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バイオ医薬品・試薬等の輸送評価に
一部の試薬等では、低温環境下での振動によりコロイド凝集反応が起きることがわかっています。
輸送環境試験装置 TRE-100 (仮)では、エスペックの小型環境試験器に低温領域での動作が可能なバイオクラフト社製の振とう機を組み合わせることで、このような実輸送に近い環境での評価を行えます。
【輸送環境試験装置 TRE-100の導入メリット】
◆試験時間の短縮
従来の試験機では、別々に評価していた零度以下の温度試験と振とう試験が同時に行えます。
◆3つの「可能」
・輸送過程を低コストで評価(再現)が可能。
・低温環境下での振とう試験による凝集体の生成が可能。
・外部コントローラで、温度運転でも振とう制御が可能。
◆詳細はカタログをダウンロードしご覧いただくか、お気軽にお問い合わせ下さい。
このカタログについて
ドキュメント名 | バイオ医薬品・試薬等の研究開発向け 輸送環境試験装置 TRE-100(仮) |
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ドキュメント種別 | 製品カタログ |
ファイルサイズ | 465.5Kb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 丸文通商株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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バイオ医薬品・試薬等の研究開発向け
輸送環境試験装置 TRE-100(仮)のご紹介
バイオ医薬品・試薬等の輸送評価に。
バイオ医薬品等の輸送における課題
タンパク質の凝集
輸送時、医薬品は様々なストレス(温度、振動、落下等)にさらされています。特にバイオ医薬品の場合は、輸送時の
振動によるタンパク質凝集体生成の発生がよく知られています[1-3]。振とう機(撹拌機)や摩損度試験器を用いたタン
パク質凝集の評価は一般的ですが、単独ストレスしか確認できず、複合ストレスのかかる実輸送環境の評価には最
適とは言えません。更に、バイオ医薬品は単価が高く、不具合による廃棄時の損失は莫大な金額となる為、輸送リス
クの徹底した低減が求められています。
一方、バイオ医薬品の保存に使用される容器(バイアル瓶、シリンジ等)も医薬品の安定性に影響していることが知ら
れています。特に、シリンジのガラス表面に塗布されるシリコンオイルの影響により、凝集を誘発することも確認されて
いますが、具体的なメカニズムは研究中です[4]。
大阪大学 高分子バイオテクノロジー領域 内山研究室との共同研究
研究室のご紹介
バイオ医薬品は輸送をはじめ、製造、保管等、各工程で様々なストレスを受けています。そこで、大阪大学の内山先
生の研究室では、凝集体の正確な定量法の開発、医薬品に含まれる凝集体の定量、さらに凝集メカニズムに基づく
凝集の低減法の開発を進めています。凝集体が免疫系に与える影響についても細胞を使って評価しています。
更に、本研究室の助教である鳥巣先生は、「落下と振とう複合ストレスによるバイオ医薬品の凝集に関する研究」とい
う表題で、2018年3月に博士論文を発表しており、国内だけではなく、海外の医薬品大手製造業者に注目されてお
り、輸送時のバイオ医薬品の凝集に関する問い合わせが多く届いています。
エスペックとの共同研究
2019年4月から、内山研究室とエスペックは「バイオ医薬品・試薬等の輸送安定性試験法」をテーマに共同研究を
開始しています。バイオ医薬品や試薬について、標準的な輸送安定性試験法がなく、品質を評価する上での課題と
なっています。そこで、本研究では、広く利用可能なバイオ医薬品・試薬等の輸送安定性試験法の確立を目指して
います。
研究には、エスペックが提供する「輸送環境試験装置 TRE-100(仮)」を使用しています。
参考文献
[1] T. Torisu, T. Maruno, Y. Hamaji, T. Ohkubo, S. Uchiyama, Synergistic Effect of Cavitation and Agitation on Protein Aggregation, J. Pharm. Sci. 106 (2017).
[2] T. Torisu, T. Maruno, S. Yoneda, Y. Hamaji, S. Honda, T. Ohkubo, S. Uchiyama, Friability Testing as a New Stress-Stability Assay for Biopharmaceuticals, J. Pharm. Sci. 106 (2017).
[3] E. Krayukhina, K. Tsumoto, S. Uchiyama, K. Fukui, Effects of syringe material and silicone oil lubrication on the stability of pharmaceutical proteins, J. Pharm. Sci. 104 (2015).
[4] 内山 進、“抗体医薬などのバイオ医薬品の物理化学的評価”、薬学雑誌、p.443-448、2016年
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実輸送環境の再現に向けて
低温環境の再現
一部の試薬等では、低温環境下での振動によりコロイド凝集反応が起きることがわかっています。
輸送環境試験装置 TRE-100 (仮)では、エスペックの小型環境試験器に低温領域での動作が可能な
バイオクラフト社製の振とう機を組み合わせることで、このような実輸送に近い環境での評価を行えます。
輸送環境試験装置 TRE-100(仮)の導入メリット
試験時間の短縮
従来の試験機では、別々に評価していた零度以下の温度試験と振とう試験が同時に行えます。
3つの「可能」
・輸送過程を低コストで評価(再現)が可能。 装置仕様
・低温環境下での振とう試験による凝集体の生成が可能。
型式 TRE-100
・外部コントローラで、温度運転でも振とう制御が可能。
温度範囲 -10℃~65℃
動作:水平回転
振動範囲 最大速度:280回往復/分
最大搭載量 1.5kg
恒温槽 振とう機
(エスペック社製) (バイオクラフト社製)
振とう機外部コントローラ
輸送環境試験装置 TRE-100(仮)
□事業開発部 ライフ事業プロジェクト Tel:06-6358-3093
LEAF No. LF1900300 (2019年05月現在)