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世界初!ワイヤ回転機能搭載ワイヤ放電加工機「AL i Groove Edition」 Debut

製品カタログ

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ドキュメント名 世界初!ワイヤ回転機能搭載ワイヤ放電加工機「AL i Groove Edition」 Debut
ドキュメント種別 製品カタログ
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取り扱い企業 株式会社ソディック (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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形彫り放電加工機 ALシリーズ
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このカタログの内容

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Sodick REPORT 2020 A u t u m n ソディックの最新機種・最新技術が集結! Sodick World Tour WEB モノづくりの効率化、自動化を推進する新技術が満載 展示会 - JIMTOF Web Exhibition - 新たなソリューションと高難度成形の答えがここに - IPF Web Exhibition - ワイヤ回転機構と新・段差加工でさらなる性能向上 リニアモータ駆動 高速・高性能 ワイヤ放電加工機 AL series "i Groove Edition" 成形品多様化に対応し作業性・生産性も大幅に向上! V-LINE® 竪型 ロータリ式 射出成形機 新製品 TR40VRE2 生分解性プラスチックの生産性向上 薄肉深物の成形加工を容易に実現 INFILT-V Sodick User Report 有限会社オクギ製作所 様 YouTube チャンネル 「Sodick Japan」 各種動画配信中! 詳しくは裏表紙へ➡
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Sodick World Tour - JIMTOF Web Exhibition - ソディックの新製品・新技術を一挙公開! WEB 展示会でいち早く最新情報をお届けします AEF-C (Option) Automatic Electrode Feeder - Changer ● ワイヤ回転機構「i groove」 ● 航空機産業向け 自動AEF交換装置(オプション) ● 新・段差加工「Stepcut」 ● 多種多様な自動化オプション ● 長時間安定加工 ● 省スペース設計 ● 純水仕様 ATC (Option) ● AEF(自動電極供給装置) Automatic Tool Changer   標準搭載 自動電極交換装置(オプション) NEW NEW リニアモータ駆動 リニアモータ駆動 LGC (Option)高速・高性能 ワイヤ放電加工機 超高速 細穴加工機 Lower Guide Changer AL series "i Groove Edition" K4HL 自動下ガイド交換装置(オプション) Spec. AL400 series AL600 series Spec. XYZ軸ストローク [mm] 400 x 300 x 250 600 x 400 x 350 XYZ軸ストローク [mm] 400 x 300 x 500 U×V軸ストローク [mm] 150 x 150 150 x 150 ※写真は ALN600G "i Groove Edition" W軸ストローク [mm] 400 最大テーパ角度 ±25°(板厚:130mm) ±25°(板厚:130mm) 電極装着可能径 [mm] φ0.25~φ0.3 ワイヤ電極径 [mm] φ0.1~φ0.3 φ0.1~φ0.3 機械寸法(幅×奥行×高さ) [mm] 1,500 x 2,300 x 3,000 コンテンツ一覧 ※一部のコンテンツの閲覧・カタログダウンロードには、会員登録が必要な場合があります。 新製品・新技術をまとめて公開 形彫り放電加工機 細穴加工機 金属3Dプリンタ & ● リニアモータ駆動 高速・高性能 精密形彫り放電加工機「AL series」 ● 省スペースのフルオート細穴加工機「K4HL」 ● 品質を落とさず、従来比約4倍の高速造形を実現するポイントとは? Online Seminar を無料で開催 ●「AL series」プロモーションムービー ●「K4HL」自動化フルオプション仕様ムービー ● 新開発!「造形モニタリング機能」で造形品質&稼働率UP WEB 展示会サイトはコチラ! ●「 アルミ粉末&チタン粉末に対応」多品種材料を高精度に造形 ワイヤ放電加工機 マシニングセンタ ● 総合的加工性能を極める「AL series "i Groove Edition"」 ● 微細加工を可能にする3つの特徴とは ?「AZ275nano」紹介 自動化ロボット ● ワイヤ回転機構 スペシャルアニメーション ● φ 0.02mm ピンを 841 本立てる !「AZ275nano」の加工性能 ● ワーク・電極 自動搬送ロボット「SRC80」 ● Simple, Stable, Safety! 自動中子処理装置「S3CORE」 ● 面倒な作業を自動化!自動焼きばめ装置「ASF」 ● 新・段差加工「Stepcut」で加工性能向上 ● 3 軸リニアモータ駆動マシニングセンタ「UH series」加工事例 ● 簡単操作のカメラ式機上測定 ● 実加工シミュレータ「MotionExpert®-S」 Sodick IoT 12/10(木) 展示内容 ● 油ワイヤ「AP series」高板厚で鏡面・高速を両立 ● AI 技術を活用し最適F値を算出「EF-Tune」 ● 遠隔サポート「Sodick IoT」でダウンタイム最小化 ● 超精密 油ワイヤ放電加工機の最新機種「AP350L」 ご紹介セミナー開催! 11/24(火)より申し込みを開始いたします。WEB トップ 電子ビーム ...and more 随時アップデート! ページの申し込み専用バナーよりご登録ください。 ● 磨き工数大幅削減!電子ビームPIKA 面加工装置「PF series」 2 Sodick Report 2020 Autumn 3
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Sodick World Tour - IPF Web Exhibition -  これからも、ソディックが未来を創る。 先鋭射出成形機によるソリューション展開催! WEB展示会サイトは コチラ! ソリューションのご紹介 NEW V-LINE® eV-LINE 射出成形業界でホットな成形事例に対するソディックのソリューションをご紹介します。 OPM 金型専用 生産セルシステム 竪型 ロータリ式 MR30 射出成形機 TR40VRE2 eV-LINE 電動 射出成形機 MS50 無色透明樹脂の良品成形を極める! 生分解性プラスチックの生産性向上! ベントアップ原因の機械停止を防止! 低酸素可塑化システム NRPs 不活性ガス溶解成形システム AI-VENT INFILT-V(インフィルト) (ベントアップ抑制機能) eV-LINE LIVE VIEW 電動 射出成形機 MS100 特設コーナ :ー V-LINE® による優位性のご紹介 ソディック製造の全射出成形機に搭載されている V-LINE®。 高機能樹脂成形の スマートファクトリーを実現! 成形品質と生産性の向上を 抜群の射出安定性を誇るそのオリジナル技術を動画にてご紹介します。 自動インサートシステム化! 完全自動化による 強力にサポート!バスパーモジュール成形 成形セルシステム V Connect (竪型インサート成形) IPF Japan 2020 Virtual (国際プラスチックフェア バーチャル)に出展しています! 出展パビリオン: IPF Online Seminer のご案内 成形機/成形関連機器パビリオン ライブ会期: 12/11(金) 展示内容ご紹介セミナー開催! 2020 /11/18(水)10:00 ~ 11/20(金)18:00 11/24(火)より申し込みを開始いたします。WEB トップページの申し込み専用バナーよりご登録ください。 セミナー内容 2021/5/21(金)まで継続開催! ●ベントアップでの機械停止を未然に防止し連続稼働による生産性を向上する「AI-VENT」 ブースにアクセスできます! ●新製品 高機能樹脂成形の自動インサートシステム「V-LINE Ⓡ 竪型ロータリ射出成形機 TR40VRE2」 ●無色透明樹脂の成形不良を抑制する「低酸素可塑化システム NRPs」 IPF Japan ●新開発 生分解性プラスチックの薄肉深物の成形を実現「V-LINE Ⓡ 不活性ガス溶解射出成形システム INFILT-V」 来場登録は IPF Japan 公式ウェブサイトから ● IoT 活用 専用 MES によるスマートファクトリを実現「完全自動化による eV-LINE 成形セルシステム MR30」 http://www.ipfjapan.jp ● IoT 活用 射出成形の M2M、金型モニタ SSM、V-LINE® 射出成形システムの品質・生産管理ソフト「V Connect」 4 Sodick Report 2020 Autumn 5
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新製品情報 NEW RELEASE │ AL series "i Groove Edition" │ TR40VRE2│ INFILT-V ワイヤが回る! 生産がはかどる! 成形品多様化に対応し作業性・生産性も大幅に向上! 驚愕の新・加工機能搭載 V-LINE® 搭載金型サイズの拡大NEW 竪型 ロータリ式 射出成形機 従来機比較で最大搭載金型サイズを1.5倍に拡大。金型の大型化・複雑化に対応。 NEW リニアモータ駆動 高速・高性能 ワイヤ放電加工機 TR40VRE2 〇金型サイズ 365mm × 365mm まで搭載可能 AL series "i Groove Edition" テーブル上面高さの低床化 正確で均一な型締力を再現する直圧方式を採用しながら、テーブル 上面高さ(金型取付面高さ)を従来機より90mm低い880mmへ 低床化。 金型段取り作業や半自動成形時のオペレータの作業性向上に貢献。 テーブル回転時間の短縮(オプション) 最大型締力 [kN] テーブル回転駆動の見直しにより、テーブル回転時間の短縮を実現。 392 180度回転時のテーブル回転時間を従来機比最大35%短縮※し、 機械寸法(LxWxH) [mm] 生産性向上に貢献。 2,405 x 1,403 x 2,810 ※テーブルにおける金型重量130kg x 2面、最高速度設定とした場合 機械質量 [kg] 3,450 「i groove(アイ グルーブ)」は、走行中のワイヤ線を回転制御する新機能です。 生分解性プラスチックの生産性向上! 従来の無回転のワイヤ走行に加え、右回転・左回転のワイヤ走行が可能になりました。 この新機能により、加工精度と速度が向上しました。 困難だった薄肉深物の射出成形を容易に実現!! V-LINE® NEW 不活性ガス溶解射出成形システム 生分解性プラスチック-炭酸ガス 射出圧力 流動長(MPa) (L/T)INFILT-V 130 250120 240 110 射 230100 「INFIILT-V(インフィルト)」は、樹脂に不活性ガスを溶 出 流動長 18.7%伸長 流 圧 90 圧力 48.3%低減 220 動 解させ、樹脂材料の粘度を低下させる可塑剤の役割を付与 力 長80 (L/T) (MPa) 210 70 します。従来、薄肉成形が困難であった生分解性プラス 60 200 チックでも薄肉で深物の成形加工を容易に実現することが 50 190 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 可能です。 ガス溶解量 (L) 右図は、炭酸ガスを使用した事例で、流動長を最大18.7% 伸長させることができ、肉厚0.4mmの薄肉コップ成形では L/T220以上の充填効果が得られました。 高速・超精密モデル 高速・高性能モデル AL400P "i Groove Edition" ALN600G "i Groove Edition" INFILT-Vシステム搭載 各 軸 ス ト ロ ー ク ( X × Y × Z ) [mm] 各 軸 ス ト ロ ー ク ( X × Y × Z ) [mm] eV-LINE電動射出成形機 400 × 300 × 250 600 × 400 × 350 MS100 標準成形 「INFILT-V」使用 6 Sodick Report 2020 Autumn 7
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Sodick User Report ソディックグループの製品をお使いいただいているお客様の声を届けます。 「なにくそ」の精神 ばききれなくなり、加工機を3 台に ず役に立つと思って導入を決めま 増やした。ワイヤ放電加工機は半 した」(和氣社長 )。 創業は 1951 年で、もともとはプ 自動機械なので、セットさえすれば 当時はフィルムの抜型の仕事が レス金型製作と量産加工を行って ほかの仕事ができる。このように、 増えていたときでもあり、あえて超 いた。1980 年代になると放電加 仕事のやりくりも覚えた。 精密加工に乗り出す必要はなかっ 工機による金型製作が普及し始 たが、設備投資のチャンスだと捉 め、同社も外部の協力会社にワイ 先見性で道を拓く えた。それから数年後、プレス金 ヤ放電加工を依頼していた。しか 型の需要の多くは中国へ出ていき、 し、協力会社に支払うコストがかさ 次に転機が訪れたのは 1990 年 フィルム抜型の仕事も漸減傾向を むようになったため、自社でワイヤ 代後半のことだ。あるとき、ソディッ 辿った。唯一、プラ型の需要はあっ 放電加工機を導入することにした。 クの営業担当者から「オクギさん、 たが、過当競争になるだけでうま だが、導入のきっかけはそれだ 当社にはAP200という油仕様の 味はないと思えた。そこで、思い けではない。和氣幸博社長は創 加工機があるのですが、それを使っ 切りよく超精密の部品加工へと軸 業者の二代目で「先輩従業員た てみませんか」と声をかけられた。 足を移すことにした。 ちに認めてもらいたかったのです」 それまでの水仕様の加工機は、使 「当社の周辺にも5 軸やマシニン と当時の心境を打ち明ける。「社 用できるワイヤ線はφ0.15mm が グをやる会社は多数ありますが、 長の息子であるため、常に『あの 限界だったが、油仕様の加工機な 精度を出すにはワイヤ放電加工の 男には何ができるのか』と好奇の らばφ0.05 やφ0.03mmの極細線 方が断然有利です」と和氣社長 目で見られていました。ならば『社 が使え、しかもこうした極細線によ は言う。例えば「小さい角穴のコー 内では誰もできないワイヤ放電加 る加工は「あまりやっているところ ナーRを100 分台にしてほしい」 工をものにしてやろう』と思ったの はない」と言われたのだ。 と言われたら、マシニングでやるの です」(和氣社長 )。 その話を聞いたとき、和氣社長 は難しい。導波管などでは丸穴の 東京都 東久留米市 有限会社オクギ製作所 様 1985 年、先代から購入許可が は取引先の特殊フィルムメーカー 真ん中に角穴があり、丸穴との位 下りると、商社を通じて機械メー から「今の仕事がなくなっても生き 置関係が±2μm 公差という仕様 ▲和氣 幸博 社長と、リニアモータ駆動 精密ワイヤ放電加工機 AP200L カー5 社を紹介してもらった。そし 残れるよう、独自の技術を持ちなさ に対しても、同社の技術をもってす て、普段、協力会社に仕事を出 い」と諭されていたことを思い出し れば、きちんとその寸法に仕上げ ワイヤ放電加工による超精密部品加工に特化 すときと同じように図面を描き、展 た。「それ以上は、誰に勧められ ることができるという。開図を添えて目の前で実演しても たというわけではありませんが、超 らった。その結果、画面が大きく 精密加工のノウハウを持てば、必 油と水の加工を使い分け て見やすく、操作性も一番よいと感 じたソディックの水仕様ワイヤ放電 有限会社オクギ製作所(東京都東久留米市)は精密ワイヤ放電加工に特化した金属加工業である。 加工機「EPOC-500」を導入した。 金型製作やプレス加工も行うが、業務の中心は超精密な部品加工。 しかし、当初は苦労した。今の 顧客は半導体や医療関連企業、研究機関など多岐に渡る。 ようにCADもない時代で図面を描 くにも四苦八苦した。しかも社内に 油仕様と水仕様のワイヤ放電加工機を各2台保有し、 は相談相手がおらず、設計や段取 顧客の要求仕様に応じてφ0.03 ~φ0.2mmまでのワイヤ線を使い分ける。 り、後処理など何でも一人でこなさ 中でも極細線を用いた油加工を得意とし、 なければならなかった。わからない 面粗さで0.1μmRz、寸法精度で±1μmの加工を可能とする。 ことがあると、ソディックの技術セン ターに連絡して助言を授かることだ ▲上下異形状嵌合 加工実例 小規模企業でありながら、 けを頼りとした。「あとは『なにくそ』 機械の遠隔操作や情報管理のデジタル化など という精神で、前に進むことだけを 業務の効率化にも積極的に取り組む。 考えていました」(和氣社長 )。 だが、数年もすると加工に関す Youtubeでの積極的な動画配信や るさまざまなノウハウが身に着いた。 技術の粋を集めた遊び心満載の商品を開発するなど、 同社にとってタイミングがよかったの 新しい挑戦を日々続けている。 は、特殊フィルムメーカーから液晶 ▲渦巻き形状嵌合 加工実例 フィルムの抜型の注文がコンスタン  ある位置で上下にはめると、ぴったりとはまる。 リニアモータ駆動 高性能ワイヤ放電加工機 ALN400Q トに入ったことである。1 台ではさ 8 Sodick Report 2020 Autumn 9
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Sodick User Report 水仕様と油仕様を 工機でそのクラスのワイヤ線を用い 「±2μm 公差の品物を1 個だけ 使い分け ると加工に時間がかかるためであ 作る」というような注文が多くなって る。水と油の使い分けは、得意先 いる。 現在、同社にはワイヤ放電加工 のコスト要求や加工物の形状を見 だが、同社ではかりに1 個の注 機が4台ある。水仕様の「AQ560L」 て判断することにしている。 文でも、顧客にはブランク材を2 「ALN400Q」、油仕様の「AP200」 個以上求める。まず、1 個のブラン 「AP200L」は、いずれもソディック 事前のすり合わせが大事 ク材で寸法を出し、測定したうえ 製である。中でも同社が得意とす で初めて本番に入るためだ。希望 るのは、極細線を利用した油加工 近年では油仕様のワイヤ放電加 するブランク材のおおよその厚さ、 である。 工もずいぶん普及してきたが、同 加工の際には治具が必要なことな 水と油仕様の違いについて、和 業他社と比べても同社の技術は抜 どを、顧客にきちんと伝える。また、 氣社長は「油のほうが、面精度 きん出ている。「他社製のワイヤ 納品後に穴開けなど寸法の変わる がよく、安定した寸法に仕上がる」 放電加工機を使っている同業者 可能性のある後加工が入るかどう 和氣 社長と、長男で製造部員の和氣 直道 氏 ジグゾーパズルは東久留米市のふるさと納税返礼品にも採用された ことを一番にあげる。油は水に比 が、『φ0.02mmワイヤ線を使っ かなど、顧客側の環境も丁寧に聞 べて絶縁性が高く、放電ギャップ て、幅φ0.04mm の溝加工をし く。「事前のすり合わせさえしっか 宅したいところだ。しかし、「切り で自社技術をアピールするために作 少ないため、お客様数を増やすこ が狭いため、放電エネルギーが少 た』と自慢していたので、『うちな りできれば、失敗することもなくなる 落とし」という中子の処理をするた りました」が発端。SKD の焼入 とが必須となりますが、最近はホー なく、取り量の少ない細線を用い らφ0.03mmのワイヤ線でできるよ』 し、たとえ当初の予算をオーバー めに一度、機械が止まるので、夜 れ材を薄くスライス。研磨仕上げ ムページの工夫などが功を奏して た超微細加工に適しているという。 と言ったら、『えっ!』と驚いていま することになっても、ほとんどのお 間に再び出社しなければならなくな のあとワイヤ放電加工でワンピース か、日本全国から注文が来るよう また、水仕様とは違って、油仕様 した」(和氣社長 )。同じソディッ 客様は納得してくれるものです」と る。しかし、そこまで急がないときは、 ずつ切り落とし、25ピースになった になりました。しかし、技術革新は は腐食・サビにも強い。水の場合 クのワイヤ放電加工機を使ってい 和氣社長。 中子の処理が 1 時間かかるので ところで組み上げるという手の込ん 日進月歩であり、その波に乗り遅れ は加工後にワークをすぐに取り出さ る同業者と比べても、「加工技術 あれば、出社の1時間前にタイマー だつくりだ。ピースとピースの間のク ないよう、気を締めていく考えです」 なければならないが、油なら暫くの ではどこにも負けない」と和氣社 機械から離れた場所で 設定しておく。これにより体力を消 リアランスは 5μmで、その繊細 と和氣社長はこれからを見据えた。 間、漬けたままの状態でも腐食や 長は胸を張る。 操作 耗しかねない夜間勤務から解放さ さから、ピカピカに研磨しているの サビは生じないため、後工程の段 では、同じ機械を使っても差が れるわけである。「単純な機能と に外観からはまるで一体の金属に 取りなども余裕を持って行える。 出るのはなぜか。「今の加工機は 図面からワイヤ加工部を自動認 思えるかもしれませんが、われわれ しか見えない。「たかがグッズと思 その一方で、冷却効果や加工 自動的に結線してくれますが、私 識しプログラムが容易につくれるソ からすればとても助かる機能です」 うかもしれませんが、中身には当社 速度は水仕様に軍配が上がる。ま は長年、自分でワイヤ線を通して ディックのCAD/CAMプログラミン (直道氏)。 の技術が凝縮されています」と和 た油仕様の加工機は 1 台につき きました。だから、自動結線を使う グソフトウェア「DiPro(ダイプロ)」 氣社長。 500リットルの放電加工油を必要と ようになってからも、いまワイヤ線と も活用している。この機能の活用 自作のグッズが そのユニークさからこのグッズは するため、防火設備が不可欠であ ワークがどういう状態にあるのかが は息子である和氣直道氏が得意 ふるさと納税の返礼品に 東京都東久留米市のふるさと納 る。そのため、同社では油仕様の わかるのです」(和氣社長)。 とする。とくに同社では、機械の 税返礼品にも採用されている。同 加工は本社工場とは別の建屋の 治具も上手に活用する。一例を 前でこの機能を使うことよりも、パ ところで、同社の製作したグッズ 社ではこのジグソーパズルのほか、 中で行うことにしている。 あげると、同社は金型を作ってきた ソコンで遠隔操作できることにメリッ がいま、巷でちょっとした話題になっ 表札や抗菌用フックなども製作して 水加工機を使うのはφ0.1mm 以 ので、研磨機がある。「部品取り トを感じているという。「単純形状 ている。金属のジグソーパズルが いる。 上のワイヤ線を用いるときだ。油加 の後余剰となったプレートを研磨し とか、1つの図面をつくるだけなら それである。「普段作っている製品 「ワイヤ放電加工による超精密部 て、そこにワークを乗せれば水平 機械の前でやるほうが楽ですが、 とは全く違いますが、展示会など 品加工は、1 件当たりの注文数が が取れるし、プレートの 1 個所に ネスティングなどちょっと複雑な操 穴を開ければ、全座標が得られま 作を伴うときは、別の場所でじっくり す。ワークを傾けたいときでも、実 やるほうが間違いは起こりにくいか ■ 会社概要  有限会社オクギ製作所 際にはワークは傾けずに治具を傾 らです」(直道氏)。直道氏がそ 本 社 住 所 〒203-0042 資 本 金 500 万円 けて、そこにワークを乗せる。下 の操作を行うのは、工場隣りの測 東京都東久留米市八幡町 3-14-27 手に『くわえ』などを行うよりも、シン 定室であり、「DiPro(ダイプロ)」を U R L https://www.okugiss.jp/電 話 番 号 042-471-0867 プルで効果的な治具をつくったほう 使っている最中でも、機械のほうは F A X 番 号 042-478-2076 YouTube チャンネル が、寸法は安定します」(同)。 別の仕事をさせるなど、段取りには 代 表 者 和氣 幸博 代表取締役社長 微細加工のオクギ製作所 しかし、「何と言っても一番、大 無駄がない。 創 業 1951 年 事なのはお客様との事前のすり合 タイマー機能も重宝している。同 設 立 1957 年 わせ」と和氣社長はきっぱり言う。 社の加工は、夕方までにセットを終 超精密部品加工の仕事の多くは えるのが基本なので、本来であれ 従 業 員 数 6 人 ワイヤ放電加工(水)の様子 発注量が少ない。とくに最近は ば自動運転モードに切り替えて帰 10 Sodick Report 2020 Autumn 11
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ソディック YouTube チャンネル [Sodick Japan] にて 最新機種・最新技術動画 配信中! www.youtube.com/c/SodickJapan [Sodick Japan] 今回はその中から、選りすぐりのコンテンツをご紹介します! チャンネル Sodickの最新機種・最新技術 リニアモータ駆動 工程集約と IoT 対応 高速・高性能 生産性向上を実現する 次世代型射出成形 精密形彫り放電加工機 ソディックの 自動生産システム AL40G/AL60G 自動化システム ICF-V https://youtu.be/I7I6bf9navU https://youtu.be/szNqKXRC48E https://youtu.be/DkY_5nIjMa4 Sodickの各種機械による加工事例 φ0.02mm のピンを 鏡愕の驚面加工! 金属3Dプリンタによる □ 25mm に φ100mm 曲面の磨きレス スピーディな試作成形を 841 本立てる リニアモータ駆動 ご提案! ナノマシニングセンタ マシニングセンタ 金属3Dプリンタ + AZ275nano UH430L / UH650L 射出成形機 https://youtu.be/a8tszbVSrig https://youtu.be/iG-IrQgJDEQ https://youtu.be/oxt8A7RVs24 株式会社ソディック 〒224-8522 横浜市都筑区仲町台 3-12-1 https://www.sodick.co.jp/ TEL:045-942-3111(大代) ※V-LINE®(V-ライン®)は株式会社ソディックの登録商標です。 ※弊社製品あるいはその関連技術(プログラムを含む)につきましては、外国為替及び外国貿易法に基づき輸出等が規制されている ものです。 また、製品によっては米国輸出管理規則の再輸出規制を受けるものもございますので、日本国外へ輸出あるいは提供する場合には事前に弊社担当営業までお問い合わせください。 ※ 写真は3Dモデルから生成したイメージ図を含みます。またオプションを含む場合があります。 ※不断の研究により予告なく仕様の変更を行う場合があります。 ※JIS B0601:’01及び ISO4287:’97/ISO1302:’02 に準拠し、表面粗さ単位Rzを使用しています。※ 記載内容は2020年10月現在のものです。 ©Sodick Co., Ltd. 2020 Printed in Japan S9137100.2020.10<03>