを Automation Studio 内のリアルタイムテスト用の仮想テストプラットフォームとして 使用し、その結果得られた制御コードを HMI システムへの展開に 使用しました。 図 2: 射出成形機の一部のモデルトポロジーを示す MapleSim ことができました。マウスをクリックするだけで、異なる ワークスペースの例 制御戦略に対するマシンの応答を、特定のセンサー データとマシンのリアルタイム3Dイメージ双方の形で可視 化できました。バーチャルに制御戦略を最適化した後、物 Maplesoftのエンジニアは、物理的なマシンのデータとモデル 理的なマシンに配備する準備が整いました。 の結果を比較することで、実機で見られる振動を正確に 再現したシミュレーションモデルを作成しました。このモデルを すべてをまとめる: マシンの更新 使用して振動の原因を調査することで、振動をなくすための さまざまな戦略をシミュレーションすることができるようになり ました。 制御コードの最適化 これでNiigon は、シミュレーションモデルを使い、最適化 された新しい制御コードを開発する準備が整いました。 B&R Industrial Automationの顧客であるNiigonは、 制御設計にAutomation Studioを使用しました。この Automation Studioは、バーチャルコミッショニングのために 図4: Niigonが開発した射出成形機 MapleSimモデルを簡単にインポートすることができます。 MapleSimモデルは、B&R MapleSimConnectorを使用して Automation Studioに接続されます。これによりNiigonは、 リアルタイムのシミュレーションベースのモデル上で、制御コー モデルベースの最適化による有望な結果を武器に、 ドの影響をシミュレーションすることができました(図3)。 NiigonとMaplesoftのエンジニアは、物理的なマシンに ソリューションを実装する準備ができました(図4)。 仮想マシンをテストすることで、Niigonは物理的なマシンが 典型的な試運転の状況では、 エンジニアは適切な なくても、オフサイトで制御戦略の無数の反復を実行する
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コントローラ構成に落ち着くまでに数週間から数ヶ月かかる 場合があります。しかし、Niigonは仮想マシン上でテストを 私にとって、それは考えるまでもない 実施したため、マシン操作の最適化を実装するための “ ことです。シミュレーションなしでは、マシンの稼働停止時間を2日以内に短縮できました。 装置のシステムを最大限に活用 2 つの主要な最適化戦略を実施した後、Niigon の マシンは機械のサイクルタイムを 25%以上短縮することに することはできません。 成功し(図 5)、製造中の振動問題を効果的に解消 しました。「当初、これはソフトウェアでは実現不可能だと ” 思っていました」と、このプロジェクトの制御設計者である Niigonのバーチャルコミッショニングの未来 Billy Jiang氏は述べています。「最初にこのような結果が 装置シミュレーションは、ほんの数ヶ月の間に、検討外 の 出たときは信じられませんでした」。 オプションから、Niigon社の将来のエンジニアリング開発の ための重要なツールになりました。Niigon社の制御エンジニア であるMarc Ricke氏は、シミュレーションが同社の製品ライン 全体にもたらすパフォーマンスの向上に確信を持っています。 「私にとって、それは全く考えるまでのないことです。シミュ レーションなしでは、機械システムを最大限に活用すること はできません。」 Niigonでバーチャルコミッショニングプロセスを導入し続ける 中で、Marcはコンサルティング、トレーニング、ソフトウェアの ためにMaplesoft Engineering Solutionsを継続的に使用 しています。「私たちが得たサービスの質の高さは計り知れ ません。何よりもまず第一に、Maplesoft のエンジニアは、 常に私たちの問題を可能な限り迅速に解決できるように 支援することに関心を持っていました。」 Niigonの次の目標は何でしょうか?開発中のものを正確に 図 5:機械制御コードを最適化することで、エンジニアは、最適化 されたコントローラを使用しない場合(緑)と新しい制御戦略を 語ることはできませんが、Marcはシミュレーションが将来の 使用した場合(赤)の油圧システムを比較し、振動が大幅に 製品に強力な競争力を提供すると確信しています。将来 減少していることに気付きました。 的には、顧客がシミュレーションベースの機械開発によって 提供される利点を要求し始めるだろうと彼は信じています。 Niigonは、オートメーション技術としてバーチャルコミッショニ ングを使うことで、マシンのダウンタイムを減らし、ハードウェア 「当初CADモデリングは不要と見られていて、なくても大丈夫 ベースのソリューションの25%以下のコストで、顧客の性能 だと考えていた人もいました。今では、CADモデリングの 要件を上回る機械を提供できました。射出成形機を 必要性を議論することすらできない時代になりました。 最適化して以来、エンドカスタマーは生産量の増加に 2年後には、ここにいる人たちも同じようにシミュレーションを 対応するためにラインに2人目の従業員を追加しました。 見てくれるようになることを期待しています」と語っています。 www.maplesoft.com | info@maplesoft.com • Toll-free: (US & Canada) 1-800-267-6583 | 日本: 03-5545-3030 © Maplesoft, a division of Waterloo Maple Inc., 2020. Maplesoft, Maple, and MapleSim are trademarks of Waterloo Maple Inc. All other trademarks are the property of their respective owners. A C y b e r n e t G r o u p C o m p a n y