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温度校正器総合カタログ2021/2022

製品カタログ

フルーク温度校正器総合カタログ

主な掲載製品
■一次標準器
石英シース標準白金抵抗温度計
ワーキング・スタンダード標準白金抵抗温度計
メタル・シース標準白金抵抗温度計
ガラス・カプセル型標準白金抵抗温度計
水の三重点セル
水の三重点セル・メンテナンス・バス
ITS-90定点セル
ミニ定点セル
ミニTPWセル用メンテナンス装置
ガリウム・セル・メンテナンス装置
ミニ定点セル・ファーネス

■温度指示計器
ブラック・スタック・サーモメーター
チャブ-E4 サーモメーター2
“ツイナー”サーモメーター
スーパー・サーモメーター
1586A Super-DAQ高精度温度スキャナ
ハンドヘルド・サーモメーター
スティック・サーモメーター
DewK 温湿度計
■温度プローブ
二次標準白金抵抗温度計
高温用白金抵抗温度計
二次参照標準白金抵抗温度計
二次参照標準白金抵抗温度計
工業用小径シース白金抵抗温度計
高精度低温用白金抵抗温度計
高精度工業用白金抵抗温度計
タイプR/タイプS 標準熱電対
標準サーミスタ
二次標準サーミスタ

■ソフトウェア

■バス

■工業用温度校正器

このカタログについて

ドキュメント名 温度校正器総合カタログ2021/2022
ドキュメント種別 製品カタログ
ファイルサイズ 12.3Mb
登録カテゴリ
取り扱い企業 株式会社テクトロニクス&フルーク (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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フ ル ー ク ・ キ ャ フルーク・キャリブレーション リ ブ レ ー シ ョ ン 温度校正器カタログ 温 度 校 正 器 2021-2022 カ タ ロ グ 2 0 2 1 2 0 2 2 www.flukecal.jp フルーク・キャリブレーション 販売代理店 校正器営業部 〒108-6106 東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟6F Email: jp-info@flukecal.com 大阪営業所 〒532-0003 大阪府大阪市淀川区宮原4-1-6 アクロス新大阪 Email: jp-info@flukecal.com サービスセンター 〒242-0007 神奈川県大和市中央林間7-10-1 三機大和ビルB館3F Email: svc-jp@fluke.com ©2014 Fluke Corporation. All rights reserved. 仕様は予告なく変更する場合があります。(2066445-Fによる。) Printed in Japan. 2020/12-S www.flukecal.jp -
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目次 一次標準器 標準白金抵抗温度計の校正とITS-90 ................................2 温度計の校正とトレーサビリティ ......................................3 一次標準器セレクション・ガイド..........................................4 石英シース標準白金抵抗温度計 ..........................................5 なぜフルークが選ばれるのでしょう? ワーキング・スタンダード標準白金抵抗温度計...............7 メタル・シース標準白金抵抗温度計...................................8 ガラス・カプセル型標準白金抵抗温度計...........................9 水の三重点セル ..................................................................10 水の三重点セル・メンテナンス・バス............................14 製品 ITS-90定点セル................................................................16 フルークは、お客様の作業のお役に立てるよう、信頼のおける最新鋭の技術を搭載した製品やサービス ミニ定点セル ......................................................................20 を日々開発しています。お客様の間では、フルーク製品は「正確な」、「丈夫な」、「信頼できる」といった表 ミニTPWセル用メンテナンス装置..................................22 ガリウム・セル・メンテナンス装置................................23 現で形容されています。フルークの技術専門家はこのような評価を念頭において、すべての製品を開発 ミニ定点セル・ファーネス...............................................24 しています。 温度指示計器 温度指示計器セレクション・ガイド ...................................25 長年にわたる経験とリーダーシップ 適切な温度計の選択...................................................26 1948年の創業以来、フルークは試験機器、トラブルシューティング機器をご提供することで技術市場の発 ブラック・スタック・サーモメーター............................27 展に寄与してきました。これらの機器は、製造・サービス業界において必要不可欠な存在となっています。 チャブ-E4 サーモメーター............................................32 フルークは、企業で品質維持・管理に携わる世界中のプロフェッショナルのお手伝いをしています。 “ツイナー”サーモメーター.............................................34 スーパー・サーモメーター...............................................36 1586A Super-DAQ高精度温度スキャナ....................40 世界的な広がり ハンドヘルド・サーモメーター .......................................44 フルークの製品は、世界中の商工業施設、プラントなどで目にすることができます。世界的なサービスお スティック・サーモメーター...........................................48 よびサポートのネットワークを整え、お客様が必要な製品を必要なときにご提供できるよう心がけていま DewK 温湿度計.................................................................50 す。 温度プローブ プローブ・セレクション・ガイド.......................................52 専門家チーム その温度プローブは正確ですか?............................53 二次標準白金抵抗温度計...................................................54 お客様のご相談に応じる営業から、購入後のサポートを担当する技術者まで、フルークのスタッフは高度 高温用白金抵抗温度計.......................................................55 な訓練を受けています。そしてお客様に投資を最大限に活かしていただけるよう専念しています。エンジ 二次参照標準白金抵抗温度計...........................................56 ニア、営業、トレーニング、サービス・サポート全てのスタッフがお客様のさまざまな段階のお手伝いに備 二次参照標準白金抵抗温度計(校正はオプション)......58 えています。 工業用小径シース白金抵抗温度計 ...................................60 高精度低温用白金抵抗温度計...........................................61 高精度工業用白金抵抗温度計...........................................62 タイプR/タイプS 標準熱電対..........................................63 標準サーミスタ ..................................................................64 二次標準サーミスタ...........................................................66 ソフトウェア ソフトウェアセレクション・ガイド ...................................68 MET/TEMP IIソフトウェア............................................69 LogWareデータ収録・解析ソフトウェア .....................70 LogWare III.......................................................................71 Table Ware.......................................................................72 TQSoft TQAero ..............................................................73
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911-0962-P001-009 19.12.2 14:30 ページ 1 目次 バス バス・セレクション・ガイド...............................................74 正しいバスの購入.......................................................76 大深度コンパクト・バス...................................................78 コンパクト・バス...............................................................80 フルークのバスが選ばれる理由................................82 低温用バス(-60 ℃~)....................................................84 低温用バス(-40 ℃~)....................................................86 高温用バス(~300 ℃)...................................................88 高温用バス(~550 ℃)...................................................90 アイス・バス ......................................................................91 大深度バス..........................................................................92 レジスター・バス...............................................................94 バス・アクセサリ...............................................................96 低温用バスでの水分による問題を防ぐために ........97 バス用温度媒体 ..................................................................98 工業用温度校正器 工業用校正器セレクション・ガイド ................................102 最適なドライウエル温度校正器の選定.................104 ドライウエルを用いた温度校正の精度を向上させるために ..106 メトロロジー・ウエル校正器 ........................................108 9190A 超低温用フィールド・メトロロジー・ウェル...112 フィールド・メトロロジー・ウエル.............................116 ポータブル温度校正バス................................................122 マイクロバス ...................................................................126 現場用ドライウエル........................................................128 工業用デュアルブロック校正器 ....................................130 デュアルウエル校正器....................................................132 ハンドヘルド・ドライウエル校正器.............................134 ゼロ点ドライウエル........................................................136 熱電対校正用温度炉........................................................138 高精度放射温度計校正器................................................142 放射温度計用校正器........................................................145 高精度プロセス校正器....................................................146 ラピドキャル湿度校正器................................................148 Index................................................................................149 一次標準器 1
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911-0962-P001-009 19.12.2 14:30 ページ 2 標準白金抵抗温度計の校正と ITS-90 校正の定義: 指定の条件下において、第一段階で、測定標準によって提供される不確かさを伴う量の値と、それに対応する指示値と の不確かさを伴う関係を確立し、第二段階で、この情報を用いて指示値から測定結果を得るための関係を確立する操作。 (JIS Z 8103:2019 計測用語より) 標準白金抵抗温度計の校正: 標準白金抵抗温度計(SPRT)は、定点による校正を行うことでその温度範囲の連続的な測定が可能になります。この 定点による校正と補間計算のルールは1990年国際温度目盛(ITS-90)として定められています。 以下の図では標準白金抵抗温度計の温度範囲と校正に用いる定点の組み合わせを示します。 1990年国際温度目盛(ITS-90)の定義定点とサブレンジ 2 一次標準器
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911-0962-P001-009 19.12.2 14:30 ページ 3 温度計の校正とトレーサビリティ トレーサビリティの定義: 個々の校正が不確かさに寄与する、切れ目なく連鎖した、文書化された校正を通して、測定結果を参照基準に関連付け ることができる測定結果の性質。 (JIS Z 8103:2019 計測用語より) 温度計のトレーサビリティ: 温度計を校正する目的は、校正により国家標準へのトレーサビリティを確立することとなります。トレーサビリティの 保証された校正を行い、温度計の不確かさを評価することで、その温度計そのものの測定の信頼性が確保されます。 温度計のトレーサビリティの行き着く先にある温度の国家標準は、1990年国際温度目盛を実現する標準器となります。 以下の図で、温度計の校正による国家標準(ITS-90)へのつながり(=トレーサビリティ)を示します。 温度計のトレーサビリティ SPRT ITS-90 産総研 Primary 0.0002 to 0.002 一次標準 PRT Secondary 0.002 to 0.1 二次標準 RTD Industrial 0.1 to 1 工業用標準 一次標準器 3
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911-0962-P001-009 19.12.2 14:30 ページ 4 一次標準器セレクション・ガイド 標準白金抵抗温度計 型式 RTPW レンジ ページ 5681 25.5 Ω ー200 ℃ ~ 670 ℃ 5 5683 25.5 Ω ー200 ℃ ~ 480 ℃ 5684 0.25 Ω 0 ℃ ~ 1070 ℃ 5685 2.5 Ω 0 ℃ ~ 1070 ℃ 5698 25.5 Ω ー200 ℃ ~ 670 ℃ 7 5699 25.5 Ω ー200 ℃ ~ 670 ℃ 8 5686 25.5 Ω ー260 ℃ ~ 232 ℃ 9 定点セル 型式 説明 温度 ページ 5901A-G TPWセル, 内径12 mm, ハンドル付き, ガラス・シェル 0.01 ℃ 10 5901A-Q TPWセル, 内径12 mm, ハンドル付き, 石英シェル 0.01 ℃ 5901C-G TPWセル, 内径13.6 mm, ハンドル付き, ガラス・シェル 0.01 ℃ 5901C-Q TPWセル, 内径14.4 mm, ハンドル付き, 石英シェル 0.01 ℃ 5901D-G TPWセル, 内径12 mm, ガラス・シェル 0.01 ℃ 5901D-Q TPWセル, 内径12 mm, 石英シェル 0.01 ℃ 5901B-G TPWセル, ミニ, ガラス・シェル 0.01 ℃ 5900E 水銀定点セル, ステンレス・スチール ー38.8344 ℃ 16 5904 インジウム定点セル 156.5985 ℃ 5905 スズ定点セル 231.928 ℃ 5906 亜鉛定点セル 419.527 ℃ 5907 アルミニウム定点セル 660.323 ℃ 5908 銀定点セル 961.78 ℃ 5909 銅定点セル 1084.62 ℃ 5924 開放型インジウム定点セル 156.5985 ℃ 5925 開放型スズ定点セル 231.928 ℃ 5926 開放型亜鉛定点セル 419.527 ℃ 5927A-L 開放型アルミニウム定点セル(長) 660.323 ℃ 5927A-S 開放型アルミニウム定点セル(短) 660.323 ℃ 5928 開放型銀定点セル 961.78 ℃ 5929 開放型銅定点セル 1084.62 ℃ 5943 ガリウム定点セル, ステンレス・スチール 29.7646 ℃ 5914A ミニ・インジウム定点セル 156.5985 ℃ 20 5915A ミニ・スズ定点セル 231.928 ℃ 5916A ミニ亜鉛定点セル 419.527 ℃ 5917A ミニ・アルミニウム定点セル 660.323 ℃ 5918A ミニ銀定点セル 961.78 ℃ 5919A ミニ銅定点セル 1084.62 ℃ 5944 ミニ・インジウム定点セル 156.5985 ℃ 5945 ミニ・スズ定点セル 231.928 ℃ 5946 ミニ亜鉛定点セル 419.527 ℃ 5947 ミニ・アルミニウム定点セル 660.323 ℃ メンテナンス装置 型式 特徴/使用法 ページ 7012 維持:水の三重点およびガリウム・セル 86 比較:ー10 ℃ ~ 110 ℃ 7037 維持:水の三重点およびガリウム・セル 比較:ー40 ℃ ~110 ℃ 7312 維持:水の三重点セル2つ, コンパクト・サイズ, 静音運転 14 比較:ー5 ℃ ~ 110 ℃ 7341 維持:水銀の三重点セル 78 比較:ー45 ℃ ~ 150 ℃ 9210 維持:ミニTPWセル 22 比較:ー10 ℃ ~ 125 ℃ 9230 維持:ステンレス製ガリウム・セル 23 比較:15 ℃ ~ 35 ℃ 9260 維持:インジウム、スズ、亜鉛、アルミニウム・セル 24 比較:50 ℃ ~ 680 ℃ 4 一次標準器
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911-0962-P001-009 19.12.2 14:30 ページ 5 石英シース 標準白金抵抗温度計 態が不安定になります。そこでフルー クでは、ガラス・シースと白金線の膨 張率を釣り合わせる方法を見つけ出し ました。少しずつ膨張率の異なる18 種類のガラスを、順々に重ね合わせて 封をするのです。一番内側のガラス片 の膨張率及び収縮率は白金と同じで、 少なくとも20年は気体漏れや不純物 の侵入を防ぎます。 異なるガラスを順々に融合させていく のはお金も手間もかかる作業ですが、 それだけの価値のある作業といえま す。 フルークでは白金のサポート部、チュ ーブとその内側の対流防止ディスクに も純粋な石英ガラスを使用していま す。雲母やセラミックは使用していま せん。また、特殊なガラス処理工程に より、失透への耐性を高め、通常のク リーニング工程以上に不純物を取り除 ・ドリフト・レート0.0005 K くことができます。 ・特別な比率の混合気体により、高い安定性を保証 さらにフルークでは、石英シース内の アルゴンと酸素の混合比についても研 ・極めて卓越した標準白金抵抗温度計(SPRT)設計チームによる設計 究を重ねました。白金が高温で異種金 属と反応する危険を最小限に抑えるの 一次標準として正しい白金抵抗温度計 で、より高い長期安定性で使用できま に、ある程度の酸素は必要ですが、 を選択することは大変重要なことで す。5684と5685はより高温の1070 ℃ 500 ℃以下の時に酸素がありすぎると す。しかし残念なことに、SPRTがど までをカバーしており、銀点での校正 酸化が進み、白金の純度に影響を与え のように製造されているかは、あまり が可能です。 ます。フルークは白金の保護に最適な 明らかにされていません。20~30年 これらのSPRTには金メッキのスペー 混合比を見つけ出しました。 前のリーディング・カンパニーには当 ド・ラグ、シース内の対流防止用のデ このように一見些細なことの積み重ね 時の設計者やエンジニアが残っていな ィスクが取り付けられています。また、 が、より小さな不確かさと小さなドリ いからです。その点フルークは今も 4本のワイヤにはストレスがありませ フトにつながるのです。 SPRTの設計グループを維持している ん。高純度の白金と高品質な石英ガラ 数少ないメーカーです。 スを用いて作られており、表面にはつ 5681:ー200 ℃~670 ℃ それでは何を決め手にSPRTを選べば や消し加工が施されています。 この25Ω温度計はITS-90で最も良く よいのでしょうか。各社がそれぞれ専 温度計の白金線の純度はITS-90の条件 使われる製品です。 門知識や技術を独自に主張しています を満たすうえで大変重要です。白金抵 アルゴンの三重点からアルミニウムの が、そうした情報だけでは不十分です。 抗はITS-90定義定点における抵抗比W 凝固点まで、どのサブレンジでも校正 そのメーカーが、最新のSPRT開発に で校正されます。白金の純度を保つこ できます。5681は以下のITS-90の抵 求められる技術や知識を持っていると とが、長期安定性の維持のために重要 抗比の条件を満たしています。 確かに証明するものはなんでしょう です。SPRTの石英ガラス・チューブ か。フルークでは、どのようにSPRT は白金線が不純物と反応するのを防ぐ W(302.9146 K)≧ 1.11807 を製造しているかを、きちんと説明す ため、正しく密封されている必要があ 及び ることができます。SPRTの設計、組 ります。この密封に機械的な接合部品 W(234.3156 K)≦ 0.844235 み立て、校正を行なうスタッフとお話 やエポキシが使われることがありま いただくこともできます。また、お買 す。しかし、この場合、温度計の内部 い求めいただいたSPRTがご希望とは に新たな物質を加えることになります 5683:ー200 ℃~480 ℃ 違っていた場合、返品していただくこ し、密閉部も故障しやすく、白金を不 通常、SPRTはアルミ点(660 ℃)まで ともできます。 純物にさらす恐れがあります。 をカバーしますが、温度測定の多くは フルークには以下の4種類の石英シー 理論的には石英ガラスにより白金線を ー100 ℃~420 ℃までの領域で行われ スのSPRTがあり、これらの4種類で 直接密閉するのが一番です。しかし温 ます。5683 SPRTはこの範囲よりも ITS-90のー200 ℃~1070 ℃をカバー 度計のシースに使われている石英ガラ 広く、ー200 ℃~480 ℃までカバーし、 しています。まず5681はー200 ℃か スの膨張率がたいへん小さいのに対し 長期安定性は通常のSPRTより優れて らアルミ点の660.323 ℃まで使用でき て、白金の膨張率がずっと大きいため、 います。ドリフトの代表値は、480 ℃、 ます。5683はー200 ℃から480 ℃ま アセンブリは温度変化により、密封状 100時間後で0.5 mK以下です。 一次標準器 5
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911-0962-P001-009 19.12.2 14:30 ページ 6 石英シース 標準白金抵抗温度計 仕様概要 仕様 5681 5683 5684 5685 温度範囲 ー200 ℃~670 ℃ ー200 ℃~480 ℃ 0 ℃~1070 ℃ 0 ℃~1070 ℃ RTPW 公称抵抗値 25.5 Ω 0.25 Ω 2.5 Ω 電流 1 mA 10 mAまたは14.14 mA 3または5 mA W(302.9146 K) ≧ 1.11807 および W(302.9146 K) ≧ 1.11807 および 抵抗比 W(234.3156 K) ≦ 0.844235 W(1234.93 K) ≧ 4.2844 感度 0.1Ω/℃ 0.001Ω/℃ 0.01Ω/℃ < 0.002 ℃/ 661 ℃で < 0.001 ℃/ 480 ℃で < 0.003 ℃/ 1070℃で100時間 ドリフト・レート 100時間 100時間 (代表値 < 0.001 ℃) (代表値 < 0.001 ℃) (代表値0.0005 ℃ ) 水の三重点セルにおける <0.002℃(電流1mA) <0.002℃(電流10mA) <0.002℃(電流3mA) セルフ・ヒーティング 再現性 ±0.001 ℃以下 ±0.00075 ℃以下 ±0.0015 ℃以下 水の三重点でのドリフト <0.00075 ℃ <0.0005 ℃ <0.001 ℃ (温度サイクル後) 石英ガラス・ストリッ 石英ガラス・クロス・ センサー・サポート 石英ガラス・クロス・サポート プ・サポート サポート 白金線の直径 0.07 mm 0.4 mm 0.2 mm 保護用シース 石英ガラス, 直径: 7 mm, 長さ: 520 mm 石英ガラス, 直径: 7 mm, 長さ: 680 mm 5684、5685:0 ℃~1070 ℃ このように5684/5685は、他のガラ ITS-90によって白金温度計の使用範囲 オーダー情報 ス・プローブよりも一段優れたガラ は630 ℃から962 ℃に広がりました。 ス・プローブだと言えます。 5681-S SPRT 25.5Ω, 670℃† 0.25 Ωの高温用SPRT 5684は石英ガ 5683-S SPRT 25.5Ω, 480℃†, 高安定性 ラスのストリップ・サポートを、2.5 Ωの5685は石英ガラスのクロス・サ 5684-S SPRT 0.25Ω, 1070℃† ポートを使用しています。 温度サイ 5685-S SPRT 2.5Ω, 1070℃† クルを加えた後の安定性は素晴らし く、振動にも強い設計となっています。 †メープルを使用した専用の木製キャリン 高温用SPRTは0.25 Ωと2.5 Ωの公称 グ・ケースを含む。SPRT校正オプション 抵抗値から選択してください。 についてはお問合わせください。 5684/5685は、上記の抵抗比の条件を 満たすだけでなく、以下の基準も満た しています。 W(1234.93 K)≧ 4.2844 25.52160 SPRTの性能を最大限に 25.52155 良いSPRTを正しく使えば、驚くほど高い精度 25.52150 を得ることが出来ます。以下の内容の取り扱 いにより、0 ℃の時に1mKの数十分の一と 25.52145 いう低い不確かさも可能です。 25.52140 ・SPRTに物理的な衝撃や振動を与えないよ 25.52135 うにしてください。SPRTは大変繊細で、取り 25.52130 扱いを誤ると、すぐに影響を受けてしまいま す。 25.52125 ・測定後には毎回、水の三重点で測定を行 0.5 mK ってください。温度を校正するには抵抗値で 25.52120 はなく、抵抗比(W)を使用してください。 25.52115 At 675 °C ・2つの異なる入力電流による測定から、セ At 720 °C At 250 °C At 450 °C At 675 °C ンサーの消費電力がゼロのときの抵抗値を 25.52110 0 250 500 750 1000 1250 求めることができます。これにより、無視され Total Heated Time at Different Temperatures (hours) がちなセルフ・ヒーティングの影響を排除す 5681 SPRT(#71122)の代表的な安定性のグラフ。アニーリングの約250時間後に校正または出荷されます。 ることが出来ます。 6 一次標準器 Rtp (ohms)
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911-0962-P001-009 19.12.2 14:30 ページ 7 ワーキング・スタンダード 標準白金抵抗温度計 仕様概要 仕様 温度範囲 ー200 ℃~670 ℃ RTPW 公称抵抗値 25.5Ω (±0.5Ω) 電流 1.0 mA W(234.315 K) ≦ 0.844235 抵抗比 W(302.9146 K) ≧ 1.11807 感度 0.1Ω/℃ < 0.006 ℃/最大温 ドリフト・レート 度で100時間 (代表 値< 0.003 ℃) 水の三重点におけ < 0.002 ℃ (電流 るセルフ・ヒーテ 1mA) ・ITS-90の標準白金抵抗温度計(SPRT)のガイドラインに完全準拠 ィング ・ドリフト・レートは代表値0.003 ℃以下 再現性 ±0.0015 ℃ 以下 水の三重点でのド ・定点による複数の校正オプション リフト < 0.001 ℃ ・優れたコスト・パフォーマンス (温度サイクル後) 白金線の直径 0.07 mm SPRTは科学的なものであると同時 モメーターとも一緒にお使いいただけ 石英ガラス に、テクニカル・アートであるとも言 ます。 保護シース 直径: 7 mm えます。しかし決してミステリアスな 信頼できる温度校正ラボによるSPRT 長さ: 485 mm ものではありません。フルークではド の校正ニーズに対しては、フルークの リフト・レートも含め、詳細な仕様を NVLAP認定ラボでの定点校正オプシ リード線 4線 提供しています。 ョンから適切なものをご提案します。 この5698 SPRTも例外ではありませ 校正価格は機器と同様リーズナブルで オーダー情報 ん。世界中の国立研究所で使われてい す。 5698-25 25 Ωワーキング・スタンダード るSPRTをいくつも手がけたフルーク フルークでは、購入後の充実したサポ SPRT† の温度標準の研究者が設計を行ってい ートはもちろん、購入前にも、詳細な † ます。 仕様を始めとして、出来る限りの情報 メープルを使用した専用の木製キャリン 5698 ワーキング・スタンダード をお客さまに提供しています。 グ・ケース付き SPRTの校正オプションについてはお問合 SPRTは真のSPRTといえます。ITS- フルークのテクノロジーにはアートの わせください。 90に規定されたSPRTの抵抗比を満た 側面も含まれているかもしれません しており、フルークが設計した全くひ が、これは秘密主義ということではあ ずみのない白金センサーが使用されて りません。フルークのSPRTは温度校 います。この485 mmの石英シースに 正ラボの信頼できる標準となります。 収められた25 ΩSPRTは、ー200 ℃か ら670 ℃の温度範囲をカバーしていま す。フルークでは長期ドリフトを670 全ての白金は同じではありません。 ℃で100時間のアニーリング後の水の 三重点における抵抗値の変化と定義し 白金測温抵抗体(PRT)は様 な々白金線から作 三重点における公称抵抗値で表されます。線 ており、この値は最大で6 mK以下、 られていますが、この素線の違いが温度計の が太いほど、公称抵抗値は小さくなります。工 通常は3 mK以下です。 性能に影響します。最も重要な違いは純度と 業用PRTでは100 Ω、SPRTでは25 Ωが一 太さです。 般的です。 5698 SPRTは、フルークの1595Aス IPTS-68によれば、白金の純度はα(温度ごと それではどれを選択すればよいのでしょうか。全 ーパー・サーモメーターと組み合わせ の抵抗の変化の平均)で測られます。工業用 ての条件が同じであれば、抵抗の低いPRTは て使うのに最適です。1595Aスーパ 温度計ではαは0.00385が一般的ですが、 センサーが太いため、一般的に、より安定して ー・サーモメーターは25 ΩSPRTを SPRTではαは0.003925が一般的です。一 います。しかし、低抵抗のPRTには、温度ごと 0℃で1 mK以内で読取り、SPRTと一 方、ITS-90では、白金の純度を、いくつかの定 の抵抗の小さな変化も処理できる高分解能の 点(ガリウム、水銀、または銀等)における抵抗 表示器が必要です。低抵抗PRTを使用する利 緒に使用するのに便利な機能を多く持 値と、水の三重点における抵抗値(RTPW)との 点はほとんどの用途であまり重要ではありませ っています。また、5698 SPRTは1 比(W)で評価します。ITS-90で規定された抵抗 ん。しかし、もし低抵抗PRTをご使用になる場 mAの測定電流が必要で、フルークの 比を満たすことが、SPRT品質とされています。 合には、それに合った表示器と一緒にご使用 ブラック・スタックやチャブE4サー 白金線の太さはその抵抗に影響を与え、水の ください。 一次標準器 7
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911-0962-P001-009 19.12.2 14:30 ページ 8 メタル・シース 標準白金抵抗温度計 仕様概要 仕様 温度範囲 ー200 ℃~670 ℃ RTPW 公称抵抗値 25.5 Ω (±0.5 Ω) 電流 1 mA W(302.9146 K)≧ 1.11807 抵抗比 W(234.3156 K)≦ 0.844235 感度 0.1Ω/℃ <0.008 ℃/年 ドリフト・レート (<0.003 ℃/年,代表 値) 繰り返し性 <1 mK 水の三重点でのセ < 0.001 ℃ ・670 ℃の高温も測定 ルフ・ヒーティン (電流1 mA) ・インコネルと白金のシースにより白金線の汚染を防止 グ 再現性 ±0.001 ℃ 以下 ・8mK/年 以下のドリフト 水の三重点でのド ・5本目のリード線によるグラウンド リフト < 0.001 ℃ (温度サイクル後) フルークの標準白金抵抗温度計 うに、化合による純度の劣化が少ない 白金線の直径 0.07 mm (SPRT)は際立った信頼性、そして ということは、高温の金属ブロック炉 リード線 4線及び接地線 極めて小さな長期ドリフトで定評があ で何時間も使用した後でもドリフトが インコネル ります。どれも国立(及び一次)の温度 低いということです。 校正ラボで校正されており、その結果、 5699の校正を依頼される場合は、フ 直径:5.56 mm 保護シース 競合モデルよりもパフォーマンス的に ルークの一次標準ラボでー200 ℃から ±0.13 mm 優れていることは証明されています。 661 ℃のどのレンジもカバーした定点 長さ:482 mm 5699メタル・シースSPRTはフルーク 校正をはじめとして、様々なオプショ >100 MΩat661 ℃ 絶縁抵抗 の保護シース付きプローブの利点を全 ンからお選びいただけます。 >1000 MΩat20 ℃ て備えており、高温は670℃まで、事 実上どんな炉やバスにも使えます。 また、フルークの温度標準に関するエ ンジニアの手で設計製造されており、 オーダー情報 ひずみのないセンサー部分はSPRTの 5699-S メタル・シースSPRT† ITS-90規格を満たし、長期ドリフトを 最小限に抑えます。 †メープルを使用した専用の木製キャリン 通常の使用であれば、1年後でもドリ グ・ケース付き フトは0.008 ℃以下です(代表値0.003 SPRTの校正オプションについては、お問 合わせください。 ℃以下)。手入れや取り扱い方によっ 指示計器のオプションはp.25~p.47を参照。 てはさらに低いドリフト・レートも可 能です。電気ノイズ(特にAC測定時) を減らすため、4本のリード線に接地 用のグラウンド線が1本加わりまし た。5699は旧来の工業用標準のイン コネル・シースSPRTが著しく改良さ れた製品と言えます。 5699は直径5.56 mmのインコネル・ シースで覆われており、丈夫で、応答 時間の速いSPRTです。シースの内部 では、センサー部分は薄い白金のハウ ジングで保護されており、高温の金属 ケース内に現れる金属イオンとの反応 による白金の汚染を防ぎます。このよ 8 一次標準器
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911-0962-P001-009 19.12.2 14:30 ページ 9 ガラス・カプセル型 標準白金抵抗温度計 仕様概要 仕様 5686:ー260 ℃~ 温度範囲 232 ℃(13 K~505 K) RTPW 公称抵抗値 25.5 Ω W(302.9146 K)≧ 1.11807 抵抗比 W(234.3156 K)≦ 0.844235 <0.005 ℃(全温度 ドリフト・レート 範囲で1年間) 水の三重点におけ < 0.002 ℃ るセルフ・ヒーテ (電流1mA) ィング 再現性 ±0.001 ℃ 以下 水の三重点でのド リフト < 0.001 ℃ (温度サイクル後) カプセル内封入ガス ヘリウム ・温度範囲:ー260 ℃(13 K)から232 ℃ リード線 白金(4本),長さ30 mm ・安定性:100 ℃までの温度レンジで代表値0.001 ℃ 直径5.8 mmx長さ 寸法 ・小型カプセルでステムの熱伝導影響を除去 56 mm 用途によっては通常の標準白金抵抗温 閉されています。本製品はメープルを 度計(SPRT)では長すぎたり、使い 用いた木製の保護ケースで提供されま にくかったりということがあります。 す。5686は、以下の抵抗比をはじめ その点フルークのミニ・ガラス・カプ とするITS-90が要求する白金純度に関 セルSPRTは、極低温や熱量測定、そ する規定に完全に適合しています。 の他小さなSPRTを必要とするような W(302.9146 K)≧1.11807 オーダー情報 温度標準に関わる計測・研究に最適で 及び 5686-B ガラス・カプセルSPRT, す。 W(234.3156 K)≦0.844235 ー260 ℃~232 ℃† このモデルはたいへん優れたSPRT 5686は温度範囲ー260 ℃から232 ℃ †メープルを使用した専用の木製キャリン で、高純度の白金線が、ガラスのサポ までをカバーし、極低温での使用に最 グ・ケース付き ート部に手作業で巻き込まれ、ストレ 適です。直径は5.8 mm、長さは56 SPRT校正オプションについては、お問合 イン・フリーな状態となっています。 mmです。 わせください。 ガラス・カプセルは、温度による白金 これらのSPRTは小型ではあります 線の膨張に合うように設計されてお が、再現性、信頼性、安定性に関して り、全ての動作温度で完全な密封状態 は通常のSPRTと同等の性能です。 を保証します。カプセルは圧力的に密 ガGラlaスss ・Shシeaーthス センサー・Sサenポsoーr Sトupport プGlラasチs-Pナla・tinガumラ Sスea・l シール らPlaせtinんum状 Hのe白lix金線 白Pl金atiリnuーm ドLe線ad Wires 一次標準器 9
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807-0889-P010-013 18.8.22 10:18 ページ 10 水の三重点セル 実現可能な最高精度の 基本標準器 ・±0.0001 ℃未満の小さな不確かさをもった、使い易 く安価な標準器 ・4つの寸法と2つの材質(ガラス、石英)から選択可能 ・国際標準VSMOWの同位体構造の水 水の三重点(TPW)セルは実現可能な最高精度の基本標 準器であるばかりでなく、最も安価かつ使い易い標準器 でもあります。 水の三重点は必ず必要です! 水の三重点には4つの重要な役割があります。最初のひと つは、校正と次の校正の間の温度計(温度プローブの意、 以下の文中では温度計と翻訳します)のドリフトを確認す るための役割です。校正直後でも温度計が運搬された場 合にはドリフトの確認がおこなわれます。校正と校正の 間における温度計の読みの信頼性を維持するためにもド リフトの確認作業は重要です。ふたつ目は、水の三重点 優れた水の三重点セルは純水と純粋な蒸気により構成さ は比類のない不確かさをもつ重要校正点であることです。 れています。(セル中には空気はほとんど残されていませ ん)水の一部分が正しく氷結し、水がセル中で3相の状態 3つ目は、比(特性付けは、水の三重点における温度計の で共存すれば水の三重点が実現されます。フルークの水 抵抗値とITS-90定点における抵抗値との比「W」を用い の三重点セルは0.0001 ℃よりも小さな拡張不確かさと ておこなわれます)を使って温度計の特性付けをおこなう 0.00002 ℃以内の再現性でこの温度を実現します。 ユーザーにとって、水の三重点における暫定的なチェッ クは、重要な標準温度計の特性の迅速かつ簡便な更新を 簡単に言ってしまえば、水の三重点セルはガラスと水の 可能とし、ひいては校正期間を延長して温度計を使用す みから作られているということになりますが、そこには ることを可能にします。 より多くの要素が存在するのです。 4つ目の役割は、ITS-90による水の三重点の定義点は 重水 273.16 Kであり、またKelvinは水の三重点の熱力学温度の フルークの水の三重点セルは注意深く繰り返し蒸留して 1/273.16と定義されている点であるという理由によって、 不純物を取り除いた海洋水が充填され、国際標準である 実際の温度目盛(ITS-90)と熱力学温度目盛が水の三重点 「Vienna Standard mean Ocean Water(VSMOW)」にほ で交わっていることです。 ぼ等しい同位体構造を維持するよう慎重に真空封止され ています。 10 一次標準器
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807-0889-P010-013 18.8.22 10:18 ページ 11 水の三重点セル ほとんどの水で見られる酸素原子は圧倒的に8個の陽子と ガラスと石英 8個の中性子から成っています(16O)。一方、ある酸素原 ほとんどのフルークの三重点セルは、ホウケイ酸ガラス 子は余分の中性子1個(17O)、または2個(18O)を伴ってい (Borosilicate Glass)、または溶融シリカ[Fused Silica ます。同様に水の水素原子は通常1個の陽子(1H)をもっ (石英、Quartz)]いずれかの容器でつくられています。 ていますが、時には1個の中性子を伴って重水となります。 その違いは何でしょうか。ホウケイ酸ガラスは溶融シリ これらの同位体は海洋水、極地水、大陸水の中で異なっ カよりも安価ですが、その多孔性のために時間の経過と た割合で共存していますが、海洋水が最も重い水となっ 共に不純物の浸透を許すことがあります。研究によると、 ています。 ホウケイ酸ガラスを容器とする三重点セルは1年で約 0.00006 ℃(代表値)のドリフトを生じます。 ITS-90は、水の三重点セルに充填する水として、「本質的 に海洋水の同位体構造」をもつ水を使用することを推奨 さまざまな寸法のセル しています。研究によれば、同位体構造による水の三重 フルークは異なる4つの寸法の三重点セルを用意していま 点誤差は0.00025 ℃にもなることがわかっています。フ す。モデル5901A、5901C、5901Dは溶融シリカ(石英) ルークの三重点セルのVSMOW誤差が寄与する不確かさ またはホウケイ酸ガラスいずれかの容器を選択でき、温 は±0.000007℃ 未満です。 度計を浸没させることのできる深さは265 mmです。これ らモデル間の主要な違い(5901Aのアームを除く)は、温 フルークは、購入頂いた水の三重点セルの同位体構造を 度計ウエルの内径です。(12ページの図を参照してくださ 確かめるために、いずれもわずかな費用による二つのオ い。また、5901Cセルの内径は容器の材質によって違う プションを用意しています。お客さまが購入されたセル ことに注意してください)セルの三重点を数週間維持する の試料水(製造完了後の試料水ですので、確実に比較でき 定点炉も用意されています。いずれの三重点セルも ます)を試験機関に提出し、その試験結果をお渡しします。 NVLAP校正が可能です。ご希望のお客さまはモデル またはお客さまご自身が試験できるよう、試料水をアン 1904-TPWとご指定ください。 プルに封入してお渡しすることもできます。また多数の 試料水を用意することもできますので、時間経過に伴う モデル5901Aにはハンドル、またはフックとして使える 変化をチェックすることもできます。 アームが付いています。このアームはまた、セル中にど の位の残留空気が閉じ込められているかを知るMcLeodゲ 不純物 ージとしても利用できます。フルークでは製造工程は慎 水中の不純物から生ずる誤差の可能性は、同位体構造か 重に決定されており、溶融シリカ容器中の空気泡をホウ ら生ずる誤差よりもずっと大きくなります。フルークの ケイ酸ガラス中の空気泡と同じくらい少なくしています。 セルは多段階の蒸留プロセスを経て製造されていますが、 加えて純度を維持するための特別な製造技術を採用して 4番目の三重点セル、モデル5901Bはホウケイ酸ガラス容 います。中でも、フルークの第一次標準室のサイエンテ 器を用いており、他のセルと比較すると極めて小さな寸 ィストは、汚染を誘発するハードウェアへ石英セルを結 法になっています。この三重点セルは、三重点を自動的 合せず、直接ガラス蒸留装置に接合することのできる技 に実現し維持するモデル9210定点炉中で用いるために設 術をもっています。 計されたものです。モデル9210とモデル5901Bは、温度 計を校正しそのドリフトを定期的チェックするのに最適 な組み合わせです。 一次標準器 11
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807-0889-P010-013 18.8.22 10:18 ページ 12 水の三重点セル 仕様概要 5901A-G 5901A-Q 5901C-G 5901C-Q 5901D-G 5901D-Q 5901B-G 材質 ホウケイ酸 溶融シリカ ホウケイ酸 溶融シリカ ホウケイ酸 溶融シリカ ホウケイ酸 ガラス (石英) ガラス (石英) ガラス (石英) ガラス 拡張不確かさ(k=2) <0.0001℃ <0.0002℃ 再現性 0.00002℃ 0.00005℃ 寸法(mm) 外径:50 外径:60 外径:60 外径:60 外径:30 内径:12 内径:13.6 内径:14.4 内径:12 内径:8 長さ:450 長さ:420 長さ:420 長さ:420 長さ:180 浸没度(水面-ウエル底) 265mm 118mm 水源 海洋 δDVSMOW ±10%(±1%) ±20% δ18OVSMOW ±1.5%(±0.15%) ±3% VSMOWからの偏差効果 ±7μK ±14μK 12 一次標準器
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807-0889-P010-013 18.8.22 10:18 ページ 13 水の三重点セル アクセサリ 大きめのセルで最も簡単に水の三重点を実現するのに、 モデル2031A「クイック・スティック」イマージョン・ フリーザーがあります。「クイック・スティック」はセル 中での迅速なアイス・マントルの形成を促進するのに、 ドライ・アイスとアルコールを使用します。 各三重点セルとも保険を掛けることもできます。三重点 セルは取り扱いが難しいこともありませんし、また三重 点を実現することに困難さもありませんが、こわれやす く事故が発生することがあります。わずかな費用でお客 さまのセルに1年ごとの保険を掛けることができます。何 か問題が発生したら連絡してください。お客さまの三重 点セルを交換します。 オーダー情報 モデル 5901A-G 水の三重点セル、NBS設計、 7012 水の三重点セル用 パイレックス・ガラス メンテナンス・バス、4セル 5901A-Q 水の三重点セル、NBS設計、石英 7312 水の三重点セル用 メンテナンス・バス、2セル 5901C-G 水の三重点セル、中央ウエル13.6 mm、 パイレック・ガラス 9210 水の三重点ミニ・セル定点炉 5901C-Q 水の三重点セル、中央ウエル13.6 mm、 2028 水の三重点セル 石英 アイス・バス用デューワー 5901D-G 水の三重点セル、パイレックス・ガラス 2031A 水の三重点セル用 イマージョン・フリーザー 5901D-Q 水の三重点セル、石英 2067-D スタンド、デルリン製 5901B-G 水の三重点セル(ミニ・セル)、 パイレックス・ガラス 5901-ITST 5901同位体構造試験 3901-11 TPWセル用均熱ブロック、 5901-SMPL 水の三重点セル・サンプル 5901/5901A用、内径7.5 mm 3901-12 TPWセル用均熱ブロック、 5901/5901A用、内径5.56 mm 3901-13 TPWセル用均熱ブロック、 5901/5901A用、内径6.35 mm 3901-21 TPWセル用均熱ブロック、 5901C用、内径7.5 mm 3901-22 TPWセル用均熱ブロック、 5901C用、内径5.56 mm 3901-23 TPWセル用均熱ブロック、 5901C用、内径6.35 mm 一次標準器 13
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807-0889-P014-021 18.8.11 11:43 ページ 14 水の三重点セル メンテナンス・バス ときには冷却システムを遮断し、お客 様のセルを凝固および破損から守りま す。製造過程でノイズ低減技術が施さ れていますので、校正室で過度の騒音 を発生しません。 -5 ℃から110 ℃の温度範囲を持つ 7312は、特に、軸が長いプローブの 比較校正や、ガリウム・セルのメンテ ナンス・バスとしても使用可能です。 オプションのガリウム・セル支持具は 2個のセルに対応し、7312バス内で融 解プラトーを最高2週間保持可能で す。 さらに2031A“クィック・スティック” 浸没型冷却ツールと組み合わせて使う ことで、ハンズフリーで素早くアイ ス・マントルを実現することができま す。2031Aの容器にドライアイスとア ルコールを満たし、セルに差し込んで、 水の三重点セルを最長2か月維持 他の仕事を済ませてください。一時間 ・簡単にセルの凝固を実現する浸没型冷却ツール(オプション) 未満でアイス・マントルが形成されま ・セルの破損を防ぐ独立したカットアウト回路 す。(またはLN2を使用することもで きます。) 伝統的寸法の水の三重点セルを頻繁に る前に、プローブを適切に冷却するた 使用する場合に、良いメンテナンス・ めの専用ウエルを3個装備していま 従来サイズの水の三重点セルを使用さ バスほど時間節約に貢献し、重宝なも す。安定性と均一性はそれぞれ± れているのでしたら、時間をかけてア のはありません。モデル7312水の三 0.006 ℃より優れていますので、セル イス・マントルを形成したのにもかか 重点メンテナンス・バスは酷使しても は最長8週間使用可能です。アイス・ わらず、氷の入ったバケツの中へセル セルを数週間は信頼性良く使用可能な マントルの生成にどのような手法を用 を入れてアイス・マントルを融かして 状態に維持します。また、お求め安い いるとしても、7312バスで確実に維 しまうようなことは避けてください。 価格となっています。 持されます。 セルを正しい方法で、フルークの 7312水の三重点セルメンテナンス・ 7312には2個の水の三重点セルを収容 独立した保護回路はバスの温度を監視 バスで保持してください。 可能です。また、セル内で測定を始め し、バスのコントローラーが故障した 14 一次標準器
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807-0889-P014-021 18.8.11 11:43 ページ 15 水の三重点セル メンテナンス・バス 仕様概要 機能 レンジ 温度範囲 -5 ℃~110 ℃ 安定性 ±0.001 ℃ at 0 ℃ (アルコール・水混合) ±0.004 ℃ at 30 ℃ (アルコール・水混合) 均一性 ±0.003 ℃ at 0 ℃ (アルコール・水混合) ±0.006 ℃ at 30 ℃ (アルコール・水混合) 水の三重点セル維持期間 6週間、代表値 (アイス・マントルが適切に形成されている場合) セットポイント精度 ±0.05 ℃ at 0 ℃ セットポイント繰り返し性 ±0.01 ℃ 表示分解能 ±0.01 ℃ セットポイント分解能 ±0.002 ℃; 0.00003 ℃(高分解モード) アクセス開口部 121 mm×97 mm(4.75×3.8 in) 浸没度 496 mm(19.5 in) 容量 19(5 gallons) 通信 RS-232付属 電力 要指定:115 VAC(±10%)、60 Hzまたは230 VAC(±10%)、50 Hz 寸法 幅305 mm×奥行き622 mm×高さ819 mm(12×24.5×32.25 in) 重量 34 kg(75 lb.) オーダー情報 7312 水の三重点セル メンテナンス・バス (TPWセル保持具、ガリウム・セル保持具、RS-232イン ターフェース付属) 2001-IEEE インターフェース、IEEE-488 2031A クイック・スティック 浸没型冷却ツール フルークの2031A「クイック・スティック」浸没型冷却 ツールは水の三重点アイス・マントル形成に非常に便利 で操作も簡単です。 一次標準器 15
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807-0889-P014-021 18.8.11 11:43 ページ 16 ITS-90定点セル 市場にて入手可能な不確か さの最良なセル ・水銀から銅までの全ITS-90定点 が入手可能 ・長期間のプラトー(ガリウムは数週 間、TPWは数ヶ月) ・フルーク一次標準担当技術者による 製造および試験 フルークの技術者は長年にわたりITS- 90定点セルの開発と試験に携わって きました。私たちは主要なすべての定 点セルを製造したばかりではなく、私 たちの度量衡学者は広くセルの理論と 取り扱いについても公表しています。 さらにアプリケーションの範囲を満た すために他社に先駆けて新しいデザイ ています。金属凝固点セルの開発にフ フルークのセルは製造後に試験され、 ンを生み出しています。 ルークほどの多くの経験を持つ会社は 金属純度の分析結果と共に供給されま 他にありません。ですから世界中の多 す。すべての伝統的な寸法のITS-90セ 私たちの定点セルの試験についてもほ くの国家計量研究所でフルークのセル ルは融解・凝固曲線を実現させ、さら かに例がありません。私たちの認定範 が使用されているのです。 にセルの純度を確認するために詳細な 囲にはITS-90定点セルの試験が含まれ 「スロープ分析」を実施する一次標準 ています。個々のセルにその校正値と フルークのセルは一本一本非常に 室にてさらに厳しく試験されます。も 基準であるフルークのセルとの相互比 清潔な最新の標準室で、純度が最小 し更なるデータがご必要でしたらオプ 較試験のオプションをつけることがで でも99.9999%(シックス9)、通常 ションとして私たちの保有する基準セ きます。 99.99999%(セブン9)の金属を封入す ルとの相互比較データを提供すること る容器には高密度、高純度黒鉛容器を ができます。 伝統的な凝固点セル 使用し、注意深く組み立てられます。 真の一次温度標準能力を望む場合は、 その容器は、真空にされた後に高純度 理論凝固温度に非常に近く長時間の安 アルゴン・ガスで再充填された水晶ガ 定したプラトーを供給することのでき ラス筒に封印されます。特殊な封印技 る金属凝固点セルが最適です。 術を用いて凝固点でセルを封印しま す。私たちは圧力の補正を最も正確に フルークの金属凝固点セルは20年以 行うため、アルゴン・ガスの圧力を精 上にわたる一次標準経験の極致に達し 密に測定し記録します。 16 一次標準器
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807-0889-P014-021 18.8.11 11:43 ページ 17 ITS-90定点セル ガリウム・セル トーを得ることができます。このよう ることによりセルは純粋な不活性ガス ガリウム・セルは機器(たとえば標準 に簡単な世界的ガリウム・セルのメン を用い吸出、充填さらに浄化・除去を 白金抵抗温度計)のドリフトを確認す テナンスは他にありません。 何度か繰り返し、セルの測定がなされ るための大変重要な基準となり、また ている間は調整された圧力レベルまで 環境温度モニターや生命科学分野での ウォーター・セル 再び充填されます。 アプリケーションにおいて室温や体温 0 ℃の校正点にはシンプルなアイス・ に近い温度センサーを校正するには重 バスがしばしば使用されますが、それ 要なセルです。 らには温度勾配、純度の問題、再現性 の問題さらに製造および測定のテクニ フルークは従来の寸法であるモデル ックの不一致による限界があります。 5943ガリウム・セルを製造していま 水の三重点セルはそれらの問題を解決 す。このセルはステンレス・スチール するばかりではなく、ITS-90において の容器に封印されています。高純度ガ 最も広く使用される温度を実現してい リウム(99.99999 %)がプラスチック ます。それらは安価で得やすくまた手 と金属のシェルに封入されています。 軽に使用できます。 ステンレス金属容器に融解点温度での 標準環境条件で純粋なアルゴン・ガス フルークは3種の従来の寸法のTPWセ が充填されます。 ルを製造しています。それらのセルは 公表された不確かさ仕様±0.0001 ℃ ガリウムは凝固時に3.1%膨張します を凌ぐ性能を国家の標準室で繰り返し のでセルには柔軟性のある材料が求め 証明しています。アイス・マントルは られます。フルークのセルは気体の浸 ドライ・アイス、液体窒素もしくは浸 透性がないためPTFE材料より作られ 没型フリーザーを用いて生成されます ている他の製造者のセルのような、吸 が、フルークの7012もしくは7312バ 出や再充填の必要がありません。実際、 スにて保守することにより最長2ヶ月 私たちはフルークのセルが少なくとも 間維持されます。 5年間にわたり0.1 mK未満の不確かさ を維持することを保証しています。セ 開放型金属セル ルの定点実現および維持はモデル 密封型セルと同じ材料を使用し、同じ 9230メンテナンス装置により自動化 テクニックで製造されたフルークの されています。この装置により融解プ 「開放型」金属定点セルは、ユーザー ラトーを最長8日間維持することがで の標準室で精密な圧力操作システムへ きます。さらに簡単な操作により毎週 接続するための高品質バルブを備えて 5分の操作で自動的に新たな融解プラ います。このようなシステムを使用す 開放型セルの場合、ユーザーはセル内の圧力を調整 し、圧力補正を行い、不確かさを最小にすることが 可能です。 一次標準器 17
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807-0889-P014-021 18.8.11 11:43 ページ 18 ITS-90定点セル 組み立てられ、試験されたそれぞれの フルークのITS-90開放型セルは私たち フルーク ガリウム・セル(s/n Ga-7010)と� の標準室でさらに厳しい試験を受ける NIST基準ガリウム・セル(Ga 98-1)の直接比較� ことになります。パーツ・キットのよ 1.118 101 5 うな開放型セルを供給している製造者 による、試験データのないセルではあ 1.118 101 3 りません。開放型セルを使用すること NIST Ga 98-1, 1.118 101 1 set #1 によりユーザーはセル内の圧力を測定 0.10 mK Hart Ga-7010, set #1, -0.07 mK することができますので、圧力を補正 NIST Ga 98-1, set #2 1.118 100 9 し不確かさを最小にすることが可能で Hart Ga-7010, set #2, -0.05 mK す。CCTは開放型セルを使用するこ 1.118 100 7 とを勧めています。開放型セルは高精 度な標準白金抵抗温度計の校正だけで 1.118 100 5 なく温度対圧力のアプリケーションの 0 1 2 3 4 5 6 7 読み込回数� 要求にも使用されております。 これらのセルはガス・バルブとの接続 がしやすい高さとなっておりますので 扱いが容易です。純度の高い水晶絶縁 フルーク スズ・セル(s/n Sn-8014)と� NIST基準スズ・セル(Sn 88A)の直接比較� 1.892 591 2 と4枚の高純度黒鉛ディスクが金属か ら圧力調整システムへの熱の流出を防 1.892 591 0 ぎ、セル内の垂直軸温度勾配を最小に 1.892 590 8 します。セルの外径は50 mmで高さ NIST Sn 88A, set #1 は600 mmとなっています(銀および 1.892 590 6 Hart Sn 8014, 0.27 mK set #1, -0.25 mK 銅のセルの高さは700 mmです)。 NIST Sn 88A, 1.892 590 4 set #2 Hart Sn 8014, set #2, -0.24 mK 1.892 590 2 1.892 590 0 1.892 589 8 0 1 2 3 4 5 6 7 読み込回数� 18 一次標準器 W(Sn) W(Ga)