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工場の生産性を上げる 6つの取り組み

ホワイトペーパー

時代に合わせて成長し続ける工場へ

ものづくりを効率的に進めることで、品質の向上コスト削減が期待できます。
非効率な⽣産体制ではミスも発生し、品質にバラつきが発生します。
効率的に生産できれば品質も安定し、
売上向上、顧客満⾜度の向上、コスト削減につながります。
削減したコストは設備や従業員への投資に使えるため、
企業のさらなる成⻑につなげることが可能です。
本ホワイトペーパーは製造業における⽣産性を上げるためのポイントについてをまとめた資料となります。
ぜひご覧ください。

このカタログについて

ドキュメント名 工場の生産性を上げる 6つの取り組み
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
ファイルサイズ 2.4Mb
取り扱い企業 大興電子通信株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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この企業の関連カタログの表紙
調達部門の業務量が1/2に!?調達のQCDの向上
製品カタログ

大興電子通信株式会社

このカタログの内容

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【個別受注製造業版】 工場の生産性を上げる 6つの取り組み ~時代に合わせて成長し続ける工場へ~ Copyright © DAiKO+PLUS(プラス) All Rights Reserved.
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もくじ 個別受注生産では、消費者のニーズに応えて臨機応変に生産品目を変更することができる一方、 コストの増加や生産効率の低下に注意する必要があります。 しかし同時に、個別受注生産では仕様の変更が多いうえに短納期に追われやすく、 生産性の向上どころか、現場が疲弊してしまっているケースも少なくありません。 一体なにが生産性を下げており、どうすれば生産性UPが見込めるのでしょうか...? 本書では、個別受注生産における課題を取り上げたうえで、有効な対策方法についてご紹介します。 1章 個別受注生産の工場における、「生産性低下の要因」 • 頻繁に起きる「仕様変更」の問題 • 最新情報が共有されない「組織体制」 • 技術・ノウハウをもった「人材不足」 • なかなか進まない「標準化」 • 「段取り替え」が多く、生産停止が長い 2章 工場の生産性を上げる、6つの取組み • 製造に関わる情報を記録し活用する • 仕様変更に柔軟に対応する • 日程を見える化し、納期遅延を防止する • ベテランの技術を次世代に継承する • 段取り替えの時間を短縮化する • 「部品表中心」のモノ作り体制にシフトする 3章 情報管理・共有をシステム化、効率化を図る方法 • 生産管理システムの機能・役割 • 生産管理システム導入のメリット • 失敗しない生産管理システム導入 2
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個別受注生産の工場における、 「生産性低下の要因」 なぜ、生産の効率化ができないのか? Chapter 1 製造業で利益を増加させるための方法のひとつは、生産性を向上させることです。 しかし、製造業では現状のオペレーションに追われ、生産の効率化がなかなか進まないこともあります。 特に、個別受注生産では受注ごとに0から設計しなおしていたり、急な仕様変更が多く発生したりと、 部品や作業の標準化・製造情報の管理といった事柄がなかなか進みません。 本章では、何が個別受注生産の生産性を下げているのか、その主な要因を整理します。 3
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個別受注生産の工場における、「生産性低下の要因」 頻繁に起きる「仕様変更」の問題 急な仕様変更で振り回される製造現場 「また製品の仕様変更か...しかも、このタイミングで...」 個別受注生産の現場でよく見かける、このようなシーン。営業部門からの情報共有が遅れたり、そもそも共有が 漏れていたりすると、設計部門・製造部門・調達部門といった関係部門は対応に追われることになります。 急な仕様変更によって手間が増えているばかりか、 不要な資材の発注に繋がり、金銭的なコストの無駄も生み出している典型例です。 仕掛り途中の作業も、場合によってはムダになってしまうことも考えられます。 顧客の要望に答えてさまざまなモノを作れることが強みである一方、 個別受注生産はこれが要因となって生産性が低下してしまいがちです。 大切なのは「仕様変更」を伝えるスピード 案件ごとカスタムオーダーメイドする個別受注生産では、このような仕様変更(あるいは、調整)が 発生すること自体は、ある程度仕方がないことです。 そのため、大切なのは仕様変更をいかに減らすかではなく、 情報共有のスピード・正確さを上げることにあるのです。 個別受注生産では、見込み生産の工場以上に早めはやめの情報共有を行うことが非常に重要です。 製造業のリードタイムを短縮させる3つのポイント 関連する記事はこちら | https://www.daikodenshi.jp/daiko-plus/production-control/lead- time-reduction/ 4
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個別受注生産の工場における、「生産性低下の要因」 最新情報が共有されない「組織体制」 新規案件が急に入るので、スケジュールが崩れる 見込み生産と異なり、先々の案件スケジュールを把握することが難しい個別受注生産では、正式な受注が決 まって案件が伝達されるまでスケジュールを引きにくく、急ピッチで稼働開始することも珍しくないでしょう。 それにもかかわらず、顧客から短納期を要求されるケースもあったりと、 もともと納期まで余裕がない案件もあります。 現場としては、ある程度受注見込みが高い案件であれば、 事前にスケジュールやリソースを確保しておきたいことでしょう。 変更図面が伝達されるのが遅い カスタムオーダーで毎回ゼロから設計を行っているからこそ、 「お客様から急な仕様変更を依頼された」 「設計した部品を実際に試作してみたら、強度等の設計品質に問題が見つかった」 というようなケースも起こってしまいます。 ここで変更された図面データが他部門へ速やかに共有されなければ、 さらなるスケジュール遅延のリスクが高まります。 しかし、営業部門・設計部門・製造部門・調達部門...と1つの案件に対して関係部門が多い製造業では、 情報伝達の速度が遅くなったり、伝達が漏れたりといったことが起こりやすいのも現状ではないでしょうか。 製造業のリードタイムを短縮させる3つのポイント 関連する記事はこちら | https://www.daikodenshi.jp/daiko-plus/production-control/lead- time-reduction/ 5
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個別受注生産の工場における、「生産性低下の要因」 技術・ノウハウをもった「人材不足」 技術を持った人材が去っていく... いま、多くの製造業では、少子高齢化が進み若手の確保が難しくなっていることや、 ベテランの方の退職が進んでいることで、現場の技術力の低下が悩まれています。 技術力が低下してしまえば、生産性が低下するだけでなく品質にも影響がでます。 ノウハウが属人化している、特定の人に業務が偏っているといった問題を解決し、 企業が技術力を失ってしまわない仕組みを整えなくてはなりません。 そのためにも、ベテラン技術者の技術をデータに残し、次世代に継承することが必要です。 必要な人員が集まらない また、各工程に必要な人員が集まらず、利益を上げるのに必要なラインを動かせなかったり、 一部の工程に負荷がかかったりするケースも生産性を下げてしまう要因です。 新しい人材がなかなか集まらず、離職率も高い状態だと、なかなかこの状況からは抜け出せないでしょう。 一部の工程に負荷がかかれば従業員の満足度は上がらず、残業代などで人件費の増加に繋がります。 設計標準化で技術継承を進める!設計業務における属人化の脱却 関連する記事はこちら | https://www.daikodenshi.jp/daiko-plus/production-control/design- standardization/ 6
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個別受注生産の工場における、「生産性低下の要因」 なかなか進まない「標準化」 効率化・品質安定に大きな効果がある「標準化」 マニュアルを作成し、誰でも同じ・あるいは似たようなパフォーマンスを発揮するための標準化は、 製造業で生産を効率化するためには必須です。製造する部品や作業を「標準化」することによって、 設計品質・製造品質を安定させ、ミスなどによって発生するムダな手間を省くことが可能です。 また、標準化が進めば業務やノウハウの継承がしやすくなり、教育時間の短縮にも繋がりますし、 担当者による品質のばらつきを抑えることもできるため、標準化は非常に重要です。 しかし、現状の工程を改善する手間が取れず、現場の従業員に依存する形で標準化が進まないケースがあり ます。標準化が進まなければ効率化ができない他、ベテランと新人の間で品質の差が生まれ、ノウハウがなかな か蓄積されないという問題も発生します。 「標準化は不可能」と誤解されているケースも... このように業務効率化・品質安定が見込める「標準化」ですが、 繰り返し生産の企業と異なり、毎回ゼロから設計をし直す個別受注生産では、 現場担当者が「標準化は不可能だ」と考えているケースも少なくありません。 しかし、これは大きな誤解です。 個別受注生産でも、過去に設計・製造したものと同じような案件を担当するケースもありますし、 ある程度の部品までは「共通パーツ」として標準化することが可能です。 たとえば、設計部品表の流用によって、類似品の設計工数を削減できるはずです。 具体的には、類似品の設計であれば過去の図面を確認して流用、または一部の描き換えで対応できるといっ たケースが考えられます。 設計の標準化が進まない理由と解決策とは 関連する記事はこちら | https://www.daikodenshi.jp/daiko-plus/production- control/design-standardization-method/ 7
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個別受注生産の工場における、「生産性低下の要因」 「段取り替え」が多く、生産停止が長い 段取替えで停止する生産ライン 個別受注生産や多品種少量生産では、生産が停止する段取り替えの回数が増加することも大きな課題です。 段取り替えにはプレス機やドリルなどの取り替え、精密切削加工機などの整備、組立部品の切り替え、掃除や 次の作業内容の確認など多くの作業があり、効率良く回せなければ多大なロスとなります。 また、段取り替えを行う作業員によって作業時間が異なる場合にもロスが発生するため、 誰でも同じ時間で完了できるよう作業内容の標準化を整備しておくことも重要です。 高利益率を目指す!多品種少量生産における3つの注意点と対策 関連する記事はこちら | https://www.daikodenshi.jp/daiko-plus/production-control/high-mix-low- volume-production-2/ 8
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工場の生産性を上げる、 6つの取組み 各課題に対して有効なベストプラクティスとは? Chapter 2 本章では、前章でご紹介した課題を踏まえて、 個別受注生産で生産性を高めるためになにをするべきか、6つのベストプラクティスをまとめました。 9
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工場の生産性を上げる、6つの取組み 製造に関わる情報を記録し活用する 個人のノウハウに依存せず、情報を一括管理する ベテラン社員の職人技に頼っているため、「製造時に個人のノウハウに依存してしまい情報が残っていない」と いった問題がよくみられますが、これを解決する手段として情報の記録・活用をする仕組みを整えることが挙げら れます。 記録するのは部品表管理はもちろんのこと、それらに関わる情報を一括管理するかたちが理想です。 情報の記録は、情報を一元管理して必要な情報を簡単に検索・取り出すことができる、 システムの活用が有効です。 PDMの活用 製造業の業務フローを効率化し、生産性を高めるために役に立つのがPDMと呼ばれるシステムです。 PDMはProduct Data Managementを略した言葉で、「製品情報管理」と訳すことができるシステムです。 PDMを用いることで、製品に関する全ての工程のデータを管理できます。企画や設計はもちろん、在庫管理や コスト管理などの生産情報の管理、品質管理、サプライチェーンに属する関連企業の情報連携など、管理でき るデータは多岐にわたります。 製造業を加速するPDM!基本からメリット、導入ポイントまで徹底解説 関連する記事はこちら | https://www.daikodenshi.jp/daiko-plus/production-control/pdm/ 10
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工場の生産性を上げる、6つの取組み 製造に関わる情報を記録し活用する PDMを導入する3つのメリット 情報の一元管理 PDMは、製品のライフサイクルに関する情報を全て管理するためのシステムです。そのため、従来は別々のシス テム、部門、PCに散らばっていた企画書、設計図、部品表、生産計画、顧客管理、営業実績などの情報が 一元管理されます。 それぞれの情報がひとつのシステムにまとめられることで、どの部門からも同じ情報にアクセスできるようになり、情 報の共有や検索、部門間の連携が素早くなります。 業務フローの標準化 製造に関する情報をひとつのシステムで管理することにより、業務フローを一本化し、誰が関わっても同じ業務が 行えるようになります。このように業務フローを標準化できれば、無駄な工程やスキル差によるムラを解消して高 い品質を維持できるようになります。 生産性の向上 複数のシステムをバラバラに運用していると、作業の効率化も各部門の努力に依存することになり、無駄が発 生しやすくなります。 PDMを導入すれば情報の管理や業務フローがシンプルになるため、生産性の向上につながります。 解決できること 製造時に使用した情報をまとめて管理することで、 次回製造時に書類の確認や流用ができる 過去の製造時の注意点や仕損じを共有することで、 注意してものづくりができるようになる 製造に関わる情報のトレーサビリティができ、 生産した製品の影響度を調査することができる 11
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工場の生産性を上げる、6つの取組み 仕様変更に柔軟に対応する 仕様変更が起きるのは仕方がない 「個別受注生産ではその性質上、仕様変更が発生してしまいます。 さらにこの設計変更情報が製造現場に伝わりにくい」といった問題があります。 設計変更情報がリアルタイムに共有されることが必要です。 最新情報をリアルタイム管理するプラットフォームが必要 情報を漏れなく・迅速に・全ての部門へ伝えるためには、 アナログな管理だけでは到底無理なレベルであると言わざるを得ません。 解決策として、ICTを導入して最新情報にどの部門からいつでもアクセスできる環境を構築する方法があります。 情報共有システム 解決できること 設計変更の情報が調達部門や製造部門に共有されることで、 手配ミスを防ぐことができる 設計変更履歴を残すことで、 なぜ設計変更が発生したのか分析することができる 【個別受注生産の納期遅れをなくす】部門間の「情報共有方法」 関連する記事はこちら | https://www.daikodenshi.jp/daiko-plus/production-control/how-to-share- information-between-departments/ 12
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工場の生産性を上げる、6つの取組み 日程を見える化し、納期遅延を防止する 納期遅延を防ぐには、リアルタイムな日程の可視化が必要 急な仕様変更や、短納期を求められる新規案件の飛び込み、 予期せぬ事態で繰り返し調整されるスケジュール... 個別受注生産では、はじめに立てた日程計画をそのまま実行できることはほとんどありません。 しかし、納期遅延を引き起こさぬように複数の案件の状況を見ながら、 生産ラインや人員といったリソースのスケジュールを調整するのは非常に煩雑です。 そこで、まずは各部門で予定されている日程をリアルタイムに可視化して、 関係部門すべてに共有されている状態を作り上げることが求められます。 これにより、遅延している作業や飛び込み作業の影響範囲を見える化して、 各所への負担が最小限になるよう工程変更することができるようになります。 その他にも、日程を見える化することで各部門では以下の図のような動きができるようになるため、 組織全体の生産性を向上させることに役立ちます。 13
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工場の生産性を上げる、6つの取組み 日程を見える化し、納期遅延を防止する 日程計画(生産計画)を効率的に立てる方法 日程計画の立て方 日程計画によく利用されるツールには、PERT図(アローダイアグラム)やガントチャートなどがあります。 どちらも、プロジェクトの具体的な作業や、完了に要する時間などを図式に表現するダイアグラムですが、それぞ れ作り方や使い方が異なるため、どのような計画を立てたいかによって使い分けると良いでしょう。 生産管理システムの利用 日程計画は、大日程・中日程・小日程と時間軸だけでも大きく3つの段階に分けて計画され、さらに事業全 体・部門別・業務別など、範囲によっても区別して計画されます。大日程を受けての中日程、中日程を受けて の小日程という風にそれぞれが影響し合っているため、スケジューリングは非常に複雑です。 全ての計画を1人で立てるわけではなく、計画に矛盾が生じることも考えられるため、トラブルを起こさないよう生 産管理システムの利用をおすすめします。生産管理システムでは、すべての計画を一元管理できるほか、図面・ 設計・在庫の管理などもリアルタイムで反映できるため、仕掛在庫などの発生を減らすことにもつながります。 解決できること 遅延している作業が確認でき、 遅延している理由や影響範囲を確認できる 飛び込み作業が影響を及ぼす範囲を把握でき、 影響範囲がなるべく少ない工程変更をすることができる リードタイムの長い部品は先行手配するなど、 遅延を防ぐことができる 工場の作業進捗状況を営業も把握することで、 無謀な製造日程を立てないようにする 生産管理における日程計画とは?効率的な日程計画の立て方 関連する記事はこちら | https://www.daikodenshi.jp/daiko-plus/production-control/efficient- scheduleplan/ 14
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工場の生産性を上げる、6つの取組み ベテランの技術を次世代に継承する 「効率化」と「技術の高度化」の必要性 技術継承を進めるためには、「効率化」と「技術の高度化」という2点に注力することが大切です。 「効率化」とは、自社で蓄積されたナレッジ(他の案件での工夫や苦労)を多くの社員に共有することで、 同じように悩み、同じ失敗を繰り返して手戻りが起きるのを防ぐことです。 例えば、過去の類似案件が共有されていることで、ゼロから設計をする必要がない案件も増えていき (= 標準化)作業の効率化を図ることができます。 一方で「技術の高度化」は、効率化して時間が生まれたら高度化できるのかといえばそうではありません。 技術の高度化は、その多くが過去の知見を熟知したうえで新しい発見やチャレンジを行うことで得られています。 つまり、「過去に行った設計内容を知らずして、新しいモノの設計開発・技術の向上は困難」といえるのです。 そのため、技術の高度化を目指すためには、まず企業のナレッジを蓄積し、過去の設計の工夫で積み重ねた 「標準」を明確にしておく必要があるのです。 15
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工場の生産性を上げる、6つの取組み ベテランの技術を次世代に継承する ナレッジ情報の共有と時間短縮をさせるには 標準化の実施とナレッジ情報の検索時間を大幅に短縮するためには、データの一元化が有効です。 データが個人のパソコンの中に保存されており、他の人が見られない状態ではナレッジは共有されません。 データをきちんと共有の箇所に一元管理し、いつでも・だれでも必要な情報を検索できるように システムを導入して全部門を横断したデータ共有を実現する必要があります。 この体制が実現されれば、若手はベテランが作成した資料・ファイルなどを参照して学ぶことができますし、 これまで忙しくて若手教育に乗り出せなかったベテランも、教育の手間を軽減することができるようになります。 また、過去のデータが蓄積されるので、担当者間でのノウハウ格差を埋めたり、類似品を生産する場合は部品 表・設計図面など一部を使いまわして効率的に作業をすすめることが可能になります。 解決できること ベテランの定年退職後の技術力低下防止に対応できる ベテランのノウハウを若手にトランスすることで、 会社の技術力を維持できる 若手がベテランの技術を継承し、 その技術を土台に新たな技術習得にチャレンジができる なぜ、個別受注生産の技術者育成が困難なのか… 解決の鍵は「標準化」にあり! 関連する記事はこちら | https://www.daikodenshi.jp/daiko-plus/production-control/engineers-production- standardization/ 16
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工場の生産性を上げる、6つの取組み 段取り替えの時間を短縮化する 段取り替えの時間は、「内段取り」と「外段取り」に分けて短縮化する 「内段取り」と「外段取り」とは? 生産ラインを停止して行う作業を「内段取り」、 生産ラインを停止せずに行う作業を「外段取り」として分けて考えます。 各作業をそれぞれ改善し、改善の結果、 製品ひとつ分の所要時間を指すタクトタイム内に全ての段取り替えを完了させることが理想です。 「内段取り」と「外段取り」それぞれの改善方法 「内段取り」の改善方法 内段取りはラインを停止させてしまうため、一部の作業の外段取り化を実施します。 具体的には、内段取りの作業を洗い出し、生産ラインが稼働している間に完了できる作業を外段取りに変更し ます。また、いくつかの作業をまとめて行えるようにするカセット化、ボルトの取り外し・取りつけを減らすボルトゼロ化 も有効な手法です。 「外段取り」の改善方法 外段取りでは、準備品置き場の見直しや特定の部品の専用台車化、 手順の見直しと標準化などを行って効率化を目指します。 解決できること 生産ラインが停止してしまう時間を短縮し、 全体の生産量を上げることができる 段取り替えに掛かる時間を短縮化することで、 人件費などコストダウンを図ることができる。 高利益率を目指す!多品種少量生産における3つの注意点と対策 関連する記事はこちら | https://www.daikodenshi.jp/daiko-plus/production-control/high-mix-low- volume-production-2/ 17
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工場の生産性を上げる、6つの取組み 「部品表中心」のモノ作り体制にシフトする 個別受注生産に理想的!「部品表中心」の生産管理方法 個別受注生産では、詳細な設計が完了し、 親部品・子部品を含めたすべての部品表が決まらない限り、製造コストやスケジュールが確定できません。 しかしながら、工場では同時に複数の品目や注文が流れているので、差込みや仕様変更を繰り返していると他 の品目の納期にも影響が出てしまいます。そのため、なるべく早く案件に着手したいという事情もあるのです。 こうした背景があるものの、顧客から短納期の要望を受け限られた納期スケジュールを引かなくてはならないなか、 現場は部品表が確定した部分から順次作り始めなければ、生産が間に合わないという矛盾を抱えています。 そのため、製造業では設計作業と部品調達と製造作業が、並行して進むことが求められます。 本来は順番に進むはずの仕事が、入れ替わったり、逆転したりして進むため、設計部品表(E-BOM)と製造 部品表(M-BOM)が別々に管理されている企業の場合、さらに混乱を招くこととなります。 「部品表中心」のモノづくり体制が必要に そのような事情を抱えている個別受注生産では、これまで一般的であった「設計図面中心のモノづくり体制」を 辞めて、「部品表中心のモノづくり体制」にシフトすることが非常に有効です。 なぜなら、部品表が確定した部分から順次作り始めなければ生産が間に合わない個別受注生産では、 設計図面ではなく部品表を中心とすることで、詳細な設計作業が十分に完了していなくても、 基本設計段階で、製品を構成する共通部品等を洗い出すことができるようになるからです。 このように、図面中心の業務体制から部品表中心の業務体制へシフトチェンジするには、部品表を中心に全 部門間でリアルタイムな情報共有ができる統合型生産管理システムの導入が欠かせません。 統合型生産管理システムは、設計図面をマスタ化・BOM化して、図面と部品表の紐付けを行い、データをどの 部門からでもリアルタイムに確認できるよう蓄積してくれます。 こうすることで、常に最新の設計図面・部品表を全部門で共有できるので、これまで課題だった「情報伝達漏れ による生産性低下」や「他部門への確認工数」を削減でき、業務効率が向上します。 18
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工場の生産性を上げる、6つの取組み 「部品表中心」のモノ作り体制にシフトする 「部品表中心のモノづくり」がもたらす3つのメリット 品質の基準づくりが可能 品質に関しては同じ部品を何度も使えば品質が向上していきます。同じモノが繰り返し使われ、その中で改良 が加えられることが重要です。そこで個別受注生産の中でBOM化を進めることで、決まった設計を安定してつく れるようになり、設計技術の標準化・高度化を進めることが可能となります。 コストの基準設定が可能 コストにおいては、最適な単価がありますが、その単価で買う場合、適宜買うものとまとめて買うものとそれぞれ分 かれます。そこで部品表中心のモノづくり体制をとなった場合、「誰がどうやって作るか」や「履歴や現在の進捗」 を把握することができ、いつ・どのタイミングでどれだけの部品が必要なのかが分かることで、かけるべきコストの基 準をもとに設定することが可能です。 納期の基準設定が可能 納期の基準はBOM化が進めば決まったものを安定して作れるので納期を短くすることが可能です。そのために は、過去の個別受注案件の経験をもとにし、引合・見積・受注といった営業プロセスの上流から始めることが必 要となります。 解決できること 部品表が固まった箇所から資材調達・生産をはじめられる ので、設計・調達・製造が同時進行できるようになる 常に最新の設計図面・部品表を全部門で共有できるので、 「情報伝達の漏れ」や「他部門への確認工数」を削減できる 過去の設計図面・部品表を参照できるようになり、 類似品の製造における工数削減・標準化が可能になる 【個別受注型製造業必読】 短納期と標準化を実現させる生産管理のコツ 関連する記事はこちら | https://www.daikodenshi.jp/daiko-plus/production-control/order-made- production-lead-time-reduction/ 19
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情報管理・共有をシステム化、 効率化を図る方法 個別受注生産の生産性を上げる、システムとは? Chapter 3 生産管理システムは、製造業務における管理の効率化や課題解決をサポートします。 設計・生産・販売といったモノづくりに関わる情報を一元管理することで、最新の情報を有効的に活用することが できます。ただし、自社の生産形態に合わせて導入しなければ、導入効果が低くなる可能性もあります。 本章では、生産管理システムの導入のメリットと選定時のポイントについてご紹介します。 20