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東芝が提唱するゼロエネルギーへの取り組み

ホワイトペーパー

ZEB×環境最適化が生み出す価値

少子高齢化や労働力不足と並び、日本ではエネルギー問題が社会的な課題となっている。その解決にはエネルギーを生み出す側と、エネルギーを消費する側の両方からのアプローチが必要とされるが、消費エネルギーを減らすための取り組みのひとつとして、近年注目を集めているのがビルのエネルギー消費量を最小限に抑える「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」だ。東芝はZEBを提案・推進する「ZEBプランナー」として活動し、制御技術を通じて省エネと最適環境の構築による価値の提供を強化している。

【目次】
・ZEBとは?
・東芝の制御技術を駆使したZEBへの取り組み
・独自開発の多機能ヒューマンセンサを活用した画期的なZEB
・ZEB+環境最適化の提案を強化

(出典:株式会社アペルザ オートメーション新聞社)

このカタログについて

ドキュメント名 東芝が提唱するゼロエネルギーへの取り組み
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
ファイルサイズ 182.1Kb
取り扱い企業 東芝インフラシステムズ株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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東芝が提唱するゼロエネルギーへの取り組み ZEB×環境最適化が生み出す価値 高い「制御技術」活用、建築物を抜本改善、価値の提供強化 少子高齢化や労働力不足と並び、日本ではエネルギー問題が社会的な課題となっている。 その解決にはエネルギーを生み出す側と、エネルギーを消費する側の両方からのアプローチ が必要とされるが、消費エネルギーを減らすための取り組みのひとつとして、近年注目を集 めているのがビルのエネルギー消費量を最小限に抑える「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ ビル)」だ。東芝は ZEBを提案・推進する「ZEBプランナー」として活動し、制御技術を通 じて省エネと最適環境の構築による価値の提供を強化している。 ZEB とは? ZEB について、経産省では「建築計画の工夫による日射遮蔽・自然エネルギーの利用、 高断熱化、高効率化によって大幅な省エネルギーを実現した上で、太陽光発電等によってエ ネルギーを創り、年間に消費するエネルギー量が大幅に削減されている最先端の建築物です。 ZEB を実現・普及することにより、業務部門におけるエネルギー需給構造を抜本的に改善 することが期待されます」としている。つまり建物自体で消費するエネルギーを自給自足で きる建物のことで、それを増やしていこうというもの。ZEB推進は国を挙げた戦略であり、 「エネルギー基本計画」では 2020年までに新築公共建築物等で、30年までに新築建築物の 平均で ZEBの実現を目指すと明言されている。 その対象はビルディング、つまりは建築物全体であり、オフィスビルをはじめ、商業施設、 病院、ホテル、学校、公共施設なども含む。 東芝の制御技術を駆使した ZEB への取り組み 東芝は 18年 1月、ZEBを実現するための技術や知見を持ち、相談や業務支援を行う「ZEB プランナー(種別:コンサルティング)」に登録され、ZEBの推進と普及拡大に向けた活動 をスタートしている。 ZEB に向けた取り組みというと、建物を建てる段階で ZEB となるように設計することを イメージしがちである。しかし建物の構造はエネルギーを極力必要としないパッシブ技術を 最大限に活用しつつ、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギー設備、LED 照明 や高効率空調といった省エネ設備を導入しても、実はそれだけでは不十分だ。そうして建て られた建物を制御技術を用いて最適に運用する、いわゆる BEMS(ビル・エネルギー・マネ
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ジメント・システム)によって無駄をなくすことも重要となる。設計と運用の両方を行うこ とが ZEB 実現のポイントだ。 東芝は特に後者の最適運用に注力し、「スマート BEMS」と呼ばれるエネルギー管理シス テムを駆使した ZEB ソリューションを提供している。建物の開所後も、実運用に合わせて BEMS の省エネチューニングを行うことで、さらなる省エネ化を図れることもポイントだ。 東芝インフラシステムズ事業開発センター総合エンジニアリング部野田肇部長は「ZEB の ベースとなる 50%以上の省エネを達成するためには、建築上の工夫や高効率な設備機器の 導入だけではクリアは難しい。さらなる上積みを目指すには BEMS による省エネ制御が重 要となる。第 1の省エネがパッシブな設計の建物、第 2の省エネが高効率設備の導入だとし たら、制御は第 3の省エネだ」という。 独自開発の多機能ヒューマンセンサを活用した画期的な ZEB 13 年 3 月に竣工され、同社本社が入居するラゾーナ川崎東芝ビルは、設計と運用の両輪 を満たすことで ZEB を達成。今も自らを実験場として ZEB実現に向けた先進的なビルソリ ューション技術の実証を行っている。 15 階建ての同ビル内には、同社の秘密兵器とも言うべき多機能ヒューマンセンサが 700 機取り付けられており、BEMSにより建物内のビッグデータを常に収集・解析し、それをリ アルタイムに制御へフィードバックすることで最適運用を実現している。 同センサの最新機種である「SMART EYE SENSOR MULTI(スマートアイセンサー マルチ)」(製品サイトはこちらから)は、東芝デバイス&ストレージが開発した画像認識プ ロセッサ(Visconti2)を搭載し、高度な画像認識技術を用いて人の検知を行う IoT センサだ。 従来の赤外線センサに比べて人の微細な動きを広いエリアで検知でき、人の在/不在だけで なく、人数・活動量・照度の推定、歩行/滞留の判別など人に関する“マルチ”な情報を取得 できる。カメラの入力画像をデバイス内で瞬時に処理して、プログラムデータとして BEMS などの制御装置に送り出すことで、照明や空調、エレベーターなどさまざまなファシリティ (設備機器)のスマート制御を可能にした。 「通常、カメラ画像を用いた制御の場合、画像データを一旦サーバに送り、サーバ上で画 像処理を行ってから制御にフィードバックする。しかし当社の場合、自動車の先進運転支援 システムに使用されている画像認識用 LSI を応用することで、リアルタイムな解析と制御を 可能にした」(野田部長)。 さらに、同ビルでは空調設備全体を 1つのシステムとしてエネルギーモデル化し、これま では設備ごとに部分最適されていた制御を全体最適化することで、高度な省エネを実現して いる。 「延床面積 10万平方メートルを超える大規模ビルながら、15年度の一次エネルギー消費
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量は 753.2MJ/平方メートル・年となり、14年度 ZEB基準と比較して約 58%削減し、ZEB を達成することができた」(野田部長)。 ZEB+環境最適化の提案を強化 多機能ヒューマンセンサが取得した人に関する各種情報を活用することで、他のセンサの 機能を代替してさまざまなアプリケーションに応用できる。例えば、室内の人数が分かれば、 呼吸量から CO2濃度の変化を推測でき、それにより CO2センサの代わりになる。人が通過 する数や動きを検知すれば、動態分析に活用することができる。また、人とそれ以外のもの の判別も現在開発中だ。将来的には車椅子やベビーカーなどを検知し、エレベーターを自動 で専用運転モードに切り替えるなど、社会的弱者の方々のサポートに役立てることもできる。 同センサを活用した制御は省エネだけにとどまらない。施設内の快適性の向上など創意工 夫次第でもっと有効活用でき、同社は ZEB のプラスアルファとして最適な環境構築まで含 めた提案を強化していく。 野田部長は「画像センサ 1 台で照度検知や CO2濃度の推測など各種従来センサの機能を 代替できるほか、商業施設の混雑度検知によるマーケティングや、オフィスの利用状況見え る化による働き方改革への応用などが期待できる。ビルといっても、オフィスや病院、商業 施設、工場など建物の使われ方は異なる。それぞれに理想の環境があり、人の行動を認識し て最適な制御を行うことで、その理想の環境構築に役立てることができる。ビルオーナーや デベロッパーと共創し、最適な環境構築を提案していきたい」と話している。 (出典:株式会社アペルザ オートメーション新聞社) 東芝インフラシステムズ 野田肇部長 SMART EYE SENSOR MULT I 製品サイトはこちらから カタログのダウンロードはこちらから