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生産現場の紙を電子化・活用事例集

事例紹介

作業日報等の紙の帳票をデータ化し、活用を促進します

以下2社を含む、文書データ活用ソリューションの導入事例を掲載しております。導入事例の中では採用の背景や選定ポイント、導入効果をご担当社に語っていただいています。ぜひご覧ください。

・株式会社松井製作所様
  [製造:図面・技術情報のグローバル運用]
 グローバル&リアルタイムで図面・技術情報などの機密情報へのアクセスコントロールを実施
 ペーパーレスによる情報活用の新しい仕組みを構築

・合同製鐵株式会社様
 [製造:品質保証書類の電子化]
 紙の連続帳票につきものの手作業を一掃して月間およそ50時間の工数削減を実現
 遠隔地からの書類参照もよりスピーディに

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このカタログについて

ドキュメント名 生産現場の紙を電子化・活用事例集
ドキュメント種別 事例紹介
ファイルサイズ 3.6Mb
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取り扱い企業 ウイングアーク1st株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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SPA事例集2018 INDEX 株式会社ヒスコム(北陸コカ・コーラボトリング) [小売・流通:請求書のWeb公開] ウイングアーク1st株式会社 [情報・通信:電子帳簿保存法対応] 株式会社松井製作所 [製造:図面・技術情報のグローバル運用] 合同製鐵株式会社 [製造:品質保証書類の電子化]
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株式会社ヒスコム 小売・流通 北陸コカ・コーラボトリングが 電子帳票システムを大幅改修する 4 つの目的 帳票電子化により、帳票運用と業務はどう変わるのか? 大手飲料販売会社の導入事例をカギに、帳票電子化の生産性向上効果を考える 事業場内の多くの業務プロセスは業務システムの導入により自動化したかもしれない。しかし、例えば顧客―営業間や工場、仕入先、物流、販売などといった、 サプライチェーンの至るところで、情報伝達手段として伝票など紙の帳票が今でも主役を務めている。業務の証跡として保管されるのも紙の帳票だ。業務フロー内 部に帳票がしっかりと組み込まれていること自体は悪いことではない。その帳票が“紙”であることより、運用に時間やコストの負担が大きくなっている点が問題な のだが、いまだにこの負担を解消できていない企業が多い。また、各業務プロセスの関連情報が帳票に集約されるため、さまざまな部門のスタッフや管理者から 参照されたり、加工して再利用されたりするケースも多い。そのようなケースではコンプライアンス担保や利用権限管理などを徹底し、かつ原本は一切の改変がで きないよう保管しておかなければならない。しかし、紙の文書では各種書類の仕分けポリシーを統一できなかったり、検索ができなかったりと、利用に不便な一面 がある。こうした紙の帳票の問題点を解決し、コンプライアンスとセキュリティを強化できる帳票電子化に取り組む企業は多い。北陸コカ・コーラボトリングは、早 くから帳票運用・管理システムを導入していたが、今回新たにシステムを大幅改修し、帳票関連にまつわる4つの問題を解消しようとしている。そのシステム改修の 目標と各取り組みについて紹介しよう。 中心に、最新ツールを利用した電子帳票のライ 環境保護の観点からの フサイクル運用管理について紹介する。 総合管理システムの一環としての  北陸コカ・コーラボトリングの新しい電子帳 帳票電子化 票システムはまだ構築中の段階であり、機能面  「富山・石川・福井・長野各県を中心に清涼 でも変更の可能性があるとのことだが、大枠は 飲料の製造・販売を行う北陸コカ・コーラボト 既に固まっている。このプロジェクトの目的は リングでは、コカ・コーラ独自の管理システム 次の4つだ。 である『KORE(コア)※』を運用しています。 ●請求書・「ロケーションコミッション」情報(後 KOREでは、清涼飲料製品のライフサイクル全 述)のWeb公開化 体にわたる品質・食品安全・労働安全衛生・環 ●経理帳票の電子帳票管理システムのリプレース 境の4側面に関する基準を網羅して総合的に管 ●フィールドサービスの作業報告書の電子化 理しています。環境面に着目すると、水資源保 ●自動販売機関連契約書類の電子棚管理 護や温暖化防止・エネルギー削減、原材料使 ヒスコム 取締役 システム統括部長 渡辺剛幸氏 用量削減と再資源化、廃棄物管理という目標 請求書・ が掲げられており、紙資源の消費を削減するソ ロケーションコミッション情報の リューションは、環境保護目的のために重要な Web公開で劇的な時短化 要素と考えられています」そう語るのは、北陸  1つ目の目的は、顧客に送付している各種請 コカ・コーラボトリングのシステム開発や運用 求書と、「ロケーションコミッション」と呼ばれ を長年担ってきたヒスコムのシステム統括部長 る自動販売機(自販機)設置スペースのオーナー である渡辺剛幸氏だ。 に支払われるリベート(割戻金)に関する書類  渡辺氏は2016年11月に東京で開催されたウ の印刷・輸送費と紙消費量の削減だ。 イングアーク1st主催のフォーラムイベント「ウ  従来、顧客ごとのPDF書類作成までは、ウ イングアークフォーラム 2016」で、同社の帳票 イングアーク1stの帳票基盤ソリューション 電子活用ソリューション「SPA」の導入計画に 「SVF」によって自動化が完了していた。しかし ついて講演を行った。以下ではこの講演内容を PDF化した書類が顧客に届くまでの間には、 ※「Coca-Cola Operating Requirements」の略 2
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図1-1 請求書・ロケーションコッミッション 情報の郵送からWeb公開へ 図1-2 新システムの流れ 幾つかのプロセスが必要だった(図1)。それぞ 能を利用して、各権限に基づいた情報開示制 れに要する時間は、締め処理に約2時間、印刷・ 経理帳票の管理システム刷新で 御をシステム開発の必要なく実現する(図2)。 セット作業・封入封緘・梱包作業に約8時間、 外部アプリからの帳票参照も可能に  帳票の原本ばかりでなく、そのコピーに対し 輸送に関しては地域ごとにかかる時間が大きく  2つ目の目的である経理帳票の管理には、現 てもアクセスコントロールと追加加工などが可 異なり、全て終了するまでに数日を要していたと 在、印刷スプールサーバからのデータを電子帳 能なのが大きな利点となる。北陸コカ・コーラ いう。 票管理システムに投入して一元管理する方式を採っ ボトリングでは、コピー版についてもタイムスタ  この作業にかかる時間とコストが大きな問題 ている。しかし、この管理システムは特定の業 ンプを取得して改ざん防止証明を行うことを、 だった。また、顧客からは電子文書で通知して 務担当者が特定端末で利用するクライアント― 現在検討中とのことだ。従来システムからの切 もらいたい、ロケーションコミッションの情報を サーバシステムを前提としており、帳票の活用シー り替えは2017年1月から実施する計画だという。 早く知りたいという要望も多かったという。そこ ンが増えるに従って使いにくいものになってきた。 で、書類を郵送するのではなく顧客がWeb経 そこでSPAへのリプレースによる、帳票はより フィールドサービスの作業報告書を 由で自ら書類を参照できるシステムへの移行が 活用しやすくしながら、セキュリティ面での懸念 電子化し、業務効率とCSを向上 検討された。つまり、締め処理以降の業務プロ も払拭できるシステムへの転換が図られている。  3番目の目的として渡辺氏が挙げるのが、自 セスを一気に削減してしまおうということだ。現  まずはクライアントソフトウェアの運用管理 販機のフィールドサービス(故障対応や定期メ 在はSVFからの出力を新たに導入した電子帳票 負荷とコストを削減できることが1つの利点。次 ンテナンス)における作業報告書の電子化によ 管理ツールである「SPA」に投入して自動仕分 に、SPA以外のユーザーアプリケーションでも る業務効率化である。 けした上、外部タイムスタンプサービスを利用し 帳票閲覧を可能にするAPIが利用できるのがも  自販機の故障対応は、まずコールセンターへ てWebに公開するシステムを構築中だ。 う1つの利点だ。これにより、多部門にわたる の故障連絡から始まり、その内容をフィールド  想定される効果の筆頭は、顧客に情報を開 ユーザーの帳票利用の自由度が高まり、より活 エンジニアに通知し、エンジニアが現場に行っ 示するまでの時間短縮だ。従来は3~5日かかっ 発な帳票活用と業務効率化につながることが期 て修理した後、先方責任者からの確認・作業 ていたものを、締め処理の翌日には顧客が参照 待できる。また、セキュリティ面では原本の情 終了の承認をもらい、帰社した後に報告書を作 できるようになる。「相手先の都合もあり、徐々 報を一切改変することなく、その帳票の一部を 成するという流れになっている。渡辺氏は「初 にWeb方式に移行することになりますが、最終 マスクしたり、透かしなどの加工をした上で出力 めの故障連絡はメールや電話で行うため、外出 的に現在の年間22万枚の印刷枚数を約7万枚と、 したりできる。これは既存システムではできなかっ して仕事をしているフィールドエンジニアの状況 約70%を削減できると試算しています」(渡辺 たことだ。例えば請求関連書類に原価の記述 によっては連絡が届くまでに時間がかかること 氏)。加えてオペレーションミスを削減でき、書 がある文書を利用する場合に、原価の記述部分 がある。また、報告書は帰社後にPCから入力 類を柔軟に検索できるようになるため、事務処 だけをマスクした状態で取り出すようなことが可 する場合が多いため、入力ミスや記載内容の不 理のコスト削減効果も期待できる。 能になる。また、暗号化による印刷不可設定、 備、修理部品の在庫情報との不一致などが起 注釈の自動付加などSPAに標準搭載された機 きやすくなっていた。さらに、メンテナンス履歴 3
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どの弊害を引き起こしてきた。  こうした紙による管理の弊害をなくすには、管 理システムへの転記ミスをなくすことと、膨大な 図2 電子化された文書のセキュリティコントロール 契約書類を過去履歴も含め迅速に検索できる仕 組みが必要だ。これには電子サインの利用を含 む電子書類ベースの契約プロセスや、書類の一 元管理システムが利用できる。また、SPAの OCR機能を活用すれば、特別な作業なしに帳 票名、顧客名(略称利用可能)、日付などを読 み取り、その情報を基にルールに従って電子帳 票を自動仕分けし、フォルダごとに階層化して自 動格納できる。これは検索性を大きく向上させる。 「仮想PDF」と「柔軟な検索機能」が これからの帳票管理  ヒスコムが構築した北陸コカ・コーラボトリン グの本事例は、最新の電子帳票管理ツールを用 いて紙資源や輸送資源、事務処理、保管スペー ス、輸送費、関連人件費などの削減とともに、 が紙の状態でオフィスに保管されていたため、 ンテナンス情報を都度参照できて情報共有が進 業務プロセス改善や情報漏えい対策、コンプラ 簡単に参照することも難しかった」という。紙 む。ゆくゆくは故障の予兆を見つけ、先回りして イアンス強化を実現するという、同様の課題に が情報共有を妨げてきたわけだ。 保守を行う予防保全にも活用できることを期待 悩む企業の手本となるベストプラクティスだ。ま  ここでもSPAの活用が検討されることになっ している。北陸コカ・コーラボトリングでは予防 た電子データは別地域にバックアップできるため、 た。大きな変更は、フィールドエンジニアがタブ 保全によって不具合のない運用が可能になれば 災害時の情報消失対策ともなる。 レット端末を携行し、先方責任者からの承認は 顧客満足度向上につながると考えているという。  この事例だけでなく、改正された税制の電子帳 タブレット端末に指で入力する電子サインを利用 簿保存法対応はもちろん、セキュリティとコンプ することで紙の帳票を廃止したことである(図3)。 電子棚管理で情報の食い違いを防止 ライアンスに配慮した帳票活用では、タイムスタ  このシステム改修が実現すると、修理完了時  4番目の目的は、自販機関連の契約書類の電 ンプ機能やアクセス制御機能を備えた上での高速 に承認のために必要な複写用紙(原稿で年間約 子棚管理である。北陸コカ・コーラボトリング で柔軟な検索・出力機能などが必須となるだろう。 2万枚)がほぼ全て削減できる上、修理情報と が自販機を貸し出す際の契約書類は膨大な数  SPAはオンプレミス構築だけでなくクラウドで 承認情報とが統合されるため、紙の手続きと二 に上る。いままでは所属部門に紙の状態で保管・ も同様の機能が利用でき、ここでは紹介できな 重入力の必要がなくなる。フィールドサービス関 管理されてきたために、保管スペースの問題や かった新機能も多い。新機能の詳細やコンセプ 連情報は全て電子化されて保管可能になるため、 管理システムへの誤登録、管理事業所間での トを知れば、帳票の運用を合理化するヒントが フィールドエンジニアがどこにいても、必要なメ 契約移管の際に書類がなかなか見つからないな 見つかることだろう。 図3 フィールドサービスの作業報告書電子化による業務フローの改善 ※掲載内容は2016年12月現在のものです。 4
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電子帳簿保存法対応事例 情報・通信 業務全体のスピード化と組織の情報活用の強化を目指す 経理財務部が「やってよかった」を実感 「電子帳簿保存法」の対応と実践プロセス ~電子化への取り組みをいかに考慮すべきか? 法令対応の先をみた帳票電子活用ソリューション 「SPA」を利用したデータ活用と運用~ 2015年1月に「平成27年度税制改正の大網」が閣議決定され、スキャナー保存による規制緩和が明らかになった。自社が受け取った3万円以上の契約書・領収書 などのスキャナー保存が認められ、入力者の電子署名等は不要とし、タイムスタンプを付するとともに入力者等に関する情報の保存を要件とすることとなった。こ れにより、会計・経理業務のほぼすべての資料の電子保存が法的に認められることになる。これを受けて、ウイングアーク1st株式会社(以下、ウイングアーク) では、自社製品であるPDF帳票を一元管理する「SPA」を利用したファイリングシステムを構築。社員が受け取った請求書や領収書など、ワークフロー申請と同時 にタイムスタンプを付与した上で保管・管理の自動連携ができる仕組みを整えた。また、対応に先立ち、電子帳簿保存法に適応する対象書類と利用システムを国 税庁へ申請。電子化により会計帳簿の大量出力が不要となることはもとより、税務調査の際にデータでの開示が可能となり、ガバナンスを強化しつつ、経理関係 書類を紙で管理するための人的負荷が軽減された。年間でキャビネット3本分となる証憑保管も不要となり、保管スペース削減にも貢献している。 採用の背景 導入ポイント ● e-文書法規制緩和に伴う国税関係書類のスキャナー保存の規制緩和 ● 国税庁の相談窓口を活用 ● 金額要件の廃止以前は3万円以下のみが対象 ● IT部門とのコラボレーションを徹底 ● 電子署名要件の廃止システムのログインIDの記録で代替可能 れるようになった。 背景と目的  ウイングアークで管理本部長 兼 経理財務部 単なるコスト削減ではなく、 長を務める藤本 泰輔は次のように語る。 組織業務の円滑な遂行を視野に 「経理の仕事は常に、書類に埋もれているよう  企業会計の現場では、長年にわたって膨大な な状況でした。紙の会計帳簿は、会計監査や 量の紙の書類との格闘が繰り広げられてきた。 税務調査などの際を除けば頻繁に閲覧すること 会計・経理処理がシステム化されても、国税関 がないにもかかわらず、出力してはファイリング 係帳簿、決算関係書類などは“ 紙での保存” して保管していました。作業のためには人的負 という規定があったため、大量の紙資料をプリ 荷もかかりますし、書類の保管場所も必要にな 執行役員 管理本部長 兼 経理財務部長 ントアウトしてファイリングして保管・管理する ります。そこで、2014年に会計・経理関係の資 藤本 泰輔 作業が必要とされていたのだ。 料のペーパーレス化を図ることにしたのです。コ  しかし、1998年の電子帳簿保存法、2005年 ストの削減というよりは、組織における業務の のe-文書法の施行により、こうした状況が徐々 円滑な遂行が最終目的でした」 に変わり始めた。一定の要件を満たせば会計帳 簿等について電子的なデータを“原本”として STEP 1 扱うことが認められるようになり、管理すべき 国税庁の助言をもとに、 紙の帳簿や書類を削減できるようになってきた。 帳簿や書類の電子化を開始 特にe-文書法では、一貫して電子的に作成・管 自社が作成した国税関係書類を 理されているデータだけでなく、企業間でやり Dr.Sum EAなどで、 取りされている紙の取引関係書類の一部につい 電子データ保存 管理本部 経理財務部 マネージャー 鹿島 忍 てもスキャンした電子データでの扱いが認めら  経理財務部では、まず法令の要件を確認し、 5
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図1 平成27年度税制改正による規制緩和の内容 図2 ウイングアーク1stの電子帳簿対応範囲 国税関係帳簿 国税関係書類 国税関係帳簿 国税関係書類 ス ● キ 仕訳帳 ● 貸借対照表 ● 契約書 ● 請求書 決算関係書類 取引関 係書類 ● 領収書 ● ● ャ 仕訳帳● 総勘定元帳 損益計算書 納品書● ナ ● 見積書 対 ● 総勘定元帳 ● 貸借対照表 自社作成 相手先から受領 ー ● 補助元帳 など ● 棚卸表 など 3万円 3万円以上 未満 ● 対 発注書 など 象 ● 補助元帳 ● 損益計算書 ● 棚卸表 ● 請求書 ● 領収書象 ● その他 可 × × × ● その他 ● 見積書 など ● 請求書 など否 (改正) その他、書類のスキャン時の処理について以下の改正が行われ、その利便性が高まります。 スキャナーで 要 自社が最初の記録の段階から一貫して電子計算機を 読み取る等の 項目 現行 改正 件 使用している等一定の要件 一定の要件 ● 金額基準なし ● 金額基準なし 重要書類※ ● カラー保存が必要 ● 保存形式が白黒でも可 以外 ● 書類の大きさに関する 書類の大きさに関する 申 帳簿データの 要件に該当● 請 備付け及び しないため、 電子データの スキャナー 情報の保存が必要 情報の保存が不要 保存の申請 申請せず。 保存申請 保存の申請 ● 電子署名不要 電子署名 ● 要件 入力者等の電子署名が必要 ● タイムスタンプとともに 製 ERP パッケージ Dr.Sum EA SP A 入力者等に関する情報の保存 品 ※「重要書類」とは、契約書・領収書等を指します。 (青枠が第1段階:2015年3月から適用開始、赤枠が第2段階:2016年3月から適用開始) どのような仕組みで対応するかを検討すべく、 合機でスキャンしてPDFデータにする 2014年9月に国税庁へ相談に出向いた。帳簿 STEP 2 2.ワークフローでの申請と同時にタイムスタン や書類を電子保存するには、どのような仕組み スキャナー保存した書類を プが付与されたPDFデータがSPAへ格納され、 で保存・管理するかを所轄税務署に申請して承 SPAで管理 上長の決裁や経理財務部の確認を経てERPで 認を得る必要があるが、その事前準備として現 電子棚の感覚で活用し、 の会計処理が行われる 状では国税庁の助言を得ることが求められてい 保管期間を過ぎたデータを自動消去 3.SPAに格納されたPDFデータには、ERP上 るためだ。  第2段階では、平成27年度年度税制改正(図 の仕訳伝票番号が紐付けされ、システム上の  「国税庁では調査官のほか、情報技術専門官 1)で緩和されたスキャナー保存要件に対応す 処理が完了する も対応してくれて、電子帳簿のために何が必要で、 る形で、自社が受領する取引関係書類(請求書、  「SPAには、高度な電子棚管理機能や、帳 何が不要か、また税務署へ提出する申請書の 領収書)についてスキャナー保存することにした 票の自動データベース化機能が備わっており、 書き方など、いろいろなアドバイスをもらうこと (図2)。2015年6月頃から検討を進め、同年11 監査などで原本データを探す際にも効率化が期 ができました」と話すのは、管理本部 経理財 月末までに申請・承認を得て、翌2016年3月か 待できます。また伝票番号を紐付けたことで、 務部 マネージャーの鹿島 忍だ。 らの会計年度に適用を開始した。 ERP上の仕訳伝票から原本PDFまで容易にた  このヒアリングを通じて、まず第1段階として、  従来ウイングアークでは、経費精算時に社員 どり着けるようになりました。さらに、データの 国税関係帳簿(仕訳帳、総勘定元帳、補助元 はワークフロー申請で請求書や領収書のデータ ライフサイクル管理機能を使って、法令や社内 帳など)、自社が発行する取引関係書類(請求書、 のみを入力し、紙の原本は別途社内で転送する 規定で定められた保管期間を過ぎたデータを自 見積書)を電子データとして保存することにした。 という方式を採っていた。 動消去することもできます」(鹿島氏)  「これらの書類の電子データ化には、“自社で  「最終的には、経理財務部がワークフロー上 最初の記録の段階から一貫して電子計算機を のデータと紙の原本を突き合わせて確認した上 実践と効果 使用して作成している”という要件を満たす必 で決裁処理を確定し、原本はファイリングして 監査対応時には、“検索”し、 要があります。ウイングアークでは、国税関係 いました。この方法だと経理財務部の業務に大 すばやく電子データを提示 帳簿はERPシステムの『GRANDIT』で、自社 きな負担がかかります。また、本社以外のオフィ “仕事の効率化が図れ業務の が発行する取引関係書類は自社製品の『Dr. スからは紙の原本を郵送する必要があり、最終 生産性が変わる。費用以上の効果” Sum EA』で管理しています。そこで第1段階と 確認までにタイムラグも生じてしまいます。そこで、  SPAを利用した電子データの保管について、 して、これらの書類について2014年夏から準備 SPAを利用して、スキャンしたデータを効率良 鹿島氏は次のようにメリットを話す。 をして11月末に申請・承認を受け、2015年3月 く保管できないかと考えたのです」(藤本氏) 「税務関連で管理しなければならない書類は、 から始まる会計年度から適用を開始しました」(藤  SPAを利用する際の流れは、次のようになる。 これまで段ボールで年間50箱ほどにもなりました。 本氏) 1.申請者は、請求書や領収書などの書類を複 今後は、その保管場所も管理の負担もほとんど 6
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不要になってい ります”とお伝えしたいです。費用以上の効果 できるようになります。SPAは活用の幅が広く、 きます。紙の原 を感じるはずです」(鹿島氏) 他にもいろいろと使えそうです」(鹿島氏) 本と突き合わせ  また、自社で発行する請求書などを既にSVF  また、藤本氏は電子化の意義を次のように語 る作業がなくな で作成している企業であれば、SPAを使うことで、 る。「文書の電子化の目的は、単なるコスト削 り、特に郵送の 一気通貫の電子帳簿対応システムを完成させる 減ではなく、業務の効率化、文書の共有や検 領収書タイムスタンプ タイムラグがあっ ことができ、そのメリットは大きい。 索の容易さによる、組織の業務を円滑に遂行で た本社以外の拠 きるところにあります。紙文書の電子化は、業 点において処理完了までの時間が短縮されまし 今後の展望 務全体のスピードに大きなインパクトをもたらし た。また、税務署の調査や監査対応などの場 今後の規制緩和にも対応し、 ます。検索や編集が容易になるという操作性の 面では、ファイリングされた紙を手繰るのでな スマホで撮影したデータを 向上、情報共有や伝達の容易さから生まれる く検索で素早く見つけることができます」 ワークフローで申請目指すは、 組織としての情報活用能力の強化へとつながる  e-文書法に関連した取引関係書類の電子デー 組織としての情報活用能力の強化 からです」 タ化のソリューションは他にもあるが、請求書  平成28年度税制改正では、スキャンしたデー  さらに、「紙文書そのものを電子化することで、 のみ/領収書のみ対応といったものや、管理す タだけでなく、スマートフォンなどで撮影したデー 電子システム上だけでは確認困難な証憑の情報 る書類の数量に応じた従量課金のものもある。 タでも同様に国税関係書類の原本として扱うこ (相手先発行番号、発行年月日、住所、電話番 それらに対しSPAは、請求書/領収書の両方 とが可能となる。これを受けて、ウイングアー 号など)も迅速に入手、活用することも可能と に対応できるだけでなく、他の様々な帳票類の クでは、アプリケーションから申請ワークフロー なります。内部統制システムの確立においても、 管理に活用することが可能で汎用性が高い。 までの連携を行っていく計画だ。現在のワーク 正確な情報の安全な管理だけではなく、業務 SPAを他の業務に使う場合でも、税務署への フローでは社員がスキャンする手間がかかるが、 全体を最適な形で遂行できている体制が求めら 申請は経理関連で使っている部分についてのみ スマートフォンの写真を使うようになれば、その れ、紙文書の電子化は、情報の管理と活用を で問題ない。 手間も軽減されると期待される。 両立する上でも大きな意義を持つと実感してい  「経理部門というのは、日常の業務を正確に  また、SPAで管理する電子データの活用も検 ます」と話す。 実施するのが大事な仕事です。大量の書類に埋 討している。  今後、国税庁の方針や会計・経理業務の現 もれる日 と々はいえ、それをなんとか処理してい  「今後の方向性の一つの案として、SPAと、 場においても電子化への波は益々加速していく る現状では、システム導入という新しい取り組 Dr.Sum EAを組み合わせて活用することも考え だろう。 みになかなか踏み出せないかもしれません。し ています。現状では、データの粒度の都合から、  単なるコストの削減や電子化への取り組みで かし、同じ経理部門で働く立場として、“仕事の 会計データまでの範囲で分析を行っていますが、 はなく、人が働きやすい電子化システムと情報 効率化を図ることができ、業務の生産性が変わ SPAと連携させればPDF原本までドリルダウン 活用基盤を目指し、チャレンジしていく考えだ。 従来:経理部門が一括計上された経費を 見てもわからない。各担当者に質問 マネージャー 項目 予算 4月 5月 累計 前年比 しないと対処できない。 交通費 部門別 会議費 締め日に、会議費が 事業別 交際費 前年オーバーしていると気づく 科目別 書籍 WF申請を検索、誰?いつ? ドリルダウン WF添付の証憑のPDFで 支払い明細を確認 気になる明細をクリック 証憑で確認 今後: 申申請請者者 ワークフロー 経経理理財財務務 会計(ERP) (Questetra) 部門長 経費申請 年間1万件 伝票No 承認 仕訳 伝票No 同期 付番 入力 Dr.Sum EA Datalizer 請 請 経営企画 領 原紙は経理へ 領 チェックして 原本を廃棄 経理 スキャン 自動取り込み 伝票No タイムスタンプ 内部監査 ※掲載内容は2016年5月現在のものです。 7
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株式会社松井製作所 製造:図面 グローバル&リアルタイムで 図面・技術情報などの機密情報へのアクセスコントロールを実施 ペーパーレスによる情報活用の新しい仕組みを構築 プラスチック成形に関わるあらゆる機器の開発・製造・販売までを、一貫して手がける株式会社松井製作所。世界各地に拠点を展開する同社では、グローバル規 模の図面・技術資料の共有・閲覧のための新たなネットワーク構築を決定。ウイングアークの電子活用ソリューションSPAを導入して、どこからでも必要な図面を すぐに参照できるシステムを構築した。その結果、従来は設計変更や新製品追加のたびに印刷物を制作・郵送していた手間やコストが大幅に減少。さらにアクセス 権限の厳格なコントロールが可能になり、情報管理の面でも大幅なガバナンス&セキュリティ強化が実現した。 採用の背景 導入ポイント 導入効果 ● 設計図面や技術資料の紙ベースでの運用に ● 世界のどこからでもすぐに文書を閲覧できる ● グローバル共通の仕様で、直感的に必要な よる非効率性 ● 貴重な技術情報を守れる高度で柔軟なセキュ 文書を探せる仕組みが実現 ● グローバルで情報を共有するための仕組み作 リティ機能 ● 厳格で細かなアクセスコントロールによる情 りが必須課題 報保護が可能に Company Profile  「従来の紙の図面や資料だと、場所によっては 図面を電子化して世界中どこからで 担当者が簡単に見ることができません。また各地 もセキュアに閲覧できる仕組みを! に配布した図面を、更新のたびに確実に差し替える  樹脂乾燥機や樹脂輸送機、金型温度調節器な といったことは、労力やコスト面でも、また確実さ 創  業 : ど、あらゆるプラスチック成形用合理化機器やシス の面でも至難の技です。そこでこれを電子データ 1912年3月 テムの開発・製造・販売までを手がけ、業界で独 化することで、世界のどこからでもすぐにアクセス 事業内容 : 自の地位を築いている松井製作所。同社ではアジア できる利便性と、すべてのドキュメントを本社でセ 金型温度調節機、樹脂乾燥機、輸送機、配 からアメリカ、ヨーロッパ、さらにはロシア、南アメリカ、 キュアに一元管理できる情報ガバナンス体制を一 合機、粉砕機&リサイクル機器その他、プラ アフリカにいたるまで、世界を網羅する販売・サービ 挙に実現しようと考えたのです」 スチック成形合理化機器・システムの製造販 売を手がけ、生産・販売からメンテナンスまで、 スネットワークを展開している。  紙の書類では、改訂図面の差し替え作業が 世界でも有数の規模を誇るグローバル拠点網  今回のSPA導入の背景には、そうしたグロー 間に合わずに現場が混乱することもあった。そ を展開している。 バルビジネスを支える新しい情報ネットワーク構 うした課題を解決する上で、「ペーパーレスを軸 U R L :http://matsui.net/jp/ 築という全社的プロジェクトがあったと、同社 とした最新データの一元管理と、ネットワーク グローバル事業推進カンパニー 情報システム部 を介した容易なアクセスの仕組み作り」は、同 主事 森口 知洋氏は明かす。 社のグローバル戦略を推進する上で不可欠の取 SPA 導入後の驚きの声! Before After 従来、設計図面や技術情報などを紙文 ドキュメントの更新・追加をグローバル 書で扱っていたが、改訂や新規追加の 規模で、しかもリアルタイムで共有でき たびに印刷し、郵送するには手間がか るようになり、ビジネスへの情報活用 かる。グローバルに拠点を展開している の可能性と効率が大幅にアップ。また ビジネスでは、情報共有のタイムラグは 各拠点に委ねられていた文書の扱いを 大きな業務上のロスであり、また情報 本社で一元管理し、アクセス権限など グローバル事業推進カンパニー の確実性にも不安が残る。ペーパーレ も厳格にコントロールできるようになっ 情報システム部 主事 ス化&ネットワーク化による、情報共有 たため、文書管理および情報活用にお 森口 知洋 氏( 写真左) の新しい仕組み作りは緊急の課題だった。 けるセキュリティが飛躍的に向上した。 グローバル事業推進カンパニー 情報システム部 主事補 籾山 耕一 氏( 写真右) 8
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り組みだったのだ。 を単位としたライセンス体系など、グローバルで の利用に便利な要件がそろっていたことも採用 アクセス権限を始め強力で柔軟な の重要なポイントとなった。 セキュリティ機能が採用の決め手  さっそく新しい文書アクセスの仕組みづくり 見たい図面が直感的に探せる独自の に着手した同社では、当初、既存のストレージ フォルダー構造で使いやすさをアップ システムに図面を置く方法を検討したという。  採用決定後、さっそく松井製作所では2017 透かしを設定した社外秘図面のサンプル だが本来そうした用途を想定したものではない 年2月からSPAの運用テストを開始。4月末には ため使い勝手が悪く、ライセンス費用の問題も 日本国内の関係部門全員によるテスト利用が始  「海外では回線速度の遅い拠点や、中国のよう あったため、改めて専用のソリューションを探す まった。1ヶ月後の5月末には海外の日本人社員 にVPNを通すと回線を止められてしまうなど、アク ことに決めたと森口氏は振り返る。 のテスト利用が始まるなど急ピッチで導入が進み、 セス環境が厳しい地域が各地にあります。そうし  その後4つの製品を比較検討したが、閲覧速度 早くも6月21日には海外の現地スタッフの利用者 た環境下で、とにかくインターネットが接続できさえ が速くてもライセンスがクライアントごとの課金な も加わって、ほぼ完全なグローバルでの運用が すれば、目的のファイルのあるサーバーにたどり着け ので価格が高くなる。あるいはセキュリティコント スタートした。 る仕組みを確保するのに苦労しました」 ロールに不安があるなど、どれも一長一短だった。  現在はまだ運用開始から2ヶ月足らずとあって、  ちなみにSPAではページ単位で処理を行うの そこでさらに新しい候補を各方面から探し、2016 ユーザー数も国内外合わせて300名強だが、今 で、もともとのファイルのPDFのページ数やデー 年10月からはSPAともう1製品に絞って比較・検 後の利用状況を見ながら順次規模を拡大してい タ容量サイズに影響を受けない。こうした仕組 証を進めた結果、2017年の年明けに正式に SPA く予定だ。 みも、回線条件のよくない場所での使用には有 の採用を決定したという。  今回の導入では、何より「誰でもすぐに使えるシ 利だった。  採用の決め手となったのは、比較検討した製 ステム」を心がけたと森口氏は強調する。  今回SPAは、IBM Bluemixに構築された同 品の中でもっとも情報セキュリティ機能が優れ  「現場の担当者には、PCの操作に詳しくない人 社の情報基盤に導入されている。 ていた点だと森口氏は言う。 も大勢います。そこで図面などの技術情報をシス  「当社としても、クラウド上にサーバーを立て  「特に評価したのは、業務の実態に即したア テムに載せるにあたっては、フォルダーを見れば るのは初めての経験でしたが、ウイングアーク クセス権限が設定できる点です。SPAはシステ 中身がイメージでき、直感的に探せる階層設計を の導入支援サービスなどを活用して、細かな疑 ム内に収められた図面や書類に対して、ユーザー どう実現するかに大きな力を注ぎました」 問や課題を解決しながら無事完了することがで やグループ、またはフォルダーなど、細かなレベ  具体的にはフォルダー名を「製品の機種シリー きました」(籾山氏) ルでのアクセス権限を設定可能です。このため ズ名」→「個別の機種名」→「各型式名」といっ 同じ一枚の図面であっても、人や部署、プロジェ た順に階層化し、大きなくくりから個々の製品まで グローバルでの情報共有の クトごとに閲覧を制限したり、閲覧はできるが 絞り込めるような構造を作った。またグローバルで プラットフォームとして育てていきたい 印刷は不可といったルールを、業務の要件に応 使うために、フォルダー名は英語に統一した。  松井製作所では今後のSPAの活用について、 じて柔軟に設定できるのです」  「使い勝手を良くするために、1つの機種に関 現在の設計図面や技術情報だけに限定せず、  他にも、日本語、英語、中国語の3種類のメ 係する各図面を結合して1ファイルにまとめました。 さらに幅広い活用の方法を探っていきたいと考 ニュー画面が選べる「多言語対応」や、サーバー しかしユーザーによってアクセス不可の部品図 えている。現在はグローバルの標準製品のドキュ 面もあるため、マルチリンク機能を使い、この メントだけに限定しているのを、各国や地域だ 中から必要なデータのみ閲覧できる仕組みを作 けで取り扱われているローカルの標準製品も新 導入製品・サービス 成しました」 しいフォルダーを設けて取り込めたらと森口氏  一方で、国によるネットワーク事情の違いを吸 は意気込む。 SPA 収する苦労があったと、SPAの運用を担当する、  「どんなファイルであれPDF形式に変換してあ PDF等の電子ファイルや、紙をスキャニングし て電子化したファイルをシームレスに保管し活 同社 グローバル事業推進カンパニー 情報システ ればSPAに載せることは可能です。そのシンプ 用できる電子活用ソリューション。 ム部 主事補 籾山 耕一氏は振り返る。 ルさを活かして、『グローバルでさまざまな情報 を見るための共有プラットフォーム』に育ててい 韓 国 フィリピン きたい。グローバルでの情報共有のフォルダー 台 湾 シンガポール を増やして、さまざまな利用部署に活用しても クラウド ベトナム 図面 技術資料 インドネシア らいたいと考えています」 タ イ マレーシア  そうした今後のシステム展開・活用に向けて、 インド インターネット メキシコ ウイングアークには技術面での提案・サポート ドイツ ブラジル を大いに期待したいと語る森口氏。世界を視野 中 国 日 本 アメリカ に成長を続ける松井製作所のビジネスの未来を、 営 業 技 術 営 業 技 術 営 業 技 術 SPAの情報共有プラットフォームがこれからも システム構成図 力強く支えていく。 ※掲載内容は2017年10月現在のものです。 9
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合同製鐵株式会社 製造 紙の連続帳票につきものの手作業を一掃して 月間およそ50時間の工数削減を実現 遠隔地からの書類参照もよりスピーディに 国内の製鉄会社の中でも、鉄筋用棒鋼や各種線材、構造用棒鋼など幅広い製品ラインナップで、多品種多機能メーカーとして独自の地位を確立している合同製 鐵株式会社。同社では鋼材製品を顧客に納入する際に添付が義務づけられている鋼材検査証明書(ミルシート)や請求書など膨大な量の紙帳票を、ウイングアー クの帳票基盤ソリューション「SVF」と電子活用ソリューション「SPA」の組み合わせで電子化。紙帳票では避けられなかった作成・取り扱いの労力やコストを大幅 に削減すると共に、顧客からの問い合わせなどにも文書検索機能を活用したスピーディな対応を可能にしている。 採用の背景 導入ポイント 導入効果 ● ドットプリンターと紙の連続帳票による手作 ● 簡単操作で業務に最適な電子帳票フォーム ● 紙帳票での手作業がなくなり、飛躍的な作 業が非効率的 が自由に作れる 業効率アップを実現 ●「 保存(保管)」することで、増え続けていた ● データ活用を支援する、強力な検索機能& ● 22万ファイルの膨大な帳票を確実に保管し、 情報をいかに活用するかが重要課題 セキュリティ 必要な時はすぐに検索&利用が可能 Company Profile が義務付けられている。同社 システム部 シ帳票作成・保存の効率アップを ステムグループ マネジャー 曽我部 貴志氏は、 目指して電子帳票への移行を決定 「ミルシートの確認が必要な場合も、ミルシー  鉄筋コンクリート建築に欠かせない鉄筋用 トの証明書を電子化しておけばシステム上で 創  業 : 棒鋼をはじめ、多種多彩な鋼材製品で社会イ 直接閲覧できます。その都度各地の営業所か 1937年12月 ンフラを支える合同製鐵株式会社(以下、合 ら保管場所である遠くの工場に確認依頼する 事業内容 : 同製鐵)。同社では2017年度から品質保証体 手間が不要になるのも、電子帳票採用の大き 土木建築分野での主要工法である鉄筋コンク 制の強化を掲げ、製造設備や検査機器などの な理由でした」と語る。 リート構造を支える鉄筋用棒鋼、さまざまな 都市インフラに活用される線材や形鋼、産業 設備投資を積極的に進めている。 自由度の高い帳票作成に加え、 機械などの主要部材となる構造用棒鋼など、  さらに一方では、より効率の良い業務フ 社会のインフラを支える鉄鋼製品の提供を通 ローと顧客へのサービス強化、コンプライア 強力な検索機能などが導入の決め手 じて社会に貢献している。 ンス体制の充実にも大きな力を注いできた。  具体的なソリューションの選定で重視した U R L : 2015年に導入したSVFとSPAによるミルシー のは、「メジャーな製品で、自由度が高いもの」 https://www.godo- steel.co.jp/ ト(鋼材検査証明書)と呼ばれる品質保証の 「基幹システムからの連携が容易で電子帳票 書類の電子化も、そうした取り組みの一環だ が作成できるもの」の2つ。紙の連続帳票で と、同社 システム部長 中森 弘之氏は語る。 はフォームが変更になるたび印刷会社に改訂  「ちょうどこの時期に基幹システムの更新 を頼まねばならず、「自分たちで自由に帳票 があり、これを契機に紙帳票の効率化に取り が作れる」ことが業務効率アップのカギと考 組むことを決めました。当初はSVF単体の えたのだ。 導入予定でしたが、その途中でSPAが発表  「そこでデモを見せてもらったところ、 になり、それなら電子化した帳票のデータ活 ExcelやWordから簡単に帳票を作成できる 用までを一気に実現しようと考えたのです」 のがわかりました。また既存の紙帳票をスキャ システム部長 中森弘之氏(写真左) それまで基本的に帳票類はドットプリンター ンして簡単にPDF化できる点も、評価の対 システム部 システムグループマネジャー  と複写式の連続帳票で作成していたが、ドッ 象でした」(曽我部氏) 曽我部貴志氏(写真右) トプリンターは障害発生時の取り扱いが複雑  こうした機能があらかじめパッケージされ だ。また連続紙を切り離し仕分けするといっ ていることで、開発コストが抑えられる点も た手作業も避けられない。 決め手になった。  また製鉄業では納品の際、ミルシートを発  今回の導入では、SVFとSPAの2つが同じ 行するが、重要書類のため10年以上の保管 ウイングアークの製品であることも重要だっ 10
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窓口への問い合わせから対応までの時間が大 紙帳票の手作業を一掃して、 幅に減った。 月間50時間という大幅な  現在は、内容確認やコピーでよい場合は、 工数削減が実現 SPAの検索機能を使って直接お客様とのや  今回のSVFとSPAによる帳票の電子化がも りとりに対応できるようになり、瞬時にファ たらした最大の成果は、帳票管理業務の大幅 イルを引き出せるため、数分から数時間内で な効率アップだ。曽我部氏が導入から2年間の 対応ができる。 実績を集計してみたところ、「全社で見て、月  原紙が必要な場合のみ、工場とやりとりを 間50時間くらいの工数が削減できました」と 実施するが、その場合も工場は紙の控えから 基幹システムからの連携により容易に電子帳票が作成でき ることがSVF採用の決め手にSVFで作成したPDFのミルシー いう。これまでの複写紙による連続帳票では、 探す手間が減っている。 ト 印刷した帳票の切り離しや控えを取る、仕分  セキュリティやコンプライアンス面でも、 けするといった作業が電子化でゼロになった 大幅な改善が実現した。「ミルシートは偽造 ことが、こうしためざましい省力化につながっ や改ざん防止のために、厳格なアクセスコン ている。 トロールが必要ですが、SPAならば、例え  「現場の社員からも、その都度用紙を手で ば管理部門は閲覧・印刷ができるが、販売部 めくったり切り離したりする手間が省け、そ 門は閲覧のみといった設定が可能です。同じ れだけで毎回30分~1時間はかかっていた単 部門でも、人単位で細かく権限を振り分ける 純作業がなくなって、非常に楽になったとい こともできます」(曽我部氏) う声をもらっています」(曽我部氏)  新システムはWindowsの認証基盤である  この画期的な成果が認められ、システム導 Active Directory(以下、AD)と連携できるた 厳格なアクセスコントロールが必要なミルシートSPAで部門 入から1年後の2016年夏には、システム部お め、ADのアクセス権で自動的に電子帳票シ 単位・人単位で細かく権限を振り分ける よび関係者全員が業務改善の社長表彰を受け ステムに入れる便利さも、現場には好評だ。 た。ここでは単なる工数削減だけでなく、現  また社員が別の部署に移動した場合も、 たと中森氏は指摘する。 場が抱えている業務面での課題や要望を解決 ADの所属情報を変更すればファイルへのア  「当初はSVFで作成したPDFを、別の帳票 した点が、会社から高く評価された。 クセス権も自動的に更新されるため、管理者 システムで使う方法を考えていました。しか  「システム導入を上層部に提案した際も、 の負荷削減と人手による変更ミスの根絶が一 しそれだと、連携の部分を別に開発しなくて 基幹システムの更新と、この電子帳票システ 挙に実現した。 はならない。ウイングアークの製品同士なら、 ムを組み合わせることで、単純な老朽更新で あらかじめ連携も保証されている安心感があ はなく働き方の効率アップが実現できる点を SVFへの完全移行を目標に、 りました」 強く訴えました。それが実績として認められ さらなるデータ活用の  ミルシートは鋼材製品の品質を証明する重 たと思っています」(中森氏) 可能性を目指す 要文書なので、ふさわしいセキュリティやコ  顧客サービスの品質向上にも、新しい電子  現在は管理部門と販売部門、あわせて30 ンプライアンス機能も必須要件だった。紙の 帳票システムは貢献しており、顧客から販売 名程度が利用しているが、当面の目標は、ま ミルシートは官公庁でも利用されている、偽 造防止用紙を採用し、合同製鐵専用のものを 活用し、他社との違いと偽造がわかるように DB Server している。 メール送信 データ取得  これを電子保管から印刷したものと区別す Web/AP ServerSVF Server ユーザーアプリケーション るため、PDF化してSPAで保管し、印刷す UniversalConnect/X UCXSingle ると「コピー」の透かしが表示される、といっ SVF for PDF DR(Disaster Recovery)環境 拠点印刷 た設定にした。 RDE SVF Server  さらに、もう1つの採用の決め手がSPAの ユーザーアプリケーション SPA Server 強力な検索機能だったと曽我部氏は語る。 Web API での PDFアーカイブ DB Server  「ミルシートは製品それぞれに添付される SPA Server SVF for Web/Client (ActiveX) ため、ファイル数は増えていく一方で、シス テム稼働から丸2年ですでに22万ファイルに 業務A 電子文書参照、印刷 達しています。こうした膨大なファイルを長 PDF閲覧・印刷業務B 期間、確実に保管し、必要ならばすぐに検索 業務C できなくてはなりませんが、SPAなら可能 と聞いて導入を決めました」 システム構成図 ※掲載内容は2018年1月現在のものです。 11
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だ社内に残っているドットプリンターと複写 バージョンだったため、同社の期待する機能 日本のベンダーは安心ですが、東京から大阪 紙の連続帳票を、すべてSVFに移行するこ がまだまだ十分ではなかった。このため実際 の当社まで開発責任者が来てくれる会社は少 とだと中森氏は語る。 にシステムを使いながら課題や要望出しを行 ない。こちらの要望をきちんとヒアリングし  「将来的には基幹システムとの連携などの い、それをウイングアークの営業担当者や技 て、それらを機能に反映するべく取り組んで 構想もありますが、まずは私たちシステム部 術陣が検討しては、バージョンアップの際に くれたのは非常にありがたいと思っています」 の力量と照らし合わせながら、着実に前へ進 新機能として盛り込むといった、ユーザーと と語る。 んでいきたいと考えています。そのためにも、 ベンダーの二人三脚での機能改善を進めてき  さらなる業務効率アップとサービス品質向 ウイングアークには、これまで以上の協力や た経緯がある。当時を振り返って中森氏は、 上に向けて前進を続ける合同製鐵の取り組み 提案を期待しています」 「外資系ソフトだとこちらの要望が本社の開 を、SVFとSPAによる新しい電子帳票シス  合同製鐵が2年前に導入したSPAは最初期 発陣にまで伝わらないことも多い。その点、 テムがさらに加速していく。 www.wingarc.com [ 本 社 ]〒106-6235 東京都港区六本木3-2-1 六本木グランドタワー TEL:03-5962-7300(代) [ 大 阪 ]〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1-8-17 大阪第一生命ビル 11F TEL:06-6225-7481 [名古屋]〒450-6324 愛知県名古屋市中村区名駅1-1-1 JPタワー名古屋 24F TEL:052-562-5300 [ 福 岡 ]〒812-0011 福岡県福岡市博多区博多駅前1-15-20 NMF博多駅前ビル 2F TEL:092-292-1092 [ 仙 台 ]〒980-0021 宮城県仙台市青葉区中央2-2-10 仙都会館ビル 6F TEL:022-217-8081 [ 札 幌 ]〒060-0808 北海道札幌市北区北8条西3-32 8・3スクエア北ビル8F TEL:011-708-8123 [ 新 潟 ]〒950-0911 新潟県新潟市中央区笹口1-26-9 大和地所新潟笹口ビル 4F TEL:025-241-3108 [ 広 島 ]〒730-0022 広島県広島市中区銀山町3-1 ひろしまハイビル21 16F TEL:082-535-5291 〇各製品・サービスの仕様、デザイン等は、改良のため予告なく一部変更することがあります。〇記載の会社名・製品名等は、弊社および各社の商標または登録商標です。 CS2001A1805