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精密ボールねじ

製品カタログ

直線移動の位置決めを高精度で実現

1. サンキョー精密ボールねじの特長
2. 精密ボールねじの精度
3. サンキョー精密ボールねじの呼び方
4 許容軸方向荷重
5. ナットの設計
6. 精度設計
7. 寿命設計
8. 駆動トルク
9. 潤滑と防塵
10. 精密ボールねじとナット
11. 軸端未加工品シリーズ
12. 軸端推奨形状寸法
13. 製造・品質保証
14. ボールねじ取扱い上の注意
15. サンキョー精密ボールねじ仕様書

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このカタログについて

ドキュメント名 精密ボールねじ
ドキュメント種別 製品カタログ
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取り扱い企業 日本電産サンキョー株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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精 密 ボ ー ル ね じ ロ ッ ド 精密ボールねじ 型ア ク チ ュ エ ー タ 単 軸 ア ク チ ュ エ ー タ 付   録 サ ポ ー ト ユ ニ ッ ト
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目  次 精 密 ボ 1. サンキョー精密ボールねじの特長 …………………………………… 4 ー ル ね 2. 精密ボールねじの精度 ………………………………………………… 5 じ 2.1 精度等級 ……………………………………………………………… 5 2.2 リード精度 …………………………………………………………… 5 ロ ッ 2.3 軸方向すきま ………………………………………………………… 6 ド 型 2.4 予圧トルク …………………………………………………………… 7 ア ク チ 2.5 ボールねじの取付け部精度 ………………………………………… 8 ュ エ 3. サンキョー精密ボールねじの呼び方 ………………………………… 9 ー タ 4. ねじ軸の設計 ………………………………………………………… 10 4.1 ねじ軸呼び外径とリードの組合せ ……………………………… 10 単 軸 4.2 ねじ軸の製作範囲 ………………………………………………… 11 ア ク チ 4.3 取付け方法 ………………………………………………………… 12 ュ エ 4.4 許容軸方向荷重 …………………………………………………… 13 ー タ 4.5 許容回転数 ………………………………………………………… 14 4.6 ねじ軸設計上の注意事項 ………………………………………… 15 5. ナットの設計 ………………………………………………………… 16 5.1 ナットの構造 ……………………………………………………… 16 付   録 5.2 ナット回り設計上の注意事項 …………………………………… 17 6. 精度設計 ……………………………………………………………… 18 6.1 送りねじ系の剛性 ………………………………………………… 18 7. 寿命設計 ……………………………………………………………… 22 7.1 ボールねじの寿命 ………………………………………………… 22 7.2 疲れ寿命 …………………………………………………………… 22 7.3 ねじ溝部の許容荷重 ……………………………………………… 23 7.4 材料と硬さ ………………………………………………………… 23 8. 駆動トルク …………………………………………………………… 24 サ 8.1 ボールねじのトルク ……………………………………………… 24 ポ ー 8.2 モータの駆動トルク ……………………………………………… 24 ト ユ ニ 9. 潤滑と防塵 …………………………………………………………… 25 ッ ト 9.1 潤滑 ………………………………………………………………… 25 9.2 防塵 ………………………………………………………………… 25
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10. 精密ボールねじとナット …………………………………………… 26 リターンガイド式 DC 形(無予圧) ………………………………… 30 精 リターンガイド式 DP 形(オーバサイズボール予圧) …………… 32 密ボ ー リターンガイド式 DD形(間座予圧) ……………………………… 34 ルね チューブ式 TCS 形(無予圧) ………………………………………… 36 じ チューブ式 TPS 形(オーバサイズボール予圧) …………………… 38 チューブ式 TDS 形(間座予圧) ……………………………………… 40 ロッ チューブ式 TC 形(無予圧) ………………………………………… 42 ド型 ア チューブ式 TC 形(無予圧) ………………………………………… 44 ク チ チューブ式 TP 形(オーバサイズボール予圧) …………………… 46 ュエ ー チューブ式 TP 形(オーバサイズボール予圧) …………………… 48 タ チューブ式 TF 形(オフセットリード予圧) ……………………… 50 チューブ式 TF 形(オフセットリード予圧) ……………………… 52 単軸 ア チューブ式 TD 形(間座予圧) ……………………………………… 54 ク チ チューブ式 TD 形(間座予圧) ……………………………………… 56 ュエ ー チューブ式 TCL 形(無予圧) ………………………………………… 58 タ チューブ式 TPL 形(オーバサイズボール予圧) …………………… 60 コマ式 KC 形(無予圧) ……………………………………………… 62 コマ式 KP 形(オーバサイズボール予圧) ………………………… 62 付 エンドデフレクタ式 FC 形(無予圧) ……………………………… 64  録 エンドデフレクタ式 FP 形(オーバサイズボール予圧) ………… 64 11. 軸端未加工品シリーズ ……………………………………………… 66 12. 軸端推奨形状寸法 …………………………………………………… 68 13. 製造・品質保証 ……………………………………………………… 92 14. ボールねじ取扱い上の注意 ………………………………………… 93 15. サンキョー精密ボールねじ仕様書 ………………………………… 94 サ ポ ー ト ユ ニ ッ ト
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1. サンキョー精密ボールねじの特長 精 密 ボ ー ル ね (1)高い機械効率 図1 ボールねじの機械効率 じ ボールねじは、従来の滑りねじと比較にならない90% 以上の高い効率(図1)を有し、所要トルクは1/ 3以 下になります。従って、直線運動を回転運動に変換する(逆 ロ ッ 作動)ことも容易にできます。 ド 型 ア ク チ (2)軸方向すきまの調整が可能 ュ エ 従来の滑りねじは、軸方向すきまを小さくすると回転が ー タ 重くなりますが、ボールねじは、軸方向すきまを小さくし ても軽く回すことが可能です。さらに、予圧を与えること により軸方向すきまをゼロにするとともに、剛性を高める 単 軸 ことも可能です。 ア ク チ ュ エ (3)長 寿 命 ー タ 転がり接触のため、長期間使用してもほとんど摩耗せず、 高精度の維持が可能です。 (4)精密な微小送りが可能 付 ボールねじは、転がり接触のため起動トルクが小さく、   録 正確な微小送りが可能です。 (5)高 精 度 ねじ軸・ナットともに、温度管理の徹底した場所で、ね じ研削・組立及び検査を行っています。 (6)徹底した品質管理体制 独自の精密測定技術を活かしながら、徹底した品質管理 体制のもとに、お客様満足度を追求した製品を生産してお ります。 サ ポ ー ト ユ ニ ッ ト - 4-
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2. 精密ボールねじの精度 精 密 ボ ー ル 2.1 精度等級 2.2.1 リード精度の用語の意味 ね じ 1997 年よりボールねじの日本工業規格(JIS B (1)基準移動量の目標値 1191,1192)が ISOとの整合を図る目的で改訂されま 運転時の温度上昇による伸びや、外部荷重によるねじ軸 した(JIS B 1192-1997に統一)。 の伸縮を考慮し、基準移動量を呼び移動量に対してあらか ロ 精度等級に関しては、C系列(従来の JIS 規格 C0、 じめ「マイナス」側または「プラス」側にしておくための ッド C1、C3、C5)とCp、Ct 系列(ISOとの整合を図った規格) 目標値。 型 ア が制定されました。 ク チ サンキョー精密ボールねじの精度等級は、JIS B 1192 (2)基準移動量 ュ (ボールねじ)に準拠し、C系列を採用していきます。 基準リードに従って任意の回転数回転したときの軸方向 エー 移動量。 タ 表1 新 JIS の種類と精度等級 種類 系列記号 精度等級 備考 (3)実移動量 単 C 0,1,3,5 JIS 系列 任意のねじ軸回転角に対するナットの実際の軸方向移動 軸 位置決め用 ア Cp 1,3,5 量を連続測定によって求めた軸方向移動量。 ISOに対応 ク 搬送用 Ct 1,3,5,7,10 チュ (4)代表移動量 エ ー 2.2 リード精度 実移動量の傾向を代表する直線。ナットの有効移動距離 タ サンキョー精密ボールねじのリード精度は、ナットの有 またはねじ軸のねじ部有効長さに対する実移動量を示す曲 効移動距離またはねじ軸のねじ部有効長さに対する代表移 線から、最小二乗法または簡単適切な近似法によって求め 動量誤差及び変動、並びにねじ軸のねじ部有効長さの間に られる。 とった任意の300mmに対する変動及びねじ部有効長さ 付 の間にとった任意の1回転(2π rad)に対する変動に (5)代表移動量誤差   ナットの有効移動距離またはねじ軸のねじ部有効長さに 録ついて規定しております。 対応する代表移動量と基準移動量の差。 図2 リード精度の用語 サ ポ ー ト ユ ニ ッ ト - 5-
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2. 精密ボールねじの精度 精 密 ボ ー ル ね (6)変 動 : ねじ軸のねじ部有効長さの間にとった任意の mm じ 代表移動量線に平行に引いた2本の直線で挟んだ実移 に対応するもの。 動量曲線の最大幅で、次の3項目について規定する。 :ねじ軸のねじ部有効長さの間にとった任意の 回転 u:ナットの有効移動距離またはねじ軸のねじ部有効長 (rad)に対応するもの。 ロ ッ さに対応するもの。 ド 型 表2 代表移動量誤差と変動(許容値) ア ク 単位 μm チ 精度等級 C0 C1 C3 C5 ュ エ 項目 代表移動量 ー 誤差 変動 (1) 代表移動量 誤差 変動 (1) 代表移動量 (1) 代表移動量 (1) ねじ部有効長さ(mm) 誤差 変動 誤差 変動 タ を超え 以下 ep u ep u ep u ep u - 100 3 3 3.5 5 8 8 18 18 単 100 200 3.5 3 4.5 5 10 8 20 18 軸 ア 200 315 4 3.5 6 5 12 8 23 18 ク 315 400 5 3.5 7 5 13 10 25 20 チ ュ 400 500 6 4 8 5 15 10 27 20 エ ー 500 630 6 4 9 6 16 12 30 23 タ 630 800 7 5 10 7 18 13 35 25 800 1000 8 6 11 8 21 15 40 27 1000 1200 9 6 13 9 24 16 46 30 注(1) ナットの有効移動距離またはねじ軸のねじ部有効長さに対する変動。 付 表3 変動(許容値)   録 単位 μm 等級 C0 C1 C3 C5 項目 (2)  (3) (2)  (3) (2)  (3)  (2)  (3) 許容値 3.5 3 5 4 8 6 18 8 注 (2) ねじ軸のねじ部有効長さの間にとった任意の 300mmに対する変動。 (3) ねじ軸のねじ部有効長さの間にとった任意の 1回転(2π rad)に対する変動。 2.3 軸方向すきま サンキョー精密ボールねじの精度等級と軸方向すきまの組合せを表4に示します。 表4 精度等級と軸方向すきまの組合せ Z T S N 軸方向すきま 0mm 0.005mm 0.020mm 0.050mm サ 精度等級 (予圧) 以下 以下 以下 ポ ー C0 C0Z C0T - - ト C1 C1Z C1T - - ユ ニ C3 C3Z C3T C3S - ッ ト C5 C5Z C5T C5S C5N - 6-
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精 密 ボ ー ル 2.4 予圧トルク ね じ 図3 予圧トルクの用語 ◯2 ロ ッ 始動トルク 実トルク曲線◯ 実トルク曲線◯ 始動トルク T ド3 3 (+Δ p o) 型 ア 実トルク変動値(+Δ Tp a)◯5 (-Δ T po) ク チ ュ ◯4 エ ◯1 ータ 摩 擦 (-Δ T pa) ト ル ク 単軸 ア ク チ ュ ナットの有効移動距離 ナットの有効移動距離 エ ー タ 2.4.1 予圧トルクの用語の意味 (1) 予圧 ボールねじのバックラッシの低減や剛性の 動トルクの変動値。基準トルクに対し正及び負に 増大を図るため、一群のオーバサイズボールを組 とる[図3の②]。 込んだりまたは相互に軸方向に変位させた一対の 付   ナットを使用してボールねじ内に作用させる力。 (6) 基準トルク変動率 基準トルク Tpoに対する基準 録 トルク変動値 ΔTpoの割合。 (2) 予圧動トルク 所定の予圧を与えたボールねじを 外部から荷重の作用しない状態及びエンドシール (7) 実トルク曲線 実際の予圧ボールねじについて測 を取付けない状態で、ねじ軸に対してナットを回 定記録した動トルク曲線[図3の③]。 転させるのに要する動トルク、またはナットに対 してねじ軸を回転させるのに要する動トルク。 (8) 平均実トルク Tpa ねじ部有効長さについてナッ トを往復運動させて測定したときの始動トルクを (3) 予圧全動トルク 所定の予圧を与えたボールねじ 除いた実トルク曲線の最大値と最小値の算術平均 を外部から荷重の作用しない状態及びエンドシー 値[図3の④]。 ルを取付けた状態で、ねじ軸に対してナットを回 転させるのに要する動トルク、またはナットに対 (9) 実トルク変動値 ΔTpa ねじ部有効長さについて してねじ軸を回転させるのに要する動トルク。 ナットを往復運動させて測定したときの始動トル サ クを除いた実トルク曲線の最大変動値。平均実ト ポ ー (4) 基準トルク Tpo 目標として設定した予圧動トル ルクに対し正及び負にとる[図3の⑤]。 ト ク[図3の①]。 ユニ (10) 実トルク変動率 平均実トルク Tpaに対する実ト ット (5) 基準トルク変動値 ΔTpo 目標として設定した予圧 ルク変動値 ΔTpaの割合。 - 7- 平均実トルク( Tp a) 基準トルク変動値 基準トルク( Tp o)
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2. 精密ボールねじの精度 精 密 ボ ー ル ね 表5 基準トルク変動率の許容域 じ 細長比(4)基準トルク :40以下 細長比(4):40を超え60以下 N・cm 精度等級 精度等級 を超え 以下 C0 C1 C3 C5 C0 C1 C3 C5 ロ 20 40 ± 30% ±35% ±40% ±50% ±40% ±40% ±50% ±60% ッ ド 40 60 ± 25 ± 30 ± 35 ± 40 ± 35 ± 35 ± 40 ± 45 型 60 100 ± 20 ± 25 ± 30 ± 35 ± 30 ± 30 ± 35 ± 40 ア ク 100 250 ± 15 ± 20 ± 25 ± 30 ± 25 ± 25 ± 30 ± 35 チ 注(4)ュ 細長比とは、ねじ軸のねじ部有効長さ(mm)をボールねじの呼び径(mm)で除した値をいいます。 エ 備考 基準トルク 20N・cm以下については、別途サンキョー規格にて管理しております。 ー タ 2.5 ボールねじの取付け部精度 単 図4はボールねじの取付け部精度項目を表したもので (4) ねじ軸の軸線に対するナット基準端面またはフラン 軸 ア す。この精度項目と許容値は JIS B 1192(ボールねじ) ジ取付け面の直角度 ク チ に準拠しております。 (5) ねじ軸の軸線に対するナット外周面(円筒形)の半 ュ (1) ねじ溝面の軸線に対するねじ軸の支持部外径の半径 径方向円周振れ エ ー 方向円周振れ (6) ねじ軸の軸線に対するナット外周面(平面形取付け タ (2) ねじ軸の支持部軸線に対する部品取付け部外径の半 面)の平行度 径方向円周振れ (7) ねじ軸軸線の半径方向全振れ (3) ねじ軸の支持部軸線に対する支持部端面の直角度 付 図4 ボールねじの取付け部精度   録 サ ポ ー ト ユ ニ ッ ト - 8-
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3. サンキョー精密ボールねじの呼び方 精 密 ボ ー ル サンキョー精密ボールねじは、以下のような項目で呼びます。 ね じ (例) BS 16 04 B1 S F - C3 Z - 400 R 500 V ロ ッ  ねじ加工方法  V :転造 ド 無記号:研削 型ア ク ねじ軸全長(mm) チ ュ ねじれ方向 R:右 エ L:左 ー タ ねじ軸のねじ部長さ(mm) 軸方向すきま記号 Z:0(mm) 単軸 T:0.005以下 ア S:0.020以下 表 4参照 N:0.050以下 (6ページ) ク チ L:0.300以下〕 ュ 等級記号 エ C0 ー C1 タ C3 C5 予圧記号   F : オフセットリード予圧品  無記号: 上記以外の予圧品及びすきま品 付 ナット記号    S :シングルナット 録  W :ダブルナット 回路数  チューブ方式   A1 :1.5 巻 1列   A2 :1.5 巻 2列   B1 :2.5 巻 1列   B2 :2.5 巻 2列   B3 :2.5 巻 3列   E1 :3.5 巻 1列  リターンガイド方式    D :3.7 巻 1列  コマ方式    K :1.0 巻 3列  エンドデフレクタ方式    F :2.7 巻 1列 リード(mm) サ ねじ軸外径(mm) ポー ボールねじ記号 トユ ニ 注記 ッ 転造ボールねじは標準ラインナップにはありませんが製作可能です。その他仕様と合わせご相談ください。 ト - 9-
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4. ねじ軸の設計 精 密 ボ ー ル ね 4.1 ねじ軸呼び外径とリードの組合せ じ 表6 ねじ軸呼び外径とリードの組合せ ロ ねじ軸呼び リ  ー  ド  (mm) ッ 外径 ド (mm) 1 1.5 2 2.5 3 4 5 6 8 10 12 16 20 25 30 型 ア 3 D ク チ 4 D ュ エ 5 D ○ ー 6 D,K D D タ 8 D,K D T,K,U T T U U U U 10 D D T,K,U T T T,U ○ ○ U 単 12 D T,K,U T T T,U T T T T,F,U T T,U 軸 14 D T T T T,K T ○ T ○ ア ク 15 ○ U T,F,U ○ T,U T,F,U U チ ュ 16 ○ T,K T,K T T T,F T T エ 18 T ー タ 20 ○ ○ T T,U T T,F,U T T,U ○ ○ 25 ○ ○ T T,U T ○ T,F,U ○ ○ T,U ○ ○ 28 ○ T T ○ ○ ○ 32 ○ ○ T T T ○ ○ 36 ○ ○ T T ○ ○ 40 T T ○ ○ 付   D:リターンガイド方式 T:チューブ方式 U:軸端未加工品 録 K:コマ方式 F:エンドデフレクタ方式 注 色アミ無く○のみ記載されている組合せは寸法表(26 ~ 29 ページ)に記載していませんが、ご用命により製作いたします。 なお、上記以外の組合せも製作いたしますので、弊社までお問合せ下さい。 サ ポ ー ト ユ ニ ッ ト - 10-
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精 密 ボ ー ル 4.2 ねじ軸の製作範囲 ね じ ボールねじの等級別ねじ軸製作範囲を図5に示します。必要なねじ軸寸法が図5の製作範囲を超える場合は、弊社にご 相談ください。 ロ 図5 ボールねじの等級別製作範囲 ッ ド 型 ア ク チ ュ エ ー タ 単 軸 ア ク チ ュ エ ー タ 付   録 サ ポ ー ト ユ ニ ッ ト - 11-
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4. ねじ軸の設計 精 密 ボ ー ル ね 4.3 取付け方法 じ ボールねじの代表的な取付け方法を図6に示します。取付け方法により許容軸方向荷重や許容回転数に相違がでますの ロ で、過酷な使用条件や高精度を必要とする場合は十分検討する必要があります。 ッ ド 型 図6 ねじ軸・ナットの取付け方法例 ア ク 取付け方法 主な適用 チ ュ エ ー タ ●一般的な取付け方法 ●中速回転 単 ●高精度 軸 ア ク チ ュ エ ー タ ●高速回転 ●高精度 付   録 ●低速回転 ●中精度 ●軸長が短い場合 サ ポ ●中速回転 ー ●中精度 ト ユ ニ ッ ト - 12-
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精 密 ボ ー ル 4.4 許容軸方向荷重 ね (2)許容引張圧縮荷重(許容軸方向荷重目盛に垂直な線) じ (1)座屈荷重(図7の斜線部) 荷重作用点間距離が短かい場合は、取付け方法に関係な ねじ軸に圧縮荷重が作用する場合、次式により座屈が生 く次式により許容引張圧縮荷重を検討する必要がありま じないように検討する必要があります。 す。支持 ?支持の目盛により選定してください。 ロ 一般にはEuler の式を基準に算出します。 ッド 型 2 P = σ・A ア P = n─・ ─ π─・─E─・─Ⅰ──×α ク  L 2Z チ ここで P : 許容引張圧縮荷重(N) ュエ ここで P : 座屈に対する許容軸方向荷重(N) σ : 許容応力(147MPa) ー α : 安全係数(0.5) タ A : ねじ軸谷径の断面積(mm2) LZ : 荷重作用点間距離(mm)〈図6 参照〉 π 2 E : 縦弾性係数(2.06× 105MPa) A = ─4─ dr 単 Ⅰ : ねじ軸の最小断面二次モーメント(mm4) dr : ねじ軸谷径(mm)〈寸法表参照〉 軸ア π ク Ⅰ=─64─ dr 4 チ (3)許容軸方向荷重目盛に平行な線は、ねじ軸呼び外径に ュ dr : ねじ軸谷径(mm)〈寸法表参照〉 エ対して標準的な作業で製作できる長さの限界を示します。 ー n : ボールねじの取付け方法によって定まる係数 また、ねじ軸長さは、等級により制限を受けますので、 タ 支持-支持 n= 1 図5(8ページ)を参照してください。 固定-支持 n= 2 ※ ボールねじのご使用に際しては、許容軸方向荷重を十 固定-固定 n= 4 分チェックしてください。また、荷重条件を提示くだ 固定-自由 n= 0.25 さるようお願いいたします。 付   図7 許容軸方向荷重線図 録 2 103 荷 8 重 φ40 作 用 6 φ32 点 間 φ25 距 離 4 Lz φ20 (mm) φ16 φ12 2 φ10 φ8 φ6 サ 102 ポ 支持 - 支持 ー 103 2 4 6 8 104 2 4 6 8 105 2 ト 固定 - 支持 2 4 6 8 104 2 4 6 8 105 2 4 6 ユ 固定 - 固定 ニ 4 6 8 104 2 4 6 8 105 2 4 6 8 106 ッ 固定 - 自由 3 取付け方法 4 6 8 10 2 4 6 8 10 4 2 4 6 ト 許容軸方向荷重 P(N) - 13-
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4. ねじ軸の設計 精 密 ボ ー ル ね 4.5 許容回転数 じ (1)危険速度(図8の斜線部) 固定-固定 λ=4.730 ボールねじの回転数がねじ軸の持つ固有振動数と共振し 固定-自由 λ=1.875 ロ ないように検討する必要があります。 ッ 60λ2ド N=──── ─ E・Ⅰ・g (2)Dm・N値(許容回転数目盛に垂直な線) 型 2π・L 2C    ──γ・─A──× α ボールねじの周速の限界であるDm・N値からも規制さ ア ク チ ここで N : 危険速度に対する許容回転数(min -1) れます。支持-支持の目盛より選定してください。 ュ α : 安全係数(0.8) エ ー LC : 支持間距離(mm)〈図6参照〉 Dm・N≦70,000 タ E : 縦弾性係数(2.06× 105MPa) Ⅰ : ねじ軸の最小断面二次モーメント(mm4) ここで Dm :鋼球の中心円径(mm) 単 π N :回転数(min -1) 軸 Ⅰ= ─64─ dr 4 ア ク dr : ねじ軸谷径(mm)〈寸法表参照〉 (3)許容回転数目盛に平行な線は、ねじ軸呼び外径に対 チ ュ g : 重力の加速度(9.8 × 10 3mm/sec2) して標準的な作業で製作できる長さの限界を示します。 エ ー γ : 比重量(7.65× 10 -5N/mm3) また、ねじ軸長さは、等級により制限を受けますので、 タ A : ねじ軸谷径の断面積(mm2) 図5(8ページ)を参照してください。 A = ─ π 4─ dr 2 ※ ボールねじのご使用に際しては、許容回転数を十分 λ : ボールねじの取付け方法によって定まる係数 チェックしてください。また、使用回転数を提示くだ 支持-支持 λ= π 付 さるようお願いいたします。   固定-支持 λ=3.927 録 図8 許容回転数線図 2 φ40 φ32 103 φ25 8 支 φ20 持 間 6 φ16 距 離 φ12 Lc 4 (mm) φ10 φ8 2 φ6 サ ポ 102 ー 支持 - 支持 4 6 8 102 2 4 6 8 103 2 4 6 8 104 ト 固定 - 支持 ユ 6 8 102 2 4 6 8 103 2 4 6 8 104 ニ 固定 - 固定 2 3 4 ッ 8 10 2 4 6 8 10 2 4 6 8 10 2 ト 固定 - 自由 2 4 6 8 102 2 4 6 8 103 2 取付け方法 許容回転数 N(min-1) - 14-
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精 密 ボ ー ル 4.6 ねじ軸設計上の注意事項 ね じ (1)取付けについて (2)ねじ軸端形状 ボールねじを取付ける場合は、ねじ軸とナットを分離し ねじ軸の軸端形状を設計されるときは軸端の一方をねじ なければならないような構造設計は避けてください。分離 軸谷径(寸法表参照)以下にし、ねじを切通しにしてくだ ロ すると鋼球の脱落、ナットの姿勢精度及び予圧量の変化、 さい(図10)。特にリターンガイド方式のボールねじは ッド 鋼球循環部の破損などの事故を起こす危険があります。ど 構造上組立てできません。 型 ア うしても避けられない構造の場合、ねじ軸とナット間に取 ク チ 付けられる部品をご支給ください。弊社にて取付け納入い 図10 ねじ軸端形状 ュ たします。 エー やむをえず外さなければならない場合は図9のような タ スリーブを使用して、鋼球をナットに入れたまま外す方法 があります。このとき、スリーブ外径はねじ軸谷径(寸法 単 表参照)-(0.2 ~ 0.4)mm程度にしてください。 軸ア ク チ 図9 ナット取外し用スリーブ ュ エ (3)ねじ軸端後加工 ー 納入後、ねじ軸端にノックピンなどの加工をする場合は、 タ その位置と寸法をご指示ください。指定箇所は後加工が容 易に行えるよう焼入防止処置を施し納入いたします。 付   録 サ ポ ー ト ユ ニ ッ ト - 15-
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5. ナットの設計 精 密 ボ ー ル ね 5.1 ナットの構造 (2)内部循環方式 じ (a)「コマ方式」 ボールねじの循環方式は、「外部循環方式」と「内部循 ナットに組み込まれたコマに沿って、鋼球がねじ軸のラ 環方式」に大別されます。 ンド部を乗り越え、再びねじ溝に戻る循環方式です。鋼球 ロ 外部循環方式:「チューブ方式」「リターンガイド方式」 ッ は1リード毎に循環されます。 ド 内部循環方式:「コマ方式」「エンドデフレクタ方式」 型 ア 図12- a コマ方式 ク 4種類の循環方式をラインナップしています。 チ ナット ュ エ コマ ー (1)外部循環方式 タ ねじ軸(a)「チューブ方式」 U字形に曲げたチューブの先端タング部で、鋼球をすく 単 い上げてチューブの内部を通過して、再びねじ溝に戻る循 軸 鋼球 ア 環方式です。 ク チ ュ 図11- a チューブ方式 特徴:ナット外径のコンパクト設計が可能 エ    回転バランスに優れる ー ナット タ チューブ ねじ軸 (b)「エンドデフレクタ方式」 ナットの両端に組み込まれたエンドデフレクタで、鋼球 をすくい上げてナット内部の貫通穴を通過して、再びねじ 鋼球 溝に戻る循環方式です。付   録 図12- b エンドデフレクタ方式 特徴:小リードから長リードまで対応可能 ナット エンドデフレクタ (b)「リターンガイド方式」 ねじ軸 ナット内部に設けられたデフレクタの先端で、鋼球をす くい上げてリターンガイドの溝を通過して、再びねじ溝に 戻る循環方式です。 鋼球 図11- b リターンガイド方式 特徴:軸の周速性が優れる ナット    静粛性が優れる リターンガイド ねじ軸 サ ポ ー ト 鋼球 ユ ニ ッ ト 特徴:小リードに対応可能 - 16-
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精 密 ボ ー ル 5.2 ナット回り設計上の注意事項 ね じ (1)偏荷重 ボールねじの作動特性は、ねじ軸とナット間で転動して いる鋼球にかかる負荷分布が均一に近いほど、その真価を ロ 発揮します。ナットに偏荷重(モーメント荷重及びラジア ッド ル荷重)が加わると、一部の鋼球に集中荷重が加わり、作 型 ア 動特性に影響を及ぼすだけでなく、寿命も著しく低下しま ク チ すので、機器の設計及び組立に当っては十分注意してくだ ュ さい。 エー タ 図13 偏荷重 単 軸 ア ク チ ュ エ ー タ (2)リターンガイド方式ナットの取付け方向 付  リターンガイド方式のボールねじは、鋼球循環部の構造 録 上、リターンガイドの部分が上になるように取付けること によって、より円滑な回転が得られます。 図14 リターンガイド方式ナットの取付け方向 サ ポ ー ト ユ ニ ッ ト - 17-
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6. 精度設計 精 密 ボ ー ル ね 6.1 送りねじ系の剛性 (b)固定-固定(支持方法)の場合 じ K = ─A─・─E─・L s L (L-─L─) × 10 -3 Z Z 送りを伴う自動制御機械や精密機器において、高精度の ここで KS : ねじ軸の軸方向剛性(N/μm) ロ 位置決めを要する場合には、送りねじ系の各構成要素の軸 L : 取付け間距離(mm) ッ ド 方向剛性を検討する必要があります。 型 ア 図16 固定-固定(支持方法)の場合 ク 6.1.1 送りねじ系の軸方向剛性 チ ュ (1)送りねじ系の軸方向剛性:KT エ ー 送りねじ系の軸方向剛性は次式により求められます。 タ K Fa T = ─δ─ ─1─ = ─1 単 K K─ + ─ 1─ K + ─ 1─ 1 軸 T S N KB + ─K─H ア ここで KT : 送りねじ系の軸方向剛性(N/μm) ク (注)ねじ軸の軸方向荷重による変位量 チ Fa : 送りねじ系にかかる軸方向荷重(N) ュ エ δ : 送りねじ系の軸方向弾性変位量(μm) ー (a)固定-固定(支持方法)の場合 タ KS : ねじ軸の軸方向剛性(N/μm) Fa Fa LZ 3 KN : ナットの軸方向剛性(N/μm) δL = ─K─ = ─A─・─S E ( 1 - ─L─) LZ × 10 KB : 支持軸受の軸方向剛性(N/μm) ここで δL: 軸方向荷重による変位量(μm) KH : ナット及び軸受の取付け部の軸方向剛性 (N/μm) (b)固定-固定(支持方法)以外の場合 付   δ = ─F─a Fa・LZ 3L 録 (2)ねじ軸の軸方向剛性:KS KS = ─A─・─E─ × 10 (a)固定-固定(支持方法)以外の場合 ここで δL: 軸方向荷重による変位量(μm) A・E 固定-固定(支持方法)の場合、LZ = L/2 の位置にお K s = ─L── × 10 -3 Z いて軸方向最大変位を生じます。 ここで KS : ねじ軸の軸方向剛性(N/μm) ( δ L = ─ F─a・L 3 A : ねじ軸断面積(mm2) 4A・─E─ × 10 ) A = ─ π 4 dr 2 従って、固定-固定(支持方法)の場合、最大軸方向変 dr : ねじ軸谷径(mm)〈寸法表参照〉 位は固定-固定(支持方向)以外の場合に比べ 1/4 となり E : 縦弾性係数(2.06× 105MPa) ます。 LZ : 荷重作用点間距離(mm) 図15 固定-固定(支持方法)以外の場合 サ ポ ー ト ユ ニ ッ ト - 18-