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★ウシオライティング★ 動画を活用した多能工育成の効率化を目指した新人教育、技能伝承

事例紹介

技術の伝承・動作分析・作業改善・工程の標準化などを推進

工場改善ソフトウェア 【デジタル作業分析システム】
わが国の産業界は今、少子高齢化社会の進行などにより深刻な人手不足時代を迎えている。どの業種においても人材問題への対応を迫られているのは同様だが、
とりわけ製造業の現場では、世代交代にあたり熟練した技能をいかに継承していくかが課題となっている。技能継承をスムーズに行うだけでなく、生産性を高めるのに有効なツールとして動画の利用が始まっている。
ハロゲンランプや発光ダイオード(LED)照明などを製造するウシオライティング福崎事業所(兵庫県福崎町)は、ペガサスミシン製造のデジタル作業分析システムを2018年4月に導入、動画を活用した工場改善に取り組んでいる。

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このカタログについて

ドキュメント名 ★ウシオライティング★ 動画を活用した多能工育成の効率化を目指した新人教育、技能伝承
ドキュメント種別 事例紹介
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登録カテゴリ
取り扱い企業 ペガサスミシン製造株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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スペシャルレポート 多能工育成の効率化を目指した 新人教育、技能伝承への動画活用 ウシオライティング    わが国の産業界は今、少子高齢化社会の進行な ている。 どにより深刻な人手不足時代を迎えている。どの  同社が基本方針の1つに掲げる「マーケット指 業種においても人材問題への対応を迫られている 向」で、「多品種・少量生産をいとわず、お客様の のは同様だが、とりわけ製造業の現場では、世代 要望に即応できる体制を確立します」の言葉通り、 交代にあたり熟練した技能をいかに継承していく 同事業所で約 3,000種類もの製品を製造する。中森 かが課題となっている。技能継承をスムーズに行 克己取締役常務執行役員事業本部副本部長兼福崎 うだけでなく、生産性を高めるのに有効なツール 工場長は「標準品は1個当たり2時間程度で製造 として、動画の利用が始まっている。 するものもあり、注文を受けたその日のうちに発  ハロゲンランプや発光ダイオード(LED)照明な 送しています」と話す。 どを製造するウシオライティング福崎事業所(兵庫  同事業所では1個流し生産方式を採用している。 県福崎町)は、ペガサスミシン製造のデジタル作業 工程を細分化し、工程間の仕掛かりをなくし、1 分析システム「Digital Process Analysis system 個ずつ製品を送ることで「運搬のムダ」「大型機械 Pro(DPA Pro)」を2018年4月に導入、動画を活 のムダ」「動作のムダ」「つくりすぎのムダ」を排 用した工場改善に取り組んでいる。 除する。各工程は設備加工と手作業を分け、「なが ら設備」を導入している(写真1)。 多品種少量を1個流しラインで生産  この生産方式が効果を上げる必要条件は「標準 作業の遵守」と「作業者の多能工化」である。同  福崎事業所は、ウシオライティングの主要生産 社では標準作業ができるラインを構築するため、作 拠点として全社員約 420人中 200人が在籍する。 業分析ツールを使った分析と改善を実施してきた。 光源や熱源として用いられるハロゲンランプや LEDランプ、ユニット、設備、機器などを製造し 写真1 ウシオライティング工場内 会 社 概 要 会 社 名:ウシオライティング㈱ 所 在 地:〒 104-0032      東京都中央区八丁堀 2-9-1(本社)      〒 679-2215       兵庫県神崎郡福崎町西治 860-22      (福崎事業所) 設  立:1963年 従業員数:426名 事業内容:照明・産業用ランプ、器具、システムなど の製造・販売 104 Vol.64 No.14 工場管理
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スペシャルレポート多能工育成の効率化を目指した新人教育、技能伝承への動画活用 図1 DPA Proで自動作成された標準作業組合せ票 作業時間 分類番号 品番 改定月日 手作業 区分線 標準作業組合せ票 作成月日 2018年5月2日 必要数 自動送 工程 所属 製造3課2係 C/T 歩行手待ち オーバー NO 単位:秒 要素作業 時間手 機 歩 10 20 30 40 50 60 1 セット ~ 完了品取出し 2 セット ~ 完了品取出し WAIT = WAIT = 1.53 3 セット ~ 完了品取出し 4 セット ~ 完了品取出し 5 歩行(戻り) 6 セット ~ 完了品取出し 7 セット ~ 完了品取出し 8 セット ~ 完了品取出し 9 外観検査 10 包装 11 歩行(戻り) 合計  まず部品別工程別能力表を作成した。必要数に Proだ。 対して各工程の加工能力の過不足、投入人工の目 安を見るためである。また標準作業組合せ票を作 モノづくりの経験を 成、1サイクル作業の作業順序 要素作業 時間 ベースに開発と の などを票に示し、手待ち、サイクルオーバーなど  DPA Proは工業用ミシンを主製品とするペガサ の問題点を見られるようにしている。 スミシン製造が、長年にわたりアパレル生産現場  一方、作業者の多能工化の狙いはさまざまな作 を支え続けてきた経験、自社でモノづくりを続け 業ができる有能な多能工者を育成し、市場の変化 てきた経験を基に生み出した工場改善ソフトウェ に対応できる生産体をつくることで、その一環と ア。動画を活用し、「技術の伝承」「動作分析」「作 して1個流しに必要な多種の機械設備操作や作業 業改善」「工程の標準化」などを支援する。 ができるよう多工程持ち訓練を行っている。  小型カメラで撮影した動画の比較や作成した動  このような対策で生産性向上を進めてきたが、 画マニュアルを見ながら、作業者の技能向上、生 世代交代により、ベテランが行ってきた標準作業 産性向上につなげることができる。編集した動画 のスピードによる作業ができなくなるなど、生産 から「標準作業組合せ票(図1)」「山積み表」「作 性に影響を及ぼす問題が表面化してきた。たとえ 業手順書(要領書)」などの帳票を簡単に作成でき ばサイクルタイムが超えている工程は把握できて ることを特徴としている。 いるが、要因解析が進んでいないケース、あるい  DPA Proを導入するきっかけとなったのは2017 は多品種少量ラインでは熟練を要する作業が多く、 年 10月、十川貴志上級執行役員社長統括本部副本 作業手順書、要領書などでは伝えきれないという 部長がDPA Proを展示会で偶然目にしたことだっ 技能伝承の困難さがそうだ。 た。その場で、ペガサスミシン製造のプレゼンテ  新人教育においても作業手順書や要領書だけで ーションを聞き、「標準作業組合せ票を簡単に短時 は伝えられないことが多く、OJTで各工程を習得 間で作成できることに興味を持ちました」と振り させる方法を取っている。手作業が多い工程では、 返る。 勘やコツをうまく説明できず、習得に時間がかか  DPA Proを選定した理由の1つに、同システム っていた。作業手順書には作業順序、確認事項、 がトヨタ生産方式をベースとするシステムだった 補足、ポイントが明記されているが、細かな手の ことが挙げられる。「これまでトヨタ生産方式を活 動きやコツなどを表現することが難しく、品質、 用し、生産ラインを構築してきており、特に複数 スピードのバラツキにつながっていた。以上の問 人工で多工程持ちでの作業分析・改善が図れる 題を解決するツールとして、選定されたのがDPA DPA Proが自社の現場改善ニーズに合致したので 工場管理 2018/11 105
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写真2 堤 一樹 福崎工場製造 写真3 若井 省吾 福崎工場製 改革推進室長 造改革室主任技師 す」と話すのは堤一樹福崎工場製造改革推進室長 10日後には80%超となった。導入前であれば1~ (写真2)。 2カ月かかっていた改善が、劇的に短縮した(図  また、パソコンに関する特別な知識、スキルが 2)。 なくても使えるシステムだったことも挙げられる。  同じ作業を動画で撮影し、関係者がそろって比 若井省吾福崎工場製造改革室主任技師(写真3)は、 較しながら見ることで、問題点が一目瞭然となり、 「せっかくのシステムも気軽に触ることのできるも 議論する時間が短縮した。また、実際の作業をあ のでなければ、作業現場に定着しません。同シス りのまま、繰り返し見ることで明らかになった事 テムは操作が簡単で、現場人員の誰もが扱いやす 実を確認できるので、原因解析・特定時間の大幅 いことが決め手となりました」と話す。 削減につながり、生産効率を向上させることがで きた。 作業者本人の気づきにより、  動画撮影にあたっては、解析、帳票作成など目 生産性が向上 的によっておさえるポイントが異なること、当事  DPA Proはさまざまな製造ラインに導入され始 者に事実確認=「気づき」を促すものとすること めている。たとえば、一般照明ハロゲンランプ製 を強く意識して、一律的な撮影をするのではなく、 造ラインにおける新人教育。新人とベテラン作業 目的ごとにマッチしたポジションや構図による的 者の比較動画を作成、日々の作業終了ミーティン 確な撮影を行ったことが奏功した。 グで両者の差を確認し、翌日の課題設定、不具合  ウシオライティングでは「作業者本人の気づき 個所の改善を実施した。教育前は45~55%だった が大切」(十川氏)と考えており、動画確認で本人 生産達成率が、教育スタートから3日後に70%、 がベテラン作業者との違いを認識できることが大 図2 新人の生産性推移 ある1月の生産性推移 ミラー付け機 100.0% Aさん Aさん作業訓練 90.0% 80.0% 70.0% 実績 残業 60.0% 実績 定時 50.0% 内 40.0% 達成率目標 30.0% 20.0% 10.0% 1 2 7 8 9 10 12 14 15 16 17 18 19 21 22 23 24 25 28 29 30 31 0.0%(日) 106 Vol.64 No.14 工場管理
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スペシャルレポート多能工育成の効率化を目指した新人教育、技能伝承への動画活用 動画 新人とベテランの作業の比較動画 AR ※AR対応 動画視聴方法は 下記を参照 きかったという(動画※)。また基準となる作業を 者でも容易に習得できるよう工程を改善していく。 明確な状態で残せるようになり、今後新しい人が  技能伝承では、動画を保存し、作業手順書・要 入っても同様に活用できる。 領書を「見ればわかる帳票」として勘・コツを伝  このほか、大型自動機での封体作業時トラブル えるツールとして教育、指導、訓練に活用する。 の低減、技能伝承(人の動き、作業のコツなど)を  ベテラン、新人の両者と管理者が比較動画を確 目的とした作業手順書作成、製造委託先での動画 認することで事実確認がスピーディーに行え、お 付き作業手順書による訓練、海外生産移管による 互いの意見から解決策を見いだすことができる。 動画付き作業手順書作成など、DPA Proは同社の 現在は特定のラインでミーティングを行っている 生産性向上に寄与している。 が、順次ほかのラインにも展開する。  標準作業の作成、記録作業を進める。新規立上 撮影ポイントの設定に苦労 げラインや製造からの要望のあるラインから作成 を進め、記録を蓄積していく。  システム導入において苦労したのは、いかに動  動画の質の改善も進める。比較した際にできる 画撮影を的確に行うかだった。細かい作業を記録 だけ見やすくなるような撮影方法、撮影場所などを するには作業者の手元、ワークをアップで撮影す 工夫する。画像を大きくすることも案に上っている。 る必要があるが、ワークが作業者の指、肩、腕な  さらに作業手順だけでなく、作業と計器を同時 どで隠れないようにカメラアングルを決めること 撮影し、たとえばガラス管溶着作業などによるワ が難しかった。 ーク変性をデータを含め1つの動画に収めるなど、  福崎事業所には長く、工程の設備幅が広い生産 DPA Proの一歩進んだ活用法も検討課題に挙がっ ラインが多く、前後左右、上から撮影する必要が ている。 あり、撮影ポイントを設定するのに時間がかかっ  ウシオライティング福崎事業所におけるDPA  た。ライン全体を俯瞰するとともに、作業者の手 Pro活用は4月に始まったばかりだが、すでに運 元を撮影するのは難しく、何回かに分けて異なる 用事例の成果は上がっている。生産現場において ポイントから撮影する必要があった。 もシステム運用の効果を目の当たりにして、理解 は深まっている。好循環でシステム活用事例の拡 効果を基に多くのラインに展開 大を図る。 (日刊工業新聞社 神戸総局長 花岡 敬二)  標準作業を阻害する要因解析を進め、新人作業 ※写真にスマホをかざすと動画が見える ARブラウザCOCOAR2のインストール方法 無料 AR COCOAR2のアプリを立ち上げ本文中の該当頁の画像部分全体にかざして下さい。 自動でスキャンが始まり動画が再生されます。 ◉ スマホの方は右のQRコードから「COCOAR2」アプリをインストール(無料)して下さい。 ◉ Android、iOS(iPhone、iPad)端末に対応しています。 ◉右のQRコードを読み込めない場合は「Google play ストア」や「App store」にて「COCOAR2」を検索してインストールして下さい。 工場管理 2018/11 107