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化粧品は機能だけでなく、塗布感などの使用感も重要
◆背景
・化粧品は機能だけでなく、塗布感などの使用感も重要
・従来の塗布感の定量化手法:レオロジー測定
課題:レオロジー測定と官能評価結果が一致しないことがある
塗布感には、サンプルの変形、流動だけでなく、摩擦、潤滑も影響
・トライボロジー測定の併用により、より正確な塗布感の定量化
◆レオロジー測定、トライボロジー測定によるハンドクリーム塗布感評価の実現
ハンドクリームの塗布感を官能評価により定量化
レオロジー測定、トライボロジー測定結果と官能評価結果を比較
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このカタログについて
ドキュメント名 | レオロジー、トライボロジーによるクリーム塗布感の評価 |
---|---|
ドキュメント種別 | 製品カタログ |
ファイルサイズ | 1.4Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 株式会社アントンパール・ジャパン (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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レオロジー、トライボロジーによる
クリーム塗布感の評価
株式会社アントンパール・ジャパン
〇梶田康仁,山縣義文,宮本圭介
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背景
化粧品は機能だけでなく、塗布感などの使用感も重要
従来の塗布感の定量化手法:レオロジー測定
課題レオロジー測定と官能評価結果が一致しないことがある
塗布感には、サンプルの変形、流動だけでなく、摩擦、潤滑も影響
トライボロジー測定の併用により、より正確な塗布感の定量化
目的 レオロジー測定、トライボロジー測定によるハンドクリーム塗布感評価の実現
ハンドクリームの塗布感を官能評価により定量化
レオロジー測定、トライボロジー測定結果と官能評価結果を比較
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コンセプト ~評価対象の塗布感と評価法~
従来:レオロジー 本研究:トライボロジーの併用
流動、変形 摩擦
流動
摩擦 摩擦
流動
変形 塗布 塗布後
塗り始め 塗り広げ 2秒間の塗布後 塗布完了直後
塗布感:軽さ 塗布感:滑らかさ 塗布感:べたつき 塗布感:べたつき
塗布
塗布感:伸びの良さ
5つの項目について、レオロジー、トライボロジーにより定量化
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官能評価による塗布感の定量化
サンプル 評価項目と結果(α値)
市販のハンドクリーム 軽さ
A, B, C, D (塗り始め)
1.5 ↑軽い
1
D 0.5
方法 伸びの良さ 滑らかさ
B 0
一対比較法(5段階評価) (塗布時) -0.5 C (塗り広げ)
-1
1評価のサンプル量:各0.4ml 伸びが良い 滑らか
-1.5 A 有意水準
シェッフェの原法 全項目(**)
(中屋の変法)を用いて解析 1%の危険域で有意
べたつかない
パネル べたつき※ べたつき※
個人の好みによ
一般消費者6名(弊社社員) (塗布完了後) (2秒塗布後) る差も有意(*)
※べたつき:塗布面に対して手を垂直に 5%の危険域
動かした際に感じるべたつき
全項目において、有意な結果が得られた
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官能評価による塗布感の定量化
サン軽プさルの要因 評価項目と結果(α値)
市販のハンドクリーム 軽さ
A, B, C, D (塗り始め)
1.5 ↑軽い
1
D 0.5
方法 伸びの良さ 滑らかさ
B 0
一対比較法(5段階評価) (塗布時) -0.5 C (塗り広げ)
クリームの流動開始 伸びが良い -1
1評価のサンプル量:各0.4ml 滑らか
-1.5 A 有意水準
シェッフェ→のひ原ず法み分散 全項目(**)
(中屋の変法)を用いて解析 1%の危険域で有意
べたつかない
パネル べたつき※ べたつき※
個人の好みによ
一般消費者6名(弊社社員) (塗布完了後) (2秒塗布後) る差も有意(*)
※べたつき:塗布面に対して手を垂直に 5%の危険域
動かした際に感じるべたつき
全項目において、有意な結果が得られた
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レオロジー測定(ひずみ分散)
サンプル 測定結果
市販のハンドクリーム
A, B, C, D A
C
B
セットアップ D
アントンパール社製
レオメーター
MCR302 線形領域のG‘
官能評価と順位が一致
コーンプレート
直径50mm
角度1°
測定条件
温度 :30 ℃(皮膚温度)
ひずみ :0.01~1000 %
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【考察】線形領域のG’と軽さの官能評価結果
線形範囲におけるG‘と軽さの官能評価結果の関係
8000
A R² = 0.9615
6000
4000 C
B
2000
D 塗り始め
0 ・皮膚間の接触なし
-2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0 ・サンプル構造も破壊されていない
α値 [-](→軽い) →構造破壊前のG’(≒|G*|)が「軽さ」を決定
塗り始めの軽さは、線形領域におけるG’で評価可能
線形範囲におけるG’[Pa]
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官能評価による塗布感の定量化
サン滑プらルかさの要因 評価項目と結果(α値)
市販のハンドクリクーリムームの流動 軽さ
A, B, C, D →粘度曲線 (塗り始め)
1.5 ↑軽い
1
D 0.5
方法 伸びの良さ 滑らかさ
B 0
一対ク比リ較法(5段階評価)
(塗布時) -0.5 (塗り広げ)
ームを介した肌と肌の摩擦 C
-1
1評→価スのサトンラプイルベ量ッ:各ク0.カ4mーl
伸びが良い 滑らか
ブ -1.5 A 有意水準
シェッフェの原法 全項目(**)
(中屋の変法)を用いて解析 1%の危険域で有意
べたつかない
パネル べたつき※ べたつき※
個人の好みによ
一般消費者6名(弊社社員) (塗布完了後) (2秒塗布後) る差も有意(*)
※べたつき:塗布面に対して手を垂直に 5%の危険域
動かした際に感じるべたつき
全項目において、有意な結果が得られた
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レオロジー測定(粘度測定)
サンプル 測定結果
市販のハンドクリーム
A, B, C, D
セットアップ A 塗布
アントンパール社製 B
レオメーター
C
MCR302
D
コーンプレート
直径50mm
角度1°
測定条件
温度 :30 ℃(皮膚温度)
せん断速度:0.001~1000 1/s
高せん断速度域において、粘度の順位や振舞いが似ている
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【考察】粘度と滑らかさの官能評価結果
粘度と官能評価結果の関係
1 A
A R² = 0.9072
0.8 B
0.6 B
C
0.4 C D 流動
0.2 D
0
-2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0 摩擦
α値 [-](→滑らか) B、Cの粘度の順位は
せん断速度に依らない
B、Cの順位が官能評価と一致しない 摩擦が考慮されて
→せん断速度に依らず
いないため?
官能評価と一致しない
相関性は高いが、順位が一致しなかった
1000 1/s での
粘度 [Pa・s]
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トライボロジー測定
サンプル
市販のハンドクリーム
A, B, C, D 測定部(トライボロジー用に測定部パーツを交換)
セットアップ ボール オン スリーピンズ ボール
アントンパール社製
レオメーター
MCR302 ボール
ピン
ピン
トライボロジーセル
測定条件 塗布感の定量化
温度 :30 ℃(皮膚温度)
サンプル ある程度実際の系を模倣
すべり速度:0.01~1000 mm/s すりガラス ・ラフネスの大きな材料
サンプル量:0.4 ml PDMS ・柔らかい材料
ピンへの荷重:1 N ホルダー(温調)
指や肌の完全模倣ではなく、塗布感評価可能かつシンプルな系の構築を目指す
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トライボロジー測定
サンプル 測定結果
市販のハンドクリーム
A, B, C, D
セットアップ
アントンパール社製 塗布
A
レオメーター
MCR302
トライボロジーセル C
測定条件 D
温度 :30 ℃(皮膚温度) B
すべり速度:0.01~1000 mm/s
サンプル量:0.4 ml
ピンへの荷重:1 N
粘度とは順位が異なり、またすべり速度によって摩擦係数の順位も変化した
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【考察】摩擦係数と滑らかさの官能評価結果
摩擦係数と官能評価結果の関係
0.08
AA R² = 0.7428
CC
0.06
0.04 BB
DD
0.02
0
-2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0
α値 [-](→滑らか)
R2値は小さいが、B、Cの順位一致
300 mm/s での
摩擦係数 [-]
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【考察】摩擦係数と滑らかさの官能評価結果
粘度、摩擦係数と官能評価結果の関係
0.08
A
0.06 C R² = 0.7428
0.04
B D
0.02
重回帰 R2
2 = 0.999
R 値は01小さいが、B、Cの順位一致
A 分析 B、Cの順位も一致
0.8 R² = 0.9072
0.6 B
0.4
C
0.2
D
0
-2.0 0.0 2.0
α値 [-](→滑らか)
1000 1/s での 300 mm/sでの
粘度 [Pa・s] 摩擦係数 [-]
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【考察】摩擦係数と滑らかさの官能評価結果
粘度、摩擦係数と官能評価結果の関係
0.08
A 1
0.06 C R² = 0.7428 280~350 mm/sで
0.98
0.04 A、B、C、Dの順位一致
B 重回帰
D
0.02 分析 0.96 官能評価でのすべり速度
R2値は1小さいが、B、Cの順位一致 各すべり速度
0 約300 mm/s
A +
0.8 R² = 0.9072 →すべり速度が重要
せん断速度 0.94
0.6 B 1000 1/s
0.4 0.92
C
0.2
D
0 0.9
-2.0 0.0 2.0 10 100
α値 [-](→滑らか) すべり速度 [mm/s]
滑らかさは粘度と相関性が高く、摩擦係数での補正でより正確に評価可能
1000 1/s での 300 mm/sでの
粘度 [Pa・s] 摩擦係数 [-]
R2 値
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官能評価による塗布感の定量化
サン2プ秒ル塗布後のべたつきの評要価因項目と結果(α値)
市販のハンドクリーム 軽さ
クリームの流動
A, B, C, D (塗り始め)
→粘度曲線 1.5 ↑軽い
1
D 0.5
方法 伸びの良さ 滑らかさ
B 0
一対比較法(5段階評価) (塗布時) -0.5 C (塗り広げ)
-1
1評肌価との肌サのンプ摩ル擦量:各0.4ml 伸びが良い 滑らか
-1.5 A 有意水準
シェ→ッスフェトのラ原イ法ベックカーブ 全項目(**)
(中屋の変法)を用いて解析 1%の危険域で有意
べたつかない
パネル べたつき※ べたつき※
個人の好みによ
一般消費者6名(弊社社員) (塗布完了後) (2秒塗布後) る差も有意(*)
※べたつき:塗布面に対して手を垂直に 5%の危険域
動かした際に感じるべたつき
全項目において、有意な結果が得られた
Page18
【考察】摩擦係数、粘度と2秒間の塗布後の
べたつきの官能評価結果
摩擦係数、粘度と官能評価結果の関係 各すべり速度、せん断速度でのR2値
0.12
A すべり速度 [mm/s]
0.08 R² = 0.9686 0.1 1 10 100 1000
1.0
0.04
C D 0.8
B
100 0.6
80 A R² = 0.6979
すべり速0.4度が小さい領域で
60
特にR2値が大きい
40 B 0.2
20 C
D 0.0
0 0.001 0.1 10 1000
-1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0
せん断速度 [1/s]
α値 [-](→べたつかない)
2秒間塗布後のべたつきは、摩擦が支配的であることが分かった
0.001 1/s での 1 mm/s での
粘度 [kPa・s] 摩擦係数 [-]
R2値
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官能評価による塗布感の定量化
サンプル 評価項目と結果(α値)
市販のハンドクリーム 軽伸さびの良さの要因
A, B, C, D (塗り始め) クリームの流動
1.5 ↑軽い
1
D 0.5
方法 伸びの良さ 滑らかさ
B 0
一対比較法(5段階評価) (塗布時) -0.5 C (塗り広げ)
-1
1評価のサンプル量:各0.4ml 伸びが良い 滑らか
-1.5 A 乾燥による摩擦感変有化意水準
シェッフェの原法
→乾燥過程のトライ全ボ項ロ目(ジ*ー*測)定
(中屋の変法)を用いて解析 1%の危険域で有意
肌と肌の摩擦
べたつかない
パネル べたつき※ べたつき※
個人の好みによ
一般消費者6名(弊社社員) (塗布完了後) (2秒塗布後) る差も有意(*)
※べたつき:塗布面に対して手を垂直に 5%の危険域
動かした際に感じるべたつき
全項目において、有意な結果が得られた
Page20
乾燥状態のトライボロジー測定
サンプル
市販のハンドクリーム
A, B, C, D 乾燥過程の測定
セットアップ 繰り返しストライベックカーブを取得
アントンパール社製 ※1回目の測定は慣らし運転、2回目以降のデータを採用
レオメーター
MCR302
乾燥
トライボロジーセル
測定条件
温度 :30 ℃(皮膚温度)
すべり速度:0.01~1000 mm/s
サンプル量:0.4 ml
ピンへの荷重:1 N