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微細構造の化学分析のためのソリューション DM6 M LIBS
目視検査と化学分析が 1 台の環境で実施できることで、 微細構造の元素同定 に要する時間が、従来の走査型電子顕微鏡(SEM)/エネルギー分散型 X 線分析(EDS)に比べて 90% 節減できます。レーザープラズマ分光機能により、分析試料を適当なサイズに切り出して分析装置の中にセットするなど、前処理なく、顕微鏡で拡大観察した状態で、迅速に分析ができます。
このカタログについて
ドキュメント名 | 拡大観察と化学分析を 1 台で |
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ドキュメント種別 | 製品カタログ |
ファイルサイズ | 1.1Mb |
取り扱い企業 | メーカー:ライカマイクロシステムズ株式会社、 販売:島津サイエンス東日本株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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From Eye to Insight
顕微LIBS元素分析システム
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ライカ DM6 M LIBS
光学顕微鏡で形態情報確認してすぐ元素分析。
異物・局所分析の定性解析をスピードアップ!
ライカLIBS分析の流れ 最短ステップで最適な分析手法・必要な分析結果にたどり着きます。
ライカ DM6 M LIBS
1~2分
目視観察 拡大観察 + イメージング 1 元素分析 2 データ出力 結果の解析 最適な分析
外観観察 分析箇所の特定
1 拡大観察 2 元素分析
前処理不要 ワンボタンで分析開始、結果出力
真空引きなど試料作製不要で、色情報を保持したまま視認性良く どなたでも、わずか十数秒で元素分析結果が得られます。
確認できます。
視野探索を強力にサポート
顕微鏡操作はソフトウェア、リモートコントローラーから電動制
御。倍率切替時、センター、ピントずれがなく、位置、ピントを見失
わず解析できます。
金属顕微鏡で分析箇所を特定 ワンボタンで元素分析
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一般的な分析の流れ 最適な分析方法選定に到るまでにサイクルを繰り返すケースもあります。
光学顕微鏡 分析装置
数時間~数日
目視観察 拡大観察 分析方法の選定 試料の加工
分析箇所の
確認 分析 データ出力 結果の解析
外観観察 分析箇所の特定 (大きさ、深さ、 ・包埋・研磨
材質) ・試料台への 試料導入
貼り付け 位置合わせ
・導電性処理
繰り返し
ライカ DM6 M LIBS
1~2分
目視観察 拡大観察 + イメージング 1 元素分析 2 データ出力 結果の解析 最適な分析
外観観察 分析箇所の特定
オプション 粒度解析:大きさと個数に分類し、レポート自動作成
イメージング
粒度解析、コンタミ解析機能と組合わせて、
元素分析を自動化
粒子の形状や数、粒径分布を自動測定します。
部品清浄度検査にも対応(ISO16232、VDA19.1準拠)
分析エリアの3D合成や、簡易高さ測定も。
メンブレンなど対象エリアを自動スキャン
数・大きさなど条件設定して、元素分析の自動化
(条件例)・反射性対象物かつ面積上位100個を分析
・直径100μm以上の対象物を分析
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観察+分析 2-IN-1 ソリューション
2 台の装置による目視検査と組成分析が1台に!
2台の目視検査と組成分析を1台にし、所要時間を90%節約します。DM6 M LIBSソリューションに搭載されたレーザー誘起ブレイクダウン
分光装置は、顕微鏡の大気環境で組成フィンガープリントを提供します。
すべての光学顕微鏡機能を利用して試料を検査し、組成分析により試料を同定します。
1 秒で組成フィンガープリント
確立されたLIBS(レーザー誘起ブレイクダウン分光法)技術による迅速な組成分析は、数秒で対象の組成を同定します。
ワークフローを1つのステップに縮小でき、結果に集中できます。
0 試料作成不要
分析したい箇所を顕微鏡で見つけて、ワンクリックでLIBS分析を開始できます。
試料作製や移動不要 - システム調整不要 - 対象エリアの再配置不要
LIBS原理
レーザー誘起ブレイクダウン分光法(LIBS)は、複数の元素の組成分析結果を迅速に出力する実績のある技術です。
レーザーパルス(3ns)を試料表面の一部(直径15μm)に照射し、アブレーションします。
アブレーションされた試料は粒子化およびプラズマ化され(10.000°C以上)、励起されます。
レーザーが停止するとすぐにプラズマは冷却され、特徴的な元素のスペクトルの光を発します。
この発生した原子線、イオン線の特徴的な発光スペクトルから、定性の元素情報を得ることができます。
現在、光学顕微鏡による目視検査は、最初の検査工程に過ぎません。
対象物が何かを確認するための試料情報を得るには、さらに分析的なアプローチが必要になり、この追加の検査ステップは、時間とコストがか
かります。
試料は、走査型電子顕微鏡(SEM-EDX)などの他の分析装置向けに試料作成し、検査する必要があり、さらに、光学顕微鏡による目視検査で
見つかった対象領域(ROI)をSEM分析中に再配置するために時間がかかります。
DM6 M LIBS ソリューション
ライカマイクロシステムズのDM6 M LIBSソリューションを使用すると、1台の装置を利用して目視検査および組成分析を行うことができます。
すべての光学顕微鏡の機能は、試料の目視検査のために利用することができ、試料上の対象領域を見つけた後、迅速にLIBS分析が実行され
ます。
サンプルの準備、移動、再配置は不要、LIBSなら誰でも、スピーディーに分析が可能です。
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観察+分析が1台で
6.
1.
1. LIBS装置
2. DM6 M工業用顕微鏡本体 3.
3. 落射光装置
4. 対物レンズ
5. 電動ステージと電動フォーカス
6. カメラ
7. 試料
4.
2. 7. 5.
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1. LIBS装置
LIBSシステムは、窒素レーザーとCCD分光器で構成され、迅速で
正確な定性元素分析が可能です。
元素の検出はリチウムからで、元素周期表のアルカリおよびアルカリ
土類、金属および半金属元素族に属する元素に対して全般的に検出
可能です。
LIBSモジュールは、DM6 M落射装置に直接取り付けられており、
レーザーは、落射光ターレット内のLIBSキューブとLIBS対物レンズ
の光路を経由して試料上に照射され、同じ光路を利用して発光スペ
クトル情報をCCD分光計によって検出します。
インターロックスイッチ、固定保護フィルター、レーザー保護カバー
により装置がクラス1の安全規制に対応しています。
また、モジュラー設計のため、通常の工業顕微鏡としてお使いいた
だけます。
2. DM6 M 工業用顕微鏡
DM6 Mはフル電動の顕微鏡で、顕微鏡初心者の方、経験者の方どち
らにも、イメージング装置としてお使いいただけます。
前回使用時の顕微鏡設-定を簡単に呼び出し、ライカ独自のストア&
リコール機能を利用して顕微鏡設定やカメラ取得条件を瞬時に再現
することができ、インテリジェント機能を利用すると、顕微鏡のボタン
を押すだけで簡単に繰り返し作業を行うことができます。
トレーニングの時間を短縮、ワークフローを改善し、毎回、誰でも鮮明
なイメージングをすることが可能です。
顕微鏡は、落射光および透過光の各観察手法を利用でき、必要に応
じて選択、構成でき、ハイパワーのLED照明は、すべての観察手法を
サポートし、輝度が変わっても一定の色温度で観察できます。
利点として、明るさが変更されるたびにカメラ条件をリセットしたり、
ホワイトバランスを調整する必要はありません。
顕微鏡は現在の設定に関する情報をタッチスクリーンで制御するこ
とが可能で、Smart MoveやSTP6000コントローラーにより、顕微
鏡の3つの軸(x、y:ステージ位置 ; z:フォーカス)をすべて制御する
ことができ、複雑になりがちな顕微鏡機能をプログラムすることがで
きます。
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観察+分析が1台で
3. 落射装置
電動開口絞り
開口絞りは、様々なサイズの11個の絞りポジションを有する電動ディ
スクです。
使用されたポジションは、対物レンズごとに自動的に保存され、この機
能により、5%~100%の絞りポジションが再現できます。
ライカのコントラストマネージャー機能を使用して、顕微鏡は自動的
に選択された観察手法と対物レンズを認識し、最適な開口絞りと視野
絞りに調整、照明の明るさを調整でき、利点として、高コントラストの
画像を実現し、最適な設定に自動調整します。
電動視野絞り
電動でコード化された視野絞りディスクは、様々なサイズの4つの円
形と2つの長方形の視野絞りを含み、デジタルカメラで使用するカメ
ラのチップサイズと一致させるために、長方形の視野絞りを使用でき
ます。
利点として、すべての倍率での均一な照明と試料と対物レンズの衝突
防止のための焦点ファインダーとしても利用できます。
電動リフレクターターレット
リフレクターターレットは、最大4つのキューブを利用でき、LIBS分
析用のリフレクタキューブは、近紫外(NUV)LIBS対物レンズを介
してレーザービームを試料上に直接照射させます。
残りのポジションは、他の観察手法に使用することができ、キューブ
の切り替え速度は0.5秒もかかりません。
4. 対物レンズ
DM6 M顕微鏡の対物レンズは、電動コード化され、要件に応じて、
対物レンズ6穴か7穴レボルバーで構成できます。1.25倍から150倍
までの幅広いランナップから、マクロ構造からミクロ構造までのすべ
ての観察を他の顕微鏡に持ち込むことなく観察ができます。
LIBS分析のために、専用NUV 20x対物レンズが使用され、その光学
性能は、レーザー透過およびスペクトル検出範囲に最適化されてい
ます。
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5. ステージ/フォーカスドライブ
DM6 M LIBSシステムには目視検査および組成分析を実行しなが
ら快適性と精度を提供するだけでなく、レーザー安全規制を満たす
ために、電動ステージ(XY)とフォーカスドライブ(Z)が標準になって
います。
XYZの自動化により、自動化された同焦点と同軸点の調整が可能に
なり、これらの機能を使用すると、試料の対象範囲は、対物レンズを切
り替えしても、常に焦点が合い、FOV(視野)の中心になります。
この機能により、検査ワークフローが迅速化され、すべてのユーザー
に対しての顕微鏡操作が簡単になります。
6. カメラ
ライカ高精細のデジタルカメラで顕微鏡像で見たままを撮影します。
ニーズに合わせて幅広いカメララインナップから選択でき、さまざまな
モデルが、さまざまな試料やアプリケーションの文書化、評価、分析の
ために高速で高品質な画像を撮影できるように最適化されています。
カメラは、高速画像取得、画像連結アプリケーション、またはライブ観
察の高いフレームレートなど、さまざま目的に応じて選択が可能です。
7. 標準サンプル
各LIBSモジュールにはアルミニウムの標準サンプルが含まれてお
り、LIBSモジュールの適切な機能を検証するためのリファレンスサン
プルとして使用できます。
標準サンプルは、ユニットが製造された後のLIBSモジュールのテスト
及びDM6 M LIBSシステムのセットアップ後に再度テストするために
使用し、スペクトルデータと測定輝度は文書化され、最終的な設置後
に仕様に従ってシステムが機能していることを証明するために使用で
きます。
オプションのニッケル、鉄、銅およびアルミニウムを含むLIBS分析標
準サンプルも検証に使用できます。
8. ソフトウェア
複雑な分析をさら複雑にする必要はありません。LIBS機能は、使いや
すいLAS Xのユーザーインターフェイス上で実行できます。
ワンクリックで分析を開始し、十数秒で結果を表示でき、オーバー
ビュー画像、フォーカス合成、ストア&リコールなど、自動化された
顕微鏡機能用の追加の豊富なソフトウェア機能で、お客様ワークフ
ローをサポートします。
2D計測機能、2D画像分析の自動化、材料アプリケーション専用の
金属解析ツール(結晶粒度解析、フェーズ解析、黒鉛球状化率測定、
脱炭測定)、コンタミ解析など国内外の規格に準拠した鋼材の非金
属含有率を必要に応じてDM6 M LIBSシステムに追加することがで
きます。
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機能/仕様
LIBSモジュール
レーザー
タイプ パルスN2ガスレーザー
波長 337.1nm
平均パルスエネルギー 最大150μJ
パルス半値幅(FWHM) ~3ns
繰り返し周波数 最大30 Hz、解析用シングルショットモード
スポットサイズ 15μm
分光器
光学ベンチ ULS対称Czerny-Turner型
波長範囲/検出範囲 200 ~1100 nm/360 ~700 nm
検出器 CCDリニアアレイ、2048ピクセル
分解能 0.6 nm
シグナル/ノイズ 200: 1
光学顕微鏡
落射光 観察方法 BF(明視野)、DF(暗視野)、DIC(微分干渉)、Po(l 偏光)、Fluo(蛍光)
照明 ハイパワーLED
電動制御 電動フィルターターレット(4つ)
コントラストマネージャー
照明設定、明るさ、絞りが観察方法や倍率に併せて自動的に調節
イルミネーションマネージャー
観察方法や倍率を変更しても、明るさが常に最適に調整
キューブ LIBS分析用キューブ
BF(明視野)、Smith、DF(暗視野)、ICR、Po(l 偏光)、Fluo(蛍光)
透過光 観察方法 BF(明視野)、Po(l 偏光)、PH(位相差)、DIC(微分干渉)
照明 ハイパワーLED
電動制御 コントラストマネージャー
イルミネーションマネージャー
操作 電動フォーカス 電子的に5段階切り換え、3.8 nmステップサイズ(最小)
2つのZ位置をメモリ機能
対物ターレット 6穴:電動、暗視野用M32
7穴:電動、明視野用M25
制御 6×プログラマブルファンクションボタン
〈SmartMove〉
z方向(焦点)移動と、x、y 方向(ステージ)移動用操作部
4×プログラマブルファンクションボタン
〈ライカ STP8000:オプション〉
z方向(焦点の粗動/微動)と、x、y 方向(ステージ)移動用操作部
11×プログラマブルファンクションボタン、情報表示とコントロールパネルを
兼ねたタッチパネル
ステージ 電動ステージ スキャンステージ
移動範囲 76 x 50 mm 100 x 100 mm
再現性 < 5μm < 1μm
精度 ± 20μm ± 3μm
ドライブ ラックピニオン スピンドル
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LIBS分析
サンプルの位置決め ステージの移動による
LAS XソフトウェアによるLIBS分析 シングルショット
データベース比較による元素定性分析
LAS Xソフトウェアの場合、データベースには以下の要素と合金が含まれています:
銀[Ag]、アルミニウム[Al]、真鍮[70%Cu、30%Zn]、カドミウム[Cd]、コバルト[Co]、クロム[Cr]、銅[Cu]、
鉄[Fe]、ゲルマニウム[Ge]、マンガン[Mg]、モリブデン[Mo]、ニッケル[Ni]、鉛[Pb]、スズ[Sn]、
スチール[90%Fe、10%Cr]、チタン[Ti]、バナジウム[V]、タングステン[W] ※随時、追加予定
さまざまなサンプルおよび材料からのデータを、ユーザがデータベースに簡単かつ迅速に登録できます。
データベースはユーザー定義で拡張可能です。
レポート生成
ローデータcsv出力
スペクトルをデータベースに追加
スペクトルツールスペクトルツール データベース
平均スペクトルの作成
スペクトルの比較
検索機能
スペクトル処理
パフォーマンス
検出限界 ppm~%レベル(元素に依存)
サンプルの調製 固体サンプルでは不要
倍率範囲(光学) 1.25倍~150倍対物レンズ ※LIBSは20倍対物レンズのみ
キャリブレーション 校正不要、バリデーション用標準マテリアル
アブレーション 深さ1~10μm(材料および焦点位置に依存)
イメージング ライカ 顕微鏡用デジタルカメラ
追加機能 ● 電動顕微鏡機能用の豊富なソフトウェア機能
オーバービュー画像取得、深度合成、測定、二値化、
鋼介在物試験、結晶粒度解析、相分離など、金属解析用ソフトウェア
システム
寸法 幅:355mm、高さ:560mm、奥行き:680mm(モニター等含まず)
重量 ~95kg
LIBSモジュール保証期間 24ヶ月。12または24ヶ月の延長保証プログラムあり
サンプル分析環境 大気条件下
PC要件 ソフトウェア要件による
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www.leica-microsystems.com
IDF023_1901