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超音波とファインバブルによる、樹脂・金属の表面改質技術

製品カタログ

メガヘルツの超音波とファインバブルによる表面残留応力の緩和処理技術

はじめに
ファインバブルの現象には沢山の条件があり、
それぞれの影響が複雑に関連している。
その中に、影響の大きさに比べ研究が少ない事項が、水槽と液循環である。
この条件をファインバブルについて検討し、超音波との組み合わせによる新しいファインバブル・超音波システムを開発した。このシステムを使用して、超音波とファインバブルによる「樹脂・金属の表面改質処理」を行っている。その結果、超音波による、ファインバブルのウルトラファインバブル化を利用することで、目的とする表面刺激(超音波伝搬状態)として、最適化制御が可能な、「樹脂・金属の表面改質」(超音波専用水槽と液循環装置による)システムが実現した。特に、メガヘルツの超音波を適切に利用することで、大きな部品や、金属粉末における表面処理・・・、新しい効果に発展している。

このカタログについて

ドキュメント名 超音波とファインバブルによる、樹脂・金属の表面改質技術
ドキュメント種別 製品カタログ
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取り扱い企業 超音波システム研究所 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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超音波とファインバブルによる、樹脂・金属の表面改質技術 (メガヘルツの超音波とファインバブルによる表面残留応力の緩和処理技術) 2023.05.21 超音波システム研究所 はじめに ファインバブルの現象には沢山の条件があり、 それぞれの影響が複雑に関連している。 その中に、影響の大きさに比べ研究が少ない事項が、水槽と液循環である。 この条件をファインバブルについて検討し、超音波との組み合わせによる新し いファインバブル・超音波システムを開発した。このシステムを使用して、超音 波とファインバブルによる「樹脂・金属の表面改質処理」を行っている。その結 果、超音波による、ファインバブルのウルトラファインバブル化を利用するこ とで、目的とする表面刺激(超音波伝搬状態)として、最適化制御が可能な、「樹 脂・金属の表面改質」(超音波専用水槽と液循環装置による)システムが実現し た。特に、メガヘルツの超音波を適切に利用することで、大きな部品や、金属粉 末における表面処理・・・、新しい効果に発展している。 超音波水槽の表面改質効果 超音波振動子の表面改質効果
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1.何が問題か? 現在、超音波やファインバブルを利用した、表面残留応力の緩和処は幅広く利用 されているが、多数の問題がある。最大の問題は、対象物の表面全体に、表面状 態に合わせた、ダイナミックな超音波刺激が行われていないことである。具体 的には、対象物の表面弾性波の伝搬特性に合わせた超音波の制御を、効率よく実 現する、ファインバブルの安定した手段が不十分なことである。 問題点 1)対象物の振動特性の把握(音圧測定・解析・評価)が不十分 2)対象物の表面特性に合わせた、ファインバブルサイズの制御が不十分 3)水槽内のファインバブルサイズ分布制御が不十分(成り行き状態) 4)20μ以上のファインバブルが、水槽内で30%以上となっている 5)水槽のゆがみが大きく、超音波振動の制御・伝搬効率が不十分 6)超音波の発振周波数と出力の最適化が不十分 7)1日、1週間、1年・・を通して安定して、ファインバブルを利用できる 構造(システム)が不十分 特に、金属表面に対する適切な超音波刺激を実現する制御方法が採用されてい ないため、偶然(対象物、冶具、環境、気候の変化 等)に左右されているのが 実状である。 上記の、問題点を、超音波(音圧測定解析・発振制御)システムを利用すること で解決(対象に最適な超音波刺激を実現)し、効率の良い、 目的に合わせた「表面改質(残留応力の緩和)処理」が可能になった。
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2.どのようにして解決するのか? 超音波とファインバブルの組み合わせ 2.1 ファインバブルの効果1 音圧測定解析に基づいた 適切な水槽(構造と製造方法)と適切な液循環により 水槽内の液、全体に20μ以下のファインバブルが均一な分布で実現する 液循環を行う。(液循環位置:ポンプの吸込・吐出と、ポンプのタイマー制御に より実現する ノウハウ) 20μ以下のファインバブルによる液循環を、水槽サイズに合わせて、数時間~ 2日程度行うことで、水槽の大きなゆがみ除去と表面の均一化促進が実現する。 2.2 超音波とファインバブルの効果2 ファインバブルの効果1の後で、ファインバブルによる連続液循環を行いなが ら、出力20-30%程度で、超音波をタイマー制御(超音波のエージング処 理)する。ポイントは、超音波(音圧測定解析・発振制御)システムを利用して、 超音波振動子の表面について測定解析評価する。 以上により、均一な水槽、均一なファインバブル液循環、均一な超音波振動子の 超音波発振面が実現することで、各種制御による目的に合わせた超音波利用が 実現する。
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3. 新しい超音波による表面改質(残留応力の緩和)システム オリジナル超音波プロ-ブの製造技術により プローブの音響特性に基づいた、発振制御技術による 表面弾性波の非線形振動現象をコントロールする技術を開発した。 ポイントは、超音波素子表面の表面弾性波について 伝搬特性と利用目的に合わせた、超音波伝搬状態の最適化である。 そのために、 オリジナルプローブの超音波伝搬特性の動作確認 (音圧レベル、周波数範囲、非線形性、・・ダイナミック特性)による、 超音波伝搬状態に関するダイナミックな特性評価が重要である。
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特に、複数の超音波プローブ(あるいは素子)による、 超音波の送受信について、 ダイナミックに変化する応答特性の測定・解析・評価が必要である。 接続状態と応答特性から、 音圧レベル・周波数・非線形性の利用範囲を決定する。 現状では、以下の範囲について対応可能となっている。 超音波プローブ:概略仕様 測定範囲 0.01Hz~100MHz(特別タイプ 200MHz) 発振範囲 0.5kHz~100MHz(特別タイプ 300MHz) 材質 ステンレス、LCP樹脂、シリコン、テフロン、ガラス・・・ 発振機器 例 ファンクションジェネレータ
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各種対象(水槽、振動子、プローブ、治具、対象物・・・)について 基本的な超音波の音響特性(応答特性、伝搬特性)を確認することで、 利用目的に合わせた、超音波伝搬状態を、発振制御により実現する。 2種類以上の非線形共振型超音波発振制御プローブによる、 スイープ発振、パルス発振・・の発振条件の設定により 高い音圧レベルの共振現象と、 高調波の発生現象(10次以上の非線形現象)による、 100MHz以上の高周波伝搬状態を、ダイナミック制御する。
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1)3MHz~20MHzのスイープ発振制御1 矩形波 duty:47.1% 2)60kHz~3MHzのスイープ発振制御2 矩形波 duty:46.7% による、金属部品の表面処理(表面残留応力の緩和・均一化技術)
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1)1MHz~15MHzのスイープ発振制御1 矩形波 duty:47.0% 2)300kHz~3MHzのスイープ発振制御2 矩形波 duty:43.0% による、アルミ部品の表面処理(表面残留応力の緩和・均一化技術)
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1)7MHz~22MHzのスイープ発振制御1 矩形波 duty:47.1% 2)11MHz~18MHzのスイープ発振制御2 矩形波 duty:46.9% による、高圧配管部品の表面処理(表面残留応力の緩和・均一化技術)
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1)1MHz~17MHzのスイープ発振制御1 矩形波 duty:46.9% 2)200kHz~10MHzのスイープ発振制御2 矩形波 duty:42.9% による、金属部品の表面処理(表面残留応力の緩和・均一化技術)
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ダイナミック変動型の超音波伝搬制御を実現 事例1 超音波洗浄器 1)3MHz~20MHzのスイープ発振 2)14MHzのパルス発振 3)40kHz 300W(超音波振動子) による、超音波のダイナミック制御(洗浄、攪拌、・・・) 事例2 ペットボトルの利用 1)60kHz~22MHzのスイープ発振 による、超音波のダイナミック制御(化学反応プロセスへの超音波刺激、・・)
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事例3 ナノレベルの精密洗浄 1)1.0MHz~15MHzのスイープ発振 2)600kHz~ 5MHzのスイープ発振 3)42kHz 26W(超音波洗浄器) 事例4 金属粉末のナノ分散処理 1)3MHz~20MHzのスイープ発振 2)60kHz~3MHzのスイープ発振
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事例5 食品・薬品・・の乳化・分散処理 1)800kHz~22MHzのスイープ発振 2)12MHzのパルス発振 3)42kHz 35W(超音波洗浄器) 4)1.7MHz 15W(超音波加湿器) 事例6 超音波洗浄器の表面処理(表面残留応力の緩和・均一化技術) 1)3MHz~20MHzのスイープ発振 11MHノパルス発振 2)60kHz~3MHzのスイープ発振 3)50kHz~800kHzのスイープ発振
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まとめ 2013年から、各メーカーに新しい洗浄と表面処理の技術として、提案・提供 している。特に、自動車・プラント業界に於いて、2~3年経過した時点(2015- 2016)で、金属疲労強度の向上として高い評価が得られ、現在(2023)まで継 続している。異質なジャンルや根本的な学問(数学や哲学)を取り入れることで、 今後ますますメガヘルツの超音波・ファインバブルという組み合わせの技術は 飛躍すると感じる。 超音波の非線形振動現象の可能性を考え、100MHz以上の超音波とウル トラファインバブルに対する、新たな応用を検討していきたいと考えている。 参考文献 1) ダイナミックシステムの統計的解析と制御 :赤池 弘次/共著 中川 東一郎/共著:サイエンス社 2) 超音波工学と応用技術 :ベ.ア.アグラナート/[他]共著 青山 忠明/訳 遠藤 敬一/訳:日ソ通信社 3) やさしい超音波工学 :川端 昭/編著 一之瀬 昇/高橋 貞行 著:工業
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参考 超音波プローブによる表面改質技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=1962 超音波による表面改質技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=9285 超音波とマイクロバブルによる表面改質(応力緩和)技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=5413 超音波による金属・樹脂表面の表面改質技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=1004 脱気マイクロバブル発生液循環装置 http://ultrasonic-labo.com/?p=14443
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「脱気・マイクロバブル発生装置」を利用した超音波システム http://ultrasonic-labo.com/?p=1996 樹脂・金属の表面改質に関する書籍 http://ultrasonic-labo.com/?p=7530 ファインバブルと超音波による、表面処理技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=18109 200MHz以上の超音波伝搬現象による表面改質処理 http://ultrasonic-labo.com/?p=2433 一つの発振チャンネルから二種類の超音波プローブを発振制御する技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=14350 2台のファンクションジェネレータを利用した、超音波制御技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=2295 超音波プローブ http://ultrasonic-labo.com/?p=11267 超音波プローブ(音圧測定・非線形振動解析) http://ultrasonic-labo.com/?p=1263 超音波プローブによる<メガヘルツの超音波発振制御>技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=1811
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超音波の音圧測定・解析システムと超音波発振制御システム http://ultrasonic-labo.com/?p=1546 超音波発振システム(1MHz、20MHz) http://ultrasonic-labo.com/?p=18817 超音波システム(音圧測定解析、発振制御) http://ultrasonic-labo.com/?p=19422 超音波の非線形現象を評価する技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=13919 以上