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過酸化水素蒸気による微生物除染

事例紹介

初めてVHPモニタリングの電気化学式の過酸化水素センサを導入したドレーゲル・セイフティー ジャパン株式会社の製品カタログです。

【掲載内容 ※詳しくはカタログをご覧ください。】燻蒸消毒中の装置の外部にいる担当者を、誤って放出される過酸化水素蒸気の濃度の低下をモニタリングして、燻蒸された品々を取り出すために担当者が安全に入室したり、菌に敏感な物質を中に持ち込んで次に処理できるようにしたりする、過酸化水素蒸気による微生物除染

このカタログについて

ドキュメント名 過酸化水素蒸気による微生物除染
ドキュメント種別 事例紹介
ファイルサイズ 922.7Kb
登録カテゴリ
取り扱い企業 ドレーゲルジャパン株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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Application Note 過酸化水素蒸気による微生物除染 はじめに 1994 年に、ドレーゲルは、低濃度の過酸化水素蒸気(VHP; Vaporized Hydrogen Peroxide)をモニタリングするための初の 電気化学式の過酸化水素(H2O2)センサを導入しました。 過酸化水素は、バクテリア胞子やその他の微生物を死滅させるそ の生理活性効果により、微生物除染のための物質として選ばれて います。過酸化水素は、充填用機械、アイソレータ、グローブボック ス、または部屋全体に使用されます。 市場セグメント • 医薬品業界 • ヘルスケアおよび病院 • 食品および飲料品業界 • ラボおよびクリーン ルーム • 畜産 • 暖房・換気・空調システム(HVAC)の除染 • 凍結乾燥器の除染 ドレーゲル・セイフティージャパン株式会社 1 2011 年 6 月
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説明 液体の過酸化水素水を活発に蒸発させることにより過酸化水素蒸気を生成します。次に、この蒸気 を密閉された空間に解放または注入します。微生物の高い除染率を実現するには、高い濃度が必 要です。 しかし、過酸化水素蒸気も人に有害な物質と見なされており、作業現場での限界値が定義されてい ます。したがって、燻蒸消毒中の装置の外部にいる担当者を、誤って放出される過酸化水素蒸気か ら保護する必要があります。除染サイクルの後、通気とパージによる過酸化水素蒸気の濃度の低 下をモニタリングして、燻蒸された品々を取り出すために担当者が安全に入室したり、菌に敏感な 物質を中に持ち込んで次に処理できるようにしたりします。 除染のための蒸気を供給する可動式の過酸化水素発生器も人に害を与えることがあります。した がって、過酸化水素をモニタリングして、発生器や接続ホースの近く、または周りの不必要な漏れを確 認する必要があります。 医薬品製造管理および品質管理基準(GMP)の要件に従って設置のリスク評価を行い、すべての潜 在的な危険を特定し、曝露を制御するための対策、関係者に使 用する保護装置、危険時の対処方法を定義する必要があります。 安全性の目標: 作業現場の安全性 漏れの検知 安全な入室とアクセスを確保するための放出 周期パラメータの制御 フィルタまたはスクラバの後の放出モニタリング これらの安全性タスクのためにドレーゲルが提供するさまざまな 過酸化水素検知機器: ドレーゲル検知管によるスポット測定 ポータブルガス検知警報器を使用した連続モニタリング 定置式ガス検知器による低濃度および高濃度のポイント ダクトに接続された定置式ガス検 およびエリア モニタリング 知器のリモートセンサアダプタ(中 央上部の黒い部分) 課題 過酸化水素蒸気の特性 過酸化水素蒸気は、ガスではありません。これは、空気中の濃度が特定の温度における蒸気圧を 超えないことを意味します。相対濃度が飽和濃度(露点)に達すると、過酸化水素蒸気はエアロゾル としてか、または任意の表面の上で凝縮を開始します。 過酸化水素は水に完全に溶解します。このアプリケーションでは、30~35 %の過酸化水素水が一 般的です。水の蒸発は過酸化水素の 15 倍顕著であるため、この溶液をヒートプレートなどの上で 活発に蒸発させて、H2O2 を空気中に放出する必要があります。 過酸化水素蒸気は、凝縮水に触れると溶液になります。周囲の空気中の過酸化水素蒸気の濃度 は低下していきます。 ドレーゲル・セイフティージャパン株式会社 2 2011 年 6 月
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過酸化水素は安定した物質ではありません。酸素と水に分解するため、過酸化水素の濃度は連続 して下がっていきます。水溶液では、安定化剤を添加して濃度を安定させます。活発な蒸発が行わ れるため、これらの安定化剤も燻蒸消毒された空気中に分散します。 過酸化水素は「粘性の高い」物質です。吸収や表面への吸着によって濃度の低下が観察されること があります。低濃度の過酸化水素蒸気の表面への飽和は、高濃度での飽和よりも大幅に長い時間 がかかります。測定は影響を受け、測定値は小さくなります。ポンプ吸引のシステムでは、過酸化水 素がセンサに届く前にホースがその一部を吸着するので、この点を考慮することが重要です。 ドレーゲルでは、過酸化水素蒸気を体積濃度(ppm)で測定しています。 材料適合性 過酸化水素蒸気は化学的反応性が高い物質です。ドレーゲルのガス検知器やセンサは、化学薬品 耐性を持つプラスチック、PA12(ポリアミド 12)製で、仕様で指定された環境条件下や意図する用途 では分解されることはありません。過度の過酸化水素蒸気が存在する場合は、ガスに曝される部分 をセンサの口の部分だけにしなければなりません。指定された条件以外や意図する用途以外に使 用する場合は、装置のユーザによる検証が必要です。 校正 時間の経過とともに予測できないドリフトや感度の低下が発生することがあるため、センサは定期 的な校正が必要です。前述の物理化学的特性により、過酸化水素蒸気を使用した校正は容易に実 行できません。ラボの条件下のツールで過酸化水素蒸気を発生させ、分析装置を使用して検証す る必要があります。これは現場では実行できません。 ドレーゲルのセンサは、工場で予め校正データがセンサ内のメモリに保存されたセンサを出荷して います。再校正の際には、センサをガス検知器から取り出し、ドレーゲルのフランスのサービスセン ターに送ることで、過酸化水素蒸気を使用した校正を行うことができます。その間は、交換用センサ を代わりに使用して測定タスクを実行できます。センサは、校正前後の読み取り値が記載された校 正証明書とともに送り返されます。 ドレーゲルの過酸化水素用センサでは、二酸化イオウに対する感度が付帯的に分かっています。 新しいセンサの許容値は±10%です。安全上と信頼上の理由により、二酸化イオウを使用した代替 校正よりも、過酸化水素を使用した測定対象ガスの校正を優先させる必要があります。 性能仕様の詳細については、センサのデータシートを参照してください。 ドレーゲル・セイフティージャパン株式会社 3 2011 年 6 月
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ドレーゲルのソリューション 作業現場の安全性と漏れ検出 ポータブルガス検知警報器は、場所を問わず吸い込む ガスによる曝露から担当者を保護し、警報を発すること ができます。 定置式ガス検知器はエリア全体をモニタリングします。ガ スの存在を高い信頼性で迅速に警告するには、定置式 検知器を適切な場所に配置することが非常に重要です。 このため、ガスの分布や対流を調べ、考慮する必要があ ります。 エア フロー パターンの確認 エア フロー パターンや流れをドレーゲル フローチェックを 使用して可視化し、仮定を確認することができます。 サイクル パラメータの制御と安全な入室のための対策 アイソレータやクリーンルームの除染サイクルは、 大で 4 つのフェーズに分割されます。燻蒸消 毒サイクルの 初のフェーズは除湿です。このフェーズでは、部屋から除湿器まで空気を循環させ て湿度を下げます。このフェーズの所要時間は約 20 分間です。コンディショニングまたは「ガス供 給」フェーズでは、過酸化水素蒸気が事前に設定された注入速度で室内に活発に注入されます。こ の結果、室内の過酸化水素蒸気の濃度が急速に上がり、事前に設定されたレベルに達します。通 常は、このフェーズの所要時間は 30 分間です。除染は「滞留」フェーズと呼ばれることもあります。こ のフェーズでは、事前に設定された時間、濃度を一定に保つために、定流量の過酸化水素蒸気が指 定された注入速度で維持されます。また、このフェーズでは、実証済みの微生物死滅レートに達する ように、事前に定義されたプロセス パラメータを適用する必要があります。通気がサイクル内の も 長いフェーズです(約 5 時間)。室内への VHP の注入が停止され、空気がスクラバやフィルタを通じ て循環されるか、新鮮な空気と入れ替えられて、過酸化水素蒸気の濃度は事前に指定されたしき い値未満まで下がります。 試運転中に、医薬品製造管理および品質管理基準(GMP)規制に準拠した化学指標(CI)と生物指 標(BI)を使用して、個々の燻蒸消毒サイクル全体の適格性を評価し、検証する必要があります。時 間と注入速度は、有効なカスタム サイクルのための監視パラメータです。 通気フェーズの 後に、燻蒸スペースに安全にアクセスできるように、ドレーゲルの高濃度センサと 低濃度センサを適用します。除染フェーズでは、低濃度センサはサンプリング システムで制御して から保護されます。ドレーゲルの高濃度センサを使用して高濃度のサイクルをモニタリングすると ともに、低濃度用サンプリング システムの開始を制御することができます。さらに、高濃度センサは 燻蒸消毒曲線を表示し、モニタリングすることができます。 ドレーゲル・セイフティージャパン株式会社 4 2011 年 6 月
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クリーンルームおよびアイソレータへの安全な入室またはアクセスを確保するための対策の詳細 センサは、そのセンサの 大測定範囲を超える濃度に曝されてはなりません。そのような濃度に 曝されると、回復時間が長くなることがあります。また、ドレーゲルのガス モニタリング システムを燻 蒸プロセスの能動的な制御に使用しないでください。 ドレーゲル・セイフティージャパン株式会社 5 2011 年 6 月
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ドレーゲルの「過酸化水素による滅菌・室内除染」関連製品 ドレーゲル ポリトロン 7000 豊富なオプションやアクセサリのそろった拡張性の高い定置式ガス検知部 過酸化水素センサ測定範囲: 0~300ppm (低濃度用) 0~7000ppm (高濃度用) ドレーゲル ポリトロン 7000 のメリット • H2O2蒸気の選択的なリアル タイム モニタリング • 事前校正されたドレーゲルの H2O2センサを使用 • 二酸化イオウを使用した代替校正 • 低濃度および高濃度の柔軟な測定範囲 • 迅速で安定したガス応答 ドレーゲル ポイントガード II 警報ブザー、警報ランプを標準装備した独立型定置式ガス検知警報器 過酸化水素センサ測定範囲: 0~50ppm ドレーゲル パック III 小型・軽量の単成分ポータブルガス検知警報器 過酸化水素センサ測定範囲: 0~20ppm ドレーゲル検知管 片手操作のじゃ腹ポンプで吸引するガス検知管 過酸化水素検知管測定範囲: 0.1~3ppm ドレーゲル フローチェック 人や物に無害なアルコール系ミストを発生する気流検査器 製品についての詳細は、弊社までお問い合わせください。 改良のため製品の仕様を予告なく変更する場合があります。 予めご了承ください。 ドレーゲル・セイフティー ジャパン株式会社 http://www.draeger.com/ 本 社 〒136-0016 東京都江東区東陽 3-8-1 TEL: 03-4461-5111, FAX: 03-4461-5100 大阪営業所 〒550-0005 大阪市西区西本町 1-15-6 西本町ビル TEL: 06-6538-1101, FAX: 06-6538-5011 ドレーゲル・セイフティージャパン株式会社 6 2011 年 6 月 ドイツ本社 Dräger Safety AG & Co. KGaA Revalstrasse 1, 23560 Lübeck, Germany P0611DSJ