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【SIer協会】FA・ロボットシステムインテグレータ協会会報誌 Vol.2

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ドキュメント名 【SIer協会】FA・ロボットシステムインテグレータ協会会報誌 Vol.2
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このカタログの内容

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JARSIA FA・ロボットシステムインテグレータ協会 会報誌 Vol.2 FA・ロボットシステムインテグレータ協会 〒105-0011 東京都港区芝公園3丁目5番8号機械振興会館307号室 TEL.03(3434)2919(代表)・03(3434)2948(直通) FAX.03(3578)1404 Spring 2019 http://www.farobotsier.com/ 2019 新しい年によせて  FA・ロボットシステムインテグレータ協会会長 三明機工株式会社 代表取締役社長 新年明けましておめでとうございます 久保田 和雄  日頃よりご支援、ご厚情を賜っておりますFA・ロボットシステムインテグレータ協  初年度の協会活動としましては、全国色々な地域や場面での講演活動、イベント開催ととも 会会員各位ならびに関係各機関に対し、厚く御礼申し上げます。 に、分科会の開催、協会ネットワークの整備など、内外へ向け様々な活動を実施してまいりま  さて、当協会は昨年7月に発足し、本年4月には新たな年度を迎える事になりますが、 した。また、各方面より協会についての多数の講演依頼が増えており、業界への関心の高さを 皆様のご理解とご協力のおかげをもちまして、協会設立以来順調に会員数を増やして 実感しているところであります。 まいりました。昨年12月入会企業を含めまして、初年度ではSIer会員147社、協力会員  発足2年目、FA・システムインテグレータ協会およびSI業界が、大きく飛躍する新しい年度 34社の合計181社まで会員数が伸びております。更に4月入会ご希望のかなりの企業 となるよう、更に気を引き締め、日々の業務ならびに協会運営に邁進する所存でございます。 様よりご連絡を頂いております。恐らく200社は目前ではないかと思われます。 ぜひ、会員企業の皆さまのご協力を、よろしくお願い申し上げます。 新年賀詞交歓会  平成31年1月11日(金)12時から(、一社)日本ロボット 工業会(、一財)製造科学技術センター及び(一財)マイク ロマシンセンターの主催による「平成31年 ロボット関  つづく来賓挨拶では経済産業省製造産業局長 井上 連3団体 新年賀詞交歓会」が、東京プリンスホテル  宏司様より「来年の東京オリンピック・パラリンピック プロビデンスホールにて開催されました。 に続き、2025年大阪関西万博を誘致することができた   経済産業省製造産業局長 井上宏司様  本年より「FA・ロボットシステムインテグレータ協会」 が、日本の強み、産業の力を発信する良い場として活用 ました。 会員も日本ロボット工業会の準会員として、多くの会員 していただきたい。ロボット関連では昨年、WRSを皆さ  その後、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業 企業が参加しており、全体の参加者数は主催など関係者 まのご協力のもと開催することができました。2020年 技術総合開発機構)石塚博昭理事長に乾杯の音頭をとっ を含めると600名を超える活況でした。 には愛知と福島で開催いたしますが、ぜひご協力をいた ていただき、和やかな歓談が続きました。13時30分の中 だき、この場を活用できるようお願いしたい。今後は人 締めまで、各テーブルでは交流が行われ、談笑が絶えず 材の面でも育成や活用を推進し、ロボット産業が日本の に活気ある新年の幕開けとなりました。 経済発展を支えていくことを期待したい。」との、お話を賜り (一社)日本ロボット工業会会長 橋本康彦様  3団体を代表し、日本ロボット工業会会長 橋本康彦様 よりご挨拶を賜りました「。不透明な国際情勢の中、わが 国では緩やかながら景気の回復傾向がみられ、特にロ ボット産業は国内需要が堅調な伸びを示し、2018年は 受注額で業界初の1兆円越えを見込んでいます。ロボッ ト工業会の取組みの重点項目の第1に市場拡大が挙げ られます「。世界一のロボット利活用社会の実現」を推進 する上でシステムインテグレータの役割が極めて重要 であります。」と、協会設立についても話していただきました。 Japan Factory Automation & Robot System Integrator Association http://www.farobotsier.com/
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JARSIA FA・ロボットシステムインテグレータ協会会報誌 Vol.2 Vol.2 2019 新しい年によせて 新たな年のはじまり  FA・ロボットシステムインテグレータ協会副会長  新年あけましておめでとうございます。本年もすでに2ケ月が経ちました。皆様にお 株式会社バイナス 代表取締役社長 かれましては良いスタートを切ることができたでしょうか。 渡辺 亙  本年は日本経済に影響を与えるかもしれない出来事が目白押しです。3月の英国の EU離脱に始まり、4月の統一地方選挙、5月には皇太子が天皇に即位され平成から新元 ます。特に人材育成に関しましては、経済産業省事業で検討を進めてまいりましたロボット 号に改元されます。6月以降も参議院議員通常選挙、消費税率10%引き上げ及び軽減 SEスキル標準、RIPSをベースとしたプロジェクトマネジメントの実践、関東経産局人材確保 税率導入と続きます。 等支援事業で実施しました「ロボットシステムインテグレータ基礎講座」などを協会事業とし  非常に不透明なスタートとなりましたが、当協会では、会員の皆様と一致団結し、設 て発展させるべく検討を重ね、人材育成は勿論のこと、人材確保につなげていくような活動 立趣旨である業界ネットワークの構築や経営基盤・事業環境の向上、さらにはシステ を、スピード感を持って進めてまいります。 ムインテグレーションに対する専門性の高度化に向けた活動を積極的に展開してまいり  本年も皆様の忌憚のないご意見を頂くとともに、ご協力をお願いいたします。  「平成31年 ロボット関連3団体 新年賀詞交歓会」は、広い会場内がかつてない程多くの来場者でにぎわっ 賀詞交歓会 インタビュー ており、そこかしこで名刺交換や、旧交を温める挨拶などが聞かれました。FA・ロボットシステムインテグレータ 協会会員企業からも多くの方が参加されていました。そして、協会員からも、その周辺の方々からも、協会の設立 を喜ぶ声や、今後への期待のお言葉などをたくさんかけていただきました。  賀詞交歓会にご来場いただいた方々より「、FA・ロボットシステムインテグレータ協会」に向けて、年頭のお言 葉を頂戴いたしましたので、ご紹介させていただきます。 経済産業省 製造産業局 産業機械課  経済産業省 製造産業局 産業機械課  筑波エンジニアリング株式会社  ロボット政策室 課長補佐 栗原優子様  ロボット政策室 課長補佐 宇賀山在様  営業部 大槻歩様   ロボットは我々の世の中をより良く変えると期待さ  私がFA・ロボットシステムインテグレータ協会に対  そうですね、今年度は協会発足して「飛躍の年」かな れていますが、本当に良く変えていくためには、上手く して期待していることは、まず協会の礎を築くことで と思っています。ですから、協会一丸となって、世界へ 導入し、活用していく事が必要です。その要の部分を す。そのためには、SIer協会として中長期戦略をしっか 向けて「FA・ロボットシステムインテグレータ協会こ SIerの皆さんは担われていると考えています。ぜひ、世 り立てることが重要と考えています。ゴールを見据え こにあり︕」ということを、示して行けるようにしたい の中をロボットを活用して良く変えていくために、今 て、誰がいつまでに何をやっていくのか、具体的な方向 と思います。がんばるぞ︕︕ 後も攻めの姿勢でご活動いただけたらいいなと思って 性とロードマップをしっかりと決めていくことが必要 おります。我々も応援しております︕ だと思います。それに対して国として、協調領域として 取り組むべきところ、支援すべきところを具体化し、例 次世代設計・製造構造研究会  えばロボット人材育成、そしてロボット導入の加速化に 会長 戸上常司様  資するような施策を打てたらいいなと考えています。  SIで多い組立のアプリケーションを基に考えると、 組立てという工程は各企業の独自性が強いので、専用 のシステム、言わば一品料理、その会社、その工場に合 うシステムを作らざるを得ないわけです。そういう 個々の要求に応えて毎回ゼロから考えてシステム構築 すれば、失敗することも多々ある。成功しても時間がか かる。設計時間を短縮し、成功率をあげるためのSIとは どのようなものかというと、各動作(挿入や圧入、カシ 経済産業省 関東経済産業局 地域経済部  メ、シール塗布、ネジ供給、締付等)の自動化をモジュー 次世代・情報産業課 課長補佐 荒井大悟様  ル化しそれらを組み合わせていかに汎用的なものが作 れるかだと思う。毎回、お誂え品のシステムを作るとい  昨年は、FA・ロボットシステムインテグレータ協会 う考えではなく、システムの流れ、動作、セクション等 の立ち上げ元年でしたが、今年は、更なる飛躍の年とな 復興庁福島復興局 兼  の共通化できるところは何かという考えをベースにSIることと思います。昨年は経済産業省関東経済産業局   内閣府原子力災害現地対策本部 小林寛様  を考えるといくつかのモジュールができてくる。それとしても、色々と勉強させていただきましたが、今後も を上手く利用、応用し効率よくシステムを作ることで 一緒に業界発展のためにがんばりましょう︕︕  協会として初めての賀詞交歓会を迎えられましたこ 上手く、早く、安くできる可能性が増え、成功率も上が と、本協会の立ち上げに関わった身として、とても感慨 る。ただ、実際は複雑で難解な作業があったり納期や予 日刊工業新聞社 総合事業局  深く感じております。 算など、余裕がないことが多い。それでも共通化できる イベント事業部長 林英雄様   協会の一層の発展に向けては、協会内外で理解者を ところと、システムのキーとなるところは何かを考え 増やしていくことが重要ですが、その為には協会活動 モジュール化を進めると、次第に効率のよいSIができ  今年が、FA・ロボットシステムインテグレータ協会 の見える化と丁寧な説明が必要です。「共通基盤組織」 るようになると思う。自分も昔食うや食わずで手当た にとっての飛躍の年になると思っています。私たちも と称されるに相応しい、積極的な情報発信が協会から り次第にやってきたからこそ、感じることである。協会 国際ロボット展などの展示会やセミナーの場を通じ 行われていくことに期待しています。 が中心となり効率が良いビジネスとなるよう考えて て、メディアとしても連携をさせていただきたいと  福島の地から協会の今後に思いを馳せつつ、皆様方 いってほしい。 思っています。今年もよろしくお願いいたします。 のこの先の益々のご活躍をお祈り申し上げます。
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http://www.farobotsier.com/ ロボットって何?セミナー&見学会  2018年12月8日と、12月15日の2回に渡り、高校 し、直接企業のエンジニアの話を聞いたり、実際に産業 優秀なアイデアには、発表会でプレゼンしてもらい、賞 生・専門学校生を対象に開催しました。東京の「ロボッ 用ロボットシステムを見てもらいました。初めてロ を競ってもらう流れになります。皆さんからたくさん トテクニカルセンター」と、栃木の「Smart Factory ボットに触れた学生が、ロボットを使った斬新なアイ 楽しい発想が生まれ、その中でもより優れたアイデア Conductor Labo」2ヶ所のロボットセンターを会場と デアを考え出し、レポートを提出します。 を考えた生徒さんに、発表会に臨んでもらいました。 ロボットアイデアコンテスト発表会  2019年1月12日(土)の午後、機械振興会館に、普段  そしてついに彼らの出番です。一生懸命練習してき 特別発表として平田先生と山口先生にも発表していた は見かけない制服姿の高校生、専門学校生が集合しま たのでしょう。それぞれに工夫を凝らしたプレゼン だきました。さすが、この生徒さんたちの先生だなと納 した。彼等は12月に東京と栃木で開催した『ロボッ テーションが次々と繰り広げられました。生徒さんた 得する、非常に楽しい発表でした。平田先生からはご感 トって何︖セミナー&見学会』(上記記事参照)に参加 ちは、アイデアの特長や性能を冷静にデータや数字で 想をいただいていますので併せてお読みください。 した生徒さんの中で、優れたアイデアを考えて提出し 検証したり、イラスト画像でデモンストレーションを  さて、その間に採点が整い、表彰式となりました。 てくれた皆さんです。 見せてくれたり、また、人型ロボットが「とにかく大好 関東経済産業局局長賞には、長谷さん(★1)の「アーム  見学会のロボットセンターで、実際にロボットを間 き︕」と熱弁したり、あるいは発表を画面の中のロボッ 搭載型トラック」、FA・ロボットシステムインテグ 近に見ることで色々なアイデアが生まれたというわけ トに話させたりなど、聞いているとどんどん引き込ま レータ協会会長賞には、三浦さん(★2)の「Auto です。本日は、そのアイデアを審査員の前で発表しても れていきます。事前にレポートで提出されたアイデア Arrangementer」が選ばれました。その他の皆さんも らいます。 が、プレゼンテーションによって活き活きと一層魅力 優秀賞として表彰されました。賞状及び賞品を授与し 的になっていくのを、審査員の先生方も驚きをもって 記念撮影、最後は協会の広報分科会主査(株)HCI奥山 聞き入り、熱心に多くの質問をされていました。中には 氏挨拶により閉会となりました。 「そのアイデア、1台買います︕」との声もありました。  想像以上に楽しく、有意義なコンテストでしたが、こ アイデアの内容も、まさに高校生や専門学校生といっ れからもこのようなイベントを全国規模で開催できる た若い頭脳だからこそ思いつく、楽しさ満点のアイデ よう協会では計画しておりますので、是非皆さまのご アばかりです(。※一覧参照)10人の発表者につづき、 協力、ご参加をお願い致します。 (発表者一覧※発表順) 題名 高校 名前 1 Build Supporter Box φφ 茨城県立つくば工科高等学校 廣瀬優斗  発表会は、経済産業省関東経産局地域経済部次世代・ 2 ホイップ・ウェディングメーカー 千葉英和高等学校 寺田梨紗 情報産業課 荒井様より開会のご挨拶をいただき始ま 3 段差のぼる君 長野県松本県ヶ丘高等学校 遠藤元基 りました。プレゼン前には東京大学名誉教授 佐藤知 4 自動駐車場くん Mark:Ⅰ 千葉英和高等学校 八十川颯人 正先生より特別講演「ロボットの面白さを語る~研究、 5 注射ロボット 茨城県立つくば工科高等学校 中野幹大 そして活用~」がありました。続いて、以前から高校生 6 全自動種植機 千葉英和高等学校 奥野望 対象のアイデアコンテストに取り組まれている髙丸工 7 マジックアーム 専門学校 HAL東京 山上寛明 8 無人タイヤ交換ロボット 千葉英和高等学校 糺龍一 業(株)髙丸氏からもオリエンテーションとしてこの取 9 ★1 アーム搭載型トラック 静岡県立科学技術高等学校 長谷季樹 組みに対する熱い思いを話していただきました。生徒 10 ★2 Auto Arrangementer 千葉英和高等学校 三浦飛翔 さんたちはプレゼン前の緊張感の中でしたが、キラキ 特別発表 鉄道員 千葉英和高等学校 平田知里 ラした眼差しで聞き入っていました。  特別発表 カラーコーン並べロボット 静岡県立科学技術高等学校 山口亮祐 1月15日にあり、全国大会(大阪)、世界大会(ハンガ 強く想定外に個性的な生徒たちの発表。忘れられない 出場校顧問から見たコンテスト リー)を目標に生徒たちは動き出しました。 1日となりました。 ~ 貴重な経験 ~  11月から1月の期間は何もやることがありません。  生徒たちは大学の研究活動や現実のビジネス・エン 千葉英和高校 この空白期間を埋めるために今回「ロボットアイデア ジニアリングの現場に触れる機会はほとんどありませ メカトロ倶楽部顧問 平田知里 コンテスト」に参加してみたのですが、予想外の収穫で ん。「ロボットアイデアコンテスト」は教育的にも素晴  当メカトロ倶楽部はLEGO社のロボコン「WRO」出場 した。間近に見る工業用ロボット、業界の第一線で活躍 らしいイベントでした。多くの貴重な経験を積むこと を目標として活動しています。毎年8月に地方予選、 しているビジネスマン・エンジニアの方々のプレゼン、 ができました。コンテストの運営に携わった協会の皆 9月に全国大会、11月に世界大会が開催されます。昨年 最先端のロボット研究者の講演、生徒たちもコンテス 様に心より感謝申し上げます。 度は全国大会に出場できました。今年度の課題発表が ト発表準備に一生懸命取り組みました。そして、本番に
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JARSIA FA・ロボットシステムインテグレータ協会会報誌 Vol.2 Vol.2 ひろしま AI・IoT 進化型ロボット展示会 2018  2018年12月12~13日の2日間、広島県立広島産業 できて、準備も含め、地元広島の会員企業ヒロテックさ 会館西展示館にて開催されました。FA・ロボットシス んはじめ、たくさんの方に手伝って頂きました。こうし テムインテグレータ協会も出展し、今回は、広報分科会 た出展中の会員の皆さんが、JARSIAマークの青いス 主査のHCIさんと隣接させた合同ブースとしました。 タッフジャンパーを着て、会場でも大いに目立ちPRに ブースでは、多くの来場者の方々へ「FA・ロボットシス 一役買ってくれました。盛況の内に展示会は終了しま テムインテグレータ協会」を知っていただくために、 したが、会場で協会への入会についてお問い合わせが 会員企業の動画をモニタで流し、会員企業ハンドブッ たくさんあり、その後入会申込書が届いております。今 クや、JARSIA創刊号をそれぞれ800部ほど配布いたし 後もこのような機会がありましたら、協会として出展 ました。会期中は、協会員の出展企業様とも多く交流が し、大切に活用していきたいと思います。 て、2日間会場で待っていましたが、残念ながら学生は らも一層協力しながら、SIer業界を盛り上げていきま 地域ぐるみで SIer 教育を! 授業中ということもあり、ほとんど出会えず、目的の一 しょう︕ つは果たせませんでした。 株式会社ヒロテック  しかし、もう一つの目的であるSIer育成設備を設置 生産技術研究所 国枝 潤 したブースでは、ブースから溢れるほど多くの企業の  今回「、ひろしまAI・IoT進化型ロボット展2018」にヒ 方々に集まって頂き、特にSIer人材育成の仕方につい ロテックが出展した目的は、2つありました。1つは展 てのセミナーは立見が出るほどで、皆さんSI人材育成 示会を見学される学生に「、ロボットSIerってこんなに に強い関心を持っておられると実感しました。 魅力的なんだよ」ということを伝えること、そして2つ  SIer協会においては、ヒロテックは地域連携分科会 目は、SIerの仲間に「連携しながら人材育成を進めてい で主査を務めており、これまで以上に地域企業の方々 きましょう︕」と伝えることでありました。事前に多く と協力しながら人材育成を図っていけば、きっと大き のパンフレット、招待状を各大学・高専関係者に発送し な業界になっていくと感じております。皆さん、これか ている企業様のブースの活況を見るにつけ、ロボット 自動化への を上手く利用した自動化は人手が足りない地方の中小 ビッグウェーブを感じて! 企業にこそ必要な技術と確信しました。  ただ『ロボットの導入を検討したいがどの様に進め 株式会社山善 ていけばよいか︖『』ロボットにどの程度まで仕事任せ  FAE営業部副部長 公文 良成 ることが出来るのか︖』といった質問も多くの来訪者  昨年から大幅に拡大し開催した《ひろしまAI・IoT進 様からいただき、今後も協会員としての啓発活動等、更 化型ロボット展示会2018》 私たち山善も会場に自社 なる努力の必要性を感じました。 ブースを設置すると同時に、FA・ロボットシステムイ  労働生産人口の減少、少子高齢化、ロボットを取り巻 ンテグレータ協会様ブースでの広報活動のお手伝いを く技術革新、周辺機器の充実など今後様々な要因で大 させて頂きました。 手企業のみならず、中小企業にもロボットは身近な存  期間中は自動車産業関連ユーザー様の来訪が多い 在になってくると考えます。本展示会を通じ、自働化へ 中、地場産業の担当者の来場も比較的目につきました。 のビッグウェーブを改めて実感しました《。波の数だけ 我々の説明を熱心に聴いていただく姿、また出展され 抱きしめて》で取り組みたいですね︕ 2019/1/16~18@東京ビッグサイトにて開催され、多くの会員企業が出展されていましたが、 ロボデックス 2019 出展報告 その中の協力会員企業より報告が届きました︕ これからは儲かる SIer ビジネスに! SMFLレンタル株式会社 新規開発事業部 開発部長 渡邉 亨  ロボデックスは昨年の初開催から出展し、今回2回目 の出展となりました。サービスロボットの色合いが濃 い展示会ではありますが、今年は来場するお客様が、自 社の工程をロボットを活用し、より一層具体的に自動 化・省人化したいとの意向が強いお話が多かったよう に感じました。会場に動画をお持ちになりご相談頂く  今回は、弊社ブースのど真ん中にSIer協会「会員企業 種も上手く活用頂き、お客様が自動化・省人化を実現し ようなケースもありました。以前までは、お客様のニー ハンドブック2019」を置き、SIer協会を紹介させて頂 つつ、且つSIerが儲けられるビジネスモデルが創作さ ズが漠然としていて対応に困った事もありましたが、 きました。弊社のカタログより先に無くなり、注目度合 れるためのプラットフォームになって頂きたいと弊社 最近では徐々に具体的な問題点を示してくるケースも が非常に高いことを改めて実感致しました。 は考えています。 増え、解決する課題が見えてきました。  協会はSIerだけの組織ではなく、弊社のような異業
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http://www.farobotsier.com/ SIer‘s Day 開催報告 レゼンテーションでは、ロボコム天野様の『製造業にお らせと協会活動報告で閉会となりました。 ���� Autumn SIer′s Day けるIoTの意義と導入の注意点』、リンクウィズ吹野様  近年、急速に関心が高まっているIoTについて、もの in 仙台 の『ロボット×IoTで描くことのできる未来』、オフィス づくり分野での将来性や可能性などを知識・経験ともに -ロボットと IoT の現在と未来を考える- エフエイ・コム飯野様の『オフィスエフエイ・コムが実 豊富なご登壇者の皆さまにより、興味深く学びの多いお 現させるIoTの世界』と、お三方にご登壇いただきまし 話を聞くことができ、反響が大きな会となりました。 日時︓2018年11月27日(火)13︓30-17︓00 会場︓TKPガーデンシティPREMIUM仙台西口 ホール7 た。引き続き、お三方による座談会『製造業におけるIoT 化の将来像と現在実現できていること』を、協会の  東北経済産業局の共催で、ロボットSIerおよび工場 「IoT・AI分科会」主査である吹野様の進行により実施し の自動化・FA等に関心のある方を対象に開催しまし て頂きました。 た。100名を超える参加者が来場し、イベントの始めか  その後、ORiN協議会よりデンソーウェーブ吉田様、 ら終わりまで会場は熱気にあふれていました。 米山様により、技術講座『IoT社会におけるミドルウェ  久保田会長の開会挨拶で幕を開け、続くショートプ アの役割とORiN活用』をお話頂き、官公庁からのお知 さいました。続いてターゲット・エンジニアリング林様 ���� Winter SIer′s Day の『ロボットとドローンで儲けよう!』。そしてHCI奥山 in Osaka Kansai 様の『儲かる、ロボットシステムの導入と利活用につい -SIer や day ~えすあいやーやでー~- て』の以上3講演です。 日時︓2019年1月29日(火)  午後の部後半は、パネルディスカッション『ロボット    【午前の部】<協会会員向け>10︓30-12︓00  を使って儲けよう︕』 コーディネーターは産業技術    【午後の部】<一般来場者> 13︓10-17︓10 会場︓大阪港南ATC11階IATCセミナールーム 短期大学小島学長で、会員SIer企業及び実際にロボッ かるSIerのつくりかた」に沿ったセミナーの開始です。 トを導入した企業の方7名をパネラーに迎え、導入事例  大阪府(、一社)i-RooBO Network Forum(、公財)大 不二越 国崎様より『海外のSIer事例と儲かるSIerに やその経過や苦労話などを交え、活発なディスカッ 阪市都市型産業振興センター、おおさかATCグリーン ついて』、川崎重工業 真田様より『ロボットメーカー ションが展開しました。女性経営者の方の前向きな導 エコプラザ実行委員会の共催により、午前を協会会員 が考える儲かるSIerについて』の2本立てです。国内屈 入時のお話も印象的で、今後導入を検討している企業 向け、午後は広く一般の方向けとして開催いたしまし 指のロボットメーカのお二方のお話は、SIer協会会員 や相談を受けるSIer企業にとって参考になったのでは た。午前も午後も100名を越える来場者で会場はぎっ の皆さまにとって非常にためになる内容となったこと ないでしょうか。多くの方のご参加で大変盛り上がっ しりと埋まり、追加の椅子を出すほどでした。午前は と思います。 た会となりました。 「儲かるSIerのつくりかた」、午後は「ロボットを使って 【午後の部】は、会員以外の一般の方も多いので、始めに 設けよう︕」と、さすがは商人の街大阪らしいテーマを 久保田会長と事務局より協会の活動について説明しま 切り口とし、工夫を凝らしたタイムスケジュールに した。この後は「ロボットを使って儲けよう︕」をテー なっています。 マにした講演が続きます。  【午前の部】は、久保田会長の挨拶でスタートし、近畿  まずは、ファースト・スタディ日本語学校松岡校長 経済産業局よりお知らせ、奥山広報分科会主査より協 『20年後のものづくり会社~高度外国人人材について 会の活動報告と続きます。そして、ここからテーマ「儲 ~』外国人生徒さんも登壇して熱い思いを話してくだ SIer 認知度向上ワークショップ開催報告 生向け就職情報誌の(株)学情 瀬戸本浩司氏による講 海外人材を採用している企業として、採用のアプロー SIer 認知度向上ワークショップ 演『現代の学生の心理に迫る︕採用活動の基礎知識』を チ方法や、活躍するための育成のノウハウ等をわかり in 高崎 お話いただきました。現在は採用氷河期ですが、人材確 やすく説明いただきました。外国人材へのイメージの 保のための採用活動のノウハウについてデータも交え 差や、日本人との意識の違いなど、雇用側として注意す 日時︓2018年12月11日(火)13︓00-14︓50 会場︓高崎イーストセンタービルRoom3A て貴重なお話がうかがえました。就活スケジュールや、 べき点など、具体的な内容でした。貴重なお話は皆さま インターンシップの現状や、さらには会社案内の写真 の参考になったと思います。  2018年12月11日(火)13︓00より、高崎イーストセ の使い方など、学生が何に惹かれるのかという細かい ンタービルRoom3Aにおいて開催しました。 ポイントも、専門家ならではの情報が満載でした。多く 関東経済産業局の人材確保支援事業の一環で実施して の質問もあがり、参加者の関心の高さが感じられまし いるワークショップですが、今回は群馬県の高崎での た。 開催となりました。テーマである人材確保について各  続いては、ロボコム(株)山口仁氏による.『外国人材 方面でご活躍中の方々にご講演を頂きました。まず、学 の受け入れについて』をご講演いただきました。多くの 株式会社日本設計工業 した。 SIer 認知度向上ワークショップ 管理部門 総務労務ブロック 榎戸達夫  中でも(株)学情 瀬戸本様の講演では、新卒採用で in 浜松  2018年12月20日(木)静岡県浜松市 浜松商工会議 学生真意から考える採用向上ノウハウ等の解説があ 所にて「SIer 認知度向上ワークショップin 浜松」が開 り、超採用氷河期である現状を少しでも好転へと導く 日時︓2018年12月20日(木)13︓00-16︓00 会場︓高崎イーストセンタービルRoom3A 催されました。 アドバイスをいただき、非常に参考になりました。更に  当ワークショップでは、久保田会長の挨拶(、株)学情 三明機工(株)の王(ワン)様より、外国人が日本で働く  今回は、ご参加くださった協会員のおひとりに、感想 瀬戸本様による新卒マーケットの採用に関する講演、 中での気付きや、受入側が取組んでくれた配慮など、心 コラムをお願いしました︕ 三明機工(株)王(ワン)様による外国人の働く環境の講 温まるエピソードを聞くことが出来ました。質問等も 演、(株)ヤナギハラメカックス柳原様よりSIer協会人 盛んに出ており、有意義な一日となりました。 材育成分科会の活動報告etc...盛りだくさんの内容で
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JARSIA FA・ロボットシステムインテグレータ協会会報誌 Vol.2 Vol.2 ロボットメーカとの意見交換会 2018/12/7(金) 平成30年度第1回意見交換会(機械振興会館6D-3会議室)  日本ロボット工業会会員のロボットメーカ9社より 会の成り立ちや現在の会員数、また各分科会の活動や、 わされつつ、終始和やかな雰囲気で、将来にわたりロ 14名にご参加いただき、SIer協会幹事会より10社12名 取組みを説明しました。参加されているロボットメー ボット業界の両輪となるべく、手を携えていく姿勢を 及び、協会小平参与と佐藤参与、日本ロボット工業会専 カの中には、SIer協会にも加入されている企業もあり、 約束しあうかたちとなりました。 務理事と事務局3名、合計32名で開催いたしました。 日頃より活動にご協力いただいています。活動報告の  ご参加いただいたロボットメーカは、川崎重工業 中でも育成プログラム整備については、ロボットメー (株)、三菱電機(株)、(株)FUJI、(株)ダイヘン、パナソ カの協力があると非常に整備しやすい項目もあり、関 ニック(株)、セイコーエプソン(株)、KUKA Japan(株)、 心を持って聞いていただきました。その後は、SIer企業 (株)デンソーウエーブ、ABB(株()※着席順)です。 からメーカへの要望や質問をはじめ、活発に意見交換  自己紹介の後、まずはSIer協会の活動報告として、協 や質疑応答がおこなわれました。忌憚の無い意見が交 ものづくり補助金徹底研究会 2018/2/4(月)東京開催(機械振興会館6-66)、 2018/2/14(木)大阪開催(TKP新大阪ビジネスセンター)、  ものづくり補助金の公募開始を前に、SIer協会では         名古屋開催(TKP名駅桜通口カンファレンスセンター) 「ものづくり補助金”徹底”研究会」を会員限定で開催い  講師は、昨年のものづくり補助金の採択件数全国第 ントの紹介、実際の提案書の紹介など実践的な内容の たしました。 2位の株式会社ゼロプラスの大場正樹代表にお願いし 講義をいただきました。 2月4日に東京、2月14日に大阪と名古屋で開催し、計 ました。  協会ではこれからもオンタイムで会員の皆様が必要と 83名の会員の皆様にご参加いただきました。  ものづくり補助金の概要の紹介のほか、記入のポイ する講座を開催していきますので、是非ご期待ください。 分科会活動報告  ■ 経営基盤強化 分 科 会 2018/11/29 ( 木) 第 2 回分科会 ■ 人材育成分科会 2018/12/10 ( 月 ) 第 2 回分科会 (名古屋 ウインクあいち 1210 会議室) (名古屋 ウインクあいち 1110 会議室)  会員企業12社20名、事務局1名が参加して開催。主査の松栄テクノサービスと副  会員企業13社15名と事務局2名の合計17名で開催。まず、①アドバイザー(仮称) 査のミツイワが中心となり、話し合いとともにワークショップを実施。まず、3~4名 資格について検討。1月に4日間の講習を実施するが、名称や内容について話し合っ の5グループに別れ、全員が次々と意見を付箋に書き模造紙に貼っていく。テーマは た。仮称のアドバイザーの他、コンシェルジュ、パスポートなど色々な候補が挙がっ 「現状の進め方での課題」とし、自動化システム導入の際に課題について意見を出し た。また、4日間の講習を受け身につく知識で資格が得られるとは言えず、講習修了 合う。その上で「RIPS」の必要性について話し合った。今後、経営基盤強化分科会では 者というほうが適切か、などの意見が出たが、第1回の講座は実施に向けた検討用プ RIPSのWGを設置し、RIPSについて理解し、メリットや運用の仕方等について考え レ講座であるため、終了後受講者の意見や、エンジニアスキル標準などの動きを見 ていくこととなった。その他とし、次回の分科会では来年度のテーマについて話し てから検討することとなった。②インターンシップについては、時期的にも急ぎ対 合うが事前にメールでテーマ案を収集、主査が取りまとめる。また、ユーザへの仕様 応が必要であるため、受け入れ企業の情報の提供をお願いすることとなった。大学 説明に有効な3D-CAD Simulator のSIer会員共有の検討や、助成についてなどを 生だけではなく、高専生や高校生も対象ではないかといった意見もあった。③技能 話し合っていく予定。 検定については、SIerには幅広い知識が必要であるし、資格のひとつとして目標に なるなど、推進すべきという意見が多数出された。 ■ 企画運営分科会 2018/12/6 ( 木) 第 1 回分科会 (機械振興会館 6D-3 会議室) 2019/2/7 ( 木 ) 第 2 回研究会 ■ SIer地域政策研究会  会員企業8社10名に経済産業省より宇賀山氏を交え、事務局2名の13名で開催。主            (岐阜キャッスルイン 10 階 査の三明機工が中心となり久保田会長の挨拶から始まり、活発な意見交の場となっ 岐阜ダイニングてっぺん) た。まず「中長期ビジョン」は、20年後の日本のあるべき姿、目指すべき方向を見据  全国の公的機関より28名の参加があり、協会主査のブイ・アール・テクノセンター え、世界の中での日本の地位を確立すべく作成する。各分科会で作成するロード 他会員6名と事務局3名の計37名で開催。まずは経済産業省製造産業局産業機械課 マップについては協会自体のロードマップに沿うものになるようにしなければな ロボット政策室より「ロボット産業の動向について」お話いただいた。市場の動向 らず、また、様式も統一すべき。ネットワークの構築については、現在整備中の会員 と、ロボット導入に向けた取組みについて導入実証事業の事例も交え、SIer協会に ネットワークを具体的に必要な項目等を検討した。統計データのとりまとめについ ついても説明された。更に来年度の予算についてと、WRS2020本大会についても言 ては、経営基盤強化分科会が中心となって行うこととした。海外のネットワーク構 及された。協会からも今後の取組みなどについて紹介をした。その後愛知県、福島 築についても検討。また、今後、新入会会員の承認や会費徴収のタイミングなどにつ 県、福井県の各県の取組みについてをご紹介いただいた。続いてSIer協会の地域連 いても検討していく。RRI検討会WG3との連携についても共有された。 携分科会主査のヒロテックより地域連携の取組みについて説明後、意見交換が行わ れた。翌日2/8(金)は、貸し切りバスを使い、ブイ・アール・テクノセンターのロボッ ■ 広報分科会 2019/1/15 ( 火 ) 第 2 回分科会 トセンター見学会を行い、19名が参加した。 (機械振興会館 6-62 会議室)  会員企業8社9名にオブザーバ1名、事務局3名の13名で開催。①会報誌JARSIA創 ※予定は随時更新されます。詳細はSIer協会の今後の予定 ホームページをご覧ください。 刊号の配布状況報告。6000部が配布終了、増刷を行う。配布先と配布部数について、 今後聞き取り調査などを行い、必要なところへ届くよう再検討する。第2号は初刷 名 称 日 時 場 所 10,000部の予定。2号の内容について検討。ページを増やし、広告枠の再検討、会員 第 4 回「人とロボットの協調作業を実装し 2019年 3月 6日(水) 機械振興会館 企業のための記事も増やす。川柳の応募状況は反響が大きく1000を超える作品が たロボットシステムの設計手法の確立に向 13︓30~15︓00 6-61会議室 集まった。分科会で最終審査を実施するが、特別賞を2つ追加する。今後の発行スケ けた調査」WG(技術・標準化分科会内) ジュールの確認。②協会HP拡張案について検討。会員向けに何が必要か、また、ター 「定例 幹事会」 ※幹事のみ 2019年 3月 7日(木) 機械振興会館 ゲットはどこで、充実させるべき面は何か、検討を継続。③ひろしま展示会の報告。 13︓00~15︓00 会議室 入会希望者へ繋がった経過あり。④リクルート支援活動として、ロボットアイデア 「新時代のものづくり研究会」 2019年 3月 14日(木) 機械振興会館 コンテスト発表会の報告。全国大会開催のための地区大会のマニュアルを作る。そ ~Iot、AI、ロボットの融合を目指して~ 14︓00~17︓00 B2 ホール の他、職業紹介の取組みとしてインターンシップ博(サンシャイン池袋)とテクサス 「定例 幹事会」 ※幹事のみ 2019年 4月 19日(金) 機械振興会館 2019(千葉工業大学)出展予定。⑤次年度へ向け、年間を通して参加する展示会につ 13︓00~15︓00 会議室 いて時期や場所により、出展先を絞る。12月の国際ロボット展を軸に検討し予算を 「通常総会」 2019年 4月 19日(金) 機械振興会館内予定 決めていく。 15︓00~17︓00
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http://www.farobotsier.com/ ロボットシステムインテグレータ基礎講座  今後、システムインテグレータと関わる、もしくはシ ステムインテグレータになりたい方の入門講座として 平成30年度関東経済産業局人材確保支援事業として、 第1回(1/15~18)と第2回(2/12~15)それぞれ4日 間にわたり実施しました。今回は「ロボットアドバイ ザー資格(仮称)のための講座実施検討に向けたプレ講 る」観点、保有すべき能力など、実践としてためにな 実感でき同時に実務的な理解も伴ったワークショップ 座でしたが、案内発信と同時に申込が殺到し、2回とも る考え方についての講義。 でした。最後の確認テスト後の、解説、質疑応答も活発 ほぼ満席での開催となりました(。第1回29名参加、第 4時間目 『安全/品質マネジメント[』(一財)日本品質 なものとなりました。 2回43名参加) 保証機構 高村博紀氏]︓品質保証とそのマネジメン  終了後、4日間を通して受講された参加者へ『受講修  この講座の目的は、ロボットシステムの導入を考え トの考え方、顧客ニーズを満たすシステムを提供す 了証』が授与されました。 るうえで備えておくべき、ロボットシステムに関する るため決められた製造・設置のためのプロセス構築 『アンケート』 共通的な基礎知識を習得したものであり、ロボットシ と検査の重要性「。経験、勘、度胸」に頼らない、データ  参加者の皆さまには毎回アンケートにお応え頂きま ステムエンジニアと円滑なコミュニケーションを図る に基づく評価・解析手法。システム全体に対するリス したが、その中の記述より、本講座の感想をいくつか抜 ことができる人材を育成することにあります。基礎知 クアセスメントによる安全対策の重要性。本質安全 粋し、ご紹介いたします。 識を身につけるための講座で、実技講習はありません。 と機能安全の考え方。労働安全衛生規則など、特に  「幅広い知識を活用し、アイデアを出してお客様と会 全ての知識を講義に盛り込むことはできませんが、受 SIerとして重要な国際規格などについて解説。 話しないと成立できないのがロボットSIであることを 講後に自分がどのような分野の知識を、何によってよ <2日目> 強く感じました。」「今後勉強していく上での基盤にな り深く知ることができるか、それを知ることが重要と 『機械設計、電気設計、機械組立、電気配線、保守・管理』 る内容でした。また中級、上級の講座等がありましたら いえます。 [三明機工(株)近藤篤司氏] 受けさせていただきます。」「全国各地で開催いただき  本項目では、おもに第1回の講座の簡単な説明をも  1~4時間目を通しテキスト「スキル読本」を使用し たい。特に地方都市部、受講者はもっと増えると思いま とに、どのような講座であったかをご紹介いたします。 ての講義。SIerとして第一線で活躍されている講師が す。「」人材教育に活用したい。「」4日間のグループワー ■ 第1回スケジュール 長年現場で培った知見とスキルによる具体的で解りや クはとても実践に近いと思いました。初めての方々と <1日目> ※[講師名] すい講義。現場ならではのイメージしやすい経験談も グループワークで緊張しましたがいろいろな考えを学 『オリエンテーション、基礎知識[』事務局]︓本講座の目 ありました。講義後、確認テストと解説、質疑応答。 べました。」など、多くのご意見があり、社内教育展開へ 的、産業用ロボットの定義やシステムインテグレー のご要望も多くありました。<3日目> タとは何かという基礎的なこと。また、ロボットの 『ロボット制御、画像処理、システム制御』[(株)オフィ  第2回は2月12日~15日で行いましたが、参加者は 安全操作教育について、事業者が「教示等「」検査等」 スエフエイ・コム 五十畑淳氏、山中佑太氏] 更に多く、43名、チームは10チームとなりました。講座 に係る特別教育が義務付けられている法令につい  1~4時間目まで、先進的SIer企業の講師による講 の内容につきましては、第1回とほぼ同じカリキュラ て説明。 義。スキル読本をテキストに使用。特に、画像処理には ムですが、一部講義順、講師に変更がありました。 1時間目 『組織体制︓ロボットシステム事業における 補足の資料を使い、カメラの種類や、証明、レンズの選 ■ 第2回スケジュール コンプライアンス』[SIer協会参与 小平紀生氏]︓ 定についてなど基本の知識から、システム導入のプロ <1日目> CSR(Corporate Social Responsibility=企業の社 セス、生産ラインへの導入イメージ等も図を使用しわ 『オリエンテーション・基礎知識[』事務局] 会的責任)、独占禁止法、著作権法、個人情報保護法、 かりやすく解説。確認テストと解説、質疑応答で終了。 『ロボットシステム事業におけるコンプライアンス』 知的財産などについて。法令の成り立ちの経緯や、 <4日目> [SIer協会参与 小平紀生氏]単なる立ち話がきっかけで価格カルテルに発展し 処罰されたというようなビジネス現場に潜むリス 『ワークショップ』 [(株)バイナス 永井伸幸氏] 『生産技術概論①②[』ものづくりテラス 林芳樹氏]  1~4時間目 教育分野で活躍中の講師により、3日 『安全/品質マネジメント[』IDEC(株) 福井秀利氏]ク等、事例を交えて説明。 2時間目 『組織体制︓プロジェクト管理』[ミツイワ 間の座学で学んだことを活かすワークショップ実施。 <2日目> (株)深瀬哲也氏]︓スケジュール、コスト、品質など 4名1組のチームをつくり(今回は8チーム)グループ 『機械設計、電気設計、機械組立、電気配線、保守・管理』 管理すべき項目と、プロセス標準「RIPS」を活用し ワークを実施。まず、料亭の配膳ロボットの動画鑑賞 [(株)ヤナギハラメカックス 池ヶ谷和彦氏・稲澤健一 た管理手法、そして仕様定義の重要性と分割検収の 後、参加者がSIerとして現場の不明点や疑問点を出し 氏]  考え方、具体的な仕様書の作成、営業の導入アプ 合いチームごとに発表。講師の永井氏が工場長となり <3日目> ローチなど実践的な講義。 不明点や疑問を評価。その後、卓球ラケットの製造工場 『ロボット制御、画像処理、システム制御』[三明機工 3時間目 『生産技術概論[』ものづくりテラス 林芳樹 を題材として、実際にコスト面も含めた自動化の提案 (株) 西村裕二氏] 氏]︓QCD(品質、コスト、納期)管理、製造原価、生産 を行い発表。チームごと模造紙に資料の切り貼りや、コ <4日目> 性と生産効率、標準時間、稼動率と可動率、設備総合 スト表を作るなど個性豊かなアイデアを表現。実際に、 『プロジェクト管理[』ミツイワ(株) 泉貴史氏] 効率について。生産技術者が作業を「付加価値」「非 お客様から相談を受けたら、情報を収集し自動化案を 『ワークショップ[』(株)バイナス 永井伸幸氏] 付加価値」「ムダ」に分類し「問題点を顕在化させ 考えて提案を行うという、SIerという仕事の面白さを 『機械技術 × 電気技術 × ロボット技術』を駆使した総合システム力を生かし、ジャ ンルやシーンに捉われない、お客様一人ひとりのニーズを叶える完全オーダーメイド な自動化ロボットシステムをご提案致します。3 次元画像処理を搭載したロボットに よるランダムピッキング、ティーチングレスでバラ積みされた部品をピッキングでき るシステム、ティーチングレスでグラインダー掛けできるシステムを提供しています。 ●住 所 :〒424-0037 静岡県静岡市清水区袖師町 940 番地 ●電話番号:054-366-0088(代表) ●U R L :http://www.sanmei-kikou.co.jp/
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JARSIA FA・ロボットシステムインテグレータ協会会報誌 Vol.2 Vol.2 製造業に必要な クラウド型データベースの要件 株式会社 FA プロダクツ (SIer 協会 会員)  代表取締役社長 貴田義和  多くの企業で取り組みがはじまっている「スマー 験から、「データ抽出条件やスケールの変更があっ の速度で取り出すことが可能です。もちろんクラウ トファクトリー化」には、生産現場のデータの利活 ても高速に追従すること」が最も重要だと考えてい ドにも対応しています。またデータベースだけでな 用が重要なポイントとなります。その実現にはデー ます。 く、データを取り込む際にゲートウェイでデータの タベース(以下DB)の構築が欠かせず、弊社にも多  生産現場では点数、収集頻度両方の意味で大量の 意味や粒度を定義しているため、データを間引いた くのご相談をいただきます。ここでは「製造業に必 データを扱うため、従来型のリレーショナルデータ り、前述の中間ファイルを生成したりする必要がな 要なクラウド型DBの要件」について解説します。 ベース(以下、RDB)では、抽出実行を指示してから、 く、お客様の必要な粒度や頻度で現場データを生 ■そもそもDBを「クラウド化」する意味 10分データが戻ってこないという話も当たり前の データとして保存、そのまま活用することで、生産 性の向上や予知保全など多くの改善・効率化に寄与  「クラウドにする意味あるの︖」とお考えの方も 様に聞きます。対策として抽出条件にあわせ、中間 ファイルを作成し高速化をはかるという方法があ することが可能です。弊社が企画中の製造業向けク多いかと思いますが、生産現場だからこそクラウド りますが、この方法でも仕様変更があるとプログラ ラウドサービス「FA Cloud」でも採用が決まっていが有用です。自社サーバー(オンプレミス)のDBと ます。 異なり、最低限の容量でスタートし、必要に応じて ムの追加が都度発生してしまいます。 容易に拡張することが可能ですし、各種分析用のア ■まとめ■ユーザー、SIer双方にとって プリケーションも多くの企業で提供されているた   メリットがある高速データベース  生産現場のDBには、高速にデータの取り出しが め、最新の分析手法が使え、多拠点でのデータ活用 でき、ローコストにはじめられるクラウド型の 技術的解決策としては、タイムスタンプとデータ も簡単です。現在では携帯回線もコストがさがって TSDBが適しています。中間ファイルの作成が不要が紐づいた「タイムシリーズデータベース(以下、 いるため、社内LANと接続せずにクラウド活用する で生データをそのまま活用できるため、「高速な動TSDB)」の採用が有効です。代表的な高速TSDBの例 こともできます。 作」「余計なエンジニアリングが不要」「要件定義がとしてはMODE社のサービスがあげられます。同社 容易「」手離れが良い」など大きなメリットを享受で ■製造業で「クラウド」が毛嫌いされる理由 のTSDBはセンサデータのデータ構造に最適化され きます。  とはいえ、現実的には「セキュリティ」という見え た独自の技術を用いたデータベースであり、現在一 ない壁が立ちはだかり、製造業でのクラウド活用は 般的に使われているRDBに比べ、最大2000倍以上 進んでいません。しかし、クラウドサービス業者に よる最新のセキュリティ対策、携帯回線の活用によ る機密性の担保、活用範囲の限定(見える化に限定 するなど)によるリスク分散などにより、自社サー バーよりも、むしろ安全という考えが主流になりつ つあります。 ■製造業に必要なデータベースの要件  弊社では多くのプロジェクトに関わってきた経 協会 SIer 員募集会 ! Email: sier@jara.jp
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http://www.farobotsier.com/ 工作機械とロボット 株式会社ジェービーエム (SIer 協会 会員) 代表取締役 小谷幸次  私共JBMは創業50周年を迎えるNC工作機械周辺  その結果、一定ルールを守って頂ければ、工作機 成度の高いOLPに挑戦しています。 機器のハードウェア開発・販売で産声を上げた企業 械&CAD/CAMのベストマッチングの様な、オフラ 更に、まもなくリリースするOCTOPUZ Ver2.1に です。 インロボティクスプログラミング(OLP)実現のヒ は、熟練ティーチングマンでなければ成し得なかっ  現在の工作機械を取り巻く環境は、JBMの創業当 ントに出会いました。 た「ロボット及び付加軸の自動配置」「特異点、ジョ 時からは全く想像できなかった、世界に誇る「最先  私共JBMは各ロボットメーカー様を始めとする、 イントリミット、到達不能、衝突のエラーレポート 端加工技術のものづくり」へと劇的な進化を成し遂 多方面のテクニカルパートナー様とのご協力のも &自動回避」「パス全体を見直したスムーズなパス げました。 と、工作機械業界で培ったノウハウを生かした「ソ 計算」等を、高度なアルゴリズムプログラムで問題  その最先端技術で生まれた最新鋭のNC工作機械 フトウェアやアプリケーション」「柔軟にお使い頂 解決する「PathFinder」を搭載しています。 の切削加工結果は、最新切削工具の能力を最大限に けるユースウェア」「ロボット」を融合させ、より完 生かすCAD/CAM無くしては成し得なかったと言っ ても過言ではありません。  即ち、ハードウェア、ソフトウェア、そしてそれら を使いこなすオペレーターのユースウェアが三位 一体となって成し得た結果です。  私共JBMはNC工作機械のNC=numerical control の名の如く、数値情報で指令する制御方式に慣れ親 しんで来ました。  しかし新たに参入した産業用ロボットの世界は、 知れば知る程に現物合わせの概念、手法が多い事に 気付き、そのギャップをどの様に埋めれば良いか検 討を繰り返しました。 業用ロボッ ト 見た産 『World Robot Challenge(2018/10/17 ~ 21@東京ビッグサイト開催)出場者に聞く』学生から 首都大学東京 システムデザイン学部 知能機械システムコース4年 西村春紀  WRC当時、私たちのチームではROS(Robot しない組み合わせに辿りつくまで、非常停止スイッ ことができません。そこで、アームを柔らかく制御 Operating System)を用いてロボットアームを制 チから手が離せませんでした。 するインピーダンス制御を導入しました。力センサ 御していました。ロボットメーカから提供していた  産業用ロボット自体はあらかじめ決められた動 からの情報を用いてしなやかに力を受け流すよう だいたROSのパッケージは、シミュレーションと実 作を繰り返すことは得意で、動作の精度もかなり高 にし、目標の嵌め合い位置を探ることで、きついク 機の切り替えが簡単で、自分の書いたコードをシ いです。しかし、多品種少量生産の需要の高まりの リアランスの嵌め合いでも数mm程度の誤差を修 ミュレーションで確かめてから実機で実験できる 中、WRC競技では繰り返し動作ではなくロボット 正して挿入することができるようになったときは、 ため、開発の大きな助けとなりました。 が自律的に認識・判断をする柔軟な作業が求められ みんなで感動しました。  ROSでのロボットアーム制御では、アーム手先の ていました。そのようなロボットが動作位置を決定  WRCを通じて、これから求められている多品種 目標位置・姿勢を指令として制御していましたが、 するためのカメラや力覚センサといった周辺機器 少量生産の現場に対応できるティーチングレスロ その際に逆運動学と動作計画が必要となります。目 の情報の精度はロボット自体の精度ほどではない ボットが活躍するためには、まだまだ大きな難題が 標位置に到達するロボットの姿勢を求める逆運動 ため、ティーチングレスな制御ではそれらのセン 残されているように感じました。しかし、だからこ 学とその姿勢に至るまでの動きを求める動作計画、 サ・ハンド・周辺環境等により累積される誤差をい そ産業用ロボットはチャレンジングで面白い分野 どちらも解がひとつに定まるものではありません。 かに吸収・減少させ、動作の成功率を上げるかとい であると思います。 例えば、最終的に姿勢が同じでも、ある関節が うことが常に課題でした。 +-360°回転できれば、それだけで逆運動学の解が  例として、私たちのチームではロボットハンドを 最低でも2つは存在することになります。逆運動学 三本指のものを製作し、競技で大部分を占めていた 解が異なれば動作計画も大きく変わるので、思いも 円形状の部品に対して、ハンドが掴みにいくときに よらない、明らかに非効率な動作をすることがあり 多少誤差があっても、部品がハンドの中心に来るよ ます。実際、開発中に関節が回転しすぎて力覚セン うにしていました。 サのケーブルがちぎれてしまうことがありました。  また、カメラの誤差に関して、画像処理の際、結果 逆運動学と動作計画、いろいろなアルゴリズムの組 にわずかなずれがあると、産業用ロボットアームは み合わせでアームを動かし、そのような問題の発生 非常に剛性が高いため,部品をうまく嵌め合わせる チーム「hippopoTaMUs」
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JARSIA FA・ロボットシステムインテグレータ協会会報誌 Vol.2 Vol.2 業界がめざすもの ~日本式ものつくり工場と安全社会のロボット化とその世界輸出~ 佐藤 知正 FA・ロボットシステムインテグレータ協会 参与 「ロボットの使いこなしビジネス」             ( 東京大学名誉教授 )  ロボットを制作し体操させることは、そんなに困難 剛体の場合、例えば鉄板上のナットをつまもうと産業 在し、それを克服する策を講じ得て始めてロボットが なことではない。しかし、ロボットを働かせ使いこなす ロボットの指を下げすぎると、突き指してしまう。柔軟 働く。困難ではあるがそれ故に、使いこなせた場合は、 のは、知恵も時間もコストもかかる。というのは、作業 物体の唐揚げでは、下手に触れるところもがはげてし ビジネスチャンスとなる。FA・システムインテグレー 実施には、ロボットを対象物や環境にあわせ動かさね まう。作業環境も、部品がバラ積みされていたり、ゆれ タ協会は、このロボットを使いこなすことを“なりわ ばならないからである。釈迦に説法であるが、対象物が る台上にあったりする。それぞれに、固有の困難性が存 い”とする業界であり、SIerは、その担い手である。 「産業ロボットの徹底した使いこなしが日本をロボット大国にした」  日本は、これまで産業ロボットの使いこなしに成功 しての産業化に成功した。このロボットの徹底した、き してきた。米国生まれの産業用ロボットではあるが、 め細かな使いこなし活動の蓄積が、産業用ロボットの 1960年代に、その将来性をみこした日本の自動車会社 質的変化をもたらし、それが、我が国をロボット大国に や電機会社の生産技術部と現場のエンジニアが連携し したのである。改善の積み上げによるロボットの使い て、工場での徹底した使いこなしと改善を通じて、機 こなしの質的変化がそれをもたらしたのである。 能、信頼性、有効性を追求し、一企業の事業としてのみ でなく、ロボット工業会設置などの活動を通じて国と 「米国、欧州、中国に負けそうな日本」  今の日本は、危機的状況下にある。米国は、戦略的優 命発祥の地としての科学技術への信頼と永続的活動が 勢にあって日本はどのように生き抜くのか︖日本の強 位性、特に情報戦略で群をぬく。それに、実学を重んじ あり、多数の国からなる一つの巨大EUが、標準を確立 みを活かすこと、つまり、“現場改善を積み重ねて、モノ る大学、若い人の旺盛なスタートアップ活動、アメリカ するうえで、確実に有利である。中国は、国家戦略と市 やサービスの質的変化を引き起こす”きめ細かな質転 ンドリームの情報分野における成功者の存在、それを 場の大きさで圧倒的に優位性をもつ。市場経済として 換改善集積活動がその解であろう。ここに、日本のSIer 支える潤沢なベンチャキャピタルの存在と、強力であ 解放された人々の力と、13.5億人の市場をもつ国家資 の出番がある。 る。欧州は、標準化戦略で優位に立つ。もともと、産業革 本主義がそれを強力に後押しする。このような世界情 「日本式ものつくり工場と安全社会のロボット化とその世界輸出」  食料や天然資源小国である日本は、何かを輸出して ト化やIoT化を国内で推し進め、その使い方とともに、 その輸入費用を捻出しなければならない。自動車や電 日本式ものつくり工場を世界に構築する(日本式もの 子機器という(1980年代あたりからの)モノ輸出の時 つくりValue Chain輸出)。さらに、日本のサービスロ 代が(、2010年代あたりからの)インフラ輸出の時代と ボットSIerが、日本において安全社会のロボット化を なっており、アベノミクスの成長戦略の担い手として 推進し、それを可能にしているロボットやIoTをその使 期待されている。それでは、今から準備をしておかねば い方とともに、世界輸出する(安全社会Value Chain輸 ならない(おそらく2040年代あたりからの)その次の 出)。このようなロボット化、IoT化、そしてモノ輸出や 時代において、日本は何を輸出すべきであろうか︖日 インフラ輸出に続くValue Chain輸出時代の主役は、繰 本が誇れるもので、日本が輸出できるものに、“日本式 り返しになるが、日本のSIerである。 ものつくり工場”と“安全社会”がある。そのロボット化  先行き困難な日本にあって、将来が期待できる日本の を推し進め、世界輸出すべきである。日本の産業ロボッ SIerの皆様方のますますのご活躍を祈念して筆をおく。 トSIerが、日本式ものつくりを可能にしているロボッ FA・ロボットシステムインテグレータ協会 ロボット・FA(Factory Automation)システムの構築等を行うシ ステムインテグレータ(以下「SIer」という。)の共通基盤組織とし て、SIerの事業環境の向上及び能力強化に取り組み、SIerを取り 巻く関係者間の連携を促進させることにより、あまねく産業にお ける生産活動の高度化を推進し、我が国の産業の持続的発展と競 争力の強化に寄与することを目的とします。
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http://www.farobotsier.com/ 小平 紀生 FA・ロボットシステムインテグレータ協会 参与業界天気晴朗なれど波高し             ( 三菱電機株式会社 ) ら、整理されていない手書きの殴り書き資料がごっそ 発した。プログラムをミニコンに打ち込み、ミニコンの 『1978 年の手書きの計算書』 りと収められており、その中で最も古いものの日付が インタープリータで機械語に変換して紙テープに出 1978年12月。多関節型ロボットの制御を最初に検討 力、それを試作コントローラの紙テープリーダから  今回は、たまたまロボット産業黎明期に立ち会うこ したメモである。 SRAMに読み込んで試作ロボットのデバックをする、 とができた技術者の思い出話になってしまうがご容赦  1970年代の後半から1980年代にかけて技術環境が という手順からスタートした。ちょっとした手直しは、 願いたい。これまで転勤のたびに保有書類は大部分廃 大きく変化した。後にアナログからディジタルへの第 紙テープからコードを読んで手作業でテープを加工し 却してきたが、40年以上捨てられずに残っているファ 三次産業革命と言われた時代である。ロボット普及元 て切り貼りしてしまうといった芸当も当時はできた。 イルが一冊だけある。全て手書きの書類である。最も古 年1980年はこの第三次産業革命が必然的に産み出し 初期のプログラムはアセンブラで書いている。当時は いものは、青焼き湿式複写用の手書き原紙で日付は たものであり、何ともワクワクとしたその時代に、私は FORTRAN、LISPなどの古くからある高級コンピュー 1976年3月18日。入社後の初年度課題として課せられ 当事者として幸運にも立ち会うことができたという次 タ言語や、比較的新しいPASCALやBASICなども既に た「工場排水処理装置の性能評価」をまとめた研修論文 第である。 1978年のメモは、ロボットコントローラ あったが、何しろ最初の試作コントローラのプロセッ である。 のソフトウエア構成検討の簡単なメモである。実は当 サは非力な8ビットのi8085である。たとえ1μsecで 時の上司が、既に8ビットマイクロプロセッサを採用し も計算を早くするための努力が必要で、そのためには た旋盤用CNCコントローラの開発を終えていたので、 機械語に対応したアセンブラで書くしか選択肢は無 それをベースにしたロボットコントローラの構想であ かった。しかし、ミニコン環境でこのような「私はプロ る。CNCと多関節型ロボットの違いは軌道計算が多少 だぞ、機械語もわかるぞ」という開発をしていたのは、 複雑になるくらいなので、CNCの構成をそのまま使お ほんの1、2年くらいのこと。1980年代には既にミニコ うという程度のメモであったが、現実にはそう簡単で ンは、マイクロプロセッサソフトウェア開発システム はなかった。 (Intelの製品名で言えばCP/MなるOSを搭載した  ロボット普及元年前後の計算機環境について触れよ MDS)、いわば開発専用の高価なパソコンのようなシ う。入社当時の1975年頃は、ちょっとした技術計算を ステムに変わった。さすがに最初に外販開始した製品 するだけでも、プログラムの1行をカード1枚に打ち出 はミニコンと紙テープシステムで開発したわけではな  私の入社当時は、社内に産業用ロボット事業の影は した多量のパンチカードを詰め込んだハコを何箱も手 い。またプログラミング言語も比較的短期間のうちに あったかもしれないが形は無かったため、会社生活は 押し車に乗せ、予約した計算機センタに向い、敷地内で アセンブラからC言語に変わっていった。 こんな仕事からスタートした。間もなく研究所に、当時 最も冷房の効いたコンピュータルームに鎮座したメイ 急速に普及し始めたマイクロプロセッサを各種の産業 ンフレームコンピュータが吐 機械に適用する部門が新設されたため、自ら望んでそ き出したラインプリンタ用紙 の部門に異動した。捨てられなかったファイルには、 の束をパンチカードのハコの 1979年2月の日付で「アコースティックエミッション 上に乗せて帰ってくる、という モニタによる切削工具の異常検出」の研究報告書が現 牧歌的なスタイルであった。ロ れる。アコースティックエミッションとは材料破壊時 ボットメモの頃、1970年代後 に放出される超音波で、これを観測することで工具の 半までには各研究部門にミニ 摩耗や破壊を検出しようという試みである。信号処理 コンピュータが導入され、それ は全て高周波アナログ電子回路であるが、異常判定と ぞれの部門で運用管理ができ 出力制御にはIntelの8ビットマイクロプロセッサ るようになっていた。 i8080を使っている。私は機械系出身であるがこのこ  ということで、研究所で最初 ろは機械屋も電気屋もなく電子系、特にディジタル回 に試作したロボットコント 路系技術は避けて通れなかった。報告書はさすがに普 ローラのソフトウエアは、計算 通紙コピーに変わっている。ファイルのそのあたりか 機室にこもってミニコンで開 垂直多関節ロボット利用した省人化ライン ・ ロボットセルの設計開発 FA装置 ・自動検査機等の設計開発 株式会社テックメイクは、 垂直多関節ロボットを使用した省人化ライン ・FA装置 ・ ロボットセル ・自動検査機 ・自動搬送機等の開発 ・設計 ・製作を行います。 常に新たな技術を導入し、 お客様のコストパフォーマンスを追求していきます。 大手電気メーカー ・半導体メーカーから高い技術力と独自に培ったノウハウを 所在地:〒208-0034 東京都武蔵村山市残堀 1-95 T E L :042-560-4885 F A X :042-560-4886 評価され、FA装置全般の製作依頼をダイレクトに受けております。 U R L :http://www.tech-m.co.jp
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第1回 SIer川柳大賞 結果発表!!  JARSIA創刊号で皆さまにご案内いたしました「第1回SIer川柳大賞」ですが、非常に大きな反響があり、広報分科会一同驚いております。なんと︕︕応募総数1455句の 川柳作品が、事務局宛に届きました。ご応募くださいました皆さま、ありがとうございました。全員に賞を差し上げたいくらい感謝しております。  全ての応募作品は、SIer協会広報分科会の審査員による厳正なる審査の結果、入選作が決まりました。また、募集の際にご案内した表彰内容ですが、ご応募数が多かった こともあり、若干ですが特別賞を追加いたしました。入選作品をご覧ください。 【川柳大賞=FA・ロボットシステムインテグレータ協会会長賞 【佳作・・・賞金なし︓4作品】 ・・・賞金3万円︓1作品】  ★客先で こっそりググる 専門語 (知ったかぶりさん)  ★大掃除 妻SIer 夫ロボ (風信子さん) 評︓お題の季節が表現されていませんが、ビジネスマンあるあるとして、共感が得られ 選評︓年末の忙しい時期に、妻の指示で夫が窓を拭いたり、高いところの埃を払ったり、 るものですね。 日頃慣れない作業をしている様子が目に浮かびます。それはあたかも、妻が夫というロ  ★ロボットに そっと供えた 鏡餅 (澄海さん) ボットにプログラミングして思い通りに動かすシステムを作ったような印象ですが、 評︓ロボットへ、いつもお世話になっています。今年もよろしく。という気持ちが見え まさにシステムインテグレーションという仕事の本質を表現していると言えます。 るようでホッとします。 【審査員特別賞・・・賞金1万円︓1作品】  ★退職金 介護ロボットを 買う資金 (夢野すずさん)  ★手の動き 子にティーチング してカルタ (テクノボーさん) 評︓介護の世界にも進化したロボットが増えてきました。働き手が少なくなった世相 選評︓お正月、お父さんが小さなお子さんにカルタ取りの極意を教えているところで を反映していますね。 しょうか。ほのぼのとした懐かしいような風景ですが、実はお父さんがシステムイン  ★彼女から 届いたチョコが 着払い (管理食さん) テグレータだったようです。お子さんは上手く取れるようになることでしょう。 評︓チョコが届いて嬉しいけれど、ちょっとだけ苦い気持ちでしょうか。代引きではな くて良かったですね。 【優秀賞・・・賞金1万円︓4作品】  ★大掃除 猫の手よりも ロボの手を (スラ太郎さん) 総評︓1455句もの作品を見せていただき、どれもこれも楽しく、選出するのは大変で 選評︓こちらも年末の忙しい様子を切り取った句です。猫の手も借りたいほど多忙な した。時期的にクリスマスからバレンタインまでは行事も多く、題材にしやすかった 時、猫よりも役に立ちそうなお掃除ロボットが大活躍しそうですね。お掃除ロボが ことと思います。ロボットやシステムインテグレータと、題材を上手に絡めた作品が テーマの作品は多く見られ、今どきの風景といえそうですが、この作品では猫の手と 入選していますが、やはりFA・ロボットシステムインテグレータ協会なので、その点で 対比させてわかりやすくまとまりました。 は評価が高くなったのかもしれません。題材が偏り、同じような印象の作品も多く  ★ロボットが 正確無比の お餅つき (ばんちんさん) なってしまいがちですが、やはり個性的でも共感が得られる作品が選ばれました。 選評︓催事場のイベントなどでは、ロボットが黙々と餅をつき、それを観客に配るよう 次回も期待しています(。審査員) な場面を見かけることが増えました。人間がつくと力の差が出ることがありますが、 ロボットのお餅はいつも同じ品質でしょうか︖やや味気ない感じが句の字面に見え 【第2回 SIer川柳大賞】 作品大募集!! そうです。  ★工場じゃ 今頃ロボット 寝正月 (円盤さん) 今回も、皆さまの作品をお待ちしております。ふるってご応募ください。 選評︓ロボットは、文句を言わず黙々作業を続けています。それこそ、工場の製造ライ ●川柳テーマ ︓ ひなまつり・卒業・入学・新入社員・こどもの日 ンは24時間休むことなく稼動していることも多いですね。そんなロボットも年末年始        ・ゴールデンウィークなど、3月~5月の季節の行事 に工場がストップしたら、大きな躯体をゴロリとさせて寝正月を決め込んでるかもし ●募集受付期間 ︓ 2019年3月1日(金)~4月5日(金)17︓00まで れませんね。お疲れ様。 ●応 募 資 格 ︓ どなたでも︕(会員以外も可)  ★本命の チョコを見分ける ロボ欲しい (コタラフさん) ●応 募 点 数 ︓ ひとり3作品まで 選評︓この作者さんは、バレンタインデーにたくさんチョコをもらうのでしょうか。義 ●応 募 方 法 ︓ メールでご応募ください。 理チョコの中に本命チョコが混じっているかどうか、ロボットのAIで探し出してもら     応募先アドレス︓sier@jara.jp 件名に 「【SIer川柳大賞】応募」と記載 うことが出来たらいいですね。ロボットの力でも見つからなかったら残念だけれど・・・。     本文に ①応募作品 ②お名前 ③ペンネーム ④お勤め先   以上、入選作品でした。審査員の先生方がSIer協会員のため、ロボットに関する作品         ⑤ご連絡先メールアドレス をお書きください。 が多く選ばれています。その他のたくさんの応募作品の中には、惜しくも選に届かな ●表彰及び賞金︓☆川柳大賞・・・1点 賞金 3万円 ☆優秀賞・・・3点 賞金 各1万円 かったものの、キラリと光る作品がたくさんありましたので、佳作としていくつかご ●選考委員︓広報分科会 紹介いたします。残念ながら賞品はございません。 ●発表は「JARSIA」第3号誌上 編集後記  第2号では「2019新しい年によせて」と今年の展望を特 など、更なる「ロボットSIerの認知度向上・職業観の形  新年を迎え、会報誌「JARSIA」は第2号を発行するこ 集させていただきましたが、如何でしたでしょうか︖ 成」に努めてまいります。 とができました。  広報としては、今年も各地で開催される展示会への  最後に本会報誌作成にお力添えいただいた皆様に心  お蔭様で創刊第1号は6000部を発行しましたが、好 参加を計画しており、特に年末の「2019国際ロボット より感謝申し上げます。 評により3000部を増刷しました。 展」では新たに「ロボットSIerゾーン」を設けていただ  第3号もお楽しみに︕  第2号では更に1000部を増やした10000部を発行 くこととなり、経済界他各界からのロボットSIerへの ※本会報誌広告掲載については、事務局 高橋までお問 し、より多くの方に読んでいただけるように致しまし 注目と期待は益々高まっております。 い合わせください。 た。 また「、ロボットアイデアコンテスト」の全国大会構想 広報分科会主査「JARSIA」編集長 奥山剛旭 ~ロボットに命を吹き込むシステムインテグレーター企業~ ◆住所 ︓〒421-0301 静岡県榛原郡吉田町住吉1541番地 ◆電話番号 : 0548-32-1133 ◆FAX番号 : 0548-32-6735 ◆URL ︓https://www.y-mechax.com ※当社は、経済産業省認定の です。 ロボット導入をお考えのお客様はこちら RSC ロボティクス支援センター h�p://robot-sler.com FA・ロボットシステムインテグレータ協会 JARSIA 2018年11月発行(通巻1号) 発行:FA・ロボットシステムインテグレータ協会  〒105-0011 東京都港区芝公園3丁目5番8号機械振興会館307号室 〒105-0011 東京都港区芝公園3丁目5番8号機械振興会館307号室  TEL.03(3434)2919(代表)・03(3434)2948(直通) FAX.03(3578)1404 TEL.03(3434)2919(代表)・03(3434)2948(直通) FAX.03(3578)1404