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Celeroton社製気体軸受の技術概要

ハンドブック

Celeroton社製気体軸受の機能性や特長、設計する際の課題について紹介

Celeroton社製気体軸受は動圧方式の軸受で、長寿命かつ完全オイルフリーの運用が可能です。またさまざまな気体に対応できます。ここでは、気体軸受の機能性や特長や今後の展望を説明します。

このカタログについて

ドキュメント名 Celeroton社製気体軸受の技術概要
ドキュメント種別 ハンドブック
ファイルサイズ 220.6Kb
登録カテゴリ
取り扱い企業 日本シュネーベルガー株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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技術概要 気体軸受 序論 最高の純度とメンテナンスフリーを実現する気体膜の軸受:気体軸受は寿命を延ばすだけでな く、完全なオイルフリー運転を可能にします。Celeroton社の気体軸受を使用することによ り、さまざまなガスに対して可能な限りの最高速度が達成できます。 1. 機能性 気体軸受は、駆動システムの歴史を通じていくつかの場面 で登場し、1950年代から60年代にかけ航空および航空宇宙 での薄膜軸受の適用において最初の商業的な成功を収めま した。気体軸受は一般的に「流体軸受」または「空気軸 受」とも呼ばれます。これは、例えばローターステーター システムの軸受が、ローターとステーターケースの間の薄 い気体膜から形成されていることを意味します。必要な揚 力を確立するために、気体膜に過圧が組み込まれており、 たわみとともに力は増加します。気体はローターのたわみ に対して力を及ぼし、ステーターケースの中央に保持する ため、ステーターとローター間の非接触軸受が保証されま す。ガスクッションに必要な主な技術的特性は、ガスクッ 図1 気体軸受 ションが不均衡や振動などの混乱を吸収するために、適切 な剛性と減衰を備えていることです。右図は、気体軸受と 転がり軸受ローターのプロファイル例を示しています。 図2 転がり軸受 1
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基本的に気体膜による圧力の上昇方法には2つ方法があり ます。1つは、いわゆる外部加圧気体軸受で、もう1つは自 己作用型気体軸受です。 外部加圧気体軸受では、エアギャップ内の圧力は外部圧力 供給によって確保されます。ローターは、圧力供給の適切 な実装により、ステーターケースの中央に維持することが できます。多孔質材料またはインジェクターの配置により 静止状態から静止摩擦なしで回転を実現できます。 自己作用型気体軸受では、気体膜内の圧力は、ステーター に対するローターの回転によって発生します。外部からの 圧力供給は不要であるため、システム全体がかなり簡単で コンパクトになります。ただし、ローターは最小回転速 度、いわゆるリフトオフ回転速度で運転する必要がありま す。この速度以降であれば、気体膜の力の蓄積は重力に打 ち勝つのに十分な大きさです。揚力に加えて、剛性とクッ 図3 外部加圧気体軸受 ション性は外部加圧気体軸受とは異なります。これらの気 体軸受は、回転速度に強く依存します。このタイプの気体 軸受は、外部からの圧力供給なしでよりコンパクトな設計 を可能にするため、Celeroton製品に適用されています。 図4 自己作用型気体軸受 2
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2. 長所と短所 転がり軸受と比較した気体軸受技術の長所と短所は、次のように要約できます。 長所 長寿命 100%オイルフリー 短所 より複雑なローター構造 より厳しい製造公差が必要 さまざまな軸受のより詳細な技術比較はこちらでご覧いただけます。 3.気体軸受駆動システム設計の課題 気体軸受の動作は、軸受クリアランス内の気体の粘度に強く依存します。そして、粘度は気体の温度と期待自体に依存 します。気体軸受は、これらのパラメータの予想範囲および全速度範囲にわたって、製造公差の範囲で安定して動作す るように設計されています(たとえば、最小の気体軸受クリアランスは高温および最高速度で、最大のクリアランスは 中速および低温で重要になる可能性があります。)。さらに、気体軸受は全速度範囲(通常、低速が高速よりも重要であ る)全域で必要な最大衝撃および振動レベルに耐えるように設計されています。 気体軸受を備えた高速ターボコンプレッサを設計する際の特定の課題: ・気体軸受は、以下を含むすべての予想される動作条件に対して堅牢に機能する必要があります。 -同じコンプレッサ内の混合した気体の変化による粘度の変化。たとえば、システムが完全に密閉されていない希ガ ス冷却アプリケーションでは、気体混合物にさまざまな割合の空気が含まれます。 -さまざまな高度での運転に起因する変動する圧力レベル。たとえば、モバイルアプリケーションの燃料電池、希ガ ス再循環アプリケーションの動作点固有のインレット圧力レベル、またはヒートポンプの熱交換器の温度依存圧力レ ベル。 -広範囲における動作点では軸受クリアランス内のガス温度を大きく変化させます。たとえば、コールドスタート時 の-30℃の周囲温度と内部損失によって加熱された場合の200℃(華氏329°)の間。 -高レベルの振動や衝撃下での信頼性の高い動作。自動車用途で最大25Gの衝撃。 ・システムの気体軸受、ローターダイナミクス、および熱力学的挙動は強く結びついています。したがって、システム 全体が完全に機能することを保証するには、学際的な設計が必要です。 ・熱力学、モーター、気体軸受の全体的な効率を最大化する必要があります。 これにより、個々の最大効率を組み合 わせて使用する場合とは異なるソリューションが得られることがよくあります。 ・堅牢で安定した製品シリーズを製造するには、設計段階で製造公差をすでに考慮する必要があります。 ・最後になりましたが、システム全体を生産するには経済的でなければなりません。 回転速度を上げると、設計上の課題が大幅に増加します。次の考慮事項が必要です。 ・回転速度が高いほど、パフォーマンスは向上しますが、損失も大きくなります。これらのより高い損失は、その後、 特にローターでより高い温度をもたらします。 ・安定した気体軸受に必要な減衰は、回転速度が高くなるにつれて増加します。 ・回転速度を上げると小型化につながりますが、それに応じて製造公差を厳しくする必要があります。
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燃料電池に空気を供給するためのCeleroton社のターボコンプレッサCT-2Xシリーズのような空気軸受は、動作中に予想 される粘度、温度、および圧力範囲に従って設計されていますが、空気のみが対象です。空気以外の気体の場合、例: 粘度が異なる希ガスまたは不活性ガスは、気体軸受の挙動が異なるため、通常、空気用に設計されたコンプレッサは直 接適用できません。ただし、気体軸受は新しい気体特性と動作仕様に適合させることができます。さまざまな不活性ガ スと希ガスで動作するCelerotonターボコンプレッサCT-NG-2000の場合、いくつかの気体においてすでに利用可能な気 体軸受設計があります。 空気軸受付き製品の詳細については、製品パンフレットをご覧ください。 CT-2Xシリーズ CT-NG-2000 国内総代理店 日本シュネーベルガー株式会社 〒105-0001 東京都港区虎ノ門3-20-5 クレイン虎ノ門ビル7階 TEL: 03-6435-7474 FAX: 03-6435-7475 Mail: Sales-Japan@schneeberger.com URL: https://www.schneeberger.com/ja/